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交通事故の手術で慰謝料は増える?知らないと損する3つのポイント

弁護士監修記事
交通事故
2025年03月13日
2025年03月13日
交通事故の手術で慰謝料は増える?知らないと損する3つのポイント
この記事を監修した弁護士
藤垣 圭介弁護士 (藤垣法律事務所)
交通事故・刑事事件に注力。「ご依頼者さまの不安を少しでも軽減したい」という思いから、レスポンスの早さにこだわりをもって対応し、速やかな解決を目指している。
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  • 「交通事故の手術に対して慰謝料は発生するのか」
  • 「少しでも多くの慰謝料を受け取るにはどうすればよいのか」

手術は身体的な負担だけでなく、精神的な負担もともなうものです。

そのため、手術を余儀なくされたことを理由に、慰謝料を請求できないのかと疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、交通事故で手術を受けた場合の慰謝料について解説します。

慰謝料が増額されるケースや、慰謝料の増額を実現するためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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原則として交通事故で手術したかどうかは慰謝料の金額に直接影響しない

交通事故によるけがで手術を受けた場合でも、慰謝料の金額が増額されることは基本的にありません。

けがの治療に伴う精神的苦痛への賠償は「入通院慰謝料」として、相手方から支払われます。

入通院慰謝料は、治療期間や通院日数に応じて算出されるため、治療期間が長いほど・通院日数が多いほど慰謝料が高額になります。

つまり、手術の有無は入通院慰謝料の算定においては考慮されないということです。

手術を受けたからといって、慰謝料が増額されることはないということを覚えておきましょう。

交通事故の手術によって例外的に慰謝料が増額する可能性があるケース

原則として、手術を受けても慰謝料は増額しません。

とはいえ、手術に伴う不安や苦痛などにより、強いストレスを抱えることもあるでしょう。

手術によって被害者が精神的苦痛を強く感じたと考えられる場合、例外的に慰謝料が増額されることがあります。

慰謝料を増額すべきと考えられる例外的なケースを「増額事由」といいます。

増額事由に該当する主なケースは、以下のとおりです。

1.大きな苦痛を伴う手術を受けた場合

以下のような強い苦痛を感じる手術を受けた場合、入通院慰謝料が増額されることがあります。

  • 麻酔をせずに手術を受けた
  • 死亡のリスクが高い手術を受けた
  • 長時間にわたる手術を受けた

上記のケースに当てはまる場合、通常の慰謝料では被害者の精神的苦痛をカバーすることは難しいと考えられます。

そのため、精神的苦痛の大きさを考慮し、慰謝料の増額が認められる可能性があるでしょう。

2.手術を繰り返す必要がある場合

手術を何度も受けなければならない場合も、増額事由に該当する可能性があります。

事故の被害者にとっては、1回の手術だけでもかなりの不安を感じるものです。

それが2回、3回と続くと、ストレスが積み重なり、精神的な負担もどんどん大きくなっていくでしょう。

そのため、手術を繰り返し受ける必要がある場合は、慰謝料が増額される可能性があるのです。

なお、後遺障害が残り、将来的に何度も手術を受ける可能性があるケースでは、後遺障害等級認定に基づき「後遺障害慰謝料」のなかで補償されることになります。

3.手術により流産・中絶した場合

手術により妊婦さんが流産・中絶した場合も、慰謝料を増額できる可能性があります。

手術による影響を考えて中絶を余儀なくされた場合や、手術によって流産してしまった場合、母親の精神的苦痛は大きいといえるでしょう。

過去には、けがの治療のためにレントゲン検査を2回ほど受けたあとに妊娠が発覚した母親が、レントゲンによる影響をおそれ、やむを得ず中絶したという事例がありました。

この事例では、事故がなければ中絶をする必要がなかったこと、妊娠中は一般的に放射線を避ける必要があることなどが考慮され、慰謝料が10%ほど増額しています。

厳密には「手術による流産・中絶」ではありませんが、似たような理由で手術によって中絶や流産を余儀なくされる場合は慰謝料が増額される可能性があるでしょう。

なお、お腹の赤ちゃんに対する慰謝料は原則として支払われない点に注意してください。

お腹の赤ちゃんはまだ生まれておらず、母親の体の一部と考えられるため、慰謝料の対象にはなりません。

その代わり、被害者である母親に対する慰謝料を増額することで、苦痛をできるだけカバーできるようになっています。

交通事故の手術を理由に慰謝料の増額を目指す際の3つのポイント

交通事故で負ったけがについて手術を受けた場合、例外的に慰謝料の増額が認められる可能性があります。

慰謝料の増額を実現するために、以下のポイントをしっかりと押さえておきましょう。

1.増額事由を正確に把握する

慰謝料の増額を希望する場合は、増額事由に該当するケースを事前に確認しておくことが大切です。

増額事由に当てはまるケースについては、日弁連交通事故相談センター東京支部が発行する「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(通称「赤い本」)で言及されています。

