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個人再生は司法書士と弁護士のどちらに依頼すべき?費用や対応の違いを解説

弁護士監修記事
債務整理
2025年02月28日
2025年02月28日
個人再生は司法書士と弁護士のどちらに依頼すべき?費用や対応の違いを解説
この記事を監修した弁護士
春田 藤麿弁護士 (弁護士法人春田法律事務所(債務分野))
「お客様の期待を上回る結果を目指す」「生涯にわたり、お客様のパートナーとなる」ことを理念とし、2016年に設立。現在は全国にオフィスを構え、個人・法人を問わず、ニーズに合わせたサポートを提供。
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個人再生は、法律の専門家である司法書士または弁護士に依頼して手続きを進めるのが一般的です。

しかし、司法書士と弁護士のそれぞれが対応できる範囲や費用は異なるため、自分の希望に合わせて適切な専門家を選ぶ必要があります。

本記事では、個人再生の手続きにおける司法書士と弁護士の違いについて詳しく解説します。

また、個人再生を依頼する司法書士や弁護士を選ぶ際のポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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個人再生は司法書士と弁護士のどちらに依頼するのがよいか?

結論からお伝えすると、個人再生は弁護士に依頼するほうがおすすめです。

司法書士は、基本的に登記や相続など法律にまつわる書類作成の専門家です。

個人再生においては、借金の減額を認めてもらうためにお住まいの地域を管轄する地方裁判所に所定の書類を提出する必要がありますが、この書類の作成は司法書士に依頼が可能です。

司法書士に個人再生を依頼することもできますが、司法書士が担当できるのはあくまで書類の準備や作成までです。

個人再生の手続きにおいては、裁判官や個人再生委員と面接をする必要があるケースが多いものの、司法書士がこれらの裁判所での手続きに代理人として出席・同席することはできません。

司法書士の中には、債権者と直接交渉して借金を減額する任意整理の交渉や、簡易裁判所での訴訟手続きなどについて代理人として業務をおこなえる「認定司法書士」もいます。

しかし、個人再生は地方裁判所での手続きとなるため、認定司法書士であっても書類の準備・作成までしか代行できないのです。

一方で、弁護士は裁判官などとの面接も含めて個人再生での手続きを全て代行してくれます。

個人再生の手続きは、完了までに半年〜1年程度の期間がかかるケースが多く、自分で手続きをしたり、司法書士に依頼したりすると、裁判所への出席や裁判官とのやりとりは大きな負担となるでしょう。

そのため、個人再生は全ての手続きを代行してくれる弁護士に依頼したほうがおすすめといえるのです。

司法書士と弁護士の個人再生手続きにおける業務の違い

個人再生手続きにおける司法書士と弁護士の業務範囲の違いは、以下のとおりです。

業務の内容 司法書士 弁護士
法律相談 ◯(認定司法書士のみ)
申立書作成
再生計画案作成
裁判所対応 ×

それぞれについて簡単に解説します。

1.法律相談|司法書士も弁護士も可能

個人再生手続きにおける法律相談は、司法書士と弁護士の双方がおこなうことが可能です。

なお、司法書士に関しては、法律相談ができるのは特別な研修を受け資格を認められた「認定司法書士」に限られます

認定司法書士または弁護士に借金について相談をすると、個人再生のデメリットやリスク、個人再生手続きにおける返済計画、裁判所への申立ての手順、個人再生以外の選択肢(自己破産や任意整理)など、幅広いアドバイスをもらえます。

ただし、司法書士の場合は認定司法書士であっても個別の債務額が140万円を超える案件については受任できないため注意しましょう。

2.申立書作成|司法書士も弁護士も可能

個人再生手続きに必要な申立書の作成は、司法書士と弁護士の双方がおこなえます。

司法書士は、書類作成業務を専門分野としており、正確かつ法的要件を満たした申立書を作成することを得意としています。

とくに、認定司法書士は簡易裁判所への申立ての経験があるケースが多いため、裁判所が求める形式や必要事項を確実に網羅してくれるはずです。

また、弁護士の対応業務は多岐にわたりますが、個人再生をはじめとした借金問題解決に注力している弁護士に依頼すれば、確実かつスムーズに書類作成を代行してくれるでしょう。

