依頼した弁護士に不信感を覚えたら?正しい対処法と事前の回避策について詳しく解説
- 「弁護士に依頼したものの、連絡も遅いし手続きも全然進んでいない」
- 「不安なことがあるのに、いつも後回しにされてしまう」
このように、依頼した弁護士に対して不信感を抱くケースは少なくありません。
弁護士と依頼者との間の信頼関係が崩れてしまうと、依頼者の希望が実現されにくくなってしまいます。
そのため、満足できる解決に至るためには、できるだけ早いタイミングで依頼した弁護士に対する不信感を払拭するために動き出すべきでしょう。
この記事では、依頼した弁護士に不信感を抱くきっかけや具体的な解決方法、信頼できる弁護士を見つける方法などについてわかりやすく解説します。
依頼した弁護士に不信感がある場合の4つの対処法
まずは、依頼した弁護士に不信感を抱いたときの対処法を4つ紹介します。
- 法律事務所や弁護士に直接不満を伝える
- ほかの弁護士に相談して意見を聞いてみる
- 委任契約を解除してほかの弁護士に再依頼する
- 所属している弁護士会に連絡して苦情を伝える
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
1.法律事務所や弁護士に不満を伝える
依頼した弁護士に不信感を抱いた場合、まずは法律事務所や弁護士に直接不満に思っていることを伝えましょう。
依頼者が何を不満に感じているかを弁護士と共有できれば、意向をくんで対応を改善してくれる可能性があります。
また、弁護士とのコミュニケーションによって依頼者側の勘違いなどが解消されることもあるでしょう。
なお、法律事務所や弁護士に直接不満を伝えるときは、以下のポイントを意識することが大切です。
- 不満感を抱くに至った原因や経緯をできるだけ具体的に言語化する
- 感情的になるのではなく、冷静な姿勢で丁寧な言葉づかいで話をする
- 対面で不信感を伝えるのが難しい場合には、電話やメールなどの手段を活用する
- 直接うまく話ができるか不安なときには、伝えたい内容をメモ書きする など
2.ほかの弁護士から意見を聞いてみる
依頼した弁護士への不信感が募っている場合は、ほかの弁護士から意見をもらうことを検討しましょう。
ほかの弁護士のセカンドオピニオンを参考にすれば、自分が現在抱いている不信感を払拭する方法を知れたり、ただ単に自分が誤解や勘違いをしているだけなことに気づけたりする可能性があります。
なお、弁護士のセカンドオピニオンを受けるときは、以下の点を心がけましょう。
- 現在依頼している弁護士にセカンドオピニオンを検討している旨を伝えて、信頼関係を維持するように努める
- 自分が抱えている法律トラブルへの対応が得意な弁護士を選ぶようにする
- 別の弁護士に現在依頼中であることをセカンドオピニオンの際に伝える
- 口コミや掲示板のレビューなどを確認して、誠実な対応が期待できそうな弁護士を選ぶ
- セカンドオピニオンを受けた弁護士にはほかの弁護士が受任中の案件に不当に介入してはいけないという責務が課されていることを理解したうえでアドバイスをもらう など
【関連記事】弁護士のセカンドオピニオンを受ける方法|メリット・デメリットと注意点を解説
3.契約を解除してほかの弁護士に依頼する
依頼した弁護士に対する不信感が払拭できない場合は、委任契約を解除したうえで、ほかの弁護士に再依頼することも検討してください。
直接の話し合いやセカンドオピニオンを経ても不信感が拭えないとなると、このまま事件解決を任せつづけてもストレスになるだけです。
以下のポイントを意識して、別の弁護士を探してみましょう。
- 新たな弁護士と委任契約を締結する前に依頼した弁護士との間の委任契約を解除する
- 依頼した弁護士との委任契約を解除したときに発生する違約金に注意をする
- 依頼した弁護士が受任案件についてどこまでの対応をしてくれたのかを正確に把握する
