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日弁連交通事故相談センターとは?無料で相談できる内容や利用上の注意点を解説

交通事故
2025年03月17日
2025年03月17日
日弁連交通事故相談センターとは?無料で相談できる内容や利用上の注意点を解説

交通事故にあった方のなかには「日弁連交通事故相談センター」という名前を聞いたことがある方もいるでしょう。

交通事故相談センターは、その名の通り交通事故の問題について相談できるセンターです。

しかし、あまり馴染みがないということもあり、具体的に何をしているところなのかのイメージがしづらいかもしれません。

「どんなサポートを受けられる?」「どんなことを相談できる?」などの疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか?

そこで本記事では、日弁連交通事故相談センターのサポート内容、相談できる内容・できない内容、メリット・デメリットなどを解説します。

利用する際の流れも紹介するので、日弁連交通事故相談センターについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

日弁連交通事故相談センターとは? | 交通事故トラブル解決を支援する公益財団法人

日弁連交通事故相談センターとは、弁護士に無料で交通事故の相談ができる公益財団法人です。

自動車・二輪車が関与する交通事故について、電話形式・面談形式で相談できます。

また、相手方との示談交渉をサポートする「示談あっせん」を無料で行っているのも特徴です。

全国154ヵ所に相談所が設置されているので、お住まいの地域にかかわらず相談しやすいでしょう。

自動車事故にあってしまい、弁護士に無料で相談したいという方は利用を検討してみてください。

公式サイト 日弁連交通事故相談センター
電話番号 0120-078325
無料電話相談受付時間 平日10:00~19:00

日弁連交通事故相談センターでは何を相談できる?

日弁連交通事故相談センターでは、どのようなことを相談できるのでしょうか。

日弁連交通事故相談センターのホームページには、相談内容について以下のように記載されています。

相談できる内容は自賠責保険または自賠責共済に加入することを義務づけられている車両による国内での「自動車・二輪車」事故の民事関係の問題についてです(刑事処分・行政処分の相談はできません。)。被害者側・加害者側、相談者の居住地は問いません。

引用元:公益財団法人 日弁連交通事故相談センター

国内での自動車・二輪車事故の民事関係の問題について相談できるとのことですが、具体的にどのような内容を指すのでしょうか。

ここでは、相談できる内容・相談できない内容をそれぞれ解説します。

相談できる内容|自動車・二輪車事故の民事責任に関すること

日弁連交通事故相談センターに相談できるのは、国内の自動車・二輪車事故の民事責任に関する内容です。

主に以下の内容について、相談できます。

  • 自動車保険について
  • 損害賠償額の算定・請求方法について
  • 過失割合について
  • 示談交渉について
  • 後遺障害認定について

また、交通事故であれば人損事故だけでなく、物損事故も相談可能です。

国内で発生した交通事故であれば、被害者・加害者・相談者の居住地にかかわらず相談できます

相談できない内容|刑事責任や行政責任に関すること

日弁連交通事故相談センターは、刑事処分・行政処分に関する相談は受け付けていません

具体的には、以下のような相談はできないので注意しましょう。

  • 交通事故を起こしてしまったが、刑を軽くしてほしい
  • 勾留を取り消してほしい
  • 免許取消しを免れたい

また、国内で起きた交通事故であっても、歩行者同士の事故については相談できません

相談できるのは、あくまで自動車・二輪車が関与する交通事故のみであることを覚えておきましょう。

日弁連交通事故相談センターで受けられる無料サポート

日弁連交通事故相談センターでは、どのようなサポートを受けられるのでしょうか。

ここでは、日弁連交通事故相談センターのサポート内容を4つ紹介します。

電話相談|10分程度弁護士に相談できる

日弁連交通事故相談センターでは、電話による交通事故相談を受け付けています

相談できるのは、平日10:00~19:00で、固定電話・携帯電話・公衆電話からであれば無料で相談可能です。

ただし、相談できる時間は10分程度です。

込み入った相談をしたい場合や、電話のみでの解決が難しい場合は、次に紹介する面接相談を検討しましょう。

なお、時間が限られているので電話相談をおこなう前に、必要な書類を準備しておくとスムーズです。

相談時間 月~金曜日の10:00~19:00(祝日を除く)
電話番号 0120-078325(フリーダイヤル)

