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ダブル不倫の慰謝料|請求方法・相場・増額されやすいケースなどを解説

弁護士監修記事
離婚トラブル
2025年10月30日
2025年10月30日
ダブル不倫の慰謝料|請求方法・相場・増額されやすいケースなどを解説
この記事を監修した弁護士
阿部 洋介弁護士 (法律事務所Legal Barista)
結婚相談事業所を併設しており、全国的にも珍しい「婚」に注力した法律事務所となっております。ご依頼者様に寄り添った姿勢で最善の解決策をご提案いたします。
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配偶者が既婚者と不倫していた場合、相手に対して慰謝料を請求できるのかどうか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

夫の不倫相手が既婚者、いわゆるダブル不倫の場合、相手女性の配偶者からしたらあなたの夫は不倫相手であり、逆に慰謝料請求される可能性も十分に考えられます。

もしそうなった場合、慰謝料請求はどう進めていくべきなのでしょうか。

そもそもダブル不倫ではいくらの慰謝料を請求できるのかも気になるところです。

そこで本記事では、ダブル不倫における慰謝料の基本知識から、請求方法、相場の目安、そして増額されやすいケースまでを詳しく解説します。

複雑な立場にある方でも、適切に対応できるよう、ぜひ参考にしてください。

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目次

ダブル不倫の慰謝料請求は、損をしてしまう可能性も少なくない

ダブル不倫の被害者は、あなただけではありません。

相手の配偶者も被害者のひとりです。

そのため、自身が請求した慰謝料より相手からの請求額のほうが高ければ、損をしてしまう可能性も少なくありません。

まずはダブル不倫の慰謝料請求で知っておくべきポイントを、解説します。

ダブル不倫の両被害者がお互いに慰謝料請求をし合い、利益がでないこともある

ダブル不倫は、双方の夫婦に被害者がいます

そのため、もしお互いに慰謝料を請求し合えば、利益が出ないこともあります。

また、自身の配偶者に対しても慰謝料を請求できますが、離婚しない場合は同一の家計内で金銭が移動するだけなので意味がありません。

ダブル不倫後も結婚生活を続けるなら、配偶者への慰謝料請求のメリットはないといえるでしょう。

また、自身は離婚しなくても相手夫婦が離婚することになってしまったら、こちらが支払う慰謝料のほうが高額になります。

状況にもよりますが、両被害者に利益が出ないのであれば、お互い慰謝料請求しないということで合意するケースも多いようです。

こちら側に不利な点があれば、かえって損になることもある

こちら側に不利な点があれば、慰謝料請求をしてもかえって損になることもあります。

もし自分の配偶者が主導して不倫していたなら、こちら側の責任のほうが重たいとされるでしょう。

また、相手夫婦のほうが婚姻期間が長い、自分たちは離婚しないが相手夫婦は離婚することになったなどの場合も、相手が受けるダメージのほうが大きいといえます。

このように自分たちに不利な点があるなら、獲得できる金額よりも請求される金額のほうが高くなるため、結局損をするかもしれません。

そのため、ダブル不倫で慰謝料請求を考えているなら、不貞行為や相手夫婦の状況も理解しておく必要があります。

慰謝料請求にあわせ離婚する場合、相手からの慰謝料請求を気にする必要はない

ダブル不倫によって自身が離婚するなら、相手からの慰謝料請求を気にする必要はありません。

離婚をする場合、慰謝料を支払うのは不倫をした配偶者本人です。

被害者であるあなたは単に慰謝料を受け取るだけになるので、相手から慰謝料請求されても家計の痛手にはなりません。

離婚するのであれば、配偶者と相手女性、双方へ慰謝料請求したほうが利益が大きいといえるでしょう。

慰謝料請求にあわせ離婚する場合、配偶者の経済負担は重くなる

