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相続登記費用の相場は?|安く抑える方法や自分でできるケースも解説

弁護士監修記事
遺産相続 不動産相続
2026年03月30日
相続登記費用の相場は?|安く抑える方法や自分でできるケースも解説
この記事を監修した弁護士
山村 真登弁護士 (山村忠夫法律事務所)
上質かつ満足度の高いリーガルサービスを幅広いお客様に提供する目的のもと設立。税理士や司法書士、公認会計士、不動産業者などの専門士業と連携し、いかなる相続問題に対しても迅速、柔軟かつ、専門的に対応可能。
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  • 「相続登記の費用はいくらくらいかかるのか?」
  • 「自分でできるなら自分で手続きして、できるだけ費用を節約したい」

相続登記をしなければならないことはわかっているものの、費用が心配で先延ばしにしていませんか?

相続登記には、主に不動産の調査費用や必要書類の取得費用、登録免許税、司法書士報酬がかかります

本記事では、相続登記費用の相場や安く抑える方法、自分でできるケースについて解説します。

最後まで読むことで、相続登記にかかる費用の相場がわかり、自分ですべきか司法書士に依頼すべきかの判断基準が明確になるでしょう。

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相続登記の費用4種類とは?相場は?

相続登記にかかる費用は、主に以下の4種類に分けられます。

  • 不動産の調査費用|1,000円程度~
  • 必要書類の取得費用|数千円~
  • 登録免許税|固定資産評価額×0.4%
  • 司法書士報酬|相場は5万円~15万円

実際にいくらかかるかは、不動産の評価額や相続人の数、手続きの複雑さによって大きく変動します。

また、司法書士に依頼するか自分で手続きするかによっても異なります。

以下では、それぞれの費用について、詳しく見ていきましょう。

不動産の調査費用 | 1,000円程度~

相続登記を申請するには登記簿謄本(登記事項証明書)や固定資産評価証明書、名寄帳などを取得する必要があります。

それぞれの取得費用は以下のとおりです。

登記事項証明書 ・窓口請求:1通600円
・オンライン請求・郵送受取り:1通520円
・オンライン請求・窓口受取り:1通490円
固定資産評価証明書 1通300~400円
※登記用を無料で取得できる市区町村もあり
名寄帳 1通200~300円

登記事項証明書は、オンライン請求や窓口受け取りを選択すると安く取得できます。

不動産の数が多い場合は、オンライン請求を利用するとよいでしょう。

【参考】登記・供託オンライン申請システム

必要書類の取得費用|数千円~

相続登記の申請には、被相続人・相続人の戸籍や住所を証明する書類などを添付する必要があり、それぞれ取得には以下のような費用がかかります。

必要書類 取得費用(1通あたり)
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 ・戸籍謄本:450円
・除籍謄本:750円
・改製原戸籍:750円
被相続人の住民票除票または戸籍附票 ・住民票除票:200円~400円程度
・戸籍附票:200円~400円程度
相続人全員の戸籍謄本 450円
相続人の住民票または戸籍附票 (不動産を取得する方) ・住民票:200円~400円程度
・戸籍附票:200円~400円程度
相続人全員の印鑑証明書 (遺産分割協議をした場合) 200円~400円程度

登録免許税|固定資産評価額×0.4%

登録免許税は、相続登記に限らず不動産の権利が現在の所有者から別の人に移る際に発生する税金です。

相続登記の場合、新たに不動産を取得する人が相続人なら固定資産税評価額の0.4%、相続人以外の人が遺言書によって遺贈を受けたなら2.0%の税率で計算します。

なお、評価額の1,000円未満は切り捨て、算出後の税額は100円未満を切り捨てます

例えば、評価額1,000万円の土地を相続した場合にかかる登録免許税は以下のとおりです。

相続人が不動産を取得したケース
1,000万円×0.4%=4万円
相続人以外の人が遺贈で不動産を取得したケース
1,000万円×2.0%=20万円

登録免許税の支払い方法には、収入印紙や銀行・郵便局での現金納付、電子納付などがあります。

電子納付はオンライン申請の際にのみ利用可能です。

なお、以下のケースでは登録免許税の免税措置の対象になります。

  • 相続した土地を相続登記する前に相続人が亡くなり、次の相続人が登記する場合
  • 評価額100万円以下の土地を相続登記する場合

ただし、免税措置を受けられるのは、2027年3月31日までに発生した相続のみです。

司法書士報酬|相場は5万円~15万円

司法書士に相続登記を依頼した場合の費用相場は、5万円~15万円程度です。

具体的な金額は、依頼する事務所や地域、不動産の状況によって異なるため、事前に見積もりを取ることをおすすめします。

また、司法書士報酬に含まれる内容も事務所によって異なります。

基本報酬に戸籍謄本などの書類取得代行費用や遺産分割協議書の作成費用が含まれているケースもあれば、これらの費用が別途加算されるケースもあるため、依頼前に内訳を確認しておきましょう。

