浮気相手が弁護士をつけてきた!やるべきことや想定されるリスクを徹底解説


夫の浮気が発覚し、ただでさえ大きなショックを受けている中で、浮気相手が弁護士を立ててきたら、さらに混乱し、どうすれば良いのかわからなくなってしまうものです。
「これからどうなるんだろう…」「もしかしてこちらが不利になるのではないか」と、不安な気持ちでいっぱいになるかもしれません。
しかし、相手が弁護士をつけてきたからといって、泣き寝入りする必要はありません。
しかるべき対処を講じれば、円滑にトラブルを解決することも十分可能です。
本記事では、浮気相手が弁護士をつけてきた場合にやるべきことや想定されるリスクについて詳しく解説していきます。
不倫相手に対抗して弁護士をつけるかどうかの判断基準も紹介しているので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
浮気相手が弁護士をつけてきた場合にやるべきこと
まず、浮気相手が弁護士を立ててきたと知ったときにやるべきことを3つのステップで見ていきましょう。
これらのステップを落ち着いて実行することが、今後の話し合いを有利に進めるための第一歩となります。
浮気相手の意向・要望を正確に把握する
まずは浮気相手が弁護士を通じて何をいいたいのか、何を求めているのかを正確に把握することが重要です。
相手の言い分がわからなければ、こちらも適切な対応ができません。的外れな反論をしてしまったり、相手のペースで話が進んでしまったりする可能性があるからです。
通常、浮気相手が弁護士に依頼すると、「受任通知」が送られてきます。
「〇〇さんの代理人として、今後の連絡窓口は当職が務めます」といった内容とともに、浮気相手側の主張や要求が記載されていることが一般的です。
例えば、「慰謝料を支払う意思はあるが、請求されている金額は高すぎるので減額してほしい」「そもそも肉体関係は一度きりで、継続的な不貞行為はなかった」「既婚者であるとは知らなかった」など、さまざまな主張が考えられます。
まずは送られてきた書面の内容をじっくりと読み込み、意向・要望を冷静に分析しましょう。
浮気の証拠をできるだけ多く集める
次に、浮気の事実を客観的に証明できる証拠を、できる限り多く集めることが重要です。
相手が弁護士をつけてきたということは、何かしらの反論をしてくる可能性があります。
そのような場合でも、確固たる証拠があれば、自身の主張の正当性を裏付けることが可能です。
一方で、浮気の証拠が不十分だと、相手の弁護士から「証拠がない以上、慰謝料を支払う義務はない」と主張されたり、大幅な減額を要求されたりする可能性があります。
浮気を証明する有効な証拠の例
では、具体的にどのようなものが浮気を証明する有効な証拠となり得るのでしょうか。
たとえば、以下のものが挙げられます。
- 写真や動画:ラブホテルや浮気相手の家に出入りしている様子など肉体関係にあることがわかるもの
- 音声データ:浮気の事実を認める会話の録音、肉体関係をうかがわせる会話の録音
- メールやSNSのメッセージ:LINE、InstagramのDM、Facebookのメッセンジャーなどで、肉体関係があったことや頻繁に会っていたことがわかるやり取り、「愛している」「会いたい」といった親密なメッセージのやり取り
- クレジットカードの利用明細や領収書:ラブホテルの利用履歴、浮気相手へのプレゼント代と思われる高額な支払い
- 探偵事務所の調査報告書:客観的かつ法的に有効な証拠を収集してくれる専門家の報告書
- 手帳や日記:浮気相手と会った日や内容が具体的に記されているもの
- GPSの記録:ラブホテルや浮気相手の自宅など、不貞行為の現場と思われる場所への立ち寄り記録
証拠を複数組み合わせることで、より強力な証明力を持つようになります。
ただし、相手のスマホを無断で見る、SNSのアカウントに不正ログインするなど違法な手段は避けるようにしましょう。
相手が弁護士を立ててきたからこそ、より慎重かつ確実に証拠を集め、法的な反論に備える必要があります。
浮気・不倫問題が得意な弁護士に相談する
最も重要なのが、浮気・不倫問題に詳しい弁護士に速やかに相談することです。
相手は法律の専門家である弁護士を代理人に立てています。
法的な知識や交渉経験には圧倒的な差があるため、個人で対等に渡り合うのは非常に難しいと言わざるを得ません。
不利な条件を飲まされたり、言いくるめられたりするリスクを避けるためには、こちらも専門家を立てるのが賢明です。
弁護士に依頼すれば、代理人として相手の弁護士と直接交渉してくれます。
相手の弁護士と直接話す必要がなくなるため、精神的な負担も大幅に軽減されるはずです。
また、弁護士は法的な観点から集めた証拠の有効性を判断し、適切な慰謝料額を算定するなど、最善の解決策を提案してくれます。
浮気相手が弁護士をつけてきた以上、法的な対応を避けて通ることは難しいでしょう。
自分の権利を守り、正当な慰謝料を得るためにも、まずは信頼できる弁護士に相談し、アドバイスを求めることが、問題解決への確実な一歩となります。
浮気相手が弁護士をつけてくるのはどんなとき?
