離婚したくない!無料の相談先一覧や回避する方法とNGな行動を紹介
突然、パートナーから「離婚したい」と切り出されたら、 とてもつらい気持ちになりますよね。
中には「離婚の理由を聞いても、納得できない」という方も多いでしょう。
そもそも、結婚という契約を結んだ以上、一方的な破棄は不可能なので、あなたの「離婚したくない」という考えは誰かに責められることではありません。
ただ、離婚を切り出されてしまったら、これからのことを考え、話し合う必要があります。
この記事では、離婚したくない方が今すぐ相談できる相談先や、離婚回避のためにすべき行動などをケース別にご紹介します。
離婚を切り出されたら最初にすべき5つのこと
パートナーから離婚を切り出されると、動揺し、パニックになる方も多いでしょう。
しかし、そのときの対応によっては離婚を阻止できる可能性もあります。
ここでは、離婚したくない方が離婚を切り出されたときに取るべき行動を5つ紹介します。
1.離婚届不受理申出を提出して離婚を阻止する
離婚届不受理申出とは、離婚届を勝手に提出されて離婚が成立するのを阻止するための届出です。
例えば、離婚協議の途中で書いた離婚届を勝手に提出され、離婚成立してしまうというケースを避けることができます。
もし離婚を切り出されてもすぐに応じず、相手が離婚届を提出する前に、離婚届不受理申出を提出しましょう。
これで、納得のいかない離婚をひとまず回避することができます。
2.冷静になり理由を聞く
相手が自分を責め立ててくるような態度を取っていると、つい腹が立って感情的になってしまいがちです。
お互いが冷静な状態でなければ望まぬ離婚となってしまう可能性もあります。
まずは冷静になって相手が離婚したい理由を聞きましょう。
3.相手が話し合える状態か確認する
パートナーが離婚を切り出す際、怒りや悲しみで冷静な対応ができない可能性があります。
相手が話し合える状態か確認し、無理そうな場合は話し合いのタイミングをあらためて調整したいと伝えるとよいでしょう。
4.謝罪して改善策を提案する
離婚したい原因を聞いて、万が一自分に非がある場合は、すぐに謝罪することが大切です。
そして、今後の改善策も併せて提案しましょう。
悪い部分を改善して、今後の夫婦関係がうまくいくように心がけていると伝えることがポイントです。
しかし、必要以上に自分が不利な改善策ばかりを提案すると、自分にとって今後の夫婦生活が苦しいものになってしまいます。
離婚を避けるための提案ではなく、これからの夫婦生活を踏まえて謝罪・代替案の提案をしましょう。
5.相手の不倫が原因の場合、その場では応じない
パートナーが不倫をしている場合、とにかくすぐに離婚してほしいといわれるかもしれません。
しかし、不倫の証拠が揃っていないうちに相手を責めても、反論されてしまいます。
パートナーの不倫を認識していても、決してその場で応じず、後日あらためて話し合うようにしましょう。
不貞行為の証拠を押さえ、冷静になったうえで、自分が有利な立場で余裕を持った状態で話し合うとよいでしょう。
これだけは知っておきたい!離婚の基礎知識
「ついに離婚されてしまうかも…」と、今まさに不安を感じているのではないでしょうか?