赤い本では、具体的に以下のケースが増額事由に該当すると考えられています。

  • 生死が危ぶまれる状態が継続したとき
  • 麻酔なしでの手術など、極度の苦痛を感じたとき
  • 手術を繰り返し受けたとき

上記に該当する場合は、治療期間や通院日数にかかわらず慰謝料が増額される可能性があります。

当てはまる方は、慰謝料の増額に向けて必要な対策をおこないましょう。

2.増額事由を証明できる証拠を用意する

増額事由であると認められるために、それを立証できる証拠資料を準備しましょう。

具体的には、手術が交通事故によるものだったこと、増額事由に該当する手術であったことなどを証明できるものが必要です。

手術内容を記した書類などが必要な場合は、事前に医師に相談しておくのもよいでしょう。

増額事由にあてはまることを立証し、手術による精神的・身体的な負担が大きいと判断してもらえれば、慰謝料の増額を実現できる可能性も高まります。

3.交通事故が得意な弁護士に相談・依頼する

慰謝料の増額を目指すなら、交通事故トラブルが得意な弁護士に相談・依頼しましょう。

どのような証拠があれば増額事由を証明できるのか、一般の方が正確に判断するのは決して簡単ではありません。

また、慰謝料を受け取るには相手方の保険会社と示談交渉をおこなう必要があります。

保険会社は交渉のプロなので、一般の方が一人で対応しても言い負かされてしまう可能性があるでしょう。

交通事故トラブルが得意な弁護士に相談・依頼すれば、増額事由の立証や示談交渉などを全て代行してもらえます。

慰謝料増額に向けて論理的に主張・交渉してくれるので、自力で交渉するよりも増額の可能性も高くなるでしょう。

慰謝料増額を勝ち取りたいなら、まずは弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

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交通事故での手術と慰謝料に関するよくある質問

ここでは、交通事故による手術と慰謝料についてよくある質問をまとめています。

似たような疑問をお持ちの方は、ここで解消しておきましょう。

Q.手術による増額が認められた場合に慰謝料はどれくらい増えるか?

手術による慰謝料の増額幅はケースによって異なりますが、一般的には20%ほど増額する可能性があるでしょう。

反対に手術の内容によっては、あまり増額できないことも考えられます。

自分のケースでどのくらいの増額が見込めそうかは、弁護士に確認してみるとよいでしょう。

Q.手術でできた傷跡を理由に後遺障害慰謝料は受け取れるか?

交通事故による手術で傷跡が残り、外見に大きな影響を及ぼすこともあるでしょう。

傷跡が大きい場合や目立つ場合は、後遺障害等級に応じて「後遺障害慰謝料」が認められる場合があります。

後遺障害等級とは、交通事故などで後遺症が残った場合に、その程度に応じて認定される等級のことで、1級から14級まであります。

症状が重いほど等級が上がり、もらえる慰謝料の金額も高くなるのが通常です。

ただし、後遺障害等級認定は難易度がかなり高く、一般の方が一人で手続きをしても認定されないおそれがあります。

また、医師に適切な後遺障害診断書を作成してもらう必要がありますが、医師が必ずしも後遺障害認定に詳しいわけではありません。

確実かつ適切な後遺障害認定を獲得し、後遺障害慰謝料を受け取りたい場合は、弁護士に相談・依頼するのがおすすめです。

さいごに|慰謝料のことならベンナビ交通事故で弁護士を探して相談しよう

交通事故によるけがの治療で手術を受けても、原則として慰謝料は増額されません。

ただし、麻酔なしで手術を受けた・手術を繰り返し受けたなどの場合は、増額事由に該当し、慰謝料を増額できる可能性があります。

交通事故が原因で手術を受ける際に慰謝料の増額を目指すなら、弁護士に相談・依頼するのがおすすめです。

増額事由の証明や示談交渉などを弁護士に一任すれば、自分で対応するよりも慰謝料増額の可能性が高くなります。

「慰謝料を増額したいけど、何から始めればよいかわからない」「増額事由を証明するには何が必要?」など、少しでも不安や疑問があれば、まずは交通事故トラブルが得意な弁護士に相談してみてください。

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「初回の面談相談無料」「オンライン相談可」などの細かい条件で絞り込むこともできるので、きっと理想に近い弁護士を見つけられるでしょう。

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編集部
本記事はベンナビを運営する株式会社アシロが企画・編集をおこないました。
  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
  • ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドライン をご覧ください。
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