なお、日本司法書士会連合会が実施した2024年の報酬アンケートでは、標準的な事例における報酬の平均値は7万5,000円程度という結果でした。

ここでいう標準的な事例とは、土地1筆・建物1棟、評価額1,000万円、相続人3人のうち1人が単独で相続するケースを指します。

ただし、これはあくまでも目安であり、実際の費用は事案によって大きく変わることを覚えておきましょう。

司法書士報酬が高くなる主な要因

司法書士報酬は、以下のような要因で変動します。

  • 不動産の数が多い
  • 相続人の人数が多い
  • 数次相続が発生している
  • 相続人に未成年者や認知症の人がいる

土地1筆・建物1棟を子ども1人が相続する、というようなシンプルなケースであれば高額になりにくいですが、不動産が多かったり相続人が多かったりすると高額になる可能性があります。

例えば、複数の地域に不動産があるケースでは、それぞれの管轄法務局に申請しなければならず、その分費用が加算される場合があります。

また、相続人が10人以上いるなど、相続人の数が多い場合は戸籍の収集や遺産分割協議書への署名・押印のやりとりなどに時間がかかるため報酬が高くなりやすいでしょう。

相続登記にかかる費用のシミュレーション例

実際にどの程度費用がかかるのか、具体的なシミュレーション例を見てみましょう。

以下は母が亡くなり、相続人である長男・長女・次男の3人で遺産分割協議をおこなった結果、評価額2,500万円の自宅(土地1筆・建物1棟)を長男が単独で相続することになったケースです。

費用項目 金額
登録免許税 10万円(2,500万円×0.4%)
必要書類の取得費用 被相続人の戸籍謄本 4,200円
(戸籍謄本1通・除籍謄本3通・改製原戸籍2通)
被相続人の住民票除票 300円
相続人全員の戸籍謄本 1,350円(3人分)
長男の住民票 300円
相続人全員の印鑑証明書 900円(3人分)
固定資産評価証明書 400円
名寄帳 300円
登記事項証明書 1,200円
司法書士報酬 9万円
(書類収集・遺産分割協議書作成・登記申請)
その他費用 郵送費・交通費 5,000円
合計 20万3,950円

上記のケースでは、司法書士報酬を含めて20万円程度かかっています。

自分で手続きする場合は司法書士報酬の9万円が不要になるため、11万円程度で済みます。

ただし、自分で手続きするか司法書士に依頼するかは金額だけで判断するのではなく、書類収集や申請書の作成、不備があったときの補正など、手間と時間がかかることも考慮する必要があるでしょう。

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相続登記費用を安く抑える方法はある?

相続登記費用を抑える方法として、以下の5つが挙げられます。

  • 可能な範囲であれば司法書士に頼らず自分で手続きをする
  • オンライン申請にて相続登記をおこなう
  • 登録免許税の免税制度・税率軽減制度を利用する
  • ほかの相続手続きで集めた書類を活用する
  • ほかの相続人にも相続登記費用の負担を求める

