近くの弁護士・法律事務所を探せる検索サイト

遺産相続トラブルで揉めやすいパターンを解説!揉め事に巻き込まれた際の対処法など

弁護士監修記事
遺産相続 相続手続き
2025年12月15日
遺産相続トラブルで揉めやすいパターンを解説!揉め事に巻き込まれた際の対処法など
この記事を監修した弁護士
金森 将也弁護士 (金森総合法律事務所)
23年以上のキャリアを持ち、高度な専門知識で安心のアドバイスを提供。「話しやすさ」と「的確な見通しの提示」を大切にしています。
法律事務所のプロフィールを見る
  • 「遺産相続が始まるが、親族間の仲があまりよくないから不安…」
  • 「できるだけ親族間のトラブルに巻き込まれたくない…」

遺産相続トラブルについて、このような不安を抱えていませんか?

決められた手続きに沿って遺産相続を進めれば、相続人の不満は比較的少なくなるでしょう。

とはいえ、遺産の分配方法や相続人同士の関係によっては、思わぬトラブルが起こることも少なくありません。

相続人同士が争うと、財産分割が長引き、精神的・金銭的な負担が大きくなる可能性もあります。

トラブルを防ぐためには、事前に相続人や財産の状況を整理し、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談しておくのが重要です。

本記事では、遺産相続トラブルのよくあるパターンやトラブルに巻き込まれた場合の対処法、弁護士に相談するメリットやタイミングについて解説します。

未然にトラブルを回避し、相続手続きをスムーズに進めるための参考にしてください。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ相続で
遺産相続が得意な弁護士を探す

遺産相続トラブルのよくあるパターン4選

遺産相続トラブルでよくあるパターンは、主に以下の4つです。

  1. 不公平な遺言書が残されている場合
  2. 不動産など分割しにくい財産がある場合
  3. 相続人同士が疎遠・不仲になっている場合
  4. 特定の相続人が被相続人の介護をしていた場合

ここから、それぞれのパターンについて詳しく解説します。

1.不公平な遺言書が残されている場合

相続の際、遺言書がある場合でも内容が不公平だとトラブルに発展しやすくなります。

たとえば、長男は資産価値の高い土地を相続するのに対して、次男は資産価値の低い土地を相続するケースです。

遺言内容が不公平であっても、遺産分割は原則として遺言書の内容通りにおこなわれます。

そのため、特定の相続人に多くの財産が渡ると、ほかの相続人が不満を抱く可能性が高いです。

2.不動産など分割しにくい財産がある場合

土地や建物など、遺産の中に遺産分割がしにくい財産が含まれている場合もトラブルに発展しがちです。

現金や預金は容易に分け合えますが、土地や建物などを複数の相続人で分け合うのは難しく、その分け方で揉めやすいのです。

たとえば、親が所有していた一軒家を子ども2人で相続する場合、どちらが家に住むか、または現金でどのように分け合うかで意見が対立するケースが少なくありません。

3.相続人同士が疎遠・不仲になっている場合

相続人同士の関係性が疎遠だったり不仲だったりすると、話し合いで合意を得ることが難しくなります。

たとえば、被相続人の兄弟姉妹や甥・姪、孫などが相続人になる場合、これまでほとんど顔を合わせたことがないことも多いので、話し合いがぎこちなくなってしまう可能性もあるでしょう。

