遺産相続問題に強い弁護士の見つけ方と依頼するメリット


遺産相続問題で相続人同士でトラブルになってしまった場合、まったく話し合いがまとまらず、対応を弁護士に依頼しようと考えている方も多いと思います。
遺産相続の問題をスムーズに解決するためには、遺産相続問題の解決実績が豊富な弁護士に相談するなど、弁護士を選ぶ際に大切なポイントがいくつかあります。
この記事では、遺産相続を得意とする弁護士の探し方や弁護士に依頼するメリット、遺産相続を弁護士に依頼した場合にかかる弁護士費用について解説していきます。
遺産相続問題を得意とする弁護士の探し方
はじめて弁護士に依頼する場合、そもそもどうやって弁護士を探せば良いのかもわからないかと思います。
ここでは、遺産相続に強い弁護士を探す方法を5つご紹介します。
ポータルサイトで探す|相続問題に注力している弁護士が掲載
遺産相続問題に精通している弁護士を探す場合、まずは全国の弁護士が相談分野別にまとまっているポータルサイトを利用して検索してみることをおすすめします。
1つのサイトに弁護士がまとまっているポータルサイトであれば、それぞれの弁護士の特徴を比較することができるため、効率良く弁護士を探すことができます。
ポータルサイトの中でもとくにおすすめなのが、「<ベンナビ相続」です。
ベンナビ相続では、お住まいの地域や相談したい内容ごとに弁護士を検索できるだけでなく、【24時間対応】【初回相談無料】【電話・オンライン相談可能】【休日相談可能】など、相談する人のニーズに合わせておすすめの弁護士を検索することができます。
また、ベンナビ相続経由での相談実績も豊富なため、今まで弁護士に相談したことがない方でも、安心して自分に合った弁護士を探すことができます。
インターネット検索|すき間時間に手軽に探せる
「遺産相続弁護士」など、インターネットで法律事務所のホームページや口コミ、評判などを検索し、依頼する弁護士を決めることも可能です。
インターネットであれば、忙しい仕事や家事や育児の合間を縫って手軽に弁護士を検索することが可能です。
しかし、インターネットで無作為に検索すると、どうしても表示される検索結果が多すぎるため、自分で情報の取捨選択をしなければいけない手間が生じてしまします。
インターネットでの検索の表示結果は、遺産相続に強い弁護士順に並んでいるわけではないため、その中でどの弁護士に依頼すべきかを判断するとなると、それだけで相当な時間を無駄にしてしまうことにもなりかねません。
法テラスに問い合わせる|経済的に余裕がない場合
法テラスとは、全国に設置されている国が運営する法律の相談機関で、経済的に弁護士に依頼できない方であっても気兼ねなく弁護士に相談できるよう、「民事法律扶助制度」を利用した費用面のサポートや、無料法律相談や最適な相談窓口・相談機関の紹介、情報の提供などをおこなっています。
経済的に余裕がない方であっても相談できるのが、法テラスの一番の魅力ですが、法テラスで相談する弁護士は、自分で選ぶ事ができないことに注意が必要です。
遺産相続の問題をスムーズかつ円満に解決するためには、遺産相続に関する経験や実績が豊富な弁護士に依頼することが重要です。
法テラスで弁護士に依頼することを検討している場合には、一度相談に乗ってもらったうえで、その弁護士が遺産分割に力を入れている弁護士かどうかを調べてから依頼するようにすることをおすすめします。
法テラスの無料相談については<法テラスで無料相談できる内容はどこまで?利用するための条件や注意点も解説をご覧ください。
弁護士会に問い合わせる|合わない弁護士でも安心
弁護士を自分で探すのが難しい場合、各都道府県にある弁護士会から弁護士を紹介してもらうことも可能です。
弁護士会が紹介する弁護士であれば、信頼のおける弁護士であることは間違いありませんし、もしその弁護士が合わないと感じた場合には、その弁護士ではなく紹介先に連絡をすることで、他の弁護士を紹介してもらうことも可能です。
ただし、あくまでも弁護士会から弁護士を紹介してもらう立場になるため、依頼する弁護士をこちらから選ぶ事はできません。
そのため、紹介してもらった弁護士が、必ずしも遺産相続の解決実績が豊富な弁護士であるとはいえないことが、大きなデメリットであるといえるでしょう。