しかし、離婚届を勝手に提出されない限りは、パートナーの一存で離婚が成立してしまうことはありませんので、ご安心ください。
離婚に必ず応じる必要はない
パートナーから離婚を切り出されても、あなたが離婚したくないのであれば応じる必要はありません。
話し合いで同意し、離婚届を提出する協議離婚が一般的な離婚の方法ですが、まとまらなければ離婚調停、離婚訴訟となり、さらに複雑になります。
まずは冷静に自分の気持ちを確認し、どこに不安を感じているのかを明確にしたうえで対策を講じましょう。
法的に離婚が認められる法定離婚事由とは
法定離婚事由とは、民法第770条にて定められた、裁判で認められる次のような離婚原因のことです。
【裁判上の離婚事由(法定離婚事由)】
- 配偶者に不貞行為があったとき
- 配偶者による悪意遺棄があったとき
- 配偶者の生死が3年以上不明なとき
- 配偶者が強度の精神病で、回復の見込みがないとき
- そのほか、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
不貞行為があった
不貞行為とは、パートナー以外の異性と性的関係を持つ行為のことです。
肉体関係がない場合は不貞行為にはならず、原則として有責配偶者にもなりません。
悪意の遺棄があった
悪意の遺棄とは、正当な理由なく次のような夫婦の義務を履行しない行為のことです。
- 介護をしなければならないパートナーを故意に捨てる
- 生活費を払わない
- まったく子供の面倒をみない
配偶者が3年以上生死不明である
行方不明者届受理証明書や、親族や勤務先からの陳述書などがあり、消息不明の状態が3年以上続く場合には請求が認められる可能性があります。
たとえば、故意に行方をくらましていたパートナーが突然帰ってきて離婚を求めたような場合には、有責配偶者に当たるかもしれません。
回復の見込みがない強度の精神病にかかっている
配偶者が重度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合には、離婚を求めることができます。
しかし、離婚後に配偶者の生活が困らないように配慮を尽くす必要があるため、離婚が認められるハードルは高いです。
精神病を患っているパートナーとの離婚については、【体験談付】うつ病の配偶者と離婚する条件と流れ|自分がうつ病の場合は?をご覧ください。
婚姻関係の継続が難しい事由がある
そのほか、以下のような婚姻関係の継続が難しい重大な事由を故意に作り出した場合には、有責配偶者となります。
- DV(暴力、モラハラ)
- 犯罪による服役、薬物依存
- 異常な性的嗜好
- 金銭問題 など
ただし、実際に離婚請求を認めるかどうかは、上記の事例だけではなく、夫婦関係がすでに破綻しているかなどを総合的に判断して決定されます。
離婚したくない人が今すぐ無料相談できる相談先3選
離婚したくない方におすすめの無料相談先を3つ紹介します。
離婚しないだけでなく、その後の夫婦関係を良好にしたい場合にも活用できるので、ぜひ活用してください。
1. 夫婦の関係改善ならカウンセラー|無料〜1時間1万円
カウンセラーには精神疾患の改善を目的とする以外にも、人間関係の修復を目的とするケースもあります。
特に夫婦カウンセラーや離婚カウンセラーは、離婚に悩む方々の相談を専門としているため、有効なアドバイスをもらえるでしょう。
カウンセラーへの相談は1時間10,000円が相場ですが、なかには無料のカウンセリングルームもあります。
離婚カウンセラーは目先の夫婦問題の解決だけでなく、自分の問題がある言動も教えてくれるので、今後も夫婦関係を良好に継続させたい場合にもおすすめです。
2. 不倫が原因なら探偵への相談もOK|無料相談可能
不倫の証拠を掴んで相手と別れさせたい場合や、相手から不当に離婚を切り出されるのを防ぎたい場合は、探偵への相談がおすすめです。
不倫調査を扱っている探偵に依頼すれば、不倫の証拠を集めて、不倫相手と引き離す際に有利になります。
探偵の料金は事務所や依頼内容によってバラバラですが、10万円から100万円が相場です。
相談のみ無料の事務所もあるので、パートナーの不倫でお悩みの方は、ぜひ相談を検討してください。
別れさせ屋の利用はNG!
たとえパートナーと不倫相手を別れさせて、自分との婚姻関係を継続させたいと思っても、別れさせ屋の利用はおすすめしません。
別れさせ屋は合法的な業者ではないため、手段や料金などでトラブルに発展するリスクが高いです。
さらに、仮に不倫相手との別れに成功したとしても、パートナーに別れさせ屋の利用が知られる可能性もあります。
別れさせ屋の利用によって、パートナーが自分に対して不信感を抱き、結果として夫婦仲が悪くなるというリスクもあります。