では、そもそもなぜ浮気相手は弁護士を立ててくるのでしょうか。
その背景には、いくつかの典型的なパターンがあります。
相手の意図を知ることで、今後の展開を予測しやすくなります。
慰謝料の金額について争おうとしているとき
浮気相手が弁護士をつけてくる主な理由は、慰謝料の金額について争う姿勢があるからです。
慰謝料の金額は、当事者間の話し合いで自由に決められます。
そのため、慰謝料の減額を目的に、浮気相手が弁護士をつけて交渉に臨むケースは多く見受けられます。
慰謝料を少しでも減らすことが弁護士の仕事なので、相場よりも低い金額を提示してきたり、収入や資産状況を考慮して「支払い能力がない」と主張して来たりすることが想定されます。
「既婚者だと騙された」と主張するとき
浮気相手が弁護士をつけてきた場合は、「あなたの配偶者が既婚者であることを隠していたため、自分も被害者だ」と主張してくる可能性もあります。
そのうえで、「騙されていたのだから、慰謝料を支払う義務はない」あるいは「減額されるべきだ」と交渉してくるわけです。
相手方弁護士は、主張を裏付けるための証拠を探したり、嘘をついていた配偶者に対する責任を追及したりすることを考えているかもしれません。
無理やり関係をもたされたと主張するとき
まれなケースではありますが、浮気相手が「あなたの配偶者から無理やり肉体関係を強要された」と主張し、不貞行為の自発性を否定しようとすることがあります。
この主張が認められれば、慰謝料の支払い義務が免除されたり、大幅に減額されたりする可能性があります。
また、無理やり性行為やわいせつな行為に及んでいたことが事実であれば、配偶者の刑事責任について弁護士から指摘される可能性もあるでしょう。
そもそも不貞行為はなかったと主張するとき
「食事に行っただけ」「二人きりで会ったことはない」などと、不貞行為の事実そのものを否定するために、浮気相手が弁護士を立てることもあります。
この場合、弁護士は証拠の不備を指摘したり、証拠の信用性を争ったりすることで、不貞行為の事実認定を困難にさせようとします。
だからこそ、先ほど述べたように、客観的で確実な証拠集めが重要になるのです。
「自分だけが悪いわけではない」と主張するとき
浮気相手が弁護士をつけてきた場合、「確かに不貞行為はあったかもしれないが、その責任は自分だけにあるわけではない」と主張されることも想定しておくべきでしょう。
例えば、「あなたの夫婦関係はすでに破綻していたと聞いていた」「あなたの配偶者から積極的に誘ってきた」などと主張し、責任の割合を争おうとするのです。
上記のケースからもわかるように、浮気相手が弁護士をつけてきた場合は法的な根拠に基づいて、自身の責任を軽減しようとさまざまな主張をしてくる可能性が高いといえます。
浮気相手が弁護士をつけてきた場合に想定されるリスク
浮気相手に弁護士がついた場合、具体的にどのようなリスクが生じるのでしょうか。
主なリスクを3つ見ていきましょう。
浮気相手に代わって弁護士と交渉することになる
弁護士が出てきた場合、直接浮気相手と話す機会はなくなります。
その代わりに、浮気相手の代理人となった弁護士と交渉を進めなければなりません。
弁護士は法律の専門家であり、交渉のプロでもあります。法的な知識や交渉を持たない中で、弁護士と対等に渡り合うことは難しいでしょう。
その結果、弁護士に言いくるめられて、正当な慰謝料を受け取れない可能性が出てきます。
また、弁護士とやり取りすること自体が大きなストレスになるでしょう。
不利な条件を飲まされる可能性がある
相手の弁護士は、当然ながら浮気相手の利益を最大限に守ろうとします。
そのため、相場よりも低い慰謝料額での和解、支払い期限の長期化など、請求する側に不利な条件を提示してくる可能性があります。
法的な知識が不十分なまま交渉に臨んでしまうと、本来であれば受け入れる必要のない条件を飲まされてしまうリスクがあります。
また、「早く終わらせたい」「これ以上揉めたくない」という気持ちから、焦って不利な合意をしてしまう人が多いのも実情です。
問題解決までの期間が長引きやすくなる
弁護士が間に入ることで、問題解決までの期間が長引く傾向があります。
浮気相手がわざわざ弁護士をつけてきたということは、何かしらの主張をもっているということです。
双方の主張の隔たりが大きい場合には、合意に至るまでに何度も交渉を重ねる必要が出てきます。
交渉が決裂し、調停や裁判といった法的手続に移行することもあり、そうなるとさらに時間と労力を要します。
相手側の弁護士は粘り強く交渉してくるはずなので、簡単に決着をつけられるものではないことを理解しておきましょう。
浮気相手が弁護士をつけてきた場合は対抗して弁護士に依頼するべき?
