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退職金未払いはどうすればいい?確認すべき内容や請求方法を徹底解説

弁護士監修記事
労働問題 給料・賃金未払い
2026年06月08日
退職金未払いはどうすればいい?確認すべき内容や請求方法を徹底解説
この記事を監修した弁護士
加藤 惇弁護士 (東日本総合法律会計事務所)
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会社を退職したにもかかわらず、退職金が支払われないままになっている場合、「そもそも退職金は必ずもらえるものなのか」「会社に支払い義務はあるのか」「どのように請求すればよいのか」と不安を感じてしまうでしょう。

退職金は長年の勤務に対する重要な対価であり、未払いのまま放置すべき問題ではありません。

そこで本記事では、退職金未払いで悩んでいる人に向けて、まず確認すべきポイントを整理したうえで、退職金を請求できる条件や、もらえないケースを解説します。

さらに、支払い義務があるにもかかわらず退職金が未払いの場合に取るべき具体的な請求方法や、労働基準監督署・弁護士への相談の違いについても説明します。

退職金未払いで困っている場合は、ぜひ参考にしてください。

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退職金が未払い!まず確認するべきことは?

退職金が支払われていない場合、すぐに請求や相談に進む前に、本当に会社に退職金の支払い義務があるのかを確認することが重要です。

ここでは、退職金未払いについて相談する前に、最低限確認しておくべきポイントを解説します。

会社に退職金の支払い義務があるか確認する

退職金を請求できるかどうかは、会社が退職金制度を設けているか、そしてその内容がどのように定められているかによって判断されます。

まずは、就業規則や社内規程などの書面を確認し、退職金に関するルールが存在するかを確認する必要があります。

具体的なポイントは、以下のとおりです。

  • 就業規則などに退職金に関するルールが明記されているか
  • 慣例的に退職金が支給されているか

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

就業規則などに退職金に関するルールが明記されているか

まずは、退職時に交付された就業規則や、社内ポータルなどで確認できる規程を確認しましょう。

会社が退職金制度を設けている場合、その内容は就業規則や退職金規程などに明記されているのが一般的です。

就業規則に「退職金を支給する」「勤続年数〇年以上の者に退職金を支払う」といった記載がある場合、退職金は労働条件の一部となり、会社には支払い義務が生じます。

このような規定があるにもかかわらず退職金が支払われていない場合、退職金未払いとして請求できる可能性があります。

一方で、就業規則に退職金に関する記載が一切なく、「退職金制度は設けていない」と明示されている場合は、原則として退職金を請求することはできません。

慣例的に退職金が支給されているか

就業規則に明確な記載がない場合でも、過去の退職者が退職金を受け取っていたことがわかる資料や証言があるかどうかも、あわせて確認しておくことが重要です。

過去に同様の立場で退職した従業員に対して、継続的・一律に退職金が支給されていた場合には、慣例として退職金制度が認められることがあります。

このような慣例が認められるかどうかは、退職金の支給が長期間にわたり繰り返されていたか、対象者や金額に一定の基準があったかなどを踏まえて判断されます。

ただし、慣例による退職金請求は立証のハードルが高く、会社側が否定するケースも少なくありません。

退職金がもらえないケース・条件に該当していないか確認する

退職金は、法律で一律に支払いが義務付けられているものではなく、就業規則や退職金規程、会社の運用方針に従って支給の可否が決まります。

そのため、退職金が支払われていない場合でも、必ずしも会社が不当に支払いを拒否しているとは限りません。

以下では、退職金がもらえない代表的なケースを一覧で確認しましょう。

ケース 概要
退職金制度がない 会社に退職金制度自体が設けられていない
勤続年数などの条件未達 勤続3年未満など、支給条件を満たしていない
懲戒解雇された 懲戒解雇により退職金が不支給・減額される
役員として退職 株主総会決議がなく、退職金が支給されない
会社倒産・資力不足 会社に支払い能力がない
時効により消滅 支払期日から5年が経過している
中退共の手続未了 中退共の退職金請求手続きをしていない
退職していない まだ在職中である
支払期限未到来 規程上の支払期限がまだ来ていない

自分の状況がこれらのケースに該当していないかを整理し、制度上の理由で支給されないのか、それとも支払い義務があるのに未払いとなっているのかを見極めることが重要です。

支払い義務があるのに退職金が未払い!どう請求すればいい?