面接相談|1回30分・最大5回まで対面で弁護士に相談できる

全国154ヵ所に設置されている相談所では、無料の面接相談を受け付けています

電話相談だけでは解決が難しい場合や、個別的な相談をする場合は、面接相談を検討しましょう。

面接相談を希望する場合は、電話による事前予約が必要です。

相談所によってはWebで予約できる場合もあるので、最寄りの相談所の予約方法を確認しておきましょう。

なお、面接相談できるのは1回あたり30分まで、原則5回までです。

時間・回数制限なしで相談できるわけではないため注意しましょう。

示談あっせん|保険会社との話し合いに弁護士が介入してくれる

交通事故相談センターに示談あっせんを依頼すれば、相手方の保険会社との示談交渉を弁護士にサポートしてもらえます

示談交渉は、相手方から損害賠償を受け取るために必要な手続きです。

しかし、納得できる結果につなげるためには、高度な法的知識が求められます。

自分だけで対応してしまうと、法律の知識がないために交渉が難航してしまったり、相手方の保険会社に言いくるめられたりする可能性があるでしょう。

示談あっせんを依頼して弁護士に交渉の仲立ちをしてもらえば、話し合いがスムーズに進み、納得できる結果を実現できる可能性が高くなります。

実際、日弁連交通事故相談センターの示談あっせんによる交渉の成立率は87.37%と、高い成果を出しています。

満足度も98%であることから、ほとんどの利用者が納得できる結果を実現できていることがわかるでしょう。

「示談交渉を弁護士に依頼したいけど、費用はかけたくない」という方には、とくにおすすめです。

審査|示談あっせんが不調の場合に結論を示してくれる

高い実績を誇る示談あっせんサービスですが、ケースによっては交渉が打ち切り・不成立となることもあります

示談あっせんによる解決が難しい場合は、日弁連交通事故相談センターに審査を依頼することができます。

審査とは、弁護士で構成される審査委員会が審査をおこない、トラブルの解決方法を決める手段のことです。

弁護士が事故の当事者双方の話を聞いて解決方法を提示してくれるので、なるべく早く和解を成立させたい場合に有用な方法といえます。

なお、日弁連交通事故相談センターに審査を依頼できるのは、事故の相手方が以下の共済に加入している場合です。

  • 全労済(全国労働者共済生活協同組合連合会)の「マイカー共済」
  • 教職員共済生協(教職員共済生活協同組合)の「自動車共済」
  • J共済連(全国共済農業協同組合連合会)の「自動車共済」
  • 自治協会(全国自治協会)・町村生協(全国町村職員生活協同組合)の「自動車共済」
  • 都市生協(生活協同組合全国都市職員災害共済会)の「自動車共済」
  • 市有物件共済会(全国市有物件災害共済会)の「自動車共済」
  • 自治労共済生協(全日本自治体労働者共済生活協同組合)の「自動車共済」
  • 交協連(全国トラック交通共済協同組合連合会)の「自動車共済」
  • 全自共(全国自動車共済協同組合連合会)の「自動車共済」、全自共と日火連(全日本火災共済協同組合連合会)の「自動車総合共済MAP(共同元受)」

