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交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するべき6つの理由|交渉の流れも解説

弁護士監修記事
交通事故
2023年07月19日
2024年04月22日
交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するべき6つの理由|交渉の流れも解説
この記事を監修した弁護士
立花志功弁護士 (立花志功法律事務所)
北海道・札幌にある地域密着型の弁護士事務所。IT問題に注力しており、インターネット上のトラブルを迅速に対応しています。
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交通事故に遭ってしまった場合、加害者や加害者の保険会社と過失割合について話し合い、慰謝料や損害賠償金について交渉することになります。

相手の任意保険会社の担当者は、交通事故に精通した知識と交渉術を持っており、個人で交渉しても言い負かされてしまうおそれがあります

そのため、交通事故の示談交渉は弁護士に依頼するのがおすすめです。

本記事では、交通事故の示談交渉を弁護士に依頼すべき理由や、個人で交渉するデメリットについて、わかりやすく解説していきます。

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交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するべき5つの理由

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼すべき主な理由は、以下の5つです。

  • 交渉がスムーズにおこなえる
  • 示談金を増額できる可能性がある
  • 過失割合の交渉を適切におこなえる
  • 相手の保険会社・弁護士と対等に交渉できる
  • 後遺障害等級認定についてもアドバイスをもらえる

以下、それぞれ解説していきます。

交渉がスムーズにおこなえる

弁護士が相手の保険会社と示談交渉をすることで、スムーズに交渉をまとめることができます。

交通事故の経験が豊富な弁護士であれば、相手の保険会社がどのように請求してくるのか、どういう条件であれば折れてくれるのかなど、交渉をスムーズに進めるためのポイントを心得ています。

法的な知識を駆使し、有効な証拠を交渉の適切な段階で提示することで、こちらが優位になるよう交渉を進めることができるでしょう。

相手の保険会社としても、交渉相手が個人ではなく、法律の知識が豊富な弁護士の場合には、そこまで頑なな態度を取らず、無理やりな主張をしてくることもなくなります。

示談金を増額できる可能性がある

弁護士が交渉することで、個人で交渉する時よりも、示談金を増額できる可能性があります。

相手の保険会社が提示してくる示談金は、「任意保険基準」と呼ばれる保険会社独自の基準で算定されており、弁護士や裁判所が用いる「弁護士基準」で算定するよりも、低額になることがほとんどです。

そのため、弁護士基準を用いて計算した示談金をこちらから提示することにより、相手の提示してきた示談金よりも増額して請求することが可能になります。

個人で交渉した場合には、いくらこちらが増額の請求をしたとしても、基本的には増額を認めてもらうことは難しく、仮に増額されたとしても、本当に微々たる増額しか認められないことがほとんどでしょう。

裁判を起こすことなく、交渉段階で示談金の増額を認めてもらうためには、弁護士が法的な根拠をもとに適切な交渉をする必要があるのです。

過失割合の交渉を適切におこなえる

弁護士であれば、こちらに不利な過失割合にならないよう、適切な交渉をおこなうことができます

過失割合とは、交通事故を起こしてしまった責任が、加害者と被害者それぞれにどれくらいあったのかを、割合として表したものです。

たとえば、過失割合が3:7(被害者:加害者)だった場合、被害者にも事故の責任が3割あるということになるため、その分支払われる示談金が減額されてしまいます。

この過失割合の比率は、警察が決めるわけではなく、保険会社との話し合いで決めることになります。

保険会社は、被害者に支払う示談金を減らすため、過失割合をなるべく加害者に有利な方向で決めようとしてくる傾向にあります。

ここで、保険会社が提示してきた過失割合を否定し、適切な過失割合を主張するためには、過去の裁判例を適切に分析する法的知識や、個別具体的な状況を分析し、それぞれの事案に合った過失割合を決めることができるだけの実務経験が必要不可欠です。

相手の保険会社・弁護士と対等に交渉できる

交通事故の対応に慣れていない素人と違い、保険会社の担当者は、日頃から交通事故の示談金に関する交渉をおこなっているため、法的知識が豊富で、被害者との交渉術を心得ています。

また、死亡事故などの重大な交通事故のように、示談金が高額になる場合や、過失割合で争いが生じるような場面では、相手の保険会社が弁護士をたててくることもあります。

交渉の素人である一般人が、保険会社の担当者や弁護士と対等に交渉することは非常に困難で、相手に言いくるめられてしまうことで、こちらに不利な条件で示談がまとまってしまうおそれがあります。

この点、弁護士であれば、相手と対等の立場で交渉することができるため、こちらに不利な条件で交渉がまとまることはありません。

もちろん、交渉で話がまとまらない場合には、裁判を起こして、こちらに有利な条件で話をまとめてもらうことも可能です。

後遺障害等級認定についてもアドバイスをもらえる

弁護士に依頼すれば、適切な後遺障害等級の認定に必要な医学的な資料のアドバイスや申請方法について、アドバイスをもらうことができます

また、認定された後遺障害等級が正しいものであるかどうかを分析し、適切な後遺障害等級の認定には何が不足しているのかについても、明らかにすることができるでしょう。

後遺障害等級は、認定される等級によって、保険会社からもらえる損害賠償金が大きく変わります。

個人で申請をして、提出すべき資料が不足していたことが原因で、想定していた認定結果を得られなかったなんてことがないよう、弁護士からアドバイスをもらいながら申請を進められることは、大きなメリットがあるといえるでしょう。

後遺障害に強い弁護士については後遺障害に強い弁護士の特徴とは?探すための4つの方法も解説をご覧ください。

交通事故の示談交渉の流れ

交通事故の示談交渉はおおむね以下のような流れで進んでいきます。

【事故の初期対応】

  • 被害者の救護をおこなう
  • 警察に報告し実況見分をしてもらう
  • お互いに連絡先を交換する

【治療期間】

  • 病院で治療を開始
  • 完治もしくは症状固定の診断を受けるまで通院する

【後遺障害等級申請・交渉期間】

  • 後遺症が残ったら後遺障害等級認定の申請をする
  • 加害者側と示談交渉を開始する
  • 交渉でまとまらない場合には裁判を起こす
  • 示談が成立したら示談書を取り交わす

ここで、人身事故と死亡事故の場合で、交渉の流れが少し変わるため、詳しく解説していきます。

人身事故の場合

人身事故の場合、交渉を開始する前に、病院へ通院しけがの治療をする必要があります。

どの程度のけがだったのか、後遺症は残ってしまったのかなどが確定しないと、全体の損害が確定しないため、示談金の金額も決まらないからです。

そのため、けがが完治、あるいは、後遺障害等級認定を受けるまでは、相手の任意保険会社と交渉を開始することはできません

示談交渉では、相手方の任意保険会社と、過失割合や損害の内容をもとに示談金の金額を決めていきます。

治療が終わった段階でこちらから連絡すれば、保険会社の担当者から示談金の提案がくるケースがほとんどです。

交渉がまとまり示談書を取り交わしたら、10日~2週間程度で保険会社から示談金が振り込まれます

ただし、保険会社の約款には、支払いまで1ヵ月前後かかると記載されていることもあるため、それくらい時間がかかる可能性があることも念頭においておきましょう。

死亡事故の場合

死亡事故の場合、葬儀費用を請求することができるため、全ての費用が確定する、おおむね49日の法要が終わったタイミングで、相手の保険会社と示談交渉を開始します。

死亡事故では被害者本人は亡くなってしまっているため、実際に保険会社と示談交渉をするのは、損害賠償請求権を相続した被害者の遺族になります。

遺族は、亡くなった被害者が持っていた慰謝料だけではなく、近親者慰謝料と