会社に退職金の支払い義務があるにもかかわらず、退職金が支払われない場合には、段階的に対応を進めることが重要です。

ここでは、未払い退職金を請求する際の代表的な手順を順に解説します。

1.退職金未払いの証拠を集める

未払い退職金を請求するには、会社に退職金の支払い義務があることと、自分が支給条件を満たしていることを示す証拠が必要です。

具体的には、就業規則や退職金規程、雇用契約書、労働条件通知書などが、退職金制度の存在を示す資料となります。

また、勤続年数や雇用形態など、支給条件を満たしていることを示す資料として、給与明細や在職期間がわかる書類も有効です。

これらの証拠を整理しておくことで、後の請求や交渉をスムーズに進めることができます。

2.内容証明郵便で会社に退職金を請求する

未払い退職金の請求は、口頭ではなく書面でおこなうのが一般的です。

書面には、会社に退職金の支払い義務があること、本人が支給条件を満たしていること、請求額、支払期日、振込先などを明記します。

請求方法には、通常の書面で送付する方法と、配達証明付き内容証明郵便で送付する方法があります。

内容証明郵便は、「いつ、どのような内容の請求をしたか」を証拠として残せる点が特徴です。

とくに、退職金の時効が迫っている場合には、配達証明付き内容証明郵便で請求することが重要です。

退職金請求権は、原則として支払期日から5年で時効となるため、内容証明による請求をおこなうことで、時効完成までの猶予期間を確保できます。

3.裁判外紛争解決手続(ADR)を利用する

書面で請求しても会社が退職金の支払いに応じない場合は、裁判外紛争解決手続(ADR)の利用も検討してみましょう。

ADRとは、裁判を行わずに第三者が間に入り、当事者同士の話し合いによって紛争の解決を目指す手続きのことです。

代表的なものとして、各都道府県の労働局に設置されている「紛争調整委員会によるあっせん」があります。

この場合、専門のあっせん委員が双方の主張を整理しながら、合意に向けた調整をおこないます。

費用がかからず、手続きも比較的シンプルで、非公開で進められる点が特徴です。

一方で、あくまで話し合いによる解決を前提としているため、会社側が応じない場合や、双方の主張が折り合わない場合には、解決に至らないケースもあります。

その場合は、労働審判や訴訟など次の手続きを検討する必要があるでしょう。

4.労働審判や訴訟での解決を目指す

交渉やADRでも解決できない場合には、労働審判や訴訟による解決を検討します。

労働審判は、裁判官と労働問題の専門家が関与し、原則3回以内の期日で迅速に判断が示される制度です。

労働審判でも解決しない場合や、異議が出た場合には、通常の訴訟に移行します。

訴訟は時間や手間がかかるものの、裁判所による最終的な判断を得ることができます。

退職金の請求に対して会社が応じない場合には、これらの法的手段を視野に入れ、状況に応じた対応を進めることが重要です。

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退職金未払いは労働基準監督署に相談できる?