ここからは、それぞれの方法について詳しく解説します。

可能な範囲であれば司法書士に頼らず自分で手続きをする

相続登記は、法務局の登記手続案内を利用したりホームページで手続き方法を確認したりしながら進めれば、司法書士に頼らず自分で申請が可能です。

自分で手続きすれば、司法書士報酬は不要です。

特に相続人が1人だけのケースや土地1筆・建物1棟だけのシンプルな事案なら、手続きのハードルは比較的低いでしょう。

なお、法務局の登記手続案内は完全予約制(1回20分以内)で、電話・窓口対面・Web会議などの方法で利用できます

申請書の書き方や必要書類について無料で相談できるため、自分で手続きする際に活用するとよいでしょう。

オンライン申請にて相続登記をおこなう

法務局の窓口で直接申請するのではなく、オンラインで相続登記を申請すれば、法務局に出向く必要がなく交通費もかかりません

また、オンライン申請なら補正もオンライン上で対応できるため、法務局に出向く手間を省けます。

郵送で申請した際も基本的には法務局に出向くことなく手続きを完結できますが、郵送では不備があったときに法務局に出向いて補正しなければならない場合があります。

そのため、法務局が遠方にある場合や平日の日中に動きづらいときなどはオンラインの利用がおすすめです。

ただし、オンライン申請を利用するには以下の準備が必要です。

  1. 登記・供託オンライン申請システムでアカウントを作成する
  2. 申請用総合ソフトをインストールする

また、オンラインで申請したあと、戸籍関係や住民票などの添付書類は郵送する必要がある点に注意しましょう。

なお、オンライン申請をすると、登録免許税の納付もペイジーを利用してオンラインで完結できます。

登録免許税の免税制度・税率軽減制度を利用する

一定の条件を満たす場合は、登録免許税の免税制度や税率軽減制度を利用するのがおすすめです。

免税の対象になるのは、以下のようなケースです。

  • 相続した土地を登記する前に相続人が亡くなり、次の相続人が登記する場合
  • 評価額100万円以下の土地を相続登記する場合

免税措置は当初2024年3月31日までの予定でしたが、2025年度の税制改正により2027年3月31日まで2年間延長されました。

該当する場合は、申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」と記載する必要があります。

記載し忘れると、通常どおり登録免許税が課税されるため注意しましょう。

そのほか、配偶者居住権を設定したときは税率軽減の対象になり、通常であれば「固定資産税評価額×0.4%」で課税される登録免許税が、「固定資産税評価額×0.2%」に変わります

配偶者居住権の詳細については、以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】配偶者居住権とは?残された配偶者が安心して生活をするための権利を解説

ほかの相続手続きで集めた書類を活用する

銀行口座の解約や証券口座の名義変更など、相続登記以外の相続手続きですでに戸籍謄本や印鑑証明書を取得している場合、それらの書類を相続登記でも活用できます

多くの金融機関では原本を返却してもらえるため、返却された書類を相続登記を申請する際に添付しましょう。

戸籍謄本は1通あたり450円、除籍謄本や改製原戸籍は1通あたり750円かかるため、大量に取得すると高額になることがあります。

そのため、複数の手続きで使い回せば取得費用を節約可能です。

ただし、金融機関によっては返却不可のところもあるため、金融機関で相続手続きをする際は書類を返却してもらえるか事前に確認しておくとよいでしょう。

返却してもらえないときは先に相続登記を完了させ、返却してもらった書類を金融機関に提出する順番で進めると効率的です。

なお、原本還付を受ける場合、戸籍謄本などは相続関係説明図を添付すればコピー不要ですが、住民票や印鑑証明書などはコピーと一緒に提出する必要があります。

原本還付の方法については、以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】相続登記で原本還付はできる?できる・できない書類、請求の手順と注意点を解説

ほかの相続人にも相続登記費用の負担を求める

相続登記の費用は不動産を取得する相続人が全額負担するケースが一般的ですが、誰が負担すべきかは法律で決まっていないため、ほかの相続人に負担を求めるのもひとつの手段です。

遺産分割協議の段階で、相続登記の費用を相続人全員で分担することを取り決めておけば、1人あたりの負担額を抑えられます

特に以下のような、相続することがメリットといえないケースやほかの相続人も居住するケースでは、費用の分担に賛成してもらいやすいでしょう。

  • 空き家になった家を相続する場合
  • ほかの相続人も居住する予定の不動産を代表して相続する場合
  • 亡き父の家に引き続き母が居住するが、二次相続を考慮して息子が相続する場合

そのほか、相続人全員が同意すれば、相続財産から登記費用を支払っても構いません

ただし、相続人同士の関係性によっては、費用負担の交渉が難航する可能性がある点に注意しましょう。

相続登記の手続きを自分でできる可能性が高いケースや条件

相続登記は、自分で手続きすれば費用を抑えられる可能性があります。

以下の条件全てに当てはまる方は、自分で進めることを検討してみてもよいでしょう

  • 相続人が少なく、もめる可能性が低い
  • 遺産分割協議をおこなわず、法定相続分のままで登記できる
  • 不動産が自宅の土地・建物くらいしかない
  • 遺言書があり、その内容に相続人全員が賛成している
  • 戸籍の収集や申請手続きに対応できる時間がある
  • 平日の日中に役所や法務局に出向ける
  • わからないことがあっても自分で調べて対処できる

ひとつでも対応が難しい項目がある場合や、根気よく進められる自信がないときは、司法書士に相談することをおすすめします。

相続登記の手続きを司法書士に任せた方がよい主なケース

以下のいずれかに当てはまる場合は、相続登記の手続きを司法書士に任せることをおすすめします。

  • 相続する不動産が多い
  • 不動産の権利関係が複雑
  • 仕事などで平日の日中には動けない
  • 相続人の数が多い/遠方に住んでいる/疎遠な相続人がいる
  • 不動産を相続後に売却したい場合や未成年者がいる場合

