DV妻と離婚したい!成功させるためのポイントやおすすめの相談窓口などを解説
- 「妻からの暴言や暴力がつらいけれど、このまま我慢するしかないのだろうか…」
- 「離婚したい気持ちはあるが、どう動けばいいのかわからない…」
このように、一人で悩みを抱え込んでいませんか。
妻からのDVは夫婦関係にかかわる深刻な問題ですが、適切に対応すれば離婚という選択肢を取ることも可能です。
ただし、勢いで行動してしまうと不利な状況に陥ることもあるため、事前にポイントを押さえておくことが大切です。
この記事では、DV妻と離婚したいと考えている方に向けて、円滑に手続きを進めるためのポイントや注意点を整理したうえで、頼れる相談窓口についても解説します。
今の状況を少しでも前に進めるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
妻からのDV被害に関する3つの基礎知識
まずは、妻から夫に対するDVに関する基礎知識を3つ紹介します。
- 基本的に、妻からのDVを理由とする離婚は認められる
- 妻からのDV被害は年々増加傾向にある
- 妻からのDVは精神的なものが多い
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
DV妻との離婚の可否|基本的には離婚できる
結論からお伝えすると、妻からのDVを理由に離婚することは可能です。
夫婦間でDV事案が発生した場合、DV被害者が男性である夫であろうが女性である妻であろうが、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)に該当すると判断され、離婚が認められます(もっとも、実際はDVの態様や程度によって変わります)。
ただし、離婚トラブルが離婚裁判にまで発展したケースでは注意が必要です。
というのも、離婚裁判では法定離婚事由が存在しない限り離婚は成立しませんが、その際には、「妻からのDVが原因で婚姻関係を継続し難いこと」を客観的証拠によって立証しなければいけないからです。
(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
(中略)
四 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
引用元:民法|e-Gov法令検索
そのため、一般的に肉体的に優位な男性である夫がDV被害者の事案では、女性がDV被害者の事案に比べると、より丁寧な立証活動が必要になると考えられます。
妻からのDV被害の件数|年々増加傾向にある
以下のデータが示すとおり、妻からのDV被害の件数は年々増加傾向にあります。
| 年度 | 妻からのDV事案の件数 |
| 令和2年 | 19,478件 |
| 令和3年 | 20,895件 |
| 令和4年 | 22,714件 |
| 令和5年 | 24,684件 |
| 令和6年 | 28,214件 |
【参考】令和6年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況について|生活安全局人身安全・少年課
令和6年段階では、警察が認知しているDV事案のうち約30%が、妻から夫に対するDVトラブルです。
「男がDV被害なんて恥ずかしい」と思い悩む必要はありません。
妻からのDV被害に苦しんでいるのなら、一人で悩まずにまずは弁護士などの専門家へ相談してみましょう。
妻からのDVのよくある例|精神的な暴力が多い
DVという言葉からは肉体的な暴力を想像しやすいですが、妻から夫に対するDV事案では、必ずしも肉体的暴力だけが問題になるわけではありません。
妻からおこなわれるDVの具体例として、以下のものが挙げられます。
- 殴る、蹴る、髪を引っ張る、突き飛ばすなどの肉体的な攻撃
- 刃物で脅す、皿を投げつけるなどの物を使った攻撃
- 部屋への監禁
- 大声で怒鳴る、人格を否定するような悪口を発する
- 長時間無視する
- 自殺をほのめかす
- お小遣いを渡さない
- お金の使い道を厳しく管理して金銭的な自由を与えない
- 夫名義での借金を強要する
- 性行為などを強要する
- 性的な写真・動画をインターネット上で晒すと脅す
- 友人や親族などとの交流を制限する
- 電話やメールなどを細かくチェックする
- ひとりで外出するのを禁止する、GPSで居場所を監視する
- 子どもの前で暴力をふるう
- 子どもや夫の親に夫の悪口を吹き込む
- 細かいことで文句を言って土下座を強要する など
どのような行為が離婚原因に相当するDVに該当するかは事案によって異なります。
妻の行動やプレッシャーなどで離婚を考えるほど苦しい思いをしているのなら、速やかに信頼できる専門機関に問い合わせをしてください。
DV妻との離婚を成功させるための5つのポイント
妻からのDVを理由に離婚手続きを進めるときのポイントを5つ紹介します。
- DVの証拠を集めるようにする