さらに、被相続人が再婚している場合などは、異母兄弟による相続が発生し、トラブルになるケースも少なくありません。

相続人同士の関係性が悪いと、感情的な争いに発展して協議が長期化しやすい点に注意しましょう。

4.特定の相続人が被相続人の介護をしていた場合

特定の相続人が長期間にわたり被相続人の介護をしていた場合、寄与分をめぐってトラブルになることがあります。

寄与分とは、特別な貢献をした相続人が、財産の減少の防止または増加に寄与した分を考慮して、法定相続分に上乗せして遺産を取得できる制度です。

たとえば、長女が長年両親の介護をしていたにもかかわらず、長男が法定相続分通りの遺産分割を主張すると、長女の不満が高まり、相続トラブルに発展しやすくなります。

遺産相続トラブルに巻き込まれた際の3つのポイント

遺産相続トラブルに巻き込まれた際は、とくに以下の3つのポイントに気をつけましょう。

  1. 感情的に熱くなって対立しないようにする
  2. 相手とのやり取りは証拠として残しておく
  3. ひとりで問題を抱え込まないようにする

ここからは、それぞれのポイントについて解説します。

1.感情的に熱くなって対立しないようにする

相続人同士の話し合いの際に感情に任せて言い争うと、信頼関係が壊れ話し合いが長引くほか、調停や裁判に発展した場合に不利になることがあります。

遺産相続に関する話し合いの際は、事実や数字を中心に冷静に話すことを心がけましょう。

感情的になった場合は、一旦休憩を取り、落ち着いてから再開するのも有効です。

2.相手とのやり取りは証拠として残しておく

遺産相続の際は、あとになって「そんなことは言っていない」と争いになることも少なくありません。

そのため、相手とのやり取りは必ず記録として残しておくことが大切です。

具体的には、話し合いの内容、日時、参加者、やり取りの経緯などを正確かつ簡潔にメモしておくとよいでしょう。

メールやLINEなどの文面はスクリーンショットで保存しておくと、裁判や調停での証拠としても役立ちます。

メモに残す際は、相手を非難する表現を避け、事実だけを冷静に書くことが重要です。

感情的な表現があると、後の交渉で不利になる場合があります。

なお、すでに遺産分割協議をおこない、合意を得ている場合は早急に遺産分割協議書を作成しましょう。

適切な方法で作成された遺産分割協議書があれば、あとになって「そんなことは言っていない」という主張に惑わされることはありません。

3.ひとりで問題を抱え込まないようにする

遺産相続トラブルが発生した場合は、できるだけひとりで解決しようとするのではなく、専門家のサポートを受けることが大切です。

相続トラブルをひとりで全て解決しようとすると、精神的負担が大きく、判断を誤るリスクがあります。

法律や手続きは複雑で、相続人全員の合意が必要な場合も多いため、専門家のサポートが不可欠です。

とくに、弁護士に相談すればさまざまなメリットを得られるので、トラブルの早期解決や不当な主張への対応が可能になります。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ相続で
遺産相続が得意な弁護士を探す

遺産相続トラブルが発生した場合に弁護士に相談するメリット

遺産相続トラブルについて弁護士に相談するメリットは、主に以下の3つです。

  1. トラブル内容に応じた適切な解決が期待できる
  2. 自分の希望どおりの相続が実現する可能性が高まる
  3. 複雑な法律手続きなどをほぼ全て弁護士に任せられる

ここから、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

1.トラブル内容に応じた適切な解決が期待できる

遺産相続について親族だけで話し合うと、感情的になったり互いに疑心暗鬼になったりして、話がこじれることがあります。

その点、弁護士に話し合いの場に同席してもらえば、第三者の立場から、話し合いの内容を正しく整理してもらうことが可能です。

また、相手が一方的に多くの遺産を主張している場合でも、法的根拠に基づき調整することで、争いを最小限に抑えられます。

2.自分の希望通りの相続が実現する可能性が高まる

弁護士は、依頼人の希望通りの決着となるように尽力してくれるのも大きなメリットです。

もちろん、到底無理な希望は実現できませんが、弁護士は法的根拠に基づいて主張を展開し、相続人の取り分を確保してくれます。

とくに、遺言書の分割方法に偏りがあったり、遺留分が侵害されている場合でも、弁護士によるアドバイスを受けることで、希望に沿った分割を実現しやすくなるでしょう。

3.複雑な法律手続きなどをほぼ全て弁護士に任せられる

遺産相続トラブルについて弁護士に相談すれば、必要な手続きをほぼ全て弁護士に任せることが可能です。

遺産相続には、遺産分割協議、相続放棄、遺留分侵害額請求、不動産の名義変更などの複雑な手続きが伴います。

法律の知識がないまま進めると、手続きのミスが発生する可能性もあります。

その点、弁護士に依頼すれば、複雑な手続きを代理で進めてもらえるため、手間や精神的な負担を大幅に軽減できます。

また、相続人間での話し合いがまとまらなかった場合にも、調停や訴訟などの法的手続きも代理でおこなってもらえるため安心です。

遺産相続トラブルについて弁護士に相談・依頼するタイミング

遺産相続トラブルについて弁護士に相談するメリットは理解していても、「いつ相談すればいいの?」と悩んでいる方は多いでしょう。

ここでは、とくに相談・依頼するのがおすすめなタイミングを3つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.相続発生前から相談するのが一番おすすめ

最もおすすめなのは、相続が始まる前に弁護士に相談することです。

相続を開始するにあたっては、主に以下の作業が必要になります。

  • 相続人の調査・範囲の特定
  • 遺産の特定
  • 遺産の評価
  • 特別受益の有無や持ち戻し免除の意思表示の確認
  • 寄与分の有無
  • 遺産分割方法の決定
  • 遺産分割協議書の作成
  • 遺産分割協議書に基づく遺産分割手続の実施

