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前科のデメリット12個|仕事・家族・再犯時の3つに分けて不利益を徹底解説

弁護士監修記事
刑事事件
2026年02月09日
前科のデメリット12個|仕事・家族・再犯時の3つに分けて不利益を徹底解説
この記事を監修した弁護士
加藤 惇弁護士 (東日本総合法律会計事務所)
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刑事事件を起こしてしまい、「前科がつくとどんなデメリットがあるのだろうか」と不安に感じていませんか。

前科という言葉は聞いたことがあっても、実際にどのような影響があるのか具体的にイメージできない方も多いでしょう。

前科がつくデメリットは多岐にわたり、仕事や家族関係、将来の人生設計に大きな影響を与える可能性があります。

しかし、中には「前科がつくと○○になる」という間違った情報も多く、正確な知識を持つことが重要です。

本記事では、前科がつくデメリットを「仕事・就職・資格」「家族・日常生活」「再犯・刑事事件」の3つのカテゴリーに分けて詳しく解説します。

また、よくある勘違いについても触れ、どのようなことが実際にはデメリットにならないのかも明確にします。

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前科がつくデメリット|仕事・就職・資格編

前科がつくことで、仕事・就職・資格の面では以下のような深刻なデメリットが生じます。

  1. 会社によっては懲戒解雇の対象になる
  2. 就職・転職時に賞罰として申告が必要になる
  3. 刑罰によっては資格・職業が制限されてしまう
  4. 事業をしている場合は融資や取引に影響が生じる

これらのデメリットは、現在の仕事を失うリスクから将来のキャリア形成まで、幅広い影響を与える可能性があります。

ここからは、それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。

1.会社によっては懲戒解雇の対象になる

会社の就業規則に有罪判決を受けることが「解雇事由」として明記されている場合、前科がつくことによって解雇される可能性が高くなります。

また、就業規則に前科についての規定がない場合でも、会社の名誉や評判を著しく傷つけた場合や、犯罪の性質上、職場環境を強く害する場合は、解雇の正当な理由となり得ます。

解雇されない場合でも、減給などの懲戒処分を受ける可能性は十分考えられるでしょう。

2.就職・転職時に賞罰として申告が必要になる

前科がつくと、履歴書の賞罰欄での記載、面接での前科の有無確認、採用時の身元調査など、さまざまな場面で申告が求められることがあります。

法的には前科の有無を申告する義務はありませんが、虚偽申告のリスクも存在します。

採用時に前科の有無を偽った場合、就業規則によっては後に「経歴詐称」として解雇事由に該当する可能性があるので注意しましょう。

一方、正直に申告した場合は採用されないリスクも避けられません。

3.刑罰によっては資格・職業が制限されてしまう

前科がつくと、以下のような一部の職業・資格について制限がかかります。

職業・資格分野 具体例
法律関係 弁護士、司法書士、行政書士
教育関係 教員、保育士
金融関係 公認会計士
公務関係 国家公務員、地方公務員、自衛隊員
警備関係 警備員
不動産関係 宅地建物取引士、不動産鑑定士
福祉関係 社会福祉士、介護福祉士

 

すでに資格を有している場合は、前科によって資格剥奪となる可能性もあり、長年築いてきたキャリアを失うリスクがあることを覚えておきましょう。

なお、具体的な制限の有無・期間は資格ごとに異なるため、該当する資格の根拠法令や監督官庁の案内を確認することが重要です。

4.事業をしている場合は融資や取引に影響が生じる

経営者や個人事業主として仕事をしている場合、前科によって事業運営に深刻な影響を与える可能性があります。

具体的な影響として、以下のようなものが挙げられます。

  • 融資審査:銀行や金融機関からの借り入れが困難になる
  • 取引先との関係:信頼関係の構築が困難になり、契約締結に支障
  • 事業許可:一部の事業では前科により許可取得が困難
  • 社会的信用:「トラブルを起こしかねない」として敬遠される

