浮気相手と3人で話し合いをする際の落とし穴|対面での示談交渉はおすすめできない


配偶者の浮気が発覚したとき、怒りや悲しみ、混乱といったさまざまな感情が湧き上がり、「浮気相手と直接会って話したい」「自分の気持ちを伝えたい」「謝罪させたい」と考えるのは自然なことです。
しかし、感情的に浮気相手や配偶者と3人で話し合いの場を設けることは、大きなリスクをともないます。
場合によっては余計なトラブルを起こしかねないので、慎重に判断することを心がけましょう。
本記事では、浮気相手と3人で話し合いをするリスクや、どうしても話し合いをしたい場合の進め方・注意点などを解説します。
原則、浮気相手を交えた3人での話し合いはおすすめできない!
原則として、浮気相手を交えて3人で話し合いをすることはおすすめできません。
相手から提案されても応じる必要はなく、むしろ避けたほうがよいでしょう。
なぜ浮気相手を交えた3人での話し合いは避けるべきなのか、具体的な理由を3つ挙げて説明します。
- 感情的になりやすく、冷静な話し合いが困難になるから
- 相手方が結託して、不利な状況に追い込まれる可能性があるから
- 精神的なダメージがさらに大きくなる恐れがあるから
当事者間での話し合いは感情的になりやすく、話し合いは平行線をたどり、解決どころか、お互いを罵り合うような泥沼の状態になってしまう恐れがあります。
建設的な話し合いはほとんど期待できないでしょう。
また、3人で話し合いをするということは、1対2の構図になる可能性があるということです。
浮気をした配偶者と浮気相手が結託して攻撃してきたり、事実を隠蔽しようとしたりするかもしれません。
また、話し合いの場を設けたからといって、相手が素直に謝罪するとは限りません。
むしろ、開き直った態度を取られたり、責任転嫁されたりすることで、さらに深く傷つくことになるかもしれません。
浮気相手を交えた3人での話し合いに関するよくある誤解3選
「それでも、やっぱり直接会って話したほうが良いのでは?」と考える方もいるかもしれません。
浮気相手を交えた3人での話し合いに関して、多くの方が抱きがちな誤解を3つ紹介します。
1.相手から謝罪がもらえるのでは?→謝ってもらえないことが多い
浮気相手から謝罪してもらうことを目的に、話し合いの場を設けようとする人も多くいます。
しかし、浮気相手には話し合いに参加する義務も、謝罪する義務もないので、素直に応じてもらえるとは考えにくいでしょう。
仮に3人での話し合いが実現したとしても、浮気相手には自分の非を認めたくない、責任を追及されたくないという心理が働くため、謝罪は期待できません。
場合によっては、責任をなすりつけようとしたり、「もう終わったことだ」と開き直ったりする可能性も考えられます。
2.円滑に話し合いが進むのでは?→合意に至らない可能性が高い
「3人で直接話し合えば、お互いの言い分も聞けて、スムーズに解決できるのでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、浮気をした側とされた側では、立場も考えも全く異なるため、さまざまな点で意見が対立することが予想されます。
また、浮気相手も何かしらの対策を練って話し合いに臨んでいるはずなので、素直に要望を受け入れてもらえるとは考えないほうがよいでしょう。
3.精神的には満足するのでは?→期待通りにならないことが多い
「たとえ慰謝料が取れなくても、言いたいことを全部言えればスッキリするはず」と考える人もいるかもしれませんが、実際には、虚しさや怒り、後悔の念が残ることも多いです。
例えば、相手の不誠実な態度を目の当たりにして、さらに傷が深まることもあります。
また、感情的に相手を攻撃してしまった場合、あとで「あんなこと言わなければよかった」と自己嫌悪に陥る可能性もあります。
精神的な満足を求めて話し合いに臨むのは、非常にリスクが高いといえるでしょう。
どうしても浮気相手を交えた3人で話し合いがしたいときの大まかな流れ
さまざまなリスクを理解した上で、それでも3人で話し合いをしたいと強く望むのであれば、少なくとも以下の流れとポイントを押さえて、慎重に進めるようにしましょう。