- 離婚の条件や要望を決めておく
- 必要があれば早めに別居を開始する
- 話し合いが難しい場合は調停を申し立てる
- 離婚問題が得意な弁護士に相談・依頼する
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
1.DVの証拠を集めるようにする
妻からのDVを理由に離婚を求めるときには、証拠の確保が不可欠です。
なぜなら、妻からDVをしていないと争われたとしても、客観的証拠があればDVの存在を立証できるからです。
また、客観的証拠が揃っていることで、DVを理由とする慰謝料請求の増額も狙いやすくなります。
さらに、子どもの親権争いも有利に進められるでしょう。
妻からのDVを立証するのに役立つ証拠として、以下のものが挙げられます。
- 診断書
- 怪我の写真
- DVの様子を記録した音声データや動画
- 壊れた物、荒れた部屋などの被害状況を示す写真
- 警察などの公的機関への相談記録の履歴
- DVを受けた事実関係を記録した日記・メモ
- 友人や親族などからの証言
- 妻から届いたメッセージ など
なお、妻からおこなわれているDVの内容・種類によって収集するべき証拠は異なります。
そのため、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談・依頼をして、どのような証拠を確保するべきかについてアドバイスをもらいましょう。
2.離婚の条件や要望を決めておく
妻からのDVを理由に離婚話を切り出す前に、どのような離婚条件を希望するかを整理してください。
検討するべき離婚条件として、以下のものが挙げられます。
- 慰謝料
- DVは不法行為として慰謝料請求が可能。被害の程度・期間・回数などで金額が決まる。
- 親権
- 子どもがいる場合は親権を決定。DVの立証により単独親権を得やすくなるが、2026年4月からは共同親権制度に注意。
- 養育費
- 子どもを引き取った場合、妻に請求可能。収入や子どもの人数などで金額が決まる。
- 面会交流
- 離婚後の子どもとの関わり方を決定。DVの影響があれば制限・拒否が認められることもある。
- 財産分与
- 共有財産は原則として公平に分ける。なお、DVによる精神的・身体的被害については、財産分与とは別に慰謝料として請求を検討するのが一般的。
- 年金分割
- 婚姻期間中の厚生年金の記録は、一定のルールに従って分割請求できる。
なお、離婚条件についても一人で全てを決める必要はありません。
どうやって決めたらいいのか悩んだときは、弁護士へ相談してアドバイスをもらいましょう。
3.必要があれば早めに別居を開始する
妻からのDVが原因で身の安全を守る必要がある場合には、早々に別居を開始するのも選択肢のひとつです。
夫側が別居を開始することで、夫側の本気度が伝わり、妻が離婚協議に応じてくれやすくなるでしょう。
ただし、離婚が成立する前に別居期間を設けると、婚姻費用を請求されるリスクがある点に注意が必要です。
婚姻費用とは、夫婦が婚姻生活を維持するために必要な費用のことです。
別居期間中は、夫婦それぞれに課されている生活保持義務に基づき、収入が多いほうが少ないほうに婚姻費用を支払わなければいけません。
(婚姻費用の分担)
第七百六十条 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。
引用元:民法|e-Gov法令検索
もちろん、婚姻費用を算定する際には、「妻によるDVから逃れるため」という正当な理由によって別居を開始せざるを得なかったという事情が考慮されます。
なお、別居に至った経緯やDVの有無は個別事情として考慮され得ますが、婚姻費用の負担がどうなるかは、双方の収入や生活状況なども踏まえて判断されます。
【参照】平成30年度司法研究(養育費、婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について|裁判所
4.話し合いが難しい場合は調停を申し立てる
DV加害者である妻がまったく話し合いに応じようとしない場合には、早々に離婚調停を申し立てることを検討してください。
なぜなら、話し合いがまったくできない状況で協議離婚にこだわるメリットがないからです。
離婚トラブルは調停前置主義が採用されているので、相手方が話し合いに応じてくれないからという理由でいきなり離婚訴訟を提起することはできません。
それならば、最終的に離婚裁判になることも見据えて、早々に離婚調停を申し立てて離婚手続きを進めるべきでしょう。
離婚調停(夫婦関係調整調停)とは、家庭裁判所の調停委員会のサポートを受けながら、夫婦間で離婚条件などについて話し合いをおこない、合意形成を目指す裁判所手続きのことです。
裁判官1名と男女1名ずつの調停委員が夫婦それぞれの意見を聴取したり証拠書類を確認したりするなどして、夫婦の合意形成をあと押ししてくれます。
離婚調停で合意形成に至った場合には、調停調書が作成されて、調停離婚が成立します。