3. 離婚問題の解決が得意な弁護士に相談|無料~30分5,000円
離婚問題が法的な問題に発展しそうな場合、弁護士への依頼がおすすめです。
たとえば、不倫したパートナーからの離婚を阻止したい・万が一離婚となった場合の財産分与や、親権について知りたい場合などは、弁護士への相談が有効でしょう。
弁護士への相談は1時間あたり5,000円から10,000円が相場ですが、一定時間内の相談であれば無料の事務所もあります。
弁護士への相談は高額になる傾向があるため、無料相談時間内で有益な情報を得るためにも、事前に聴きたいことはまとめておきましょう。
離婚を回避するためにとってはいけないNG行動5つ
いきなりパートナーから離婚したいといわれると、目先の離婚を回避することに必死になってしまうこともあるかもしれません。
望まぬ結果を招かないように、次の5つの行動は避けましょう。
1.一人で抱え込んでしまう
パートナーから離婚を切り出されてしまうと、ほかの誰かに相談しづらいと感じるかもしれません。
しかし、自分一人で抱え込んでいても、よい案は出てこないでしょう。
誰にも相談せず抱え込むことは、大きなストレスとなります。
精神的に追いつめられる前に、友人や無料相談先などに話すことがおすすめです。
ただし、自分の両親や義両親への相談は、家族を巻き込んだ問題へと発展するリスクもあるため、慎重に検討しましょう。
2.感情的になってしまう
相手の態度や言葉によっては、自分も感情的になってしまうケースもあります。
しかし、感情的になるのは自分が不利になったり、ベストな結果にならなかったりするためおすすめしません。
たとえば、自分は離婚したくないにもかかわらず、つい相手の言葉に対してすぐに「離婚に応じる」といってしまうリスクもあります。
ほかにも、自分の口調や態度が乱暴になると、DVやモラハラと主張されて、離婚の一因になるかもしれません。
今後の対策のためにも、離婚話にはあくまでも冷静に対応しましょう。
3.別居してしまう
自分や相手の頭を冷やしたいと家を出るのは、後々自分が不利な立場になるためおすすめしません。
別居は夫婦関係が破綻している要因とみなされ、裁判で離婚が認められやすくなります。
特に別居期間が長くなるほど夫婦仲が悪いとみなされる傾向があるうえに、夫婦の気持ちも余計に冷めてしまうでしょう。
どうしても別居が必要という場合でも、別居期間を決めてあくまでも一時的な別居だと第三者目線でもわかるようにしてください。
4.周囲を味方につけようとする
離婚の話に悩む方は、一人で抱え込むより友人へ相談したほうがいい場合もあります。
ただし、あくまでも周囲を味方につけようとせず、中立的な立場で相談することが大切です。
周囲を味方にしようと友人へ相談すれば、友人は相手と別れたほうがよいと判断し、離婚を進めてくるかもしれません。
また、法的な知識がない方がアドバイスをくれるので、自分が望む結果とは異なる状況にもなる可能性もあります。
5.離婚調停を欠席する
離婚調停を欠席すると、当事者不在として不成立で終了します。
離婚調停を欠席し続けていると離婚せずに済み、メリットがあるというわけではなく、不当な理由での欠席を続けていると過料の制裁が科されるリスクもあります。
また、金銭的なデメリットだけでなく裁判官や調停委員の心証が悪くなり、相手が有利になるリスクも認識しましょう。
【ケース別】離婚を回避する方法7つ
ここではケース別の離婚を避ける方法について7つ紹介します。
1.けんかになり離婚にまで話が発展した
些細なけんかのつもりが、いつの間にか感情が高ぶって離婚の話まで発展することは珍しくありません。
つい離婚を切り出されてしまった場合、いったんその場を離れて冷静になりましょう。
冷静になってから、お互い本当に離婚を望んでいるかどうか確認し、離婚したい場合はその原因についても話し合うことが大切です。
また、今後のけんかを避けるためにも、相手が怒るポイントを認識しましょう。
普段からけんかへ発展しないように、良好な関係を心がけることも夫婦関係を継続させる有効な方法です。
2.相手が不倫をしていた
不倫をしている立場は有責配偶者と呼ばれ、不倫の証拠があれば自分が同意しない限り、有責配偶者からの離婚は認められません。
パートナーが不倫相手と一緒になりたいという理由で離婚を切り出したとき、それを阻止できるよう不倫の証拠を集めておくことが重要です。
不貞行為の証拠としてスマートフォンのやり取りなどが挙げられますが、勝手にスマートフォンをチェックしたという点は、夫婦仲の悪化にも繋がりかねません。
トラブルなく不貞の証拠を集めるには弁護士への相談がおすすめです。
3.家を勝手に出て行かれた