1.話し合いの日にちと場所を決める
まず、話し合いの日時と場所を設定する必要があります。
日時は、全員の都合がつく日を選ぶことになりますが、あまり先の日にちにしてしまうと、その間に状況が変わったり、相手に準備の時間を与えすぎたりする可能性もあります。
場所については、不測のトラブルを避けるためにも密室以外の場所を選択しましょう。
例えば、人の目があるファミレスやカフェなどが望ましいです。
2.当日は示談案を渡してから話し合う
話し合いの場では、何を要求したいのかを明確に伝える必要があります。
口頭で伝えるだけでなく、事前に「示談案」として書面にまとめておき、話し合いの冒頭で相手方に渡すのが効果的です。
示談案には、例えば以下のような内容を盛り込みます。
- 浮気の事実を認めること
- 謝罪の意思表示
- 慰謝料の金額と支払い方法
- 浮気相手と配偶者が今後一切接触しないこと(接触禁止条項)
- 口外禁止条項(今回の件を第三者に漏らさないこと)
- 違反した場合の違約金
示談案を提示すれば、話し合いの論点が明確になり、感情的な言い争いに終始する事態を避けやすくなります。
また、要求が具体的になるため、相手も真剣に検討せざるを得なくなるでしょう。
3.浮気相手と配偶者からの意見も聞く
示談案を提示して要求を伝えたあとは、浮気相手と配偶者それぞれの意見を聞きましょう。
一方的に自分の主張を押し通そうとするのではなく、相手の言い分にも耳を傾ける姿勢が大切です。
ただし、相手の言い分が明らかに事実と異なる場合や、不当な要求である場合は、冷静に反論する必要があります。
感情的にならず、事実に基づいて、論理的に話し合いを進めることを心がけましょう。
事実が確定した場合は書面にまとめておくと、証拠のひとつとして役立てられることがあります。
4.問題がないなら示談書にサインをする
話し合いの結果、お互いが合意に至った場合は、その内容を「示談書」という形で書面に残します。
示談書は、後々のトラブルを防ぐために非常に重要なものです。
口約束だけでは、「言った」「言わない」の水掛け論になりかねません。
示談書には、当事者全員が署名し、押印します。
印鑑は実印が望ましいですが、認印でも法的な効力はあります。
なお、相手方が示談書を作成してきた場合は、その場でサインをするべきではありません。
一度サインをしてしまうと、原則としてその内容に拘束されてしまいます。
持ち帰って検討したり、弁護士に相談したりする時間をもらうようにしましょう。
浮気相手を交えた3人で話し合いをすることになったときのポイント
3人での話し合いを少しでも有利に、そして後悔のないように進めるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、特に重要な4つのポイントを解説します。
1.話し合いの目的を明確にしておく
話し合いを始める前に、「自分は何のために話し合いをするのか」「何を得たいのか」という目的を明確にしておくことが重要です。
目的が曖昧なまま話し合いに臨むと、感情に流されて論点がずれたり、相手のペースに巻き込まれたりして、結局何も得られないまま終わってしまう可能性があります。
話し合いの目的としては、主に以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 浮気の事実を認めさせ、謝罪を求めること
- 慰謝料を請求すること
- 浮気相手と配偶者の関係を完全に終わらせること
そして、話し合いの最中も目的を見失わないように意識することが大切です。
2.事前に確認事項などをまとめておく
話し合いの場で、スムーズに自分の主張を伝え、相手の言い分を正確に把握するためには、事前の準備が不可欠です。
確認したいこと、伝えたいこと、要求したいことなどを、あらかじめメモなどにまとめておきましょう。
- いつから浮気をしていたのか
- どのくらいの頻度で会っていたのか
- 肉体関係の有無や回数
- どちらから誘ったのか
- 既婚者であることを知っていたのか
- 今後どうするつもりなのか
感情的になって頭が真っ白になってしまった場合でも、メモを見返すことで冷静さを取り戻せるので、聞き忘れを防止できるはずです。