特に、会社設立時の資金調達や、新規事業展開における取引先開拓において、前科の存在は大きな障壁となります。

インターネット検索や興信所による信用調査により前科が判明するリスクもあり、事業運営における長期的な不安要素となる可能性があるでしょう。

前科がつくデメリット|家族・日常生活編

前科がつくことで、家族や日常生活においても深刻な影響が生じます。

具体的には以下のような問題が発生する可能性があることを覚えておきましょう。

  • 配偶者から離婚を切り出される可能性がある
  • 家族や友人などとの人間関係に悪影響が出る
  • 子どもが学校でいじめの対象にされてしまう
  • パスポートの発給やビザの取得で制限がかかる
  • 選挙権に関する制限がかかってしまうことがある

これらの問題は、本人だけでなく家族全体に長期間にわたって影響を与える可能性があり、社会復帰を困難にする要因となります。

1.配偶者から離婚を切り出される可能性がある

前科があることが直ちに離婚事由に該当するわけではありませんが、離婚の原因となる場合があります。

なぜなら、犯罪行為の性質や刑事処分の内容によっては、民法第770条第1項第5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当する可能性があるからです。

特に配偶者に対する暴力や詐欺などの犯罪、社会的信用を大きく失墜させる犯罪については、夫婦関係の継続が困難と判断されるリスクが高くなります。

また、離婚事由に当たらない場合でも、配偶者から前科を理由に離婚を要求された場合、話し合いなどによって離婚に至るケース(協議離婚)もあるでしょう。

2.家族や友人などとの人間関係に悪影響が出る

前科がついたことが身近な人にバレると、交友関係や人間関係が壊れる可能性があります。

たとえば、結婚を視野に入れて交際しているパートナーに、前科があることを知られると婚約が破談になることもあるでしょう。

また、家族や親族から縁を切られたり、友人が離れていってしまったりする可能性も否定できません。

前科に対する社会的偏見により、長年築いてきた人間関係が一瞬で崩れてしまう場合もあるのです。

3.子どもが学校でいじめの対象にされてしまう

子どもがいる場合、本人だけでなく子どもの生活にも実質的な悪影響が生じるケースも少なくありません。

たとえば、親が前科をもっていると学校で噂になれば、「犯罪者の子ども」という偏見を持たれ、子どもがいじめの対象となるリスクが高まります。

場合によっては転校を余儀なくされることもあるでしょう。

また、前科により職を失い家計が厳しくなると、習い事を辞める、希望通りに進学できないなど、子どもの将来にも影響を与える場合があります。

4.パスポートの発給やビザの取得で制限がかかる

旅券法第13条により、拘禁刑以上の刑に処せられ執行中または執行猶予期間中・仮釈放中の方は、パスポートの発給が制限されます。

また、海外渡航時には渡航先の国でビザ申請の際に前科の申告を求められることがあり、前科の内容によっては入国が許可されないこともあるでしょう。

つまり、前科があることで海外旅行や海外出張が困難になる場合があるのです。

5.選挙権に関する制限がかかってしまうことがある

一般的な前科では選挙権を失うことはありませんが、特定の犯罪については制限がかかります

たとえば、公職選挙法や政治資金規正法に違反して有罪判決を受けた場合には、公民権が停止され選挙における投票や立候補ができなくなります。

また、選挙犯罪によって選挙権や被選挙権が停止されている場合には、選挙運動も禁止されます。

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前科がつくデメリット|再犯・刑事事件編

前科がつくことで、将来の刑事事件においても深刻な不利益が生じる可能性があります。

具体的なデメリットは、以下のとおりです。

  • 捜査機関には前科が記録されている
  • 再犯時に身柄拘束をされるリスクが高まる
  • 再犯時の判決がより重くなるリスクがある

これらのデメリットは、一度前科がつくと長期間にわたって影響を与え続け、社会復帰をより困難にする要因となります。

それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。

1.捜査機関には前科が記録されている

前科は検察庁において「前科調書」という形で記録されており、警察や特別司法警察職員がアクセス可能な状態で保管されています。

この記録は極めて重要な個人情報として厳重に管理されており、刑事事件の捜査や処分のために用いる場合を除いて外部に公開されることはありません。

しかし、警察や捜査機関は必要に応じてこの情報を参照でき、新たな事件で捜査対象となった際には前科の存在が把握されることになるでしょう。

2.再犯時に身柄拘束をされるリスクが高まる

身柄拘束とは、捜査段階でいう逮捕と勾留など、身体を拘束することです。

そして、前科がある人が再び犯罪を犯した場合、この身柄拘束をされる可能性が高くなります

身柄拘束の判断では「逃亡の恐れ」や「証拠隠滅の恐れ」が重要な要素となります。

前科がある人は、今回の事件でも前回より重い刑罰を受ける可能性が高いため、これを避けようとして逃げたり証拠を隠したりするのではないかと捜査機関に判断されやすくなるのです。