また、原則電話で紹介を受けることはできず、営業時間内に弁護士会や各地方自治体まで出向く必要があります。
仕事の関係上どうしても平日に出向くことが難しい場合には、弁護士会からの紹介制度を利用するのは難しい場合があります。
知人の紹介|確実に信頼できる弁護士に相談できる
遺産相続に関して弁護士に依頼したことのある友人や知人からの紹介であれば、確実に信頼できる弁護士に相談をすることができるでしょう。
その際、実際にどのように交渉をしてくれたのか、交渉結果はどうだったのか、弁護士費用はいくらかかったのかなど、より具体的なところまで聞いておくと、ご自身で依頼する際の参考になるでしょう。
ただし、もし紹介してくれた知人が、遺産相続に関して弁護士に依頼したわけではなく、離婚問題や労働問題など別件での依頼だった場合には、その弁護士が、遺産相続に精通している弁護士かどうかはわからない点に注意する必要があります。
たとえ、知人からの評価が高い弁護士であったとしても、遺産相続に関する専門的知識がない場合には、こちらが優位に立つような交渉をすることができない可能性があるため、依頼を決めてしまう前に、ホームページや口コミ、直接面談した際に遺産相続に関する実績について質問してみるなど、遺産相続の解決実績をチェックすることをおすすめします。
遺産相続問題を依頼する弁護士の選び方
遺産相続問題を弁護士に依頼する場合、どのような点に注意して弁護士を選ぶべきなのでしょうか。
ここでは、遺産相続問題に強い弁護士を選ぶ際のポイントを5つご紹介します。
遺産相続トラブルの解決実績が豊富かをチェック
遺産相続に強い弁護士を選ぶ際に最も重視すべきポイントは、遺産相続に関する解決実績が豊富で、高度で専門的な知識を有しているかどうかになります。
弁護士は法律のプロあり、どんな法律トラブルでも対応できるのかと思いがちですが、弁護士にはそれぞれ力を入れている分野があり、得意としている分野が異なります。
労働、離婚、遺産相続などの一般民事事件だけでなく、M&Aや企業法務、医療過誤、刑事事件など、法律に関するトラブルにはさまざまなものがあり、力を入れている分野のトラブルであれば、専門的知識や事件解決のノウハウを熟知しているため、スムーズに手続きを進めることが可能です。
その分野に精通しているかどうかは、ホームページや弁護士の経歴を確認するのが一番ですが、書籍や論文、講演会など、普段どんな活動をしているかも見てみると、より正確にその弁護士の専門分野がわかるかもしれません。
もしそこまで確認するのが大変であれば、全国の弁護士が掲載されているポータルサイトで「遺産相続に強い弁護士」で絞って検索することで、簡単に遺産相続の実績豊富な弁護士を探すことができるでしょう。
相性がよい弁護士を選ぶ
弁護士を探す上で、実績や経験と同じくらい重要だといえるのが、弁護士との相性の良さになります。
弁護士も人間なので、実際に相談してみたら「なんとなく合わないかも」と感じることもあるでしょう。
弁護士と依頼者は信頼関係で結ばれており、お互いコミュニケーションを取り合いながら、手続きを進めていくことになります。
そのため、ときにはあまり他人には話したくない情報も弁護士に話す必要があります。
相性が悪いと感じている弁護士に深い話をするのは気が引ける、と思ってしまうようでは、効果的な弁護活動をおこなうことは難しいですし、何より信頼関係を築くことができないでしょう。
事務的で進捗の連絡があまりない弁護士に対し、「その方がいちいち弁護士と連絡をとる必要がないため楽だ」と考える人も入れば、「どんな交渉をしているのか不安なので、逐一連絡が欲しい」と考えるのかは、人それぞれです。
弁護士の手続きの進め方でも、費用面でも、事務員の対応でもなんでも良いので、自分はこの弁護士に依頼したいと思える弁護士に依頼するようにしましょう。
なお、遺産相続の件で弁護士に依頼したとしても、交渉の手続き中に弁護士を変更することも可能です。
そのため、もし話を進めていく上でこの弁護士とは合わないかもと感じたら、あとあと後悔しないためにも、自分と相性の良い弁護士に依頼することを心がけてください。
弁護士費用は適正でわかりやすい料金体系か