- 依頼した弁護士から必要書類・証拠などを返却してもらう など
4.所属の弁護士会に対して苦情を申し入れる
「依頼後にまったく連絡が取れない」など、弁護士の対応が悪い場合はその弁護士が所属する弁護士会に苦情を申し入れるのも選択肢の一つです。
弁護士は、必ず地域の弁護士会に所属しており、各地域の弁護士会には弁護士の活動に関する苦情などを受け付ける市民窓口が設けられています。
依頼した弁護士に対して不信感を抱いたときには、弁護士会の市民窓口に相談することで、以下のような対応を期待できるでしょう。
- 弁護士とのトラブルの解決に役立つアドバイスを提供してくれる
- 弁護士と直接話し合いをしても解決が難しい場合には、紛議調停制度を利用して、弁護士会のサポートを受けながらトラブル解決を目指せる
- 懲戒請求をすることで、依頼した弁護士に対する懲戒処分(戒告、業務停止、退会命令、除名)を求めることができる
弁護士会の連絡先については「全国の弁護士会・弁護士会連合会|日本弁護士連合会」から確認してください。
依頼した弁護士に対して不信感を抱く5つのケース
依頼した弁護士に対して不信感を抱くのは、主に以下のようなケースです。
- こまめに連絡がとれず、案件の進捗状況がわからない
- 依頼者の話に耳を傾けず、一方的に意見を押し付けられる
- 質問に対して明確な回答をもらえない
- 横柄な態度ばかりで寄り添ってくれず、信頼関係を構築できない
- 費用面の懸念点が多い
それぞれのケースについて、詳しく見ていきましょう。
1.連絡が取りにくい・進捗状況がわからない
依頼した弁護士と連絡がとりにくかったり、依頼した業務の進捗状況がわからなかったりすると、弁護士に対する不信感につながります。
法律トラブルに巻き込まれている当事者からすると、自分が依頼した案件がどのような状況に置かれているのかを常に把握したいと思うのは当然です。
そのため、弁護士から適切な形で報連相がなければ、不信感が募ってしまうでしょう。
そもそも、案件を依頼して委任契約を締結した以上、弁護士側には善管注意義務と報告義務が課されています。
依頼者に対して適切なタイミングで業務連絡をおこない、依頼者が不信感を抱かないようにすることは弁護士の責務です。
そのため、連絡の頻度や方法などについて依頼した弁護士に対して不満があるなら、何かしらの対策を検討してもらいましょう。
ただし、法律トラブルの相手方に連絡を無視されている、スケジュールの関係でどうしても連絡のタイミングが噛み合わなかったなどの事情がある場合も少なくありません。
弁護士側の事情も理解しつつ、直接コミュニケーションをとりながら改善を求めましょう。
2.意見を押し付けられる/話を聞いてくれない
依頼した弁護士に不信感を抱く状況として、弁護士が依頼者の話を全然聞いてくれない、弁護士が一方的に意見を押し付けてくる、というケースも挙げられます。
本来弁護士は、依頼者が抱えている不安や気持ち、希望内容を尊重しつつ、事案に応じた解決策などを提示しなければいけません。
弁護士側が一方的に意見を押し付けて依頼者側の気持ちを無視するような態度をとってくると、依頼者と弁護士との間の信頼関係が崩れるのは当然です。
ですから、意見を聞いてもらえていない、弁護士にこちら側の意向が伝わっていないと思われるときには、希望内容のすり合わせをする機会を作るとよいでしょう。
3.あいまいな回答が多い/質問に答えてくれない
質問に対して明確な回答をもらえず、依頼した弁護士に対して不信感が生まれるケースも多いです。
また、質問への回答内容があいまいだったり、二転三転したりした場合にも不信感を抱くきっかけになるでしょう。
ただし、弁護士側の回答があいまいになる原因が依頼者側にある可能性がある点には注意が必要です。
たとえば、一度に複数のことをまとめて聞くのではなく、質問事項を細かく分けてひとつずつ疑問点を解消すれば、端的な回答を引き出しやすくなるでしょう。
