別居婚している配偶者から離婚を切り出された!修復・離婚それぞれに必要な対処法
- 「別居婚をしている配偶者から離婚を切り出されてしまった」
- 「関係を修復するにはどうすればよいかわからない」
お互いに納得して別居婚を開始したはずが、いつしかうまくいかなくなり、ついに離婚を切り出されてしまった、という方もいるのではないでしょうか。
別居婚をしている配偶者から離婚を切り出された場合、関係の修復を目指すか離婚を受け入れるかによって、取るべき対応は大きく異なります。
適切に対応しなければ、不利な条件で離婚に合意してしまったり、離婚後にトラブルに巻き込まれたりするおそれがある点に注意が必要です。
本記事では、別居婚で離婚を切り出されたときの対処法や弁護士に相談・依頼するメリットを解説します。
最後まで読めば、どのように対応すべきかが明確になり、後悔のない選択ができるようになるでしょう。
別居婚をしている夫婦の場合は離婚率が高くなる?
別居婚をしている夫婦の離婚率に関する具体的なデータは存在しません。
そのため、一概に「別居婚のほうが離婚率が高くなりやすい」とは言えないのが実情です。
しかし、別居により会う頻度が減る分、コミュニケーション不足や価値観のすれ違いが表面化しやすい点には注意が必要です。
なぜなら、別居婚の夫婦には通常の夫婦とは異なり、以下のような事情があるからです。
- 離婚しても生活スタイルが大きく変わらず、離婚への心理的なハードルが低い
- それぞれに安定した収入があり、離婚しても経済的な不安を抱えにくい
- コミュニケーション不足によるすれ違いが起きやすい
- 帰宅時間や外泊を気にする必要がなく、不倫や浮気が発覚しにくい
このような理由から、同居している夫婦よりも離婚を選択しやすい環境にあるといえます。
しかし、別居婚だからこそ夫婦関係がうまくいっているケースもあります。
別居婚が必ず離婚につながるわけではなく、あくまでも夫婦それぞれの関係性や価値観、相手への気持ちなどによって結果は変わるでしょう。
別居婚をしていて離婚を切り出されたときの対応|修復する場合
別居婚をしている相手から離婚を切り出されたとき、対応次第では関係を修復できる可能性があります。
感情的にならず冷静に対処し、相手の気持ちに寄り添いながら問題解決に向けて行動すれば、離婚を回避できるケースもあるでしょう。
関係を修復するためには、以下の対応を検討してください。
- 冷静になって相手に理由を確認する
- 離婚を受け入れられないことを伝える
- 問題点が明らかなら解決に向けて行動する
- 家庭裁判所に対して円満調停を申し立てる
ここからは、それぞれの対応方法について、詳しく見ていきましょう。
1.冷静になって相手に理由を確認する
離婚を切り出されたら、まずは冷静になって相手に離婚を考えた理由を確認しましょう。
突然離婚を突きつけられると動揺してしまいますが、感情的になると相手の気持ちがさらに離れ、和解が遠のきます。
別居婚では日常的なコミュニケーションが不足しているため、相手がどのような不満や悩みを抱えているかが把握できていない場合があります。
例えば「会う頻度が少なすぎて寂しい」「結婚している意味を感じられない」という理由なら、改善の余地はあるでしょう。
場合によっては、別居婚自体を見直すことで婚姻関係を継続できる可能性もあります。
自分の気持ちや言い分よりも、まずは相手の話に耳を傾け、離婚したいと考えるに至った原因を丁寧に聞き出すことが重要です。
2.離婚を受け入れられないことを伝える
相手の気持ちを聞いたあとは、自分の気持ちを正直に伝えましょう。
離婚したくないことや、自分が相手を必要としていること、相手への愛情などをしっかり言葉にすることが大切です。
別居婚では、相手に気持ちを伝える機会が少なく共有できる時間も限られているため、はっきり言葉にしなければ愛情が伝わりにくいです。