審査を依頼したい場合は、事故の相手方が上記のいずれかに加入していないか確認してみましょう。

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交通事故相談センターを利用するメリット

日弁連交通事故相談センターを利用するメリットには、以下のようなメリットがあります。

無料で法的な支援を受けられる

交通事故相談センターの大きなメリットは、無料で弁護士に相談できる点です。

通常、弁護士に直接依頼する場合、相談料・着手金・成功報酬などさまざまな費用がかかります。

高額な弁護士費用がかかる分、相手方から受け取った損害賠償よりも弁護士費用のほうが高くなる「費用倒れ」のリスクも伴います。

しかし、日弁連交通事故相談センターは補助金や寄付金で成り立っているため、利用者が費用を支払う必要がありません

経済的な負担を大きく抑えられるので「弁護士に依頼したいけど高額な費用は払えない」という方にとっては大きなメリットといえるでしょう。

交通事故トラブルの早期解決が期待できる

交通事故の問題をスムーズに解決できる点もメリットの一つです。

一般の方が一人で示談交渉をおこなった場合、法律の知識がないために話し合いがなかなか進まず、解決に時間がかかるおそれがあります。

しかし、日弁連交通事故相談センターに示談あっせんを依頼すれば、1~2回の話し合いで示談が成立する可能性があります

令和5年度の示談あっせんの平均回数が1.53回だったことからも、スピーディに問題を解決できていることがわかるでしょう。

トラブルを少しでも早く解決したい方にも、大いにメリットがあるといえます。

全国に相談所があるためアクセスしやすい

日弁連交通事故相談センターの相談所は、全国154ヵ所に設置されています

各地方に相談所があるので、お住まいの地域に関わらず相談しやすいでしょう。

また、相談所によってはWebで面接相談を予約できるところもあります

電話が難しい場合でも、Web上で気軽に相談予約できるので、日中忙しい方でも利用しやすいでしょう。

日弁連交通事故相談センターを利用する際の注意点

日弁連交通事故相談センターにはさまざまなメリットがありますが、注意点もあります。

以下の注意点を念頭に置いて利用するようにしましょう。

休日の相談には対応していない

交通事故相談センターでは、休日の相談は受け付けていないので注意しましょう

電話相談は平日の10:00~19:00、面接相談も平日のみ受け付けています。

そのため、土日しか時間が取れない方は、相談しづらいと感じる可能性があるでしょう。

また、相談所によって異なりますが、面接相談は基本的に夕方頃までしか受け付けていません。

必ずしも利用者の味方をしてくれるわけではない

交通事故相談センターでは、必ずしも納得できる結果につながるわけではない点にも注意が必要です。

日弁連交通事故相談センターは、公平・中立の立場で相談を受けているため、場合によっては利用者にとって不利な結果になることもあります。

あくまで中立的な立場からの支援になることを念頭に、利用を検討してください。

再度相談する際に弁護士が変わることがある

交通事故相談センターでの面接相談は5回まで利用できますが、必ず同じ弁護士に対応してもらえるわけではありません

相談所によっては、毎回弁護士が変わったり、前回と異なる弁護士が担当したりする可能性もあります。

毎回同じ弁護士に相談したい場合は、日弁連交通事故相談センターを通してではなく、直接弁護士に相談しましょう。

日弁連交通事故相談センターと交通事故紛争処理センターの違いは?

交通事故の相談ができる機関として、日弁連交通事故相談センターのほかに「交通事故紛争処理センター」があります。

いずれも法律相談を無料で受け付けている点は同じですが、主に以下の点に違いがあります。

項目 日弁連交通事故相談センター 交通事故紛争処理センター
主要業務 法律相談、示談あっせん 和解あっせん
電話相談 不可
相談のタイミング 交通事故の直後から相談できる 示談交渉開始後でないと相談できない
対象事故 自動車事故 自動車・二輪車事故
審査 被害者が不同意の場合は調停・訴訟手続きを行う 被害者が不同意の場合は取り扱いが終了する
担当弁護士 相談を受けた弁護士とは別の弁護士が示談あっせんを担当する 相談を受けた弁護士が和解あっせんを担当する

 

交通事故直後から弁護士のサポートを受けたい場合や、電話で気軽に相談したい方は、日弁連交通事故相談センターを利用するとよいでしょう。

日弁連交通事故相談センターを利用する際の流れ

ここでは、日弁連交通事故相談センターを利用するときの一般的な流れを解説します。

実際に利用する際の参考にしてください。

1.事故に関係する資料を集めておく

まずは、交通事故に関する資料を準備しましょう

必要な書類はケースによって異なりますが、最低でも以下の書類を用意しておくとスムーズに相談できます。

  • 交通事故証明書
  • 事故の状況がわかる図面・写真
  • 損害の状況がわかる写真
  • 事故前の収入がわかる給与明細書・源泉徴収票・確定申告書の写しなど
  • 相手方から提出された書類(損害賠償額の提示書など)
  • 後遺障害診断書(後遺症が残った場合)

上記の書類を通して事故の状況や収入の状況がわかれば、弁護士も有益なアドバイスがしやすくなるでしょう。

相談時間を有意義に使うためにも、電話相談・面接相談いずれの場合も必要な資料を用意しておいてください。

2.電話相談または面談相談をおこなう

事故に関する資料が揃ったら、実際に相談してみましょう

電話相談の場合は、日弁連交通事故相談センター宛に電話をすれば、その場で相談を受け付けてもらえます。

相談の結果、電話のみでの解決が難しいと考えられる場合は、面接相談をおこなうことになるでしょう。

面接相談は、電話またはWebによる事前予約が必要なので、忘れないよう注意してください。

相談日になったら、準備した資料を持参のうえ最寄りの相談所で相談しましょう。

3.必要に応じて示談あっせん・審査を依頼する

示談あっせんは、面接相談の結果、日弁連交通事故相談センターが「示談あっせんに適する」と判断した場合にのみ依頼可能です。

示談あっせんに適すると判断されたら、示談あっせんの申し込みをおこなうことになります。

相手方が示談あっせんの利用に同意したら、日時を調整のうえ、示談あっせんが実施されます。

結果的に示談が成立すればトラブルは解決となりますが、不成立となった場合は、相手方が指定の共済に加入している場合に限り審査を依頼することが可能です。

審査の結果、被害者が同意した場合は和解が成立しますが、同意しない場合は調停・訴訟に移行します。

さいごに|交通事故トラブルは弁護士のサポートが必要不可欠

日弁連交通事故相談センターは、国内の自動車・二輪車事故の民事責任全般について無料で弁護士に相談できるセンターです。

弁護士に直接依頼すると高額な弁護士費用がかかるところを、日弁連交通事故相談センターなら費用をかけずに依頼できます。

また、示談あっせんの成立率は87.37%、利用者の満足度は98%であり、納得できる結果をスピーディに実現できているのも大きな強みです。

経済的な負担を抑えながら、トラブルを早期に解決したい方は、ぜひ日弁連交通事故相談センターを利用してみてください。

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編集部
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