そのため、初犯であれば自宅で捜査を受ける在宅事件として処理される可能性があった事案でも、前科があることで身柄事件として扱われるリスクが高まります。

3.再犯時の判決がより重くなるリスクがある

前科の存在は量刑判断において大きく考慮され、より重い刑が科される可能性があります。

起訴・不起訴の判断や量刑判断において、同種の前科があれば重い処分や刑が科される可能性が高いです。

たとえば窃盗の場合、初犯では罰金刑、2回目では懲役刑(執行猶予)、3回目では懲役刑(実刑)という形で段階的に量刑が重くなります。

前科の数が多いほど「反省をしていない」という印象を与えかねず、前科がなければ執行猶予がついた事案でも、前科があることで実刑判決となる可能性が出てきてしまうのです。

前科に関するよくある間違い|デメリットにならないこと

前科には確かにさまざまなデメリットがありますが、一方で「前科のデメリット」として世間で語られているもののなかには、誤解に基づくものも少なくありません

具体的に、以下のような内容は実際にはデメリットにはなりません

  1. 戸籍や住民票などに記載されるわけではない
  2. 生活保護や年金などの受給権がなくなるわけではない
  3. 住宅ローンや賃貸物件の審査に影響が出るわけではない

それぞれの誤解について、詳しく解説します。

1.戸籍や住民票などに記載されるわけではない

戸籍や住民票、運転免許証には氏名や住所などの基本情報が記載されるだけで、前科の有無に関する項目は存在しません

そのため、戸籍謄本や住民票の写し、運転免許証の提示がきっかけで第三者に前科の存在を知られる心配はありません。

前科情報は検察庁の前科調書として厳重に管理されており、一般の行政手続きで使用される書類とは完全に分離されています。

戸籍や住民票から前科の情報が知られてしまう可能性はないため、提出を求められたり、取得する場合は安心して発行してください。

2.生活保護や年金などの受給権がなくなるわけではない

生活保護制度や年金保険制度はそれぞれ独立した社会保障制度であり、前科の有無とは関係なく運用されています。

前科があっても、各制度の要件を満たしている限り、保護費や年金を受給する権利に影響はありません。

社会復帰を支援する観点からも、これらの社会保障制度は前科者であっても平等に利用することができます

3.住宅ローンや賃貸物件の審査に影響が出るわけではない

前科は個人の経済的信用力とはまったく関係がなく、CICやJICCなどの個人信用情報機関が前科情報を入手することは不可能です。

そのため、前科があるからといって信用情報に影響が出ることはありません。

住宅ローンの審査では収入や勤務状況、既存の借入状況などが主な判定要素となり、前科の有無は考慮されません。

同様に、賃貸物件の入居審査においても、家賃支払い能力や保証人の有無が重視されるため、前科が直接的に審査に影響することはないでしょう。

さいごに|前科のデメリットを回避するにはなるべく早く弁護士に相談を!

本記事では、前科がつくことによるさまざまなデメリットについて詳しく解説してきました。

仕事や家族関係、将来の刑事事件における不利益など、前科が人生に与える影響は非常に深刻です。

しかし、最も重要なポイントは、前科がつく前に適切な対応を取ることで、これらのデメリットを回避できる可能性があるということです。

刑事事件に巻き込まれた場合、早期に弁護士に相談することで不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得し、前科を回避したり軽減したりできる場合があります。

弁護士は被害者との示談交渉、証拠収集、法廷での弁護活動など、あらゆる角度から依頼者の権利を守ります。

前科による深刻なデメリットを避けるためにも、刑事事件に関わることになった際は、一刻も早く弁護士に相談することをおすすめします

適切な法的サポートを受けることで、将来への不安を最小限に抑え、社会復帰への道筋を確保することができるでしょう。

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