3.当日はボイスレコーダーなどで録音する
ボイスレコーダーやスマートフォンなどで話し合いの様子を録音しておくことは、後々のトラブルを防ぐために非常に有効な手段です。
万が一、話し合いがこじれて裁判などに発展した場合、録音データは重要な証拠となる可能性があります。
また、相手が話し合いの場で言ったことと、あとで言っていることが食い違った場合にも、録音があれば事実確認が容易です。
なお、無断での録音が発覚すると余計な問題を引き起こしかねないので、あらかじめ配偶者や浮気相手に了承をとっておくことをおすすめします。
4.男女問題が得意な弁護士に相談しておく
浮気相手を交えた3人での話し合いは、リスクが高い行為です。
どうしても面と向かって話し合いがしたい場合は、男女問題に詳しい弁護士に相談しておくことを強くおすすめします。
弁護士に相談すれば、現在の状況に応じた法的なアドバイスを受けられたり、話し合いで何を主張すべきか、どのような点に注意すべきか教えてもらえたり、示談書のチェックをしてもらえたりします。
場合によっては、話し合いに同席してもらうことも可能です。
何より、弁護士がバックにいるというだけで安心感を得られるので、冷静に話し合いに臨むことができるでしょう。
費用はかかりますが、それ以上に大きなメリットがあるはずです。
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浮気相手を交えた3人での話し合いをする際に知っておくべき注意点
最後に、実際に3人で話し合いをする際に、不利な立場になったり、問題をこじらせたりしないために注意すべき点を3つ紹介します。
1.怒鳴ったり感情的になったりしない
話し合いの場で感情を爆発させ、相手を怒鳴りつけたり、罵倒したりするのは絶対に避けましょう。
感情的になればなるほど、話し合いはまとまらず、解決までの期間が長引いてしまいます。
それどころか、暴言を吐いたことが原因で不利な立場に立たされてしまう可能性すらあります。
例えば、相手から「脅された」と主張され、慰謝料請求が難しくなるケースも考えられます。
定期的に休憩をはさみながらできる限り冷静さを保ち、落ち着いて話すことを心がけてください。
2.謝罪の強要など無理な要求をしない
浮気相手に土下座を強要したり、何度も執拗に謝罪を迫ったりするのはやめましょう。
そのような行為は「強要罪」にあたる可能性があり、法的な問題に発展する恐れがあります。
たとえ浮気が事実であっても、謝罪を強制することはできません。
無理な要求は、話し合いをこじらせるだけでなく、法的な責任を問われることにもなりかねません。
あくまでも法律の範囲内で、常識的な要求をすることが大切です。
どの程度の要求が妥当なのかわからない場合は、やはり弁護士に相談するのが賢明です。
3.自分が不利になるような失言をしない
不用意な発言が、不利な証拠として利用されてしまう可能性があることも忘れてはいけません。
例えば、以下のような発言が慰謝料請求の際に不利に働く可能性があります。
- 「私にも悪いところがあったのかもしれない」といった、自分の非を認めるような発言
- 「もともと離婚を考えることもあった」といった、夫婦関係がすでに破綻していたと受け取られかねない発言
- 「慰謝料を支払わなければ職場や家族にバラす」といった、脅迫めいた発言
話す内容には細心の注意を払い、感情に任せて不用意な発言をしないように気をつけましょう。
さいごに|少しでも不安なら弁護士に相談してアドバイスをもらおう
浮気相手を交えた3人での直接の話し合いは、多くの場合、期待するような結果にはならず、むしろ事態を悪化させる可能性があります。
感情に任せて行動を起こす前に、一度立ち止まって冷静に考えてみてください。
そして、少しでも不安を感じるのであれば、一人で抱え込まずに、男女問題や離婚問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士は法的な観点から的確なアドバイスをしてくれます。
また、示談交渉を任せられるため、精神的な負担も大きく軽減されるでしょう。