弁護士費用は、各法律事務所が自由に設定することができます。
そのため、あらかじめ費用がどれくらいかかるのか確認しておかないと、すべての事件を終わったあとに、高額な弁護士費用を請求されてしまうことにもなりかねません。
弁護士に依頼する前に、どのタイミングでどれくらいの弁護士費用がかかるのか、納得できるまで確認し、費用の見積もりを提示してくれる弁護士を選ぶようにすると良いでしょう。
弁護士費用の相場を知るために、いくつかの法律事務所に弁護士費用の見積もりを作成してもらい、比較検討してみるのもおすすめです。
事務所に通いやすいかも重要
何かあった際にすぐに相談できるよう、自宅や職場から近い事務所を選ぶのもポイントです。
とくに、遺産相続の場合、相続する不動産の調査などで弁護士が現地に行ったり、遺産分割調停などで裁判所に出頭する可能性もあります。
もし、遠方の弁護士に依頼してしまうと、対応するまでに時間がかかってしまったり、弁護士の交通費が余計にかかってしまうでしょう。
何かあった時に、すぐに直接相談しに行くことができるという精神的安心も手に入れるためにも、なるべくアクセスが良い法律事務所に相談することをおすすめします。
無料相談を活用して複数比較するのもよい
自分と相性の良い弁護士を探すためには、無料相談でいろいろな弁護士に相談をしてみて、それぞれ比較してみる方法もおすすめです。
実績やアクセスなどは事前に調べることができますが、親身になって対応してくれる弁護士なのか、手続きはどのように進めていくのか、事務所の雰囲気は良さそうか、など直接聞いてみないとわからないことはたくさんあります。
どれくらい遺産相続に関して実績や経験があるのかも、直接質問して確認しておきたいところです。
複数の弁護士に相談してみることで、見解の違いや費用の違いなどを比較して検討することができます。
自分に合いそうな弁護士が複数いるのであれば、なるべく多くの弁護士に相談してみることをおすすめします。
遺産相続問題を弁護士に相談・依頼した場合の費用
弁護士費用は各事務所で自由に決めることができるため、決まった金額というのはありませんが、大体どれくらいの費用がかかるのか、気になる人も多いでしょう。
ここでは、弁護士費用の内訳と相場について解説していきます。
弁護士費用の内訳と相場 |
|
相談料 |
30分 5,500円〜 |
着手金 |
11万円〜33万円 |
報酬金 |
経済的利益の11%〜22% |
実費 |
総額1〜3万円程度 |
日当 |
1回の出張で 2万円〜5万円程度 |
※全て税込表記
相談料
相談料とは、一番最初に弁護士に相続するときにかかる費用のことです。
相談料は、30分5,500円(税込)で設定されていることが多いですが、初回相談料無料や同じ案件につき3回までなら無料としている事務所もあります。
相談料は相談が終わったタイミングで支払うことが多いですが、事前・事後の振込みに対応してくれる事務所もあります。
着手金
着手金とは、弁護士が事件の処理をおこなうために必要になる費用のことで、弁護士に依頼する場合、この着手金の支払いが完了すると、弁護士が対応してくれるようになります。
着手金の相場は11万円〜33万円前後ですが、ケースによっては着手金無料で完全成功報酬型としているところや、これ以上の着手金を設定している事務所もあるでしょう。
報酬金
報酬金とは、遺産相続の問題が無事に解決したときに支払う費用です。
報酬金は、実際に得られた金額(経済的利益)の11%〜22%程度が相場になりますが、事務所によっては、割合ではなく具体的な金額で報酬金を設定しているところもあります。
相手との交渉や裁判の結果、金銭がこちらに振り込まれる場合、そこから報酬金が引かれて残りの金額が依頼者に振り込まれることが多いため、別途報酬金を振り込む必要がないケースが多いでしょう。
実費・日当
実費とは、依頼者や裁判所への郵送にかかる郵便切手代や、遺産分割調停を申し立てるときに必要な収入印紙代などの費用です。
事件により金額はまちまちですが、1万円~3万円程度かかることが多いでしょう。
日当とは、弁護士が出張や裁判所に出頭したときに支払う費用になります。
そのため、遺産分割協議のみで、書面の郵送や電話のみで事件が解決した場合であれば、とくに日当はかからないことになります。
