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借金が原因の離婚で慰謝料請求は可能?相手に支払い能力がない場合の対処法も解説

弁護士監修記事
離婚トラブル 慰謝料
2026年02月24日
借金が原因の離婚で慰謝料請求は可能?相手に支払い能力がない場合の対処法も解説
この記事を監修した弁護士
金森 将也弁護士 (金森総合法律事務所(離婚分野))
23年以上のキャリアを持ち、高度な専門知識で安心のアドバイスを提供。「話しやすさ」と「的確な見通しの提示」を大切にしています。
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  • 「相手がつくった借金が原因で離婚することになった場合、慰謝料の請求は可能だろうか。」
  • 「借金のせいで大分苦労をかけられたので、せめて慰謝料を請求したい。」

相手が不倫したときに慰謝料を請求できるように、相手の借金で苦労させられたら慰謝料を請求したいと考えるのは自然なことです。

ただし慰謝料を請求するには法的な根拠が求められます

相手に苦労をかけられたのが事実でも、必ず慰謝料を請求できるわけではありません。

本記事では、借金が原因で離婚する際に慰謝料の請求が可能かや、慰謝料を請求できるケース、借金で支払い能力がない相手から慰謝料を獲得する方法について解説します。

十分な知識がなくやみくもに慰謝料を請求しても、失敗する可能性が高いです。

本記事を読めば借金による離婚慰謝料の請求に関する必要な知識を理解し、実際に慰謝料を獲得するにはどうすればよいかがわかります。

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借金が理由で離婚する場合に慰謝料請求は認められる?

借金が理由で離婚をする場合に、慰謝料請求が認められるか否かは一概に言えません。

以下、慰謝料請求の可能性についてみていきましょう。

借金が原因で離婚したというだけであれば慰謝料請求は難しい

相手が作った借金のせいで離婚した、というだけの事情では慰謝料請求は難しいでしょう。

慰謝料は、相手の有責行為によって精神的苦痛を受けた場合の賠償金だからです。

不倫やDVなどで精神的苦痛を受けたということであれば、慰謝料請求が認められる可能性は高くなります。

しかし相手が作った借金により離婚したというだけでは、相手の有責行為により精神的苦痛を受けたとは判断できません。

借金を作った理由や状況によっては慰謝料を請求できる可能性がある

借金があるというだけでは、慰謝料請求は難しいと説明しました。

しかし借金をつくった理由や状況によっては、慰謝料を請求できる可能性があります。

不倫やDVのように、「相手の有責行為によって、精神的苦痛を受けた」といえる場合です。

また「相手が正当な理由なく、夫婦の義務を果たさなかった」という場合も、慰謝料を請求できる可能性があります。

それでは具体的にどのようなケースで慰謝料を請求できる可能性があるでしょうか。

以下、いくつか例をみていきましょう。

【借金を理由に慰謝料を請求できる可能性があるケースの例】

  • 健康なのに働かず、借金だけして生活費は入れなかった
  • 自分で遊ぶお金を得るため、家族名義のクレジットカードで勝手にキャッシングを繰り返し、大きな借金を作った
  • 不倫相手に対し、高額なプレゼントをするなどして借金が膨らんだ
  • 肉体関係に至らなくても、異性に多額のお金を貢いだ結果、莫大な借金を作ってしまった

これらのケースでは、相手への慰謝料請求を検討してもよいでしょう。

借金を理由に離婚した場合における慰謝料額の相場は?

正当な理由なく夫婦の義務を果たさず借金を作ったという場合、請求できる慰謝料の相場は50~200万円程度となることが多いでしょう。

一方で不貞行為や暴力などもおこなわれていた場合は、慰謝料がより高額になる可能性はあります。

そのほか、婚姻期間の長さや子どもの数、相手が反省しているかなど、慰謝料の金額を判断する要素は多いです。

個別のケースにあわせて慰謝料の目安がどのくらいか知りたい場合は、離婚問題に強い弁護士に相談してアドバイスをもらうとよいでしょう。

借金などで相手に支払い能力がない場合は請求が難しい可能性もある

相手に借金がある場合は、高額な慰謝料を支払えるかという点が問題になるのは否めません。

相手に支払い能力がなければ、せっかく慰謝料請求の交渉で合意しても回収できないことも十分にあり得るのです。

次項では、支払い能力がない相手から慰謝料を獲得するための方法について解説します。

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借金で支払い能力がない相手から慰謝料を獲得する方法は?