そのため、どれだけ相手を想っていても、こちらの気持ちがまったく伝わっていない可能性もあります。
仮に離婚を切り出されても、相手を責めるのではなく、「結婚生活を続けたい」「これからもっと一緒に過ごす時間を増やしたい」といった前向きな言葉をかけると効果的です。
感情的になって余計なことを言ってしまいそうなときは、手紙やLINEなどを選択すれば冷静に気持ちを伝えられるでしょう。
3.問題点が明らかなら解決に向けて行動する
離婚したい理由が明らかになったら、その原因を解決するために行動を起こしましょう。
別居婚からの離婚が起こりやすい原因のひとつに、コミュニケーション不足があります。
コミュニケーションをとることで解決できる問題なら、連絡をまめにして会う回数を増やしましょう。
例えば、週に一度は必ず会う日を設けたり、毎日電話やLINEなど何らかの方法でやりとりしたりといったルールを作るのがおすすめです。
相手が別居婚自体に不満をもっている場合は、同居することで離婚を回避できる可能性があります。
すぐに同居できなくても、同居のタイミングや住まいなど、具体的に話し合いましょう。
同居できない場合は、一緒に過ごす時間を増やしたり質を高めたりする工夫が必要です。
問題解決に向けて努力する姿勢を示すことで愛情が伝われば、相手の気持ちが変わる可能性があります。
4.家庭裁判所に対して円満調停を申し立てる
夫婦間での話し合いがうまく進まない場合は、相手の住所地または当事者が合意で定めた家庭裁判所に円満調停を申し立てる方法があります。
「円満調停(夫婦関係円満調整調停)」とは、裁判所の調停委員が夫婦の間に入って関係修復をサポートする手続きです。
調停委員は夫婦関係に関して豊富な知識や経験をもっており、中立的な立場から問題解決に向けてアドバイスしてくれます。
調停では夫婦が直接話をするのではなく、それぞれが交代で調停委員と話します。
そのため、お互いに落ち着いて話をしやすいでしょう。
ただし、円満調停に強制力はなく、相手が関係修復に応じなければ不成立で終了します。
また、調停を申し立てたことで相手がさらに離婚の意思を固め、そのまま離婚裁判を提起する可能性も考えられるため、できる限り夫婦間での話し合いで解決を目指すのがよいでしょう。
なお、一度不成立になっても、時間を置いてから再度円満調停を申し立てることは可能です。
ただし、間を置かずに申し立てると、同じ結果になる可能性が高いとして申立てが受理されない場合がある点に注意しましょう。
別居婚をしていて離婚を切り出されときの対応|離婚する場合
別居婚の配偶者から離婚を切り出された際、関係修復が難しい場合は、離婚に向けて適切に対応する必要があります。
別居婚の離婚には、同居婚と異なる注意点があるため慎重に進めましょう。
とくに、離婚を受け入れる際は、以下の点について丁寧に対応・検討してください。
- 離婚前に離婚条件について話し合う
- 相手が不倫している場合は証拠を確保する
- 離婚問題が得意な弁護士に相談・依頼する
ここからは、それぞれの点について詳しく見ていきましょう。
1.離婚前に離婚条件について話し合う
離婚を受け入れる場合は、離婚届を提出する前に相手と離婚条件について話し合う必要があります。
離婚条件を決めずに離婚すると、離婚後に「言った・言わない」のトラブルに発展したり、「やっぱり払えない」などと意見を覆されたりする可能性があります。
とくに、以下の条件については丁寧に話し合い、合意内容を書面化してから離婚届を提出しましょう。
【離婚する際に決めておく必要がある内容】
- 親権・養育費・面会交流
- 慰謝料
- 財産分与
まず、未成年の子どもがいる場合、親権者を決めなければ離婚できません。
2026年4月1日から「共同親権制度」が施行されることが決まっており、施行後は単独親権か共同親権かを選択できますが、どちらを選択するかは慎重に検討する必要があります。
