自転車事故で弁護士費用特約を利用!弁護士を使うメリットと探し方
交通事故に関する任意保険のなかには「弁護士費用特約」があり、加入している場合は事故内容に応じて補償を受けられます。
しかし、弁護士費用特約とは何か知らない方にとっては疑問が多いですよね。
また、仮に自転車事故に遭ってしまったときの補償内容についても気になるところでしょう。
本記事では、自転車事故における弁護士費用特約について解説します。
また、弁護士費用特約を使うメリットや弁護士の探し方・選び方についても触れるため、ぜひ参考にしてください。
自転車事故で弁護士費用特約が利用できるケース2つ
自転車で交通事故に遭ったとき、加入している保険に弁護士費用特約があれば利用できる可能性があります。
ここからは、弁護士費用特約が利用できるおもなケースを2つ紹介します。
1.日常事故弁護士費用特約に加入している場合
まずは、日常事故弁護士費用特約に加入している必要があります。
日常事故弁護士特約とは自動車事故以外の日常事故に遭ったとき、弁護士費用を負担してもらえる特約です。
加入していると自転車事故だけでなく、駐車場に停めている車がいたずらで傷つけられたり、歩行中にスケートボードと接触してけがをしたりしたときにも補償を受けられます。
このように、日常事故を対象にしていることから、補償を受けられる幅が広いため安心です。
加入している場合は自転車事故に限らず、小さな事故に遭ったときでもすぐに保険会社へ連絡しましょう。
また、弁護士費用だけでなく自分が加害者になったときの損害賠償について、最大で5,000万円ほどの補償があります。
2. 相手が自動車やバイクだった場合
弁護士費用特約がある任意保険に加入している場合、自転車事故で特約を利用するためには自分が自転車で相手が自動車・バイクという必要があります。
この場合、自分が自転車に乗っていない状態でも相手が自動車であれば問題ありません。
ただし、自分も相手も自転車の場合は自動車が関与していないため対象外になる可能性があります。
たとえば、「自転車に乗っているときに後ろからバイクで追突された」という場合は利用可能ですが、「歩いているときに後ろから自転車で追突された」というケースは使えないことがあるでしょう。
しかし、保障内容や対象は各保険によって異なるため、加入している保険会社へ確認してください。
家族の弁護士費用特約が適用されるケースもある
任意保険にはさまざまな種類があるため、場合によっては自分が弁護士費用特約に加入していなくても家族の分を利用できる可能性があります。
そのため、もし自転車事故に遭ってしまった場合は一度家族が加入している保険の特約を確認してみましょう。
ただし、保険会社や特約によって対象者の設定は異なりますが、次の条件に該当する場合は弁護士費用特約の利用が可能です。
- ●記名被保険者
- ●記名被保険者の配偶者
- ●配偶者の別居の未婚の子
- ●配偶者の同居の親族(同居の子含む) など
場合によっては同居していても、条件を満たさないと判断される可能性があるため注意しましょう。
自転車事故で弁護士費用特約が利用できないケース
自転車事故に遭ったときでも、場合によっては特約を利用できないことがあります。自転車事故で弁護士費用特約が利用できないおもな2つのケースを解説します。
1.自分が加害者の場合
弁護士費用特約は被害者に適用されるものが多く、自分に過失があり加害者となるときは適用されません。
基本的に、自転車事故の場合でも過失割合が加害者・被害者でわかれます。ただし、次のような場合は過失の割合が10対0になることがあり、弁護士費用特約の対象外になります。
- ●酒酔い運転
- ●居眠り運転
- ●著しいスピード違反
- ●盗難車による運転 など
また、一般的に交通事故ではけがをした側が被害者になりますが、けがをした側の過失割合が10割となるケースも弁護士費用特約の保障対象外です。
2.事故の原因が自然災害の場合
事故の原因が次のような自然災害の場合も、弁護士費用特約の対象外となります。
- ●台風
- ●洪水
- ●地震
- ●津波
- ●高潮
- ●噴火
このような場合の事故は被害者・加害者にわけることが難しく、日常生活における被害の対象からは外れます。
自転車事故で弁護士費用特約を使うのメリット2つ
ここからは、自転車事故で弁護士費用特約を使うおもなメリットを2つ紹介します。
1.弁護士費用を負担する必要がない
自転車事故で弁護士費用特約を利用する最大のメリットは、弁護士費用の負担が減ることです。
交通事故に遭ったときに弁護士へ依頼すると、着手金・報酬金・実費などの弁護士費用が発生しますが、これらの費用を気にして泣き寝入りすることはなくなるでしょう。
自分で加害者側と交渉することも可能ですが、弁護士に相談・依頼をしたほうが解決までの時間を短縮できます。