3.再生計画案作成|司法書士も弁護士も可能

再生計画案の作成も、司法書士と弁護士の双方が可能な業務です。

再生計画案は、債務者が債権者に対してどのように減額後の債務を返済していくかを示す重要な書類です。

そのため、裁判所の承認を得るためには具体性と現実性が求められます。

司法書士は、債務額や収入を詳細に分析したうえで、債務者が現実的に履行可能な返済計画を作成してくれます。

ただし、司法書士は個人再生を申し立てる地方裁判所での代理権を持たないため、再生計画案に関する裁判所との調整や交渉はおこなえません。

一方、弁護士は裁判所との交渉をおこないながら、債務者の事情を十分に反映した計画案を作成できます。

また、返済計画について債権者からの異議申し立てがあった場合にも対応できるため、異議が予想される場合などには、弁護士への依頼がより適切といえるでしょう。

4.裁判所対応|司法書士は不可、弁護士は可能

裁判所対応において、司法書士と弁護士の業務範囲には明確な違いがあります。

司法書士は、裁判所での代理人となる権限はありません

そのため、裁判所からの求めに応じて出席したり、債権者との法的な交渉をおこなったりすることはできません。

一方で、弁護士は地方裁判所での代理権を持っているため、債務者に代わって裁判所対応を一手に引き受けられます

例えば、債務者の代理人として裁判所の担当者と面接したり、再生計画案に対する異議への対応をおこなったりすることが可能です。

仕事で忙しいなどの事情で裁判所への出席が難しい場合や、そもそも裁判所での手続きが不安といった場合には、裁判所対応まで含めてサポートしてくれる弁護士に依頼するほうがよいでしょう。

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司法書士と弁護士の個人再生手続きにかかる費用の違い

個人再生手続きには、専門家に支払う費用と裁判所に納める費用の2つがかかります。

ここでは、個人再生を弁護士と司法書士のそれぞれに依頼した場合の費用の違いについて解説します。

司法書士に依頼する場合の費用の目安

個人再生を司法書士に依頼した場合の費用の目安は以下のとおりです。

費用項目 費用目安
裁判所費用 22万円〜27万円
司法書士費用 30万円〜40万円

書類作成を依頼した司法書士に支払う費用の相場は、30万円〜40万円ほどです。

さらに、裁判所によって選任される個人再生委員へ支払う報酬として、諸経費なども含めて22万円〜27万円ほどを納めなくてはいけません。

個人再生委員とは、個人再生の手続き全般や再生計画案の履行テストなどを総合的にサポートする担当者であり、申立人自身が手続きを進める際は必ず選任されます。

以上のように、司法書士に個人再生を依頼するとトータルして45万円〜65万円ほどの費用が必要となります。

弁護士に依頼する場合の費用の目安

個人再生を弁護士に依頼する場合の費用目安は、以下のとおりです。

費用項目 費用目安
裁判所費用 2万円〜17万円
弁護士費用 40万円〜60万円

 

まず、弁護士に支払う費用の相場は40万円〜60万円ほどです。

弁護士に個人再生の代理人になってもらった場合は、東京地方裁判所に申し立てた場合を除いて個人再生委員が選出されないため、裁判所に支払う費用は諸経費のみで2万円程度に抑えられます。

東京地裁に申し立てた場合でも、個人再生委員に支払う報酬は15万円と、司法書士に依頼するよりも安く抑えられ、諸経費と合わせても17万円ほどで済むでしょう。

以上のように、弁護士に個人再生を依頼する場合の費用は、東京地裁では47万円〜77万円ほど、東京地裁以外では42万円〜62万円ほどとなり、司法書士に依頼する場合とそこまで変わりません。

