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共有不動産とは?トラブル・おすすめできない理由や共有状態の解消法を徹底解説

弁護士監修記事
遺産相続 不動産相続
2026年05月07日
共有不動産とは?トラブル・おすすめできない理由や共有状態の解消法を徹底解説
この記事を監修した弁護士
熊本 健人弁護士 (磯野・熊本法律事務所)
当事務所では、裁判や書面送付などの対応方法を詳しくご提案いたします。法律相談にお悩みの方は、ぜひご相談ください。
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共有不動産という言葉を知り、「相続で不動産を共有名義にしたが、このままで問題ないのだろうか」「共有不動産はトラブルになりやすいと聞いたが、本当なのか」と不安を感じていませんか?

共有不動産は便利な仕組みである一方で、民法上の制約や意思決定の難しさから、思わぬトラブルに発展することもあるため、メリット・デメリットを理解しておくことが大切です。

本記事では、共有不動産とは何かという基本から、民法上のルール、メリット・デメリット、よくあるトラブル、そして共有状態を解消する具体的な方法までを体系的に解説します。

さらに、共有不動産の問題を弁護士に相談するメリットについても整理します。

すでにトラブルに直面している方も、これから共有名義を検討している方も、本記事を通じてリスクと対処法を明確にしていきましょう。

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目次

共有不動産とは?複数人で共有する不動産

不動産の所有形態には、大きく分けて単独所有と共有の2つがあります。

単独所有とは、一人の所有者が不動産の100%の権利をもつ形です。

一方で共有とは、ひとつの土地や建物を複数人が所有している状態をいい、それぞれの共有者は「共有持分」と呼ばれる割合に応じて権利を有します。

共有持分の割合は、不動産登記によって公示され、たとえば、2人で2分の1ずつ所有している場合は、各共有者が50%の持分をもつことになります。

不動産登記事項証明書を確認すれば、誰がどのくらいの割合で不動産を共有しているのかを把握可能です。

共有不動産の売却や管理などにかかわる民法上のルールとは?

共有不動産では、各共有者が自由に不動産を扱えるわけではありません。

民法では、共有物に関する行為を「変更(処分)行為」「管理行為」「保存行為」の3つに分け、それぞれ必要な合意の範囲を定めています。

共有者ができる主な行為と、その条件は以下のとおりです。

行為区分 内容 条件
変更(処分)行為 売却、贈与、長期の賃貸借契約、増改築、分筆など 共有者全員の合意が必要
管理行為 短期の賃貸借契約、賃料の減額、利用方法の決定など 持分割合の過半数の合意が必要
保存行為 修繕、登記手続き(法定相続による所有権移転登記など) 各共有者が単独でおこなえる