慰謝料請求にあわせて離婚する場合、配偶者は不倫相手の配偶者及びあなたの両名に対して慰謝料を支払うことになります。

一度にまとまった金額を支払うため、配偶者の経済的負担は重くなるでしょう。

そして、もしも配偶者に資力がなければ、慰謝料は支払えません。

そのため、確実に慰謝料を獲得するためにも、現実的に支払い可能な額を請求する、分割払いにも応じるなど柔軟に対応したほうがよいケースもあります。

相手の配偶者が不倫の事実を知らない場合、高額な慰謝料を請求できる可能性もある

相手の配偶者が不倫の事実を知らないということも考えられます。

その場合は、高額な慰謝料を請求できるかもしれません。

たとえば、以下2組の夫婦がいたとします。

  • 夫A、妻Bの夫婦
  • 夫C、妻Dの夫婦

夫Aは妻Dと不倫をしており、その事実を妻Bは知っているが、夫Cは知らないということもあるはずです。

妻Dは、不倫していることを自分の夫Cに知られたくないでしょう。

そのような状況で妻Bから慰謝料請求されたら、夫Cにばれたくないがゆえに相場よりも高額な慰謝料で合意できるかもしれないのです。

リスクがあっても、ダブル不倫の慰謝料請求をしたほうがよい理由

ダブル不倫の慰謝料請求には、逆に慰謝料を請求されたり、高額な慰謝料を支払うことになったりなどのリスクがあります。

とはいえ、不倫による精神的な苦痛は相当なものです。

「慰謝料請求は絶対にしたい」という方も多いでしょう。

そもそも、相手の配偶者にダブル不倫がばれたからといって、必ず慰謝料請求されるとも限りません。

どうしてもばれたくないなら、慰謝料請求の通知書の送り方を工夫するなど内密に事を進めることも可能です。

また、自身が離婚の意思を固めているなら、相手から慰謝料請求されるリスクを考える必要もありません。

慰謝料を支払うのはあなたの配偶者です。

離婚して家計が別になるなら、あなたへの影響もないでしょう。

配偶者に不倫されたのに何もできないというのは、納得がいかないものです。

もしリスクが不安であれば、弁護士に相談して慰謝料請求を進めましょう

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ダブル不倫の慰謝料相場

ダブル不倫と通常の不倫とで、慰謝料の額が大きく変わることはありません。

慰謝料の相場は、夫婦が離婚するのかしないのかで相場が変わります

もちろん離婚する場合の慰謝料のほうが高額になるでしょう。

では、具体的にいくらの慰謝料が獲得できるのでしょうか。

相場を解説します。

離婚しない場合|50万円~100万円

ダブル不倫が発覚しても離婚しない場合、慰謝料の相場は50万円~100万円程度です。

今後も結婚生活を続けるなら、ダブル不倫が夫婦関係に大きな影響を与えていないとみなされます。

そのため、慰謝料は比較的低い金額になるといえるでしょう。

離婚する場合|200万円~300万円

ダブル不倫によって離婚することになった場合、慰謝料の相場は200万円~300万円程度です。

離婚をするということは、ダブル不倫が夫婦関係に大きな影響を与えたとみなされます。

離婚による精神的な苦痛も大きいため、慰謝料も高額になるでしょう。

ただし、ダブル不倫発覚前にすでに婚姻関係が破綻していた場合、不貞行為が直接の離婚原因とはいえません。

そのため、慰謝料は請求できない、もしくは請求できても大幅に減額されてしまう可能性があります。

ダブル不倫の慰謝料が増額されやすいケース

夫婦関係や不貞の状況によっても、ダブル不倫の慰謝料は変動します。

ここからは、慰謝料が増額されやすいケースを紹介しましょう。

婚姻期間が長い場合

婚姻期間が長い場合は、慰謝料が増額されやすい傾向があります。

婚姻期間が長ければ、不倫による夫婦関係への影響や精神的苦痛が大きいと考えられるからです。

慰謝料の具体的な相場は、以下のとおりです。

  • 婚姻期間が5年未満の場合 50万円~300万円
  • 婚姻期間が10年未満の場合 50万円~500万円
  • 婚姻期間が20年未満の場合 100万円~400万円
  • 婚姻期間が30年以上の場合 200万円~1,000万円

