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退職引き止めはパワハラになる?引き止めの違法性や退職するための対処法を解説

弁護士監修記事
労働問題
2023年06月28日
2024年11月20日
退職引き止めはパワハラになる?引き止めの違法性や退職するための対処法を解説
この記事を監修した弁護士
(アシロ 社内弁護士)
この記事は、株式会社アシロの『ベンナビ編集部』が執筆、社内弁護士が監修しました。

退職の意志を上司や会社に伝えると、場合によっては引き止め交渉にあうことがあります。

業務や引き継ぎを目的とした軽微な交渉であることがほとんどですが、なかには事実上退職できないように無理難題を押し付けられてしまうことも。

本記事では、退職時の引き止め交渉がパワハラに当てはまるどうかや、その違法性について解説します。

また、引き止め交渉をうまく避け、退職をおこなうための対処法についても解説しているので、強い引き止め交渉を受けているという場合は参考にしてください。

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退職引き止めはパワハラ?違法性を解説

労働者が退職を申し出た際に、会社が無理やり引き止めたり、強引な交渉をおこなうことがあります。

労働者は法的に会社を辞める権利を持っているため、無理な退職引き止めは違法行為にあたる場合があります。

しかし、就業規則で退職申入れ時期等にあたり一定の制約がある場合は、その限りで就業規則に従う必要があることもあります。

以下では、退職引き止めの違法性について解説します。

会社が違法に引き止めた場合でもただちにパワハラに該当するわけではありませんが、引き止め行為の態様によっては、パワハラに該当する場合もあるでしょう。

退職時の引き止めのよくあるケースを解説

退職する時に受けやすい引き止めは、以下のようなものがあります。

引き継ぎをおこなえるまで退職できない場合

よく見られるケースのひとつとして、引き継ぎが完了するまで会社が退職を認めず、退職日を延期するというものがあります。

お世話になった会社へのマナーとして引き継ぎはおこなうべきですが、必ずしも引き継ぎを完璧にやりきったり、後任が一人前になるまで勤務を続けたりという対応は不要です。

マニュアルを書面に残すなど、別の方法を提案してみるのもよいでしょう。

会社が引き継ぎのためと称して、到底遂行できない量や内容の業務を指示した場合などは、そのような業務指示がパワハラ行為に該当する可能性もありますので、従う必要はありません。

退職日までに遂行可能な業務内容や業務量としてもらうように申入れましょう。

給与が支払われない場合

退職するなら、給与を支払わないというケースもあります。

会社(使用者)は、労働の対価として、労働者に全額賃金を支払わなければなりません(労働基準法第24条第1項)。

賃金を支払わないという対応は違法な行為であり、支払わなかった未払いの給与は請求することができます。

懲戒処分や損害賠償をおこなうと言われた場合

会社が退職を阻止するために、労働者に対して懲戒処分や損害賠償を行うと脅迫するケースがあります。

このような対応をされた場合でも、労働者は従う必要はありません。

恣意的な懲戒処分は認められておりませんし、万が一従業員の退職に起因して会社が何らかの損害を被ったとしても、原則として会社から従業員に対する損害賠償請求は認められておりませんので、この旨を言われても、そのまま退職して構いません。

仮に上司から「会社を辞めるなら、損害賠償として●●円請求してやる」等と強い口調で怒鳴られたような場合には、当該発言がなされた状況によっては、パワハラに該当する可能性もあります。

退職金が支払われない場合

労働者が退職金を受け取る権利があるにも関わらず、会社が支払いを拒否するケースも考えられます。

退職金は会社ごとに定められていることが多く、退職金に関する規程があり、当該規程上、労働者が退職金を受領できる対象者である場合には、退職金を支払うことは会社の義務になります。

もし、支払われなかった場合は、「退職金の支給はなし」と記載された書面や証拠などを確保して、退職金を請求しましょう。

パワハラ・引き止めを受けた際の対処法

パワハラや引き止め交渉に直面した場合、労働者は以下の対処法を検討することが重要です。

絶対に退職する意思は変えない

まず、重要なことは、パワハラや引き止めにあっても退職の意思を変えないことです。

一度不当な圧力に屈してしまうと、その後会社に在籍を続けても不当な扱いを受ける可能性があります。

退職を決断した理由や意思を固く持ち、一貫した対応をとりましょう。

違法性を指摘し、法に則って対処する

パワハラや引き止め交渉にあったら、違法性を明確に指摘し、法的な措置を講じることが必要です。

労働基準法やその他法律に則って対処しましょう。

弁護士や退職代行に相談する

法に則って対処する場合、法の専門家である弁護士に相談することもひとつの方法です。

法律の知識や今までの知見から、ベストな対応策を検討してくれます。

また、次の職場が決まっており、すぐにでも退職したい場合は、退職代行を利用するのもありでしょう。

面倒な交渉や手続きを無視して退職できます。

まとめ|パワハラに近い引き止めは弁護士に相談

パワハラや引き止めは違法な行為であり、労働者の権利を侵害するものです。

労働者が適切な対応を取るためには、法律の知識を求められるため、専門家である弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士は労働問題に精通しており、解決に向けたアドバイスや法的な支援を提供してくれます。

自身の権利を守るために、弁護士の力を借りることを検討しましょう。

また労働局への相談はパワハラは労働局に相談できる?労働局の活用方法やその他の解決方法も紹介をご覧ください。

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編集部
本記事はベンナビを運営する株式会社アシロが企画・編集をおこないました。
  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
  • ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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