依頼者側がこれらの工夫を凝らしても弁護士側の回答内容があいまいなままなら、セカンドオピニオンや別の弁護士への変更などを検討してください。
4.横柄な態度を取られる・親身になってくれない
横柄な態度、親身な姿勢が見受けられないなど、依頼した弁護士の態度から不信感を抱くケースも少なくありません。
依頼した弁護士の人柄や性格、熱意などに問題があると、依頼者側も悩みなどを相談しにくくなってしまいます。
弁護士に対して直接改善を求めるのも間違いではないですが、人との相性はそう簡単に好転することはないので、セカンドオピニオンやほかの弁護士への切り替えを検討したほうがよいでしょう。
5.お金や契約の話が多い/見積り書の提示がない
弁護士費用が不明瞭だったり、相場よりも高く感じたりすると、不信感を抱くきっかけになります。
費用面の不安を払拭したい場合には、委任契約締結前に法律相談を受けたタイミングなどで、着手金・報酬金・雑費などの費用体系・見積もりについて説明を求めてください。
なお、弁護士費用の金額や計算方法は、各法律事務所が自由に決定できるとされています。
もちろん、弁護士費用が高いほど良質なサービスを受けることができるというわけではありません。
しかし、「弁護士費用が安いからお得だ」「初期費用が安そうだから依頼しやすそうだ」などの安易な動機で法律事務所を選ぶと、依頼をしたあとにさまざまなトラブルに巻き込まれるリスクが高まります。
ですから、委任契約を締結する前に、かならず費用感や業務内容などについて具体的な説明を受けることが大切です。
依頼した弁護士とのトラブルを回避するための5つのコツ
ここからは、弁護士との間のトラブルを避けるために役立つポイントを5つ紹介します。
- 無料相談の機会を積極的に活用して相性の合う弁護士を見つける
- 口コミ・評判、SNSの情報などを参考にする
- 委任契約を締結する前に疑問点・不明点をなくしておく
- 委任契約を締結する前に今後の見とおしや流れについて説明を受けておく
- 過去に懲戒処分を受けたことがある弁護士は避ける
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
1.無料相談などを活用して相性のよい弁護士を探す
弁護士に対して不信感が生じるような事態を回避したいなら、契約を締結する前に弁護士との相性をしっかりと確認するのが重要です。
法律トラブルを抱えている場合、法律事務所を訪問していきなり委任契約を締結するのではなく、委任契約を締結する前に法律相談の機会を設けるのが一般的です。
法律相談の機会を積極的に活用すれば、弁護士の人柄やコミュニケーション能力、依頼者の話を聞き取る能力、法律トラブルに対する解決方針などをチェックできるでしょう。
最近では、初回無料の法律相談サービスを提供している法律事務所も多いので、積極的に活用して自分と相性の良い弁護士を探しましょう。
2.口コミサイトやSNSなどで弁護士の評判を確認する
依頼する弁護士を決めるときには、契約を締結する前に口コミサイトやSNSを使って評判をチェックしてください。
実際にその弁護士に依頼した人の生の声に触れられるので、自分と相性が良いかや、信頼できるかどうかを判断する参考になるでしょう。
ただし、第三者の体験談がそのまま自分に当てはまるとは限りません。
誰かにとって相性が悪い弁護士もあなたにとっては最高の弁護士である可能性もあります。
そのため、口コミサイトやSNSなどの情報はあくまでも参考程度に活用しましょう。
3.弁護士に依頼する前は不明点や疑問点をなくしておく
弁護士とのトラブルを回避したいなら、依頼をする前の段階で不明点や疑問点を解消しておくことを徹底しましょう。
依頼前の法律相談の際に不明点や疑問点を解決しておけば、依頼後の弁護方針などに対して不信感を抱く可能性が低くなります。
4.今後の見通しや解決の見込みなどを具体的に聞いておく