なお、実際にどれくらいの費用がかかるかは債務額や借金内容によっても異なるため、司法書士と弁護士それぞれに相談して比較するのがおすすめです。

個人再生を司法書士や弁護士に依頼する際の選び方

個人再生を司法書士や弁護士に依頼する場合は、以下の3点に注目して専門家を選びましょう。

  • 個人再生の実績が豊富かどうか
  • 親身になって対応してくれるか
  • 専門家との相性が良いと思えるか

それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。

1.個人再生の実績が豊富かどうか

司法書士や弁護士を選ぶ際、個人再生手続きに関する実績の豊富さは最も重要なポイントの一つです。

個人再生は、民事再生法に則り借金を減額してもらう手続きですが、民事再生法は300条近くからなる非常に複雑な法律であり、深い知識や経験が求められます。

また、申し立てのために用意する書類も多く、手続きが複雑であるため、個人再生の実績が豊富な専門家でないと適切な判断や的確な助言を受けられない可能性もあるでしょう。

とくに債務額が大きい場合や債権者数が多い場合は、実績の豊富な専門家であるほど、スムーズかつ確実に手続きに期待ができます。

なお、個人再生の実績を知るには、事務所のホームページや口コミを調べ、過去の事例を確認するとよいでしょう。

また、初回相談の際に過去の対応経験を尋ねることもおすすめです。

2.親身になって対応してくれるか

個人再生手続きは、債務者にとって大きな精神的負担が伴うため、親身になって対応してくれる専門家を選ぶことが重要です。

個人再生をはじめとした債務整理手続きは、一生のうちに何度も経験するものではありません。

わからないことも多く、手続きの途中で不安や疑問が生じることもあるでしょう。

その際に、気軽に相談ができる専門家であれば、心強く感じるはずです。

親身になって対応してくれるかを見極めるためには、初回相談時に専門家の話し方や態度に注目しましょう。

とくに、こちらの状況や希望をしっかりと聞いてくれるか、質問に対して明確かつ丁寧に答えてくれるかなどが重要なポイントです。

また、追加で費用が発生する可能性や個人再生自体のリスクなど、専門家にとって不都合な情報についても率直に伝えてくれる専門家は信頼できるといえます。

親身な対応をしてもらえるかどうかは、専門的知識や実績と同じくらい、手続き全体をスムーズに進める鍵となります。

専門家を選ぶ際には、単なる費用の安さだけでなく、対応姿勢などを含めて総合的に評価することが重要です。

3.専門家との相性が良いと思えるか

個人再生は、スムーズに進んだとしても半年〜1年ほどの期間を要するのが一般的です。

そのため、専門家と長期間にわたって関わる必要があるため、相性の良さも必ずチェックしましょう。

専門家との信頼関係が築けるかどうかで、手続きのスムーズさやストレスの軽減が大きく変わります。

相性が良いと感じるかどうかを判断するには、初回相談の印象が鍵となります。

話しやすさやこちらの事情に対する理解力、提案のわかりやすさなどをチェックするのがおすすめです。

また、メールや電話でのやり取りがスムーズか、返信が迅速かどうかも確認してください。

相性が良いと感じられ、信頼できる専門家を選べば、個人再生を安心して進められるはずです。

さいごに|ベンナビ債務整理で無料相談ができる専門家を探してみよう

本記事では、個人再生を司法書士と弁護士のそれぞれに依頼した場合の対応範囲や費用の違いについて詳しく解説しました。

基本的に、個人再生においては司法書士よりも弁護士に依頼することをおすすめします。

手続き全てに関してサポートが受けられるうえ、費用面でも大きな違いはない可能性が高いでしょう。

とはいっても、司法書士と弁護士のどちらに依頼するべきかは一人ひとりの状況や希望によっても異なります。

そのため、どの専門家に依頼するか判断するためには、無料相談を利用して実際に専門家の話を聞いてみるのがおすすめです。

ベンナビ債務整理では、個人再生などの債務整理手続きについて無料相談に応じてくれる専門家を多数紹介しています。

借金の返済に困っている方は、ぜひ一度ご利用ください。

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