なお、これらはあくまで目安の金額です。

自身のケースでどの程度の慰謝料を請求できるか、具体的な金額が知りたいなら弁護士へ相談してみましょう。

子どもがいる場合

夫婦の間に子どもがいる場合も、慰謝料が増額されやすい傾向にあります。

不倫で傷ついている母親を見て、子どももショックを受けるはずです。

両親の異変に気づき、情緒不安定になる可能性もあります。

特にまだ小さい子どもがいる、思春期の子どもがいる場合、不倫が子どもに与える影響は大きいとされ、慰謝料が増額される理由になります。

そして育児を放棄してまで不倫をしていた場合も、慰謝料が増額される可能性があるでしょう。

不倫の期間が長く、頻度が高い場合

不倫の期間が長く、頻度が高い場合は慰謝料が増額されやすい傾向があります。

配偶者が長期間にわたり高い頻度で不貞行為をおこなっていた事実は、非常に辛いものです。

その精神的苦痛の大きさから、慰謝料が増額される傾向にあります。

一般的に、不倫の期間が3ヵ月未満であれば短い、3ヵ月~1年程度であればやや長い、1年以上であれば長期とみなされるようです。

不貞(肉体関係)の頻度については、1回~3回程度であれば少ない、20回程度であれば多いとされます。

不倫が原因で心身に支障が生じている場合

不倫が原因で心身に支障が生じている場合は、慰謝料が増額されやすい傾向があります。

たとえば、うつ病や睡眠、摂食障害などを発症したのであれば、精神的な苦痛は非常に大きいとされます。

診断書や通院を証明できるものを証拠として用意し、慰謝料請求を進めましょう。

夫婦関係が円満だった場合

夫婦関係が円満だった場合は、慰謝料が増額されやすい傾向があります。

ずっと円満に過ごしてきたのに、ダブル不倫が原因で夫婦関係が壊れてしまったら、これまでの生活を取り戻すことは難しいものです。

ダブル不倫が夫婦関係に大きな影響を与えたとされ、慰謝料が増額される理由になります。

請求相手が不倫のきっかけをつくっている場合

慰謝料の請求相手が不倫のきっかけをつくっている場合は、慰謝料が増額されやすい傾向があります。

たとえばあなたが妻の立場で、夫がダブル不倫をしていたと仮定します。

もし夫のほうが女性を積極的に誘ったり、頻繁に連絡していたりしたら、夫が不倫の主導権を握っていたといえるでしょう。

この場合、不倫の責任は夫のほうが大きいとされ、慰謝料が増額される理由になります。

請求相手の年収が高い場合

請求相手の年収が高い場合は、慰謝料が増額されやすい傾向があります。

慰謝料の金額は、相手の資力によっても変わります。

年収が高いのであれば支払い能力があるため、高額な慰謝料が認められやすいのです。

ただし、逆に請求相手の年収が低い場合は、増額要因があったとしても高額な慰謝料請求は難しいといえます。

請求相手の配偶者が不倫に気づいていない場合

請求相手の配偶者が不倫に気づいていない場合は、慰謝料が増額されやすい傾向があります。

一般的に不倫の事実は、配偶者にばれたくないものです。

もし請求相手の配偶者が不倫に気づいていないなら、相手はこのまま穏便に解決したいと考えるでしょう。

そのため、相場よりも高い慰謝料で合意できる可能性があります。

ダブル不倫の慰謝料を請求する方法

不倫の慰謝料は、いくつかのステップを踏んで請求することになります。

ここからは、ダブル不倫の慰謝料を請求する方法について見ていきましょう。

当事者間で話し合う

まずは当事者間での話し合いから始めましょう。

あなたと配偶者、不倫相手の女性とその配偶者の4名で話し合いを進めます。

不倫をした当事者が言い逃れできないように、不倫の証拠を用意してから話し合いに臨みましょう。

もし不倫相手の配偶者が感情的になり、高額な慰謝料を請求してきたら、話し合いでの解決は難しいかもしれません。

その場合、弁護士へ相談し、間に入ってもらうことも検討しましょう。

内容証明郵便を送付する

直接の話し合いが難しいなら、不倫相手に内容証明郵便を送付しましょう。

内容証明郵便とは、「いつ、誰が、誰に、どんな内容の郵便を送ったのか」ということを証明してくれる郵便のことです。