たとえば、不動産全体を第三者に売却する場合は変更行為にあたるため、共有者全員の同意が必要です。

一方で、雨漏りの修繕のように現状を維持するための行為は保存行為にあたり、各共有者が単独でおこなえます。

このように、共有不動産では「誰がどれだけの持分をもっているか」が意思決定に大きく影響します。

そのため、自分が共有している不動産について、誰と共有しているのか、持分割合はいくらなのかを確認しておくことが重要です。

不動産を共有名義にするメリット・理由

共有不動産にはトラブルの側面がある一方で、共有名義だからこそ得られる利点も存在します。

ここでは、不動産を共有名義にする主なメリットを整理します。

購入費用を分担できる

住宅購入時に共有名義を選ぶ大きなメリットの一つは、資金負担を分散できる点です。

たとえば、夫婦や親子で住宅を共同購入する場合、それぞれが資金を出し合うことで、単独では取得が難しい価格帯の物件を購入できる可能性があります。

また、一定の要件を満たす場合には、住宅ローン控除を各共有者が持分に応じて受けられるのもメリットです。

これにより、税制面で有利になることもあります。

さらに、持分割合が明確であれば、将来的な固定資産税や修繕費などの負担割合も整理しやすくなります。

維持管理に必要な費用や税金を分担できる

不動産を所有している限り、継続的な費用負担が発生しますが、共有名義であればこれらの費用を複数人で分担できます。

具体的には、以下のような費用が対象です。

  • 固定資産税・都市計画税の負担分散
  • 修繕・リフォーム費用の分担
  • 管理費や共益費などの維持費の分担
  • 突発的な修繕に対する資金負担の軽減

単独名義の場合、これらの費用は全て一人で負担しなければなりません。

共有名義であれば、持分割合に応じて費用を負担できるため、長期的な維持管理がしやすくなる面があります。

相続争いを回避しやすくなる

相続対策として、不動産をあらかじめ共有名義にしておくという選択もあります。

親が生前に子どもへ持分を移転しておけば、相続開始時点で権利関係が明確になるのが利点です。

この場合、特定の相続人が単独で不動産を取得する形に比べると、不公平感が生じにくい場合があります。

また、相続開始前に権利関係を整理できるため、遺産分割協議の負担を軽減できる点もメリットです。

とくに不動産は現物分割が難しい財産であるため、あらかじめ持分を明確にしておくことが紛争予防につながることがあります。

不動産投資をする場合はリスクを分散できる

不動産投資の場面では、共有名義にすることで投資リスクを分散できる場合があります。

たとえば、複数人で出資すれば、個人あたりの投資額を抑えることが可能です。

また、不動産価格の変動や空室の発生、賃料の下落といったリスクも、共有者間で分担されます。

そのため、一人で全額を負担する場合と比較すると、資金面でのリスクは軽減されることがあります。

共有不動産はトラブルやデメリットが多くおすすめできない?

共有名義には一定のメリットがありますが、実務上はデメリットやトラブルが問題になるケースも少なくありません。

ここでは、共有不動産でよく生じるデメリットや典型的なトラブルを整理します。

不動産の処分や活用がしづらい

共有名義の不動産全体を売却したり、長期の賃貸借契約を締結したり、大規模なリフォームをおこなったりするには、原則として共有者全員の同意が必要です。

共有者のうち一人でも反対すれば、不動産全体を自由に処分することはできません。

つまり、共有者が多いほど合意形成は難しくなり、結果として不動産の活用が制限されます。

なお、自分の共有持分だけを第三者に売却することは可能ですが、持分のみを購入したいと考える買主は限定的です。

そのため、一般的に市場価格よりも低い金額での取引になる傾向があります。

本来であれば収益を生む可能性のある不動産であっても、共有状態にあることで思うように活用できず、経済的な機会損失が生じるおそれがあるのです。

維持費用や税金の支払で揉めやすい

不動産を所有していると、固定資産税や都市計画税、修繕費などの維持管理費用が継続的に発生します。

これらの費用は原則として共有持分割合に応じて各共有者が負担するものです。

しかし、実務では負担割合を巡って意見が対立することがあります。

たとえば、実際に居住している共有者が多く負担すべきか、収入の多い共有者が多く負担すべきかといった点で争いが生じることがあるのです。

時間の経過にともない権利関係が複雑になってしまう

共有者の一人が死亡するとその持分は相続人に承継されます。そして、相続が繰り返されると、世代をまたいで共有者が増加していきます。

その結果、意思決定のための話し合いが極めて困難になることがあります。

このような状態になると、不動産は事実上活用できないまま放置されることも少なくありません。

意見対立が原因で訴訟に発展することもある

共有者間で意見が対立し、話し合いによる解決が困難な場合には、最終的に裁判手続きに発展する可能性も否定できません。

たとえば、共有物の分割を求める共有物分割請求訴訟が提起されるケースがあります。

訴訟に至れば、時間や費用の負担が生じるだけでなく、共有者間の関係が決定的に悪化する可能性があります。

第三者が共有者になるとさらに処分や活用が難しくなる

共有者の一人が持分を第三者へ売却した場合、新たな共有者が加わります。

相続によって共有者が増加する場合も同様です。

共有者の人数が増えるほど、活用方針についての合意形成は難しくなり、固定資産税や修繕費の負担を巡る調整も複雑になります。

特に、これまで関係のなかった第三者が共有者となった場合、従来の話し合いの枠組みが通用しなくなることがあります。

共有者が認知症になると手続きが複雑化する

共有者の一人が認知症などにより判断能力を失った場合、不動産の処分や契約行為が直ちにできなくなる可能性があります。

売却や大規模な変更行為には共有者全員の同意が必要であるため、判断能力を欠く共有者がいる場合には、成年後見制度の利用などの法的手続きが必要になることも少なくありません。