相手が一方的に離婚話を切り出し、そのまま家を出て行ってしまった場合でも連絡が取れる状態にしておきましょう。
音信不通のまま相手と話し合う機会がなくなると、お互いの感情が冷めて、離婚に至る可能性も高まります。
相手が冷静になるのを待ちつつ、心配なので連絡してほしい旨を伝えましょう。
ただし、相手が弁護士に相談して計画的な別居を実行している可能性もあるので、自分も弁護士に相談することがおすすめです。
4.家を追い出された
家から追い出された場合、まずは自分が安全に過ごせる場所を確保しましょう。
そして、相手と連絡し話し合う機会を提案してください。
また、子どもがいる場合は、自分が子どもも一緒に家を出るようにしましょう。
離婚に発展した場合、自分が別居しているうちに相手が子どもと過ごしていると、親権を取られるリスクも高まります。
5.家庭内別居の状態である
家庭内別居の状態で、当事者同士が話し合いで夫婦仲を改善することは簡単ではありません。
いきなり仲良くなることは難しいですが、徐々にコミュニケーションを図り、夫婦仲の改善を心がけましょう。
夫婦だけで改善が難しい場合は、夫婦カウンセラーへの相談がおすすめです。
カウンセラーのアドバイスを取り入れて夫婦仲を改善することで、離婚の可能性を下げられるでしょう。
6.生活費が渡されず困窮した
相手が生活費を渡さず、困窮を理由に離婚をそそのかした場合、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てましょう。
たとえ家を追い出されても、離婚をしない限りは夫婦という関係性は続き、収入が多いほうが少ないほうを扶養する義務があります。
婚姻費用の負担を避けるために、相手が別居を解消し、夫婦関係を続けようと考え直す可能性もあります。
7.すでに別居している
すでに別居している場合、期間が長くならないように定期的に相手への連絡を取りましょう。
相手が連絡に応じない場合は、夫婦関係調整調停などの力を借りて、話し合いの場を設けてください。
調停や裁判になった場合に離婚を回避するコツ2つ
調停や裁判になった場合、相手は本気で離婚するために動いているということです。
調停や裁判で離婚を回避するコツは、次の2つです。
1.離婚調停になった場合
離婚調停とは、調停委員の仲介で当事者同士の争いを合意で解決しようとする方法です。
離婚したいと主張する相手に対し、しっかりと自身は離婚したくないという理由や経緯、気持ちなどを伝えることがポイントです。
離婚調停はあくまでも話し合いの場なので、相手だけでなく調停委員の心証もよくすることが大切です。
2.離婚裁判になった場合
離婚調停でお互いが納得しなければ不成立となり、離婚裁判へと発展します。
家庭裁判所に離婚訴訟を起こし、判決によって離婚が決まります。
相手も離婚するための証拠を揃えて挑むと考えられるため、自分も離婚を成立させないための証拠を揃えたうえで、しっかり出席するようにしましょう。
裁判は自力での対応は難しいので、弁護士の力を借りることがおすすめです。
どうしても離婚したくない場合の対処方法3つ
最後に、どうしても離婚したくない場合の対処法について3つ紹介します。
1.弁護士に相談する
離婚はデリケートな問題であるうえに、拒否するためには法的な知識が必要なケースもあります。
弁護士へ依頼すれば、法的な知識や経験をもって離婚を取り下げられる方法を提案してくれるでしょう。
仮に離婚裁判となっても、自分の代わりに出廷してくれるなどのメリットもあります。
2.離婚のタイミングを決めさせてもらう
相手の離婚の意志が固い場合、いったん離婚のタイミングを決めたいと提案しましょう。
仮に離婚となった場合でも、仕事が見つかってから・子どもの預け先が決まってからなど、離婚後に生活しやすい状況を整えられます。
また、離婚のタイミングまでに相手の気持ちが落ち着き、離婚を取り消す可能性もあります。
3.相手が離婚を引き下げたくなる条件を提示する
相手の離婚の意志が固くても、次のような条件を提示することで取り下げる可能性もあります。
- 慰謝料・養育費が高額になる場合
- 財産分与の割合が多い場合
離婚を踏みとどまらせるような離婚条件を提案する場合は、弁護士へ相談することがおすすめです。
まとめ
離婚したくない方におすすめの無料相談先や対処法などについて解説しました。
離婚したくないと考えている場合、まずはカウンセラーや弁護士など、無料で相談できる機関を活用しましょう。
また、相手の離婚したい気持ちを抑えるために冷静に話し合うことも大切です。
感情的になって一時的に判断すると、自分の意志に反して離婚に至ることもあります。
相手が法的手段で離婚を示す可能性もあるので、自分も弁護士へ相談し、離婚を回避できるベストな方法を提案してもらうようにしましょう。