一方、離婚調停でもDV妻と意見が合致しないなら、離婚裁判を申し立てて、裁判所から離婚の認容判決の判断を引き出すための行動に出ることができるようになります。
【関連記事】
離婚調停とは?手続きの流れやかかる費用、有利に進めるポイントなどを徹底解説
離婚裁判とは?離婚時の訴訟が認められる条件や裁判の流れ、費用を解説
5.離婚問題が得意な弁護士に相談・依頼する
妻からのDVを理由に離婚したときには、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談・依頼をしてください。
というのも、離婚問題が得意な弁護士の力を借りれば、以下のメリットを得ることができるからです。
- 妻からのDVを立証するのに必要な証拠の種類・確保方法についてアドバイスをくれる
- 慰謝料請求の増額を期待できる
- DV妻に十分な資力がない場合でも、財産分与の条件のなかに慰謝料的側面を盛り込んでくれる
- 親権や婚姻費用、面会交流などの諸条件を有利にしてくれる
- DV妻との協議を代理して進めてくれる
- 離婚調停や離婚裁判といった法的手続きを代理してくれる
- 離婚成立後の手続きなどにも対応してくれる など
妻からのDVが原因で離婚をする場合の相談窓口4選
さいごに、妻からのDV被害を相談できる窓口を4つ紹介します。
- ベンナビ離婚
- 弁護士会
- 自治体
- 法テラス
それぞれの窓口について、詳しく見ていきましょう。
1.ベンナビ離婚|DV問題が得意な弁護士を探せる
妻からのDV被害で困っているなら、ベンナビ離婚の活用がおすすめです。
ベンナビ離婚とは、さまざまな離婚トラブルを専門に扱っている弁護士を紹介しているポータルサイトです。
以下のような項目を組み合わせて条件に合う弁護士を検索できるので、アクセスしやすい法律事務所が今すぐ見つかるでしょう。
| お住まい地域 | 都道府県から絞り込み可能 |
| 相談したい内容 | ・離婚前相談 ・離婚協議 ・離婚調停 ・財産分与 ・親権 ・養育費 ・DV ・モラハラ ・国際離婚 ・不倫 ・離婚慰謝料 ・離婚裁判 ・面会交流 ・離婚手続き ・別居 ・男女問題 ・熟年離婚 ・婚姻費用 |
| 具体的なサービス | ・オンライン相談可 ・来所不要 ・電話相談可能 ・初回の面談相談無料 ・休日相談可能 ・女性弁護士在籍 |
2.弁護士会|原則として有料で相談に乗ってくれる
「自分でDV被害を相談する弁護士を見つけるのが難しい」という場合には、お住まい地域の弁護士会に相談するのも選択肢のひとつです。
弁護士会によって運用は異なりますが、30分5,500円(税込)で法律相談を受けることができます。
ただし、弁護士会の有料法律相談を受けるには、事前予約必須のことが多いです。また、相談料は地域や相談窓口によって異なります。
詳しくはお住まいの地域の弁護士会に確認しましょう。
3.各自治体|住民向けに無料の法律相談会を開催している
自治体によっては、地域住民向けに無料の法律相談会を開催している場合があります。
弁護士や司法書士、行政書士などの専門家が法律相談に対応してくれることが多いです。
ただし、自治体の無料法律相談会ではDV被害などについての法律相談を受けることができるだけで、その場で内容証明郵便を作成してもらうなどの踏み込んだ対応はしてもらえません。
DV被害を理由とする離婚問題解決のために専門家に動いてもらうには、別途委任契約を締結する必要があります。
また、法律相談会の開催日、予約方法、利用条件などの詳細は自治体によって異なる点に注意が必要です。
詳しくは、お住まい地域の担当窓口などにお問い合わせください。
4.法テラス|経済的な余裕がない人がサポートを受けられる
法テラス(日本司法支援センター)とは、経済的な理由から弁護士などの専門家にアクセスできない国民のためにリーガルサービスを提供している法律の総合案内所のことです。
法テラスが設定している収入要件・資産要件を満たす限りにおいてですが、無料で法律相談を受けたり、弁護士費用を立て替えてもらえたりします。
法テラスの事務局は全国にあるので、お近くの法テラス事務局までお問い合わせください。
【参考】お近くの法テラス | 法テラス
さいごに|妻からDV被害に遭っている場合はひとりで悩まず相談しよう!
妻からのDV被害で離婚を考えているなら、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談・依頼をしてください。
早期に弁護士に相談をすればDV被害を立証するのに役立つ証拠をスムーズに確保できますし、弁護士が代理人として離婚手続きを進めてくれるので、スピーディーな離婚成立も期待しやすくなるでしょう。
ベンナビ離婚では、妻からのDV被害でお悩みのかたが利用できる弁護士を多数紹介中です。初回の相談料無料やオンライン相談可能などの諸条件から希望に合致する弁護士を検索できるので、信頼できそうな弁護士までお問い合わせください。