成年後見人の選任には家庭裁判所への申立てが必要であり、時間と費用がかかります。

【関連記事】成年後見制度とは?後見人になるための手続きやメリット・デメリットを解説

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不動産の共有名義を解消する方法8つ

共有状態は必ずしも固定されたものではなく、法的手続きや当事者間の合意によって解消することが可能です。

ここでは、代表的な解消方法を紹介します。

共有者全員が合意して不動産を売却する

共有者全員の持分をまとめて第三者に売却し、売却代金を持分割合に応じて分配する方法です。

市場価格で売却できれば、各共有者は適正な対価を得られます。

ただし、不動産全体を売却するには、当然共有者全員の同意が必要です。

共有者のうち一人でも売却に反対すれば実行できません。

自分の共有持分をほかの共有者へ売却する

自分の共有持分を、他の共有者に売却する方法です。

共有者が2名の場合には、売却と同時に共有状態が解消されます。

3名以上の場合には、売却後も他の共有者間で共有状態が続く可能性がありますが、自分自身は共有関係から離脱できます。

特に、他の共有者が単独名義での取得を希望している場合には、比較的スムーズに合意できる可能性があるでしょう。

なお、売却額は不動産の市場価値に持分割合を乗じた金額が基準になります。

一方で、こちらから積極的に売却を持ちかける場合には、価格交渉が課題とながちです。

市場価格相当額での売却が難しい場合もあり、どちらがより強く売買を希望しているかによって交渉の難易度が変わります。

ほかの共有者から共有持分を買い取る

自分が他の共有者の持分を全て買い取り、単独名義にする方法は、不動産を実際に利用している場合には有力な選択肢です。

単独名義になれば、その後の売却や活用は自由におこなえます。

ただし、この場合、買い取り資金の確保が問題となりがちです。

単独取得後に売却するのであれば一時的な資金で足りますが、住み続ける場合には長期的な資金計画が必要です。

自分の共有持分を第三者に売却する

共有持分は、他の共有者の同意がなくても第三者に売却可能です。

そのため、共有持分専門の不動産業者や投資家が購入するケースもあります。

持分を売却すれば、自身は共有関係から離脱できます。そのあとの共有者間の交渉や訴訟の当事者になることはありません。

ただし、持分のみの売却は一般に市場価格よりも低額になる傾向があります。

また、他の共有者との関係悪化という心理的負担が生じる場合もあるため注意が必要です。

共有物分割請求訴訟を提起する

共有持分の扱いについて話し合いで解決できない場合には、裁判所に対して共有物分割を請求する「共有物分割請求訴訟」を提起することが可能です。

訴訟が提起されると、裁判所は共有関係を解消するための具体的な方法を判断します。

たとえば、不動産を売却して代金を分配する換価分割や、特定の共有者が他の共有者の持分を買い取る方法などが選択されることがあります。

また、事案によっては競売手続きが命じられるケースも少なくありません。

しかし、共有物分割請求訴訟は短期間で終わる手続きではありません。

解決までに半年以上、場合によっては1年以上かかることもあります。

また、裁判所の判断が必ずしも自分の希望通りになるとは限らず、親族を相手に訴訟を提起すること自体が大きな心理的負担になることも考えられます。

土地であれば分筆して単独名義とする

分筆とは、一つの土地を複数の土地に分け、それぞれを独立した不動産として登記する手続きです。

共有持分という割合での権利関係を解消し、物理的に土地を分割することで、各共有者が単独名義の土地を取得します。

分筆が実現すれば、それぞれが単独所有者となるため、売却や活用を自由におこなえるようになります。

分筆後の土地は単独名義となるため、市場価格での売却も可能です。

ただし、建物は物理的に切り分けることが困難であるため、この方法は原則として土地に限られます。

また、分筆には共有者全員の同意が必要です。

さらに、土地の形状や接道状況、高低差などの条件によっては、等価に分割することが難しく、不公平感が残る場合もあります。

実際の分筆には境界確定測量や登記手続きが必要であり、専門家への依頼費用や一定の時間を要します。

自分の共有持分を放棄する

自分の持分を放棄することで共有関係から離脱する方法です。

持分を放棄すると、他の共有者の持分が増加します。

金銭的な対価は得られませんが、共有状態の煩わしさから解放されるため、共有関係を早期に終わらせたい場合には選択肢となります。

