自己破産を考えている女性へ|原因別の成功事例とおすすめの相談窓口を説明


- 「女性でも自己破産ってしていいの?」
- 「女性は自己破産しやすいって本当?」
- 「女性が自己破産するメリットは?」
自己破産について、このような悩みを抱えている女性は少なくないのではないでしょうか。
実は、自己破産者のうち約44%は女性という統計データがあります。
つまり、女性だからといって借金の相談をしてはいけないわけではないのです。
本記事では、女性の自己破産について自己破産の理由や成功例、よくある質問などについて紹介します。
自己破産をするかどうか悩んでいる女性の方は、ぜひ参考にしてください。
女性の自己破産者は多いは本当なの?男女比で見ると女性の割合は約44%
日本弁護士連合会消費者問題対策委員『2020年破産事件及び個人再生事件記録調査』によると、女性の自己破産者の割合は全体の約44%です。
調査年 | 男性の割合 | 女性の割合 |
---|---|---|
2020年 | 55.65% | 44.11% |
2017年 | 56.79% | 43.13% |
2014年 | 57.74% | 42.26% |
ほかの年を見ても、2017年には約43%、2014年には約42%と年々増加傾向にあるといえます。
女性の自己破産は決して珍しいことではないといえるでしょう。
統計データから読み取れる自己破産をした女性の傾向
ここからは、日本弁護士連合会消費者問題対策委員『2020年破産事件及び個人再生事件記録調査』をもとに、どのような女性が自己破産をしているのかを見ていきましょう。
1.収入が少ないことで自己破産をしている
自己破産をした女性の割合を月収別に見てみると、月収20万円以下の女性が全体の約85%を占めています。
つまり、女性の収入が少ないことが理由で自己破産している可能性が高いと考えられるでしょう。
収入が少ないと、借金の返済をするためのお金が足りず、返済が苦しくなってしまいます。
そうすると、借金を返済するために借金をするという多重債務状態になってしまい、最終的に自己破産しているケースがあると考えられます。
月収帯 | 女性の割合 |
---|---|
0万円~5万円 | 17.00% |
5万円~10万円 | 20.66% |
10万円~15万円 | 27.42% |
15万円~20万円 | 19.38% |
20万円~25万円 | 8.96% |
25万円~30万円 | 2.38% |
30万円以上 | 1.10% |
不明 | 3.11% |
2.借金額が少なくても自己破産にしている
統計データによると、自己破産をした女性の借金額は、100万円未満が約10%、100万円~200万円未満が約18%、200万円~300万円未満が約17%です。
400万円未満の割合は全体の50%を超えており、借金額が少なくても自己破産しているケースが多いといえるでしょう。
負債額帯 | 女性の割合 |
---|---|
100万円未満 | 10.42% |
100~200万円未満 | 18.10% |
200~300万円未満 | 17.18% |
300~400万円未満 | 12.61% |
400~500万円未満 | 8.59% |
500~600万円未満 | 4.20% |
600~700万円未満 | 3.66% |
700~1,000万円未満 | 7.68% |
1,000~2,000万円未満 | 9.32% |
2,000~3,000万円未満 | 3.66% |
3,000~4,000万円未満 | 1.28% |
4,000~5,000万円未満 | 0.55% |
5,000万~1億円未満 | 0.55% |
1億円以上 | 1.87% |
不明 | 0.37% |
【原因別】借金を抱えた女性が自己破産でやり直しできたケース3選
ここからは、自己破産によってやり直しに成功した事例を3つ紹介します。
自己破産はマイナスのイメージも多い手続きですが、適切に利用することで人生を再スタートするきっかけにもなるでしょう。
1.生活費が不足しキャッシングに頼るようになった女性の場合
依頼者の女性は、中学生の子どもがいる40代女性の方でした。
夫の勤務先の業績が悪化したことで給料が減り、生活費の不足を補うためにパートに出るようになりました。
しかし、それでも生活費や子どもの教育費が足りず、クレジットカードのキャッシングサービスを利用し、300万円の借金を作ってしまったというケースです。
パートでの収入では、今後の返済も難しかったため、自己破産手続きをしました。
なお、依頼者の女性名義での財産はなく、職業的にも問題がありませんでした。
そのため、財産を失うことはなく、借金の返済義務が免除されました。
このように女性名義の財産がなく、仕事上も問題がなければ、自己破産しても大きなデメリットがなく、借金問題を解決できます。
【参考記事】借金総額300万円がゼロへ 家族に内緒で破産できた事例
2.ストレス発散のために浪費し続けリボ払いが返済できなくなった女性の場合
仕事でのストレスが溜まり、ストレス発散のために浪費を続けていたら、返済ができなくなったケースです。
毎月の浪費で借金総額が高額になり、利息の支払いばかりでいつまでも借金の返済が終わらなくなってしまったため、自己破産を利用しています。