相続登記は自分でもおこなえる手続きですが、上記に該当する場合は管轄法務局ごとの書類作成や相続人全員の署名・押印の取得など、多くの手間がかかります。

そのため、司法書士に任せたほうが確実で効率的です。

相続登記手続きを司法書士に任せる主なメリット

相続登記の手続きを司法書士に任せた場合、以下のようなメリットがあります。

  • 手間のかかる手続きを全て任せられる
  • 手続きを正確かつスムーズに進めてもらえる
  • 時間と労力を節約できる

相続登記を申請するには、戸籍の収集から相続人の確定、遺産分割協議書の作成、法務局への申請と、多くのステップを踏む必要があります。

また、これらの手続きには専門知識と多くの時間が必要となり、自分で進めるとミスが生じるリスクも高いです。

司法書士に依頼することで時間や労力の負担を軽減でき、安心して手続きを進められるでしょう。

相続登記の手続きや費用についてよくある質問

ここからは、相続登記の手続きや費用に関するよくある質問を紹介します。

相続登記手続きを自分ですると費用はいくらぐらいですむ?

相続登記を自分でおこなう場合、不動産の調査費用や必要書類の取得費用、登録免許税だけで済みます

不動産の調査費用と必要書類の取得費用は数千円~、登録免許税は不動産の固定資産税評価額に0.4%をかけて算出します。

評価額が1,000万円であれば4万円、2,000万円なら8万円です。

相続関係が複雑でなく評価額もそれほど高額でなければ、5万円~10万円程度で済むと考えておくとよいでしょう。

なお、評価額100万円以下の土地は非課税であるため、登録免許税はかかりません

ただし登記手続きは慣れない人にとっては複雑で求められる書類も多いため、無理に自分でしようとせず司法書士に相談するのがおすすめです。

費用がかかるのを避けるため相続登記の手続きをしないとどうなる?

正当な理由なく相続登記をしなかった場合、10万円以下の過料が課せられる場合があります

相続登記は2024年4月1日から義務化されており、不動産を取得した相続人は、自分が取得したことを知った日から3年以内に申請が必要です。

遺産分割協議をおこなった場合も、協議成立から3年以内に登記しなければなりません

また、不動産の売却や活用ができなくなるだけでなく、相続登記をしないうちに相続人が亡くなって権利関係が複雑化したり、借金のある相続人がいる場合に法定相続分で登記がおこなわれ、共有持分を差し押さえられたりするリスクもあります。

費用を節約したいという理由での放置は、将来的により大きな負担につながる可能性があるためおすすめできません。

相続登記の費用は誰が払う?

不動産を相続する人が負担するケースが一般的ですが、相続登記の費用を誰が負担すべきかは法律で決まっていないため、相続人全員で話し合って決められます

ほかの相続人が相続したがらない不動産を引き受ける場合や、ほかの相続人も利用する不動産を代表して相続するケースなら、負担してもらえることもあるでしょう。

ただし、相続財産に含まれている不動産を利用する予定のない相続人に費用負担を求めると、トラブルに発展する可能性があります。

遺産分割協議の段階で、相続登記の費用についても話し合っておくことをおすすめします。

相続登記の司法書士費用はいつ払う?

相続登記の司法書士費用は、依頼する事務所によって支払いのタイミングが異なります。

例えば、以下のようなタイミングで支払いが発生することが多いです。

  • 契約時に一部または全額を支払う
  • 申請前に実費のみ支払う
  • 登記完了後に全額支払う
  • その都度支払う

代表的なのが、契約時や申請前、登記完了後に支払いが発生するパターンです。

そのほか、例えば遺産分割協議書の作成後に協議書作成費用を支払い、相続登記完了後に相続登記の費用を支払うというように、ひとつの業務が完了するごとに支払いが発生するケースもあります。

金額だけでなく、支払いのタイミングについても相談の時点で確認しておきましょう。

さいごに|相続登記手続きは司法書士に相談しよう

相続登記にかかる費用の相場や安く抑える方法、自分でできるケースについて解説しました。

相続登記には、不動産の調査費用や必要書類の取得費用、登録免許税、司法書士報酬などがかかります。

金額は必要な戸籍の数や不動産の固定資産税評価額、依頼する事務所などによって異なりますが、標準的なケースであれば司法書士報酬を含めて20万円前後が目安です。

司法書士に依頼せず自分で手続きすることも可能ですが、相続登記の申請には専門知識が必要であり手間や労力がかかります。

複雑なケースはもちろん、判断が難しい場合は無理に自分で申請しようとせず、司法書士に相談することをおすすめします。

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