ただし、登記手続きには他の共有者の協力が必要です。

また、持分が増加する共有者に贈与税が課される可能性もあります。

自分の共有持分を贈与する

自分の共有持分を他の共有者に無償で譲り渡す方法です。

贈与契約を締結し、所有権移転登記をおこないます。

口頭でも成立しますが、将来の紛争防止のため書面化することが望ましいです。

売買と異なり、相手が購入資金を用意する必要がないため、資金的余裕のない親族に権利を移転したい場合には実行しやすい方法です。

一方で、譲受人には贈与税や不動産取得税が課される可能性があります。

共有状態が完全に解消されるかどうかは、他の共有者の有無によって異なります。

また、贈与によって金銭的利益は得られない点も考慮する必要があります。

共有不動産のトラブルを弁護士に相談・依頼するメリット

共有不動産の問題は、法律と人間関係の両面が絡み合うため、当事者だけで解決しようとすると対立が深刻化することがあります。

解消方法には複数の選択肢があり、状況に応じた判断が必要です。

ここでは、共有不動産の問題を弁護士に相談・依頼する主なメリットを整理します。

法的な視点で適切な解決策を提案してもらえる

弁護士に相談すれば、法的根拠に基づいた選択肢を提示してもらえるため、感情論に流されずに合理的な判断がしやすくなります。

共有不動産の解消方法は一つではありません。

共有に至った経緯、共有者との関係性、不動産の利用状況、依頼者の希望などによって、適切な対応は異なります。

たとえば、全員で売却するのが合理的な場合もあれば、自身の持分のみを処分するほうが現実的な場合もあります。

どの方法が最適かを判断するには、民法上のルールや過去の裁判例を踏まえた専門的な検討が不可欠です。

誤った対応をすると、共有者間の対立が深刻化し、解決がより困難になる可能性があります。

共有者との交渉や面倒な手続きを代行してもらえる

弁護士に依頼すれば、共有者との交渉や複雑な手続きを任せることができます。

共有不動産のトラブルは当事者間の関係が悪化している場合が多く、冷静な話し合いが難しいからです。

とくに、疎遠な親族や第三者が共有者である場合、直接交渉すること自体が大きな精神的負担になります。

たとえば、共有持分のみを売却する場合、法的には他の共有者の同意は不要です。

しかし、相談なく売却したことを理由に非難されることがあります。

そのような場面でも、弁護士が法的根拠を示して対応すれば、無用な紛争拡大を防ぎやすくなります。

また弁護士が窓口となれば、内容証明郵便の作成や必要書類の収集、各種契約書の作成なども代行可能です。

その結果、依頼者は精神的・時間的負担を軽減しながら問題解決を進められます。

裁判手続きのサポートもしてもらえる

共有物分割請求訴訟などの裁判手続きが必要になった場合でも、弁護士に依頼していれば問題解決まで一貫したサポートを受けることができます。

共有関係の解消が話し合いでまとまらない場合には、最終的に裁判所の判断を仰ぐ必要があり、その過程では法的主張の整理や証拠の提出、口頭弁論への対応など、専門的な対応が求められるからです。

たとえば共有物分割請求訴訟では、裁判所が事案に応じた合理的な分割方法を決定します。

協議や調停を経て訴訟へ進むこともあるほか、状況によっては直接訴訟を提起することもあります。

また、共有者の中に行方不明者や判断能力を欠く者がいる場合には、不在者財産管理人の選任や成年後見制度の利用といった追加の手続きも必要です。

このように、裁判手続きは複雑で長期化する可能性がありますが、弁護士が代理人として関与すれば、依頼者の意向を法的に整理したうえで適切に主張し、状況に応じた手続きを一体的に進めることが可能になります。

さいごに|共有不動産のトラブルは弁護士に相談を!

共有不動産は、資金面や相続対策の観点では一定のメリットがありますが、ひとたび対立が生じると解決は容易ではありません。

売却や費用負担を巡る意見の不一致、共有者の増加による合意形成の困難など、時間の経過とともに問題が複雑化することもあります。

共有状態を放置すれば、不動産を十分に活用できないまま機会を失うおそれもあります。

状況に応じた適切な解決方法を選ぶためには、法的な視点からの整理が欠かせません。

共有不動産に関する不安やトラブルを抱えている場合には、早めに弁護士へ相談することが現実的な選択肢です。

専門家の助言を得ることで、冷静かつ合理的に今後の方針を検討できるようになります。

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