遺産相続問題を弁護士に依頼するメリット
遺産相続に関するトラブルを1人で対応するのではなく、弁護士に依頼するメリットはどこにあるのでしょうか。
ここでは大きな5つのメリットをご紹介します。
法律に基づき適切に解決してもらえる
遺産相続の解決実績が豊富な弁護士であれば、専門的な法律知識とトラブルを解決するためのノウハウを持っているため、相続人間で揉めてしまい話がまったく進まないような状況でも、円満にトラブルを解決に導くことができます。
また、遺産分割協議をおこなう場合、相続人や相続財産が全部でどれくらいあるのかを把握し、特別受益や寄与分などを踏まえて相続財産を分配することになりますが、個人では難しいこれらの計算も、弁護士であれば法律の規定を踏まえて適切に計算することができるため、公正な遺産分割を実現することができるでしょう。
遺産相続で損をせずにすむ
弁護士は依頼者の利益が最大になるように弁護活動をおこなってくれます。一般人では難しい法的な根拠に基づいた主張をすることで、こちらが優位な立場に立つような交渉をしてくれます。
もちろん、交渉のプロである弁護士であれば、他の相続人に言いくるめられてしまうこともないため、安心して交渉を任せることができるでしょう。
遺産分割トラブルにおいては、法律や利用できる制度を知らないことで、交渉で損をしてしまうことも考えられます。
遺産分割で損をしたくないのであれば、弁護士に対応を依頼することをおすすめします。
手間のかかる手続きを任せられる
遺産相続に関する手続きは複雑で時間のかかるものが多いため、平日は仕事に家事、育児で忙しい方にとって、各種手続きの対応が難しいことも多いでしょう。
遺産分割協議などで必要な書面を役所に取りに行く時間もなければ、相続人同士で話し合う時間を設定することすら難しいケースが多いでしょう。
各種申請書類には期限が設けられていて、書類に不備があると受け付けてもらえないばかりか、場合によっては公的機関から調査が入るケースもあり、その場合、さらに時間も労力もかかるでしょう。
弁護士に依頼すれば、これらの手間のかかる手続きをすべて任せることができます。
わずらわしい手続きはすべて弁護士が対応してくれるため、精神的な負担も軽減されるでしょう。
ほかの相続人と直接かかわらなくて済む
兄弟間で仲が悪く、顔を見るだけでも精神的な負担になってしまうこともあるでしょう。
弁護士に依頼すれば、相手との交渉をすべて弁護士に任せることができます。
つまり、揉めているほかの相続人と直接関わる必要がなくなり、精神的な負担を大きく減らすことができるでしょう。
裁判所での手続きに移行しても安心
遺産分割協議で話がまとまらない場合には、遺産分調停や裁判などの手続きに進むことになります。
遺産分割に強い弁護士であれば、そのまま裁判所の対応までおこなってくれます。
遺産分割の協議と異なり、裁判所を通した手続きとなると、必要書類も複雑になり、法的根拠に基づいた高度な主張が要求されます。
弁護士であれば、調停や裁判の手続きに慣れているだけでなく、高度な専門的な法律知識を駆使した主張をおこなうことで、調停や裁判を有利に進められる可能性が高いでしょう。
遺産分割における弁護士への相談は<遺産分割について弁護士に無料相談する方法|弁護士に依頼するメリットも解説をご覧ください。
まとめ|遺産相続問題は解決実績豊富な弁護士に相談!
遺産分割のトラブルにはさまざまなものがあり、たとえ生前は仲がよかったとしても、遺産相続をどうするのか考える段階になってはじめて、争いがはじまるケースもあるでしょう。
遺言書があったとしても相続トラブルに発展してしまうケースもあるため、当事者同士の話し合いではまったく先に進まないケースもあるでしょう。
もし、遺産相続問題を円満に解決し、自分に優位な条件で交渉をまとめたいのであれば、遺産相続問題の解決実績が豊富な弁護士に依頼することをおすすめします。
話がある程度煮詰まった段階で弁護士が入っても何もできない可能性があるため、なるべく早い段階から弁護士に相談してみましょう。
また弁護士へ相談する場合は<相続を弁護士に無料電話相談する方法|弁護士の選び方や費用の相場も解説をご覧ください。