弁護士に依頼する前に、今後の見通しや解決の見込みなどについて、具体的な意見をもらうのがおすすめです。
法律問題は相手がいることが多いため、必ずしも依頼者の希望が実現するわけではありません。
場合によっては、依頼者の意向がまったく受け入れられずに解決に至るということもあり得ます。
そのため、最初から希望通りの解決が難しいと理解しておけば、案件処理が希望通りに進まないからといって不信感が募ることはないでしょう。
5.懲戒処分を受けたことがある弁護士は可能な限り避ける
弁護士とのトラブルを回避するには、過去に懲戒処分を受けたことがある弁護士に依頼するのは避けるべきです。
過去にトラブルを起こした弁護士に依頼をしてしまうと、ふたたび何かしらのトラブルに巻き込まれるリスクに晒されます。
「弁護士懲戒処分検索センター」を利用すれば、弁護士名や登録番号などの情報から過去の懲戒処分情報を確認できるので、依頼前にチェックしておきましょう。
依頼した弁護士に対して不信感があってもしてはいけないNG行為
依頼した弁護士に対して不信感を抱いた場合には、適切な対策をとる必要があり、何をやってもよいというわけではありません。
そこで、依頼した弁護士に不信感があるときでもやってはいけないNG行為を3つ紹介します。
- SNSや匿名掲示板などに弁護士を誹謗中傷する内容を投稿する
- 感情的な対応をする
- 不信感が原因でトラブルの解決自体を諦める
各NG行為について、詳しく見ていきましょう。
1.SNSなどに弁護士を誹謗中傷する内容を投稿するのはNG
依頼した弁護士に対して不信感を抱いたとしても、SNSや匿名掲示板、Googleの口コミに弁護士を誹謗中傷する内容を投稿するのはやめてください。
というのも、誹謗中傷する内容をインターネット上にアップロードすると、以下のような法的リスクが生じるからです。
- 侮辱罪や名誉毀損罪、業務妨害罪などの容疑で刑事訴追される可能性がある
- 匿名で投稿をしたとしても、発信者情報開示請求によって身元が特定される
- 損害賠償請求や慰謝料請求など、不法行為責任を追求されて金銭賠償を強いられる
- 損害賠償請求に応じることができないと、給与や不動産、預貯金などの財産が差し押さえられる など
2.感情的になって文句を言ったり怒鳴りつけたりするのはNG
不信感の解決に向けて依頼した弁護士と話し合いの機会を作る場合、冷静に丁寧な言葉遣いを心がけてください。
間違っても、感情的になって文句を言ったり、脅迫や暴言を発言したり、暴力的な行為に及んだりしてはいけません。
感情的な対応をとってしまうと信頼関係の再構築は不可能ですし、その場で110番通報されて刑事責任を問われかねないでしょう。
3.不信感を募らせ過ぎてトラブル解決そのものを諦めるのはNG
依頼した弁護士に不信感が募ったからといって、法律トラブルの解決を諦める必要はありません。
というのも、たまたまその弁護士との相性が悪かったというだけで、別の弁護士に再依頼をすれば、円滑な対応を期待できる可能性があるからです。
依頼した弁護士を信頼できないという場合には、すぐに別の法律事務所で相談を受けて、委任契約の切り替えなどを検討してください。
さいごに|万が一、弁護士に不信感を抱いた場合は早めに対処しよう!
依頼した弁護士に不信感を抱いたときには、できるだけ早いタイミングで対応に向けて動き出してください。
弁護士との間で信頼関係に関するトラブルが生じている間にも、現在抱えている法律問題は時々刻々と深刻化しています。
弁護士への対応が遅れるほど、法律問題の解決自体も難しくなってしまうでしょう。
ベンナビでは、セカンドオピニオンなどへ柔軟に対応できる法律事務所を多数紹介中です。
法律事務所の所在地、具体的な相談内容、初回の相談料無料などのサービス面から24時間無料で専門家を検索できるので、速やかに信頼できる弁護士にお問い合わせください。









