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労働審判の弁護士費用はどのくらい?|弁護士なしで対応できるかも解説

弁護士監修記事
労働問題
2024年09月04日
2024年09月04日
労働審判の弁護士費用はどのくらい?|弁護士なしで対応できるかも解説
この記事を監修した弁護士
下地 謙史弁護士 (下地法律事務所)
慶応義塾大学法学部より、慶應義塾大学法科大学院へ飛び級入学。司法試験に合格後、都内の法律事務所勤務を経て下地法律事務所を開業。(※本コラムにおける法理論に関する部分のみを監修)
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労働審判は、短期間で労働問題を解決できるため、スムーズな問題解決を望む場合にはもってこいの方法です。

しかし、ほとんどの方は労働審判を初めて経験するため、弁護士に依頼すべきかどうか迷ってしまうこともあるでしょう。

結論からお伝えすると、労働審判は弁護士に相談・依頼するのがおすすめです。

費用はかかるものの、弁護士に依頼することで、スムーズかつ、希望通りの問題解決を目指せるので、一度相談してみましょう。

本記事では、労働審判でかかる弁護士費用や弁護士に依頼するメリットを徹底解説します。

労働審判で勝つためには専門的な知識や経験が必要です。

スムーズかつ希望の結果となるよう、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

労働審判で弁護士に依頼した場合の費用相場

労働審判の手続きを弁護士に依頼する場合、弁護士費用として相談料・着手金・手数料・成功報酬・実費などを支払う必要があります。

ここからは、労働審判について弁護士へ依頼した場合の費用相場を解説します。

詳細はそれぞれの法律事務所によって異なりますが、目安となるよう把握しておいてください。

相談料は無料~1時間1万円程度

労働審判の手続きについて弁護士に相談した場合は、1時間あたり5,000円から10,000円の相談料が発生します。

法律事務所によっては初回無料相談に応じている場合もあり、費用をかけずに相談できるため、初期費用を抑えたい方は活用してください。

なお、相談時は自分が何に対して問題を抱え、どのような解決を望んでいるのかを明確にしたうえで、予め関係資料を用意しておくのがおすすめです。

弁護士への相談は電話やオンラインでも可能ですが、事務所や弁護士との相性を確認するためにも、できる限り対面での相談が望ましいでしょう。

着手金は平均30万円ほど

着手金は弁護士へ正式に依頼して、案件に着手する際に支払う料金です。

着手金は弁護士費用の多くを占めるもので、費用相場は30万円前後となります。

依頼内容の成否に関わらず支払わなければならず、仮に労働審判が不成立に終わっても返金されません。

また、何らかの理由により途中で弁護士を解任した場合も支払わなければなりませんが、相談料と同様に法律事務所によっては着手金無料と設定している場合があります。

着手金無料の法律事務所は、完全成功報酬型が高めに設定されているため、それらを踏まえて依頼すべきか検討してください。

成功報酬は請求額の15%~20%ほど

成功報酬は事件の解決時、審判の成功や不成功の程度に応じて支払う金額です。

労働審判が成功して相手から金額を請求できた場合、成功報酬としてその請求額の15%から20%前後を支払うことが一般的です。

たとえば、未払い残業代として500万円の回収に成功した場合、75万円から100万円程度を成功報酬として支払わなければなりません。

なお、成功報酬の割合は法律事務所によって異なるため事前に確認しておきましょう。

その他の実費 | 弁護士の交通費や印刷代など

その他の実費とは問題処理のため実際に出費されるもので、裁判を起こす際の交通費や裁判所に納める印紙代、切手代などが該当します。

なお、労働裁判の請求金額によって異なりますが、一般的には数万円程度が相場です。

また、弁護士が事務所を離れて作業をおこなう場合、作業時間に応じた日当やタイムチャージを支払う必要があります。

タイムチャージは時間制報酬のことで、日当の相場は1時間あたり1万円から3万円程度です。

弁護士費用外として請求されるため、依頼前にどのような実費がかかるのかを確認しておきましょう。

労働審判の費用や弁護士費用は誰が払う?会社側に請求できる?