浮気相手が弁護士をつけてきた場合、対抗して弁護士に依頼するべきかどうかは、そのときの状況次第です。
ここでは、弁護士に依頼したほうがよいケースと、自力でも対応できるケースをそれぞれみていきましょう。
相手と争うべき点があるなら、基本的に弁護士をつけたほうがよい
浮気相手の主張に対して納得できない点がある場合は、弁護士に依頼しましょう。
法律の専門家を相手に一人で交渉に臨むと、法的な知識や交渉力の差から、不利な状況に立たされる可能性が非常に高いです。
例えば、相手の弁護士から「不貞行為の証拠が不十分なので、慰謝料は支払えない」と主張されたとします。
このとき、相手の主張の妥当性を判断し、法的に有効な反論をするのは簡単ではありません。
しかし、弁護士に依頼していれば、集めた証拠の法的な意味合いを的確に説明し、相手の主張を崩すための交渉をおこなってくれます。
また、慰謝料の金額についても、相手の弁護士はさまざまな理由をつけて減額を求めてきます。
その際に、弁護士が味方についていれば、過去の裁判例やあなたの精神的苦痛の大きさを考慮して、適正な金額を主張し、安易な妥協を防いでくれます。
弁護士に依頼することで、法的に対等な立場で交渉ができ、正当な権利を守り、適正な慰謝料を獲得できる可能性が高まります。
また、相手の弁護士とのやり取りを全て任せられるため、精神的な負担も大きく軽減されるはずです。
浮気の事実や慰謝料請求に関して争いがないなら自力で対応できることもある
浮気相手が弁護士をつけてきたものの、不貞行為の事実を全面的に認め、慰謝料の金額にも特に異議を唱えていない場合は、必ずしも弁護士を立てる必要はないでしょう。
実際、争うつもりはなく、事務的な手続きを適切に進めることを目的として、弁護士に依頼する人も少なくありません。
相手の弁護士から連絡があり、「依頼人は不貞行為の事実を認めており、請求額〇〇万円を一括で支払う意向です。つきましては、示談書を作成したいと考えております。」といった内容であれば、自力で対応することも可能です。
とはいえ、示談書の不備が原因でトラブルが生じたり、相手が急に態度を変えてきたりする可能性も否定できません。
少しでも不安がある場合は、弁護士に依頼することを検討しましょう。
浮気・不倫問題に強い弁護士選びで失敗しないためのポイント
浮気相手が弁護士をつけてきたときは、対抗して弁護士に依頼することをおすすめします。
しかし、弁護士なら誰でもいいというわけではありません。
特に浮気・不倫問題は、専門的な知識や経験が求められる分野です。
ここでは、最良のパートナーとなる弁護士を見つけるためのポイントを3つ紹介します。
浮気・不倫問題の解決実績が豊富にあるか
弁護士選びで重要なのは、浮気・不倫問題に関する案件をどれだけ扱ってきたか、そして実際に解決してきた実績が豊富にあるか、という点です。
弁護士にもそれぞれ得意な分野があります。
企業法務に強い弁護士もいれば、交通事故に強い弁護士もいます。
浮気相手との慰謝料交渉を有利に進めるためには、この分野特有の法解釈や過去の裁判例、交渉のノウハウに精通している必要があります。
法律事務所のホームページなどで、取り扱い分野や解決事例を確認してみましょう。
「離婚・男女問題に注力」「不貞慰謝料請求の解決実績多数」といった記載があれば、ひとつの目安になります。
相談時に、具体的な経験や実績について質問してみるのもよいでしょう。
相性がよいと感じるか
弁護士との相性も非常に重要なポイントになります。
具体的には、以下のような点に着目しておくとよいでしょう。
【話しやすいか、親身に相談に乗ってくれるか】
辛い気持ちや状況を察して、丁寧に話を聞いてくれる弁護士を選びましょう。
威圧的だったり、話を遮ったりするような弁護士では、安心して任せることができません。
【説明がわかりやすいか】
難しい法律用語を並べるのではなく、平易な言葉で丁寧に説明してくれる弁護士が望ましいです。
疑問点や不安なことについて、遠慮なく質問できる雰囲気かどうかも大切です。
【信頼できると感じるか】
最終的に「この弁護士になら任せられる」と心から信頼できるかどうかが重要です。
初回の相談などで実際に話してみて、人柄や対応の誠実さを見極めましょう。
弁護士費用は明確に提示されているか
弁護士に依頼するとなると、やはり気になるのが費用面です。
弁護士費用は、決して安い金額ではありません。
だからこそ、費用体系が明確で、事前にきちんと説明してくれる弁護士を選ぶことが大切です。
相談時に具体的な金額や計算方法、支払い時期などの説明を受けたうえで、詳細な見積もりを出してもらうようにしましょう。
「費用についてはあとで」と曖昧にするような弁護士は避けたほうが無難です。
浮気相手への慰謝料請求を弁護士に依頼した場合の費用相場はどのくらい?