借金で支払い能力がない相手から、どうすれば慰謝料を獲得できるでしょうか。

ここでは、慰謝料回収の確率を高める主な方法をみていきましょう。

分割払いを提案する

慰謝料は一括払いが基本ですが、相手に支払い能力がないのなら、分割払いを提案するのもひとつの手です。

分割払いであれば支払いの負担が軽減され、相手から慰謝料を回収できる確率が高まります。

ただ分割払いの場合は、支払いが完了する前に相手の支払いが滞るリスクが生じる点も注意が必要です。

リスクを軽減するためにも、相手が分割払いに応じたら、合意内容を書面化するのは必須といえます。

支払いが滞った際は速やかに相手の財産を差し押さえられるように、「公正証書」を作成することも検討するべきです。

公正証書とは、公証人と呼ばれる公務員がその権限にもとづき作成する証明能力が高い文書を指します。

なかでも「強制執行認諾文言付き公正証書」があれば、裁判手続きなしで速やかに強制執行が可能です。

相手に安定した収入がある場合、強制執行認諾文言付き公正証書により給与の一部を差し押さえ、毎月決まった金額を回収することもできます。

公正証書を作成するメリットや方法については、以下記事で詳しく解説しておりますので、興味があればあわせて参照ください。

【関連記事】公正証書とは?離婚協議書を公正証書にするメリットや作成する際の流れ

相手の親族に立て替えてもらえないか交渉する

相手の親や兄弟姉妹などの親族に、慰謝料を立て替えてもらえないか交渉する方法もあります。

ただ相手の親族には、慰謝料を支払う法的な義務はありません。

相手が払えないからと言って、親族に支払いを強制することはできないので注意しましょう。

また、あなたへの贈与というかたちで慰謝料分の金額を受け取る場合は、贈与税の対象となる点も気を付ける必要があります。

一時的に立て替えてもらった分を、あとで返済するのであれば贈与税の対象になりません。

その証明のためにも、相手の親族に立て替えてもらった際は、返済の約束も含めて書面にまとめておきましょう。

慰謝料の代わりに財産分与で本来より多めの財産を獲得する

相手が慰謝料を払えないなら、多めに財産分与をしてもらう方法もあります

財産分与とは、離婚にあたって夫婦の共有財産を分け合う手続きです。

相手が慰謝料を支払えないかわりに、預金を多めに分与してもらう、自動車をもらう、不動産をもらうなどの選択肢が考えられます。

ただし、慰謝料を含めた財産分与をする場合は、相手と揉める可能性が高い点は注意しましょう。

財産分与を多めにしてもらう方法をとるのであれば、あらかじめ弁護士に相談してアドバイスしてもらうことが強く推奨されます。

必要に応じて、弁護士に依頼して相手との交渉を任せることも検討しましょう。

裁判で相手の財産を差し押さえる

相手が支払いに応じない、分割払いの約束も破られた、という場合の最終手段が強制執行による財産の差し押さえです。

差し押さえとは、裁判所を通じて、相手の財産を強制的に取り立てる手続きです。

差し押さえの対象となる主な財産は以下のとおりです。

  • 預貯金:銀行口座にあるお金を、慰謝料の金額に達するまで差し押さえます。
  • 給料:相手の勤務先に裁判所から連絡が行き、毎月の給料の一部(原則4分の1まで)が、完済まで天引きされます。
  • 不動産:持ち家や土地などを差し押さえて、競売にかけて現金化します。
  • その他:車や生命保険の解約返戻金、貴金属なども対象になります。

ただし強制執行をおこなうためには、判決書や調停調書、強制執行認諾文言付きの公正証書といった債務名義と呼ばれる公的な文書が必要です。

これらがない場合は、相手を裁判に訴えて債務名義を作ります。

なお、相手に差し押さえるべき財産が何もないのであれば、この手続きも空振りに終わってしまう可能性があるので注意ください。

離婚後の借金返済義務はどうなる?

離婚後に、相手が作った借金の返済義務が自分にあるか不安に感じるでしょう。

相手が作った借金の返済義務があるか否かは、状況によるので一概にいえません。

以下、婚姻生活中に相手が作った借金の返済義務についてみていきます。

原則として借金をした相手に返済義務がある

原則として借金を返済する義務があるのは、債権者と契約してお金を借りた本人だけです。

一緒にお金を返済する契約になっていたり、連帯保証人になっていたりしなければ配偶者に返済義務はありません。

結婚生活のためにした借金であれば2人で平等に負担する

一方で婚姻生活を続けるために必要だった借金は夫婦2人の共有の借金とみなされます。

こういった共有の借金を法律用語で「日常家事債務」と呼び、夫婦が離婚する際は平等に負担しなければなりません。

日常家事債務については、原則として離婚時の財産分与で清算することになります。

たとえば、夫婦共有の財産が500万円、共有の借金が200万円あったとしましょう。

この場合は、500万円-200万円=300万円を2人で150万円ずつをわけあうことになるのです。

平等に負担するべき借金の例

では、具体的にどのような借金が「日常家事債務」にあたるのでしょうか。

代表的な例は以下のとおりです。

  • 家族で住む家の住宅ローンや家賃
  • 生活費が足りないときに借りたお金(食費、光熱費など)
  • 子どもの学費や塾代のための教育ローン
  • 家族の医療費
  • 家族で使う車のローン

裁判などで争う際は、借金を「何に使ったか」証明が難しくなる点は注意が必要です。

たとえば借りたお金を夫婦の食費として使ったとしても、それを証明するのは簡単ではないでしょう。

なお夫婦の話し合いで合意できるなら、特に証明を求められることはありません

養育費は相手に借金があっても請求が可能で減額も認められない

養育費については、相手に借金があっても請求できるうえに、減額も認められません

仮に相手が借金を理由に自己破産をしたとしても、養育費を払う義務はなくならないのです。

相手が養育費を約束したとおり支払わないのであれば、慰謝料の未払いと同様に相手の財産を差し押さえることもできます

さいごに|離婚慰謝料の請求で不安があれば弁護士に相談を!

相手の借金が原因で離婚する場合、その借金を理由に慰謝料を請求できるか否かは状況によります

ただ相手がつくった借金が原因で離婚したというだけなら、残念ながら慰謝料の請求は難しいでしょう。

一方で不倫相手に貢ぐために借金をしたなど、相手にだけ借金の責任がある場合は、慰謝料の請求が可能です。

また借金の返済負担が大きいなどで、相手に慰謝料の支払い能力がないことも十分に考えられます。

その際は分割払いを提案するなど、回収するための譲歩や対策が必要になるでしょう。

このように借金を理由とした慰謝料請求には、考えるべき点が少なくありません。

離婚慰謝料の請求で不安があれば、弁護士に相談することが推奨されます。

弁護士に相談すれば慰謝料の請求可否やどのくらい慰謝料を請求できるかをはじめ、さまざまなアドバイスがえられるでしょう。

弁護士に対応を依頼して、相手との交渉や裁判手続きなどを全て任せることもできます。

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