労働審判をおこなった場合に必要な費用は会社側に支払って欲しいものですが、実際に負担してもらうことは難しいでしょう。

そのため、労働審判にかかった費用は自身が負担するものと考えておかなければなりません。

なお、労働審判をおこなうには実費が必要です。

費用の概要と相場については、次に挙げるものを参考にしてください。

  1. 印紙代:申し立てをする際に裁判所に納める手数料、相場は5,000円から2万円
  2. 予納郵券代:裁判所から事件当事者などに郵便物を送付するための郵送料、相場は250円から3,500円
  3. 印刷代:申立書や証拠の写しなどの書面を印刷するためにかかる費用、相場は1,750円から5,500円
  4. 郵送費:あなたが裁判所や相手方に書面を郵送するために必要な費用、相場は500円から1,000円
  5. 交通費:期日に裁判所に出頭するために必要な交通費、相場は500円から3,000円

また、労働審判の相手方である会社側は、これらの費用に加えて、労働審判によって支払うことを命じられた金銭、和解による解決となった場合に相手方が申立人に対して支払う解決金も発生します。

労働審判は、一般的な裁判手続きと比べ、裁判所を通じた話し合いという色合いが強く、双方が譲歩して一定額を支払う代わりに円満解決を目指すため、和解によって終了することが多いです。

なお、解決金の額は法律上で定められておらず算出方法も不明確なため、裁判所が解決金の金額を提示したうえで、労働者側と会社側が交渉したうえで決まります。

労働審判の弁護士費用を抑えるための3つのコツ

労働審判は費用を意識せずに手続きを進めていると、必要以上の負担を強いることになりかねません。

少しでも負担を軽減するためには、いかに上手く節約できるかが大切です。

ここからは、弁護士費用を抑えるための3つのコツを紹介します。

①できるだけ早く依頼する

弁護士に相談や依頼を検討している場合、できるだけ早く弁護士を頼りましょう。

労働問題は時間が経てば経つほど複雑になり事態が悪化してしまうため、事件解決の難易度は高くなります。

難易度が高い問題を弁護士に依頼する場合、弁護士がすべき業務が多くなる、かつ費用が高額になるため、トラブルが複雑になる前に弁護士へ依頼しましょう

②無料相談を活用する

初回無料相談をおこなっている法律事務所は数多くあるため、大いに活用しましょう。

なお、無料相談を利用したからといい、そのあとに必ず依頼しなければならないわけではありません。

また、無料相談でアドバイスを受けて自分で解決できると判断した場合は、そもそも弁護士に依頼する必要もないでしょう。

複数の法律事務所の無料相談を利用し、弁護士との相性や予算内で問題を解決できるか確認しましょう。

➂自分でできることは、弁護士に依頼せず自分で対処する

費用を抑えるためには、自分で対処できることはないかを考えることも大切です。

もちろん、弁護士に依頼することで労働審判を有利に進められますが、費用を抑えるという観点からいうと、自分でできることは自分でおこなうことが有効です。

労働審判の場合、審判員がその都度フォローやサポートをしながら手続きを進められるため、個人でも進められる可能性がある制度です。

そのため、回収できる金額が多く見込めない場合は、自分でできることは対処しましょう。

どうしても弁護士費用を出せない場合は、法テラスの利用を検討する

経済的な理由で弁護士費用を捻出できない場合は、法テラスを利用してください。

法テラスは国によって設立された日本司法支援センターで、法律の総合案内所です。

民事法律扶助という制度があり、一定条件を満たすことで弁護士へ無料相談ができたり、弁護士費用を立て替えてもらったりできます

なお、法テラスで立て替えた費用は原則として毎月1万円ずつ返済します。

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労働審判の対応を弁護士に依頼するメリット5つ

労働審判は一個人でも戦えますが、弁護士への依頼をおすすめします。

労働審判の対応を弁護士に依頼する5つのメリットは次のとおりです。

  • 会社と争うべきかのアドバイスをくれる
  • 労働審判以外の解決方法についてアドバイスをくれる
  • 労働審判に必要な証拠を確保しやすくなる
  • 法的な視点に基づいて、適切な主張を組み立てられる
  • 訴訟に移行しても対応を任せられる

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

会社と争うべきかのアドバイスをくれる

労働審判を申し立てなければならないような事案では、第三者を通さなければ事実を俯瞰して見ることが難しいため、当事者である自分では、そもそも争うことが正しいのか、争ったとして希望どおりの結果が得られるのかが見えにくくなります。