2. 訴訟にかかる経費も負担する必要がない
弁護士費用特約は弁護士費用だけでなく、訴訟に発展した際の経費も補償に含まれていることが多いです。
弁護士費用と同様に金銭的な負担を軽減できるため、法的な手続きなど取れる手段の幅が広がります。
自転車事故を弁護士に依頼するメリット6つ
自転車事故に遭ってしまったとき、スムーズな解決を希望する際は弁護士への依頼がおすすめです。
特に、弁護士費用特約があれば金銭的な負担を軽減できるため依頼しやすいでしょう。
ここからは、自転車事故を弁護士に依頼するおもなメリットを6つ紹介します。
1.慰謝料を弁護士基準で請求できる
自転車事故を弁護士に依頼する場合、慰謝料などの賠償金を弁護士基準で請求できます。
一般的に、交通事故における慰謝料の計算方法は自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つで、このなかでも弁護士基準で計算した金額が最も高額になります。
被害者自身が交渉した場合は加入している保険会社の基準で慰謝料を提示されますが、その際に弁護士が介入すると増額交渉をおこなえるでしょう。
このように、弁護士に依頼することで慰謝料の金額が大きくなり、交通事故による被害を補償しやすくなります。
2.過失割合を自分に有利な形で交渉してもらえる
交通事故は被害者の過失割合によって示談金や慰謝料などの金額が変わり、個人で過失割合を主張するよりも弁護士に依頼したほうが有利な形になるよう交渉してもらえます。
実際に、事故の被害者に過失があると判断された場合は示談金額などが減額されてしまいます。また、加害者側が提示する過失割合は被害者にとって不利になるケースが少なくありません。
なお、弁護士は道路状況や被害の規模などの証拠から正しい事故状況を検討し判断します。
交通事故に強みがある弁護士に過失割合の交渉を依頼することで、妥当な内容で示談できる可能性が高まります。
3.休業補償などの請求漏れを防ぐことができる
自転車事故に遭ったことによりけがで仕事を休んだ場合は、休業損害・休業補償を請求できる可能性があります。
ただし、加害者側からの提示のなかにはこれらの補償が含まれず、本来請求できる金額よりも安くなる可能性はゼロではありません。
このときに弁護士へ相談することで、加害者側からの提示額に妥当性があるかを適切に判断してもらえるため、休業補償などの請求漏れを防ぎやすくなるでしょう。
4.突然の治療費打ち切りなどにも対応してもらえる
弁護士に依頼することで、けがの治療に関する通院の頻度や後遺症が残った場合の対処などのアドバイスを受けられます。
特に、突然の治療費打ち切りなどの通告を加害者側の保険会社から受けた場合も、弁護士に相談することで適切に対応できます。
場合によっては治療費の打ち切りが妥当と判断して通院をやめたり、打ち切りが不当であると主張できたりもするでしょう。
自分だけでは適切に判断できず泣き寝入りしてしまう状況でも、弁護士に任せることで適切な補償を受けやすくなるのです。
5.ストレスがかかる示談交渉を任せることができる
交通事故に遭ったとき示談になれば自分で交渉しなければならないため、けがをして肉体的に大きなダメージを負っているときに加害者側と交渉することは多大なストレスになりかねません。
また、けがのショックから適切に判断できず、加害者の主張を受け入れてしまうこともあるでしょう。
このようなときにも、弁護士に依頼することで示談交渉を任せられ精神的な負担を軽減しやすいです。さらに、自分の希望を実現する形で示談が決着する可能性も高まります。
6.後遺障害等級認定手続などの複雑な手続きも任せられる
自転車事故により後遺症が残るようなケースでは、「後遺障害等級認定手続」などの複雑な手続きをおこなわなければなりません。
けがを負って辛いなかでの複雑な手続きへの対応は難しくなると想定されますが、このような場合でも弁護士に依頼することで複雑な後遺障害等級認定の手続きを代行してもらえます。
たとえば、認定に必要な資料の内容をチェックしてもらえたり、手続きを任せられたりなど総合的なサポートを受けられます。
弁護士費用特約を利用する場合の弁護士の探し方3つ
ここからは、弁護士費用特約を利用する場合の弁護士のおもな探し方を3つ紹介します。
1.友人・知人から紹介してもらう
信頼できる友人・知人がいる場合は、その方から紹介してもらいましょう。
たとえば、直近で自分と同じように交通事故に遭った方がいれば、そのときの担当弁護士を紹介してもらうとスムーズです。
2.インターネット検索で探す
近年では自社のホームページを用意している法律事務所が多いため、インターネットで探すことも可能です。