弁護士に依頼する場合の費用は、事案の複雑さや事務所の方針によって異なりますが、一般的な相場観を知っておくことは大切です。
浮気相手への慰謝料請求を弁護士に依頼した場合、主に以下のような費用が発生します。
項目 | 概要 | 費用相場 |
---|---|---|
相談料 | 法律相談をする際にかかる費用 | 30分につき5,000円程度 (初回は無料に設定している事務所も多い) |
着手金 | 弁護士に正式に依頼する際に支払う費用 | 交渉で解決する場合:10万円~20万円程度 裁判(訴訟)になった場合:20万円~30万円程度 |
報酬金 | 依頼した案件が解決した際に、その成果に応じて支払う費用 | 獲得できた慰謝料の10%~20%程度 |
実費 | 交通費・印刷代・郵送費など、手続きを進める上で実際にかかった費用 | 事案による |
日当 | 遠方の裁判所に出廷する場合の費用 | 1回につき3万円~5万円 |
これはあくまで目安であり、個別の状況によって変動します。
必ず事前に複数の事務所から見積もりを取り、内容を比較検討するようにしましょう。
弁護士費用の負担を抑えるためのコツ
弁護士費用は決して安くありませんが、工夫すれば負担を軽減できる可能性があります。
無料相談に対応している法律事務所を選ぶ
多くの法律事務所では、初回30分~1時間程度の無料法律相談を実施しています。
まずは無料相談を活用して、複数の弁護士に話を聞いてみましょう。
無料相談で弁護士の見解や対応方針、そして費用の見積もりなどを確認できます。
複数の無料相談を利用すれば、相性の良い弁護士を見つけやすくなるだけでなく、費用を比較することも可能です。
弁護士費用保険の活用を検討する
弁護士費用保険に加入している場合は、利用できる可能性があります。
弁護士費用保険とは、弁護士に相談・依頼する際の費用を補償してくれる保険です。
加入している保険の種類・契約内容によって、補償の範囲や条件が異なるので、まずは保険会社に問い合わせて確認してみましょう。
複数の法律事務所から見積もりをとって比較する
前述の通り、弁護士費用は事務所によって異なります。
ひとつの事務所だけの話を聞いて決めてしまうのではなく、複数の事務所から見積もりを取り、料金体系やサービス内容を比較検討することが大切です。
ただし、単に費用が安いというだけで選ぶのは避けましょう。
弁護士の実績や信頼性、相性などを総合的に判断して選ぶことが重要です。
できるだけ早い段階で相談・依頼する
できるだけ早い段階で弁護士に相談・依頼しておけば、結果的に費用を抑えられることがあります。
問題がこじれて複雑化する前なら、弁護士に依頼する内容を最小限に抑えられるため、その分弁護士費用も安くなるのです。
たとえば、示談交渉のタイミングで依頼するのと、裁判に発展してから依頼するのとでは、弁護士費用が大きく変わってきます。
経済的に余裕がない場合は法テラスに相談する
どうしても弁護士費用を支払う経済的な余裕がないという場合には、法テラスに相談するという選択肢もあります。
法テラスは、国が設立した法的トラブル解決のための総合案内所です。
収入や資産が一定の基準以下であるなどの条件を満たせば、無料の法律相談や弁護士費用の立替えに応じてもらえます。まずは近くの法テラスに問い合わせて、利用条件などを確認してみるとよいでしょう。
【参考記事】無料法律相談のご利用の流れ|法テラス
さいごに|浮気・不倫に関するトラブルは弁護士に相談を!
パートナーに浮気され、その上、浮気相手が弁護士まで立ててきたとなれば、怒りや不安、悔しさで心が押しつぶされそうになるのは当然のことです。
しかし、一人で抱え込まないでください。
相手が弁護士をつけてきたからといって、臆することはありません。
こちらも弁護士に相談し、適切な対応を取れば、適正な慰謝料を請求することが十分に可能です。
浮気相手が弁護士をつけてきたら、それは「こちらも専門家を頼るべきサイン」と捉え、まずは勇気を出して、浮気・不倫問題に強い弁護士に相談してみてください。
弁護士は、法的な知識と経験をもって最善の方法を一緒に考えてくれます。