主観的な視点では、争うこと自体の当否に関して感情的になってしまう恐れが高いですが、弁護士に依頼することで客観的な視点から会社と争うべきなのかをアドバイスしてもらえます

労働審判以外の解決方法についてアドバイスをくれる

弁護士は、労働審判で進めることのメリットがあるのかの見込みを判断してもらえるだけでなく、それ以外の解決方法についてもアドバイスしてくれます。

相手方との交渉の中で訴訟に移行する可能性や金銭的にプラスとなるかの見込み、あるいは敗訴した場合に想定されることなど、あらゆる視点から問題を判断しアドバイスしてくれるのです。

また、場合によっては労働審判を利用せず弁護士による交渉のみで解決できることもあるため、あらゆる視点から解決方法を見つけられる点もメリットです。

労働審判に必要な証拠を確保しやすくなる

弁護士に相談することで専門的な知識やノウハウのもと適切なアドバイスを受けられるため、必要な証拠を確保しやすくなります。

会社側に不合理なことをされた場合、審判や訴訟を有利に進めるうえで正しい準備が必要です。

弁護士の視点から必要な証拠の収集に関する細かいアドバイスを受けることで、スムーズに手続きを進められます

法的な視点に基づいて、適切な主張を組み立てられる

労働審判を自分でおこなう場合は、法律に基づいた主張を記載した申立書を作成しなければなりませんが、申立書の作成は専門的な知識が必要です。

体裁や書き方、表現などの細かいポイントで、審判員への伝わりやすさを大きく左右します。

ポイントを押さえて書類を作成するのは、法律知識の乏しい方が進めることは非常に難しいことですが、弁護士は法律的な視点に基づき主張を組み立てられます

訴訟に移行しても対応を任せられる

双方が労働審判の結果に納得ができない場合は、訴訟に移行する可能性がありますが、弁護士に依頼すると以降の対応を全て任せられます

なお、訴訟に移行した場合は厳格な手続きが必要になります。

裁判官に主張を認めてもらうには適切な主張や立証を尽くす必要があるため、その観点からも弁護士は非常に心強い存在となるでしょう。

労働審判は弁護士なしでも問題ないか

労働者側が労働審判を申し立てる場合、必ず弁護士に依頼しなければならないということはありません。

そのため、理屈上は自分自身で手続きを進めることは可能です。

労働審判は原則3回以内の期日で終了するため、自分でおこなう場合は申し立ての段階から十分に準備をして、的確な申立書と証拠を集めて提出しましょう。

ただし、労働審判は専門性の高い手続きが必要なため、自身で申し立てることは困難を極めます。

不安な場合は、弁護士に相談・依頼するのが無難でしょう。

労働審判で弁護士に依頼するか慎重に判断すべきケース

労働審判は、どのような問題でも弁護士に依頼すればよいわけではなく、依頼しないほうがよい場合があります。

ここからは、弁護士に依頼するか慎重に判断すべきケースを紹介します。

経済的利益が得られない可能性が高い

依頼するにあたり問題を客観的に見て明らかにこちらの主張が認められる見込みがなく、経済的利益が得られない可能性が高い場合は弁護士に依頼するのはおすすめしません。

証拠や交渉材料が少ないことで明らかに不利な状況となる場合、法的に戦える要素が少ないため弁護士に依頼してもそれほど状況は好転しないケースがあります。

その結果、費用や労力が無駄になってしまいかねないのです。

なお、負ける可能性がるかどうかは自分自身で判断することは難しいため、一度無料相談に足を運びましょう。

自分で対応しても自身の主張が認められる見込みが高い

労働審判に必要な証拠が十分揃っている、あるいはすでに会社側が請求を受け入れようとしている場合は、自分で対応しても自身の主張が認められる見込みが高いため、弁護士に依頼する必要はありません。