これらの手続は複雑でわかりにくいだけでなく、必要な資料が見つからなかったり散逸していたりすることも多く、時間やコストがかかります。

相続人が仕事や私生活と両立して手続きを進めるのは、大きな負担となるでしょう。

その点、被相続人が元気なうちに弁護士に相談して準備を進めておけば、相続が開始した際に必要となる遺産調査のコストや労力を大きく削減できます。

また、ある程度遺産や相続人の全容を把握できているのなら、遺産分割のシミュレーションも可能です。

相続人が受け取れる金額の目安を事前に把握できるため、相続人間の争いも未然に防ぎやすくなるでしょう。

2.相続開始後の早い段階で相談するのもおすすめ

相続開始前に相談できなかった場合でも、相続開始後はできるだけ早く弁護士に相談しましょう。

相続が始まると、まず「相続人を確定する作業」や「財産の特定・評価」が必要です。

しかし、被相続人の遺言書の破棄や改ざん、財産の使い込みの疑いなどをめぐって、相続人同士が意見をぶつけ合うケースは少なくありません。

弁護士に相談すれば、相続権が失われる可能性のある行為や、財産の使い込みについて適切に調査してもらえます。

また、弁護士に相続人との交渉に入ってもらうことで、感情的な対立を避けられます。

3.遺産相続トラブルが悪化する前の相談もおすすめ

すでに遺産相続について揉めている場合は、トラブルが深刻化する前に弁護士に相談するのが大切です。

相続人同士の話し合いがこじれて感情的になると、解決に時間がかかり、裁判に発展することもあります。

そうなると費用もかさみ、家族関係の修復が難しくなるおそれがあるでしょう。

その点、弁護士が間に入れば、中立的な立場から専門的アドバイスを受けられます。

また、必要に応じて家庭裁判所での調停や審判への対応も任せられるので、スムーズに問題を解決できます。

さいごに|遺産相続トラブルが得意な弁護士はベンナビ相続で探そう

本記事では、遺産相続トラブルでよくあるパターンやトラブルに巻き込まれた場合の対処法についてわかりやすく解説しました。

遺言の内容が不公平であったり、相続人同士の関係が悪かったりすると、トラブルが発生しやすくなります

問題が起きそうな場合は、相手の発言ややり取りを記録するなど、冷静な対応を心がけることが大切です。

また、早めに弁護士に相談することも重要です。

弁護士は依頼者の主張を法律や裁判例に沿って整理し、ほかの相続人との交渉も代理でおこなってくれます。

ただし、弁護士にも得意・不得意があるため、相続問題に強い弁護士を選ぶことが重要です。

そこで役立つのが「ベンナビ相続」です。

ベンナビ相続では、相続分野に精通した弁護士を地域や相談内容に応じて検索できるので、自分に合った弁護士を見つけやすいです

遺産相続トラブルは、対応が早いほど負担を減らせます。

ベンナビ相続を活用して、相続問題の経験が豊富な弁護士に早めに相談しましょう。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ相続で
遺産相続が得意な弁護士を探す

相談内容を選択してください

相談員
編集部
本記事はベンナビを運営する株式会社アシロが企画・編集をおこないました。
  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
  • ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドライン をご覧ください。
遺産相続に関するコラム
事業承継の相談先11選|相談相手の選び方や相談するときのコツについても解説
事業承継をおこなう際には、多くの法律知識が必要となるため、専門家のサポートが必要不可欠です。本記事では、事業承継について相談できる機関や専門家について解説します。相談先を選ぶ際のポイントや相談のコツなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
遺産相続を弁護士に依頼するメリットは?弁護士費用や弁護士の選び方を解説
遺産相続の際、弁護士は問題解決のアドバイスをしてくれたり、依頼者の代わりに相続手続きを進めてくれたりします。本記事では、遺産相続で弁護士に依頼するメリット・デメリットや弁護士の選び方などを解説します。
遺留分放棄とは?相続放棄との違いや状況別のやり方、注意点を解説
この記事では、遺留分を放棄するよう求められている方に向けて、遺留分放棄の定義や放棄が認められる基準、放棄した場合のメリット、相続開始前と開始後のそれぞれの放棄方法やポイント、放棄する前に知っておくべき注意点などについて解説しています。
豊田市で不動産相続の無料相談ができる窓口7選|ケース別にどこに相談すべきか解説
豊田市やその近隣で不動産相続トラブルを相談できる無料の窓口を紹介します。また相談したい内容や経済状況に応じた使い分けの方法、そして相談時のポイントなどについても併せて解説しているので、ぜひ参考にしてください。
もっとみる
地域から弁護士を探す
法律相談を投稿する
離婚・不倫問題 交通事故 相続・遺産トラブル 労働問題 刑事事件 債権回収 借金減額・債務整理 ネット誹謗中傷 企業法務 その他
弁護士の方はこちら