たとえば、「交通事故 弁護士 〇〇」というように検索することで、交通事故を得意とする弁護士がヒットするでしょう。
この「〇〇」には地域を入れることで、自宅や勤務先などの近くの法律事務所を効率よく探せます。
ほかにも、自転車事故であれば「自転車事故 被害者」というようにキーワードを追加することで、より詳細な検索が可能です。
3.ポータルサイトで検索して探す
多くの法律事務所は自社のホームページを持っていますが、用意していない場合も珍しくありません。
そのようなときは、弁護士の情報が集約されているポータルサイトの利用がおすすめです。
ポータルサイトは弁護士のみの情報を集めていることから検索しやすく、Webブラウザを利用するよりもスムーズに相談・依頼先を見つけられます。
また、ポータルサイトごとに各法律事務所の情報が決まったフォーマットに沿って紹介されているため、見やすいうえに比較もしやすいでしょう。
ベンナビ交通事故
「ベンナビ交通事故」は交通事故問題を得意とする弁護士を登録したポータルサイトです。
Webサイトのトップページから地域と相談内容の2つを選択すると該当弁護士が表示されるため、希望条件に合った担当者をスムーズに見つけられます。
さらに、トップページでは事故に遭ったばかり・治療打ち切りといわれた・示談内容の提示を受けたなど、状況別のポイントを紹介しています。
ほかにも、交通事故問題で弁護士に依頼するメリットや事故発生から解決までの流れ、示談交渉を進める際の注意点などコンテンツが充実している点も魅力です。
特に、慰謝料請求や示談交渉などの実績が豊富な弁護士が多いため一度利用してみてください。
ベンナビ交通事故で弁護士に相談できること |
損害賠償・慰謝料請求/示談交渉/過失割合/死亡事故/後遺障害/むちうち/休業損害/自動車事故/自転車事故/バイク事故/人身事故 |
自転車事故が得意な弁護士の選ぶ際のポイント4つ
最後に、自転車事故が得意な弁護士を選ぶ際のおもなポイントを4つ紹介します。
1. 自転車事故に関する実績が豊富である
まずは、自転車事故に関する実績が豊富であるかを確認しましょう。一般的に、実績は法律事務所のホームページに解決実績として記載されているケースが多いです。
自転車事故や交通事故のトラブルを解決した実績が豊富な弁護士であれば、自身の状況を的確に判断したうえで最適な提案やアドバイスを受けられます。
また、弁護士を選ぶ際は示談金の交渉に成功した事例や過失割合の決まり方、手続きに詳しいかなどもチェックしてください。
気になる法律事務所のホームページに記載がない場合は、電話で問い合わせてみましょう。
2. 話し方が丁寧でわかりやすい
自転車事故などの交通事故問題で弁護士に相談・依頼すると、法的な専門用語が登場することは珍しくありません。
その際、法律に詳しくない方であれば説明内容の理解に苦労するため、話し方が丁寧でわかりやすいかも重要な判断基準です。
たとえ解決実績が豊富でも、会話の内容が専門用語ばかりでは不安を抱えたまま弁護士に依頼することになりかねません。
3. 自分に不利なことも正直に教えてくれる
自転車事故の加害者側と適切に示談交渉を進めるためにも、自分に不利な内容も正直に教えてくれる弁護士であれば信頼しやすいでしょう。
実際に、相談・依頼のなかでよいことばかりを話していても、蓋を開けると自分に不利な内容で決着してしまうことはゼロではありません。
また、不利な要素や状況でも最善となる解決策を提示してくれる弁護士であれば、よい結果に繋がる可能性は高まります。
4. 質問に対し明確な答えを返してくれる
交通事故に遭い不安を抱えているなかで、質問の回答が理解できなければ不信感が増すでしょう。
そのため、弁護士を選ぶ際は質問に対し明確に回答してくれるかで見極めてください。
知識・実績が豊富な弁護士でも、やり取りにストレスを感じると希望する結果に結びつかないことがあります。
丁寧に対応してもらえるだけでなく、質問がわかりやすく聞きやすいかもあわせて判断しましょう。
まとめ|自転車事故でも弁護士費用特約は利用できる可能性あり
本記事では、自転車事故における弁護士費用特約について解説しました。
弁護士費用特約は自転車事故の被害者になった際、弁護士費用や訴訟の経費を負担してもらえるものです。
一般的に、交通事故に遭った際は加害者側と示談交渉をおこなうことになりますが、弁護士に相談・依頼することで自分にとって有利な形で話しを進めやすくなります。
また、精神的な負担が大きい示談交渉を任せられるだけでなく、慰謝料の金額が大きくなったり治療中のサポートも受けられたりするなど、特約を利用するメリットは多いです。
交通事故を得意分野とする弁護士を味方につければ交通事故に遭い不安な状態でも安心に繋がるため、自分の状況に適した弁護士を探し相談してみてください。