なお、書類作成が難しい場合は無料相談にて作成方法を教えてもらい、そのうえで手続きを進めましょう。

費用倒れになる可能性が高いとき

労働審判の経済的利益が少なく弁護士費用が高額になってしまった場合、費用倒れになる可能性が高いです。

弁護士費用は決して安くないため、弁護士に依頼する際は費用倒れにならないよう検討しなければなりません。

費用倒れにならないためには労働問題に詳しい弁護士に相談のうえ結果の見込みを判断してもらい、弁護士報酬の見積もりを取って決めましょう。

労働審判に詳しい弁護士を探す3つの方法

ここから、労働審判に詳しい弁護士を探す3つの方法を解説します。

弁護士会から紹介してもらう

労働審判を得意とする弁護士は、弁護士会から紹介してもらえます。

全ての都道府県には弁護士会が設置されているため、まずは相談にいきましょう。

住まいの地域で相談しやすく、経済状況によっては相談無料となる場合があります。

なお、基本的に相談料金は30分5,000円が必要ですが、手軽かつ弁護士会からの紹介ということもあり、安心感もあるでしょう。

インターネットで検索する

弁護士を探す際は、インターネットで検索する方法もおすすめです。

最近では、Webサイトに初回相談無料や着手金無料と記載されている法律事務所は少なくないため、まずは複数の法律事務所を調べて問い合わせてみましょう

また、多くの法律事務所を掲載しているポーサルサイトでは、労働問題を得意とする弁護士に絞って検索できるため、ぜひ利用してみてください。

たとえば、ベンナビ労働問題では、労働審判に強い弁護士を地域や無料相談可否などで絞り込んで検索可能です。

労働問題の経験が少ない弁護士に依頼すると納得できない結果に終わる可能性があるため、必ず得意とする法律事務所を検索してください。

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知人・友人から紹介してもらう

知人や知人から弁護士を紹介してもらう方法もおすすめです。

特に、労働問題を得意とする弁護士を紹介してもらえると過去の実績を活かしてスムーズに解決へと導いてくれるでしょう。

しかし、必ずしも紹介された弁護士が労働審判に詳しいとは限りません。

そのため、事前に法律事務所のホームページで実績を確認してください。

労働審判の対応を依頼する弁護士を選ぶ4つの基準

労働審判の対応を弁護士に依頼する場合、どのような判断基準を持って選定すればよいのでしょうか。

ここからは、弁護士を選ぶ際に意識すべき4つの基準を紹介します。

労働審判の実績が豊富である

法律問題にはさまざまな種類があることから、弁護士によって得意分野が異なります。

そのため、労働問題を得意とする弁護士に依頼しなければなりません

その際、Webサイトにて労働審判の実績が豊富か、労働問題に注力しているかを確認しましょう。

仮に労働問題に詳しくない弁護士に依頼すると希望どおりの結果にならない、かつ弁護士費用が無駄になる恐れがあります。

親身になってくれる

報酬や受任を重視するばかり、労働審判や訴訟を積極的に進めてくる弁護士がいます。

しかし、そのような弁護士には無駄な争いを強いられる可能性が否めません。

そのため、わかりやすく丁寧に説明してくれるか、誠実に対応してくれるか、潜在的な希望までも汲み取ってくれるかなどを確認してください。

費用が明確で適正である

弁護士を選定する際は費用も重要になるため、依頼前に明細や見積もりを確認のうえ、適正な金額であるかを判断してください。

その際、費用が明確で相場とかけ離れていないかを確認しましょう。

なお、報酬規程を見せながら費用の根拠を示してくれる弁護士だとより安心です。

初回相談料が無料である

基本的に初回相談料が無料の法律相談所を選びましょう。

そもそも今の問題に労働審判の申し立てが必要か確認しなければならないため、正式に依頼する前に問題全体の見通しを弁護士に相談してください。

初回相談料無料の法律事務所は多くあるため、コストをかけずにアドバイスを受けることがおすすめです。

さいごに|労働審判で有利に進めたいなら弁護士への相談がおすすめ

本記事では、労働審判は弁護士に依頼すべきかについて解説しました。

労働審判は短い期間でしっかりと準備をする必要があるため、有利に進めたい場合は相談をおすすめします。

なお、弁護士は敷居が高い印象を受けますが、無料相談を受け付けている法律事務所は少なくないため身近な存在になりつつあります。

労働問題で不服を感じている場合は、まず無料相談で弁護士へ相談してみてください。

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編集部
本記事はベンナビを運営する株式会社アシロが企画・編集をおこないました。
  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
  • ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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