原則として浪費での借入に対して自己破産はできませんが、弁護士に相談した時点で浪費を止め、家計の見直しもできていたため、自己破産の免責が許可されています。
【参考記事】【自己破産】500万円の借金がゼロに。自己破産で借金をゼロにして再スタート
3.旦那が借りた事業融資の連帯保証人になって請求されてしまった女性の場合
依頼者である女性が、夫の事業融資について連帯保証人となっていたケースです。
連帯保証人になってしまうと、借金した本人が返済できない場合、連帯保証人に返済義務が生じます。
このとき、依頼者の女性には、総額4,670万円の請求がきていました。
到底支払える金額ではなかったことから、自己破産手続きで借金の返済義務を免除してもらいました。
【参考記事】【約4670万円⇒0円】元夫の事業資金の連帯保証債務を全額免責した事例
女性におすすめの自己破産の相談窓口3選
ここからは、女性が自己破産を検討したときに相談できる窓口を紹介します。
無料で相談できる窓口も多いので、ぜひ参考にしてください。
1.ベンナビ債務整理|親身になってくれる弁護士を探せる
ベンナビ債務整理では、自己破産をはじめとする債務整理の解決が実績豊富な弁護士を多数掲載しています。
法律事務所によっては女性弁護士が在籍しているため、女性の方でも安心して相談可能です。
無料相談に対応している事務所も多いので、あなたに合った弁護士を探すのに活用してください。
2.法テラス|主婦やパートなどで収入が少なくても相談できる
法テラスとは、国によって設立された法的トラブル解決のための総合案内所です。
法テラスでは、収入が少なくても一定の条件を満すことで、弁護士や司法書士に無料で法律相談ができます。
ただし、相談時間は1回30分程度で、事前の予約が必要です。
また、具体的な事情への回答はできず、どこに相談すればいいのか、今後どんな手続きがあるのかなど一般的な回答しか得ることができません。
【参考】お近くの法テラス | 法テラス
3.弁護士会|女性向けの法律相談会を開催している地域もある
各都道府県の弁護士会によっては、女性向けの法律相談会を開催していることがあります。
利用できるのは女性のみで、相談に乗ってくれる弁護士も女性なので、同性同士で安心して相談できるでしょう。
ただし、各弁護士会によって、そもそも女性向けの法律相談会を開催しているのかは異なります。
開催していても借金問題は対象外など、さまざまな条件があるため、最寄りの弁護士会に問い合わせてみましょう。
自己破産について女性からよくある質問
自己破産について女性からよくある質問をまとめてみました。
気になる項目があれば参考にしてください。
1.自己破産をすると結婚に影響しますか?
自己破産しても結婚には影響しません。
結婚自体が自己破産したことで制限されることもなければ、現在の婚姻状況に影響を与えることもありません。
しかし、クレジットカードやローンの新規契約ができず、保証人の審査も通らないので、結婚後生活を一緒にするうちに自己破産したことがバレてしまう可能性があります。
2.自己破産をすると家族や子どもに影響はありますか?
自己破産しても、家族や子どもに影響はありません。
自己破産はあくまで個人の問題であり、原則として、家族や子どもの財産には影響しないのです。
しかし、自分の名義の家に住んでいると自己破産によって家を手放さなければならないため、家族も引っ越しが必要になります。
3.自己破産をすると就職や仕事などに影響はありますか?
自己破産しても、就職や仕事などへの影響はないと考えてよいでしょう。
しかし、自己破産すると官報という公的な機関紙に情報が載るため、自己破産をしたことがバレる可能性はゼロではありません。
とはいえ、自己破産したことを理由にクビにすることは労働法上違法な解雇にあたるため、自己破産してもクビになることはないでしょう。
また、自己破産について転職時に履歴書などに記載する必要なく、申告する義務もありません。
ただし、自己破産によって一部の職業は制限されます。
たとえば、弁護士や公認会計士、警備員や生命保険募集人、証券外務員や貸金業者などは、一時的に職に就くことができなくなります。
4.自己破産をすると夫婦の共有名義の財産はどうなりますか?
自己破産すると、夫婦の共有名義の財産は手放さなければならない可能性があります。
自己破産で手放す必要があるかどうかは、その財産が自己破産者の名義かどうかによって判断されます。
そのため、夫婦の共有名義である以上は妻の財産としてもカウントされ、手放さなければならないのです。
夫婦の共有名義の財産がある場合には、慎重に自己破産するかどうかを検討しなければならないため、弁護士に相談することをおすすめします。
さいごに|借金生活が苦しいならひとりで悩まずに弁護士に相談しよう
借金問題は誰にも相談できず、ひとりで苦しんでしまう人がいます。
女性であればなおさらどこに相談したらよいかわからず、不安に思うかもしれません。
しかし、自己破産する人の約44%が女性であり、女性だからといって自己破産できないわけではありません。
借金問題を解決するためにも、早めに弁護士へ相談してみましょう。
弁護士なら、あなたの悩みに寄り添って適切な解決策を提示してくれます。