相手に一定のプレッシャーをかけることができますし、もし裁判になった場合も証拠として使えます。

ただし、内容証明郵便に法的効力はないので、この時点で相手方が応じるかどうかはわかりません。

裁判を起こす

不倫の慰謝料請求についてどうしても合意ができないなら、調停や訴訟などの裁判手続きをとりましょう。

裁判は、自身でも申し立てることができます。

しかし専門的な知識が必要なので、なるべくなら弁護士へ依頼したほうがよいでしょう。

弁護士に依頼すれば、申し立てや裁判の対応など全て代理でおこなってくれます。

有利な証拠や主張を用意して戦ってくれるので、希望の解決に近づけるかもしれません。

ダブル不倫の慰謝料を請求する際の注意点

ダブル不倫の慰謝料請求には、注意しておきたいポイントがあります。

自身が損をすることのないよう、これからご紹介するポイントをしっかりおさえておきましょう。

慰謝料請求には時効がある

不倫の慰謝料請求には、時効があります

時効の発生時期は、誰に何の慰謝料を請求するのかによっても異なるので注意が必要です。

以下に具体的な時効について、解説します。

時効の種類 事項
不倫相手に慰謝料を請求する場合の時効 不倫の事実及び不倫相手の素性(名前・住所など)を知ってから3年
もしくは
不倫が起こってから20年
配偶者に対して慰謝料を請求する場合の時効 不倫の事実を知った時から3年
もしくは
不倫が起こってから20年
配偶者に対して、不倫が原因の離婚慰謝料を請求する場合の時効 離婚したときから3年
もしくは
離婚後に不倫が発覚したなら、不倫を知ってから3年、もしくは不倫が起こってから20年

時効が成立すると、慰謝料を請求する権利がなくなります

損をしないためにも、時効はしっかり把握しておきましょう。

請求相手に求償権を行使される可能性がある

ダブル不倫の慰謝料を請求しても、相手から求償権を行使される可能性があります。

求償権とは、債務を債務者の代わりに第三者が立て替えた場合に、第三者が債務者に対して立替分を請求できる権利のことです。

ダブル不倫においては、夫の不倫相手に慰謝料請求して支払いを受けたあと、逆に不倫相手から夫に対して「自分が払った慰謝料を負担しろ」と請求されることを指します。

不貞行為は法律上、共同不法行為にあたります。

共同不法行為をした当事者両名は、被害者に対して慰謝料を払う義務があるのです。

そのため、本来夫が支払うはずだった慰謝料を不倫相手が肩代わりしたのなら、不倫相手が求償権を行使し、夫に対して肩代わりした分の慰謝料を請求することができます。

ただし、支払った分を全額請求できるわけではありません。

当事者の責任度合い(負担割合)によって請求できる額が異なり、多くのケースでは求償権の負担割合は5:5とされるようです。

とはいえ、請求相手から求償権を行使されると手元に残る慰謝料は減ってしまいます。

それを防ぐためにも、示談書などには求償権を放棄する文言を入れるようにしましょう。

さいごに|ダブル不倫の慰謝料請求を検討しているなら弁護士に相談を!

ダブル不倫の慰謝料請求は、まず当事者で話し合い、その後内容証明郵便を送る、裁判を起こすといった流れで進めていきます。

ケースにもよりますが、ダブル不倫の慰謝料相場は、離婚しない場合は50万円~100万円、離婚する場合は200万円~300万円程度です。

ただし、婚姻期間が長い、幼い子どもがいる、不貞行為の長さや頻度によっては慰謝料が増額されることもあります。

金額の目安は夫婦や不貞の状況によっても変わるので、弁護士への相談がおすすめです

弁護士に相談すれば、自身のケースでいくらくらいの慰謝料が獲得できそうなのかを算出してくれます。

思ったより高額な慰謝料を獲得できるかもしれません。

また、証拠に関しても適切なアドバイスをもらえるので、交渉や裁判も有利に進められる可能性があります。

配偶者の不倫相手との直接対決はストレスも大きく、つい感情的になってしまうかもしれません。

少しでも負担を減らして冷静に対処するためにも、早めに弁護士へ相談しましょう。

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