次に、養育費に関しては、子どもを養育しない側の親に支払い義務が生じます。
長期にわたって受け取ることになるため、合意内容をまとめた離婚協議書を公正証書として作成し、「強制執行認諾文言」を記載するのがおすすめです。
そうすれば、養育費が約束通り支払われなかった場合でも、裁判を経ることなく相手の給与や預金を差し押さえられます。
なお、2026年4月1日から「法定養育費」に関する改正法も施行されることが決まっています。
また、慰謝料については、相手の不貞行為やDVといった不法行為が原因で離婚する場合に請求が認められます。
単なる価値観の違いや、すれ違いなどでは発生しない点に注意が必要です。
そして財産分与は、婚姻期間中に夫婦で築いた財産を離婚時に分けることをいい、2分の1ずつ分配するのが原則です。
しかし、別居婚の場合はそれぞれが独立して生活しているため協力して築いた財産がなく、“どこまでが実質的な夫婦共有財産か”が争点になる可能性があります。
【関連記事】離婚後の共同親権制度とは?4つの基本ポイントと親権者変更の手続きについて解説
2.相手が不倫している場合は証拠を確保する
相手が不倫しているなら、離婚を承諾する前に不倫の証拠を確保しましょう。
不倫が事実でも、立証できなければ相手が不倫を否定したときに慰謝料請求が難しくなります。
不倫の証拠として有効なものは、以下のとおりです。
- 不倫相手とラブホテルに出入りする際の写真・動画
- 不倫相手が配偶者の家に出入りする写真・動画
- 不倫を肯定する内容の音声データ
- 不倫相手との肉体関係を匂わせるメール・LINEのやりとり
- クレジットカードの利用明細
ただし、別居婚では相手の生活スタイルを把握しにくく、不倫相手といつ会っているか予想がつきにくいため、証拠集めのハードルが高くなりやすいです。
同居している夫婦なら、配偶者の持ち物や行動をチェックするチャンスがありますが、別居婚ではそのような機会も限定されます。
そのため、自分で証拠を集めるのが難しい場合は、探偵事務所や弁護士への相談を検討しましょう。
早い段階で証拠を確保しておけば、離婚条件を話し合う際の交渉を有利に進められる可能性が高まります。
離婚を切り出された時点で不倫の疑いがあるときはすぐに離婚に応じず、相手に気づかれないよう証拠集めに取り掛かりましょう。
証拠集めのポイントや注意点については、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】【弁護士監修】浮気の証拠になるもの15選!自分で集めるときの注意点も解説
3.離婚問題が得意な弁護士に相談・依頼する
別居婚で離婚を切り出されたときは、早めに弁護士に相談・依頼しましょう。
ただし、弁護士であれば誰でもいいわけではありません。
別居婚での離婚は、同居婚とは財産分与の考え方や証拠の集め方などが異なるため、離婚問題が得意な弁護士を選ぶことをおすすめします。
別居婚で離婚の話が出た場合、すでにコミュニケーションが取れておらず話し合いがこじれていることが予想されます。
そのため、当事者だけの話し合いで双方が納得できる条件を定めるのは難しいでしょう。
離婚問題が得意な弁護士なら、別居婚での財産分与や証拠集め、慰謝料の算出に慣れており、親権についても味方となって配偶者と交渉してくれるはずです。
離婚問題は精神的に負担が大きくなりやすい問題です。
ひとりで悩まず、弁護士に相談することをおすすめします。
初回は無料で相談できる事務所も多いため、まずは気軽に問い合わせてみるとよいでしょう。
別居婚での離婚を弁護士に相談・依頼する3つのメリット
別居婚での離婚を進める場合、弁護士に相談・依頼することには以下のようなメリットがあります。
- 離婚条件に関するアドバイスをもらえる
- 離婚手続きの多くを弁護士に一任できる
- 有利な条件で離婚できるようサポートしてくれる
専門家のサポートを受けることで、スムーズかつ有利に離婚を進めやすくなります。