退職金が未払いとなっている場合、相談先として労働基準監督署(労基署)を検討する人は少なくありません。

労基署は労働条件に関する行政機関であり、退職金についても一定の相談対応をおこなっています。

ただし、労基署ができる対応には範囲や限界があるため、その役割を正しく理解しておくことが重要です。

労基署は退職金のルールについて一般的なアドバイスをしてくれる

労基署では、退職金に関する基本的なルールや考え方について、一般的な説明を受けることができます。

例えば、退職金が法律で必ず支払われるものではないことや、就業規則に退職金規程がある場合の位置づけなどについて案内してもらえます。

そのため、退職金未払いが違法に当たるのか判断する前段階として、制度の整理をおこなう場として活用可能です。

申告の内容によって調査や行政指導などの対応をしてくれる場合がある

退職金の支払いを会社が怠っていると考えられる場合には、労基署が会社に対して調査や行政指導をおこなうことがあります。

例えば、就業規則に退職金の支給が明記されているにもかかわらず支払われていないケースなどです。

このような状況では、会社に是正を促すことで、任意に支払いがおこなわれる可能性もあります。

退職金を支払うよう法的に強制できるわけでない点に注意が必要

労基署には退職金を支払うよう法的に強制する権限はありません。

行政指導がおこなわれたとしても、最終的に支払われるかどうかは会社の対応次第となります。

確実に未払い退職金を回収するためには、請求書面の送付や法的手続きを検討する必要がある点に注意が必要です。

弁護士に退職金未払いの対応を相談・依頼するべき理由

ここでは、退職金未払いについて弁護士に相談・依頼することで得られる主なメリットを解説します。

会社の退職金支払い義務や退職金額を検討してもらえる

弁護士に相談することで、会社に退職金の支払い義務があるかどうかを、法的な観点から検討してもらえます。

就業規則や退職金規程、雇用契約書などを確認したうえで、退職金が支払われるべきケースか、また請求できる金額がいくらになるのかを整理してもらえます。

自分だけで判断すると見落としや誤解が生じやすい点についても、専門家の視点で確認できるため、無用なトラブルを避けやすくなるでしょう。

本人の代理で会社と直接交渉してもらうことも可能

退職金の未払いについて本人が会社に直接交渉しても、取り合ってもらえないケースは少なくありません。

弁護士が代理人として交渉をおこなうことで、会社側は訴訟などの法的リスクを意識し、対応を改める可能性が高まります。

また、弁護士に交渉を任せることで、精神的な負担を軽減しつつ、冷静かつ法的根拠に基づいた話し合いを進めることが可能です。

適正な金額の退職金を受け取れる可能性が高まる

弁護士が関与することで、退職金が減額されていないか、計算方法に誤りがないかといった点も確認できます。

その結果、本来受け取るべき金額を把握したうえで請求できるため、不利な条件での解決を避けやすくなります。

退職金未払いを泣き寝入りせずに解決するためには、早い段階で弁護士に相談し、適切な対応方針を立てることが重要です。

退職金未払いについてよくある質問

ここでは、退職金未払いに関して特に質問の多いポイントを取り上げ、制度や法律の考え方を踏まえて解説します。

退職金が未払いの場合、遅延損害金を請求できる?

退職金が支払期日を過ぎても支払われない場合、遅延損害金を請求できる可能性があります。

労働基準法第24条では、賃金は一定の期日に支払う必要があると定められており、これに違反すると債務不履行となります。

遅延利息の利率は、在職中の賃金については民法第404条により年3%、退職後の賃金については賃金の支払いの確保等に関する法律第6条により年14.6%とされています。

ただし、退職金については在職・退職を問わず年3%の遅延利息が適用される点には注意が必要です。

自己都合退職では退職金はもらえない?減額される?

自己都合退職であっても、就業規則や退職金規程に退職金制度があり、支給条件を満たしていれば、退職金を受け取れる可能性があります。

退職金の有無や計算方法は法律ではなく、各企業の規程によって決められているためです。

もっとも、自己都合退職の場合、会社都合退職や定年退職と比べて、退職金が減額されるケースは少なくありません。

勤続年数が短い場合には、退職金が支給されない、またはごく少額にとどまることもあるため、事前に自社の退職金規程を確認することが重要です。

さいごに|退職金未払いで困ったら弁護士に相談を!

退職金が支払われない場合でも、その理由が制度上正当なケースであることもあれば、会社に支払い義務があるにもかかわらず未払いとなっているケースもあります。

そのため、まずは就業規則や退職金規程を確認し、自分の状況がどのケースに当てはまるのかを整理することが重要です。

支払い義務があると考えられるにもかかわらず退職金が支払われない場合には、証拠の収集や書面による請求、第三者機関の利用など、段階的に対応を進める必要があります。

労働基準監督署への相談で状況整理ができることもありますが、退職金の支払いを法的に強制できるわけではない点には注意が必要です。

確実に未払い退職金の回収を目指すのであれば、早い段階で弁護士に相談することが有効です。

弁護士に相談することで、退職金の支払い義務や請求額を法的に検討してもらえるほか、会社との交渉や法的手続きまで一貫して任せることができます。

退職金未払いを泣き寝入りせずに解決するためにも、一人で抱え込まず、専門家への相談を検討してみてください。

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