ここからは、それぞれのメリットについて具体的に見ていきましょう。
1.離婚条件に関するアドバイスをもらえる
別居婚で離婚する場合、財産分与や慰謝料の考え方が同居婚とは異なるため専門家のアドバイスが必要不可欠です。
例えば、それぞれが独立して財産を築いている場合、「夫婦が共同で築いた財産がない」と評価され、財産分与の請求が認められない可能性があります。
妻が夫のもとに定期的に通って家事を負担していたり、子どもや老後のために共同でお金を貯めていたりすると財産分与の対象になることがありますが、その判断を自分でするのは困難です。
そのようなときでも、弁護士に相談すれば、財産分与の対象になるかどうかを適切に判断してもらえるでしょう。
また、相手の不貞行為が原因で離婚するケースでも、別居婚ではもともと婚姻関係が破綻していたと反論されやすく、慰謝料が認められないことがあります。
弁護士は過去の判例や実務経験をもとに適正な慰謝料額を算出し、請求が可能かどうかを判断してくれます。
このように、弁護士の専門的なアドバイスを受けることで、不利な条件での離婚を回避できる可能性が高まるでしょう。
2.離婚手続きの多くを弁護士に一任できる
弁護士に依頼すれば、協議や調停、裁判など各段階での手続きを代理で進めてもらえます。
とくに別居婚の場合、相手と距離が離れていることが多く、直接会って話し合うことが難しいケースもあるでしょう。
その点、弁護士は依頼者の代理人として相手方と交渉してくれるため、言い争いになることなく建設的に話し合いを進められます。
また、専門家に任せることで精神的な負担が軽減され、日常生活への影響を最小限に抑えられる点も大きなメリットです。
そのほか、弁護士に依頼すれば裁判に必要な書類作成はもちろん、申立書類の提出や裁判所とのやりとりなど多くの手続きを代理してもらえます。
遠方の裁判所へも代理してもらえる場合があるため、相談してみるとよいでしょう。
3.有利な条件で離婚できるようサポートしてくれる
弁護士は専門知識や交渉力を活かし、依頼者が有利な条件で離婚できるようサポートしてくれます。
とくに別居婚では、財産分与が認められにくい、不倫の証拠が集めにくいといった、同居婚にはない不利な要素があるため専門家の力が重要です。
証拠集めについても、弁護士はどのようなものが有効な証拠になり得るかを熟知しているため、具体的なアドバイスをもらえます。
自分で対応することが難しければ、信頼できる探偵事務所を紹介してもらえることもあるでしょう。
調停や裁判では、弁護士が過去の判例や法律知識をもとに主張を組み立ててくれます。
相手方に有利な条件での和解を要求された場合でも、弁護士がいれば対等な交渉が可能です。
さらに、問題解決後には弁護士に離婚協議書を作成してもらえば、将来的なトラブルも未然に防げます。
弁護士のサポートを受けることで、離婚後の新生活も安心してスタートできるでしょう。
さいごに|離婚問題が得意な弁護士は「ベンナビ離婚」で探すのがおすすめ
別居婚で離婚を切り出されたときの対処法や弁護士に相談・依頼するメリットについて解説しました。
別居婚では、コミュニケーション不足によるすれ違いや、不倫が発覚しにくいといった理由から、同居婚よりも離婚率が高くなることが予想されます。
配偶者から離婚を切り出された場合、関係の修復を望むなら冷静に理由を確認し、問題解決に向けて行動することが重要です。
一方、離婚を受け入れるなら、離婚条件について話し合い、合意内容を書面化してから離婚届を提出する必要があります。
自分では対応しきれないと感じたときは、離婚問題が得意な弁護士への相談・依頼がおすすめです。
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初回無料で相談できる法律事務所も多く登録されているため、まずは気軽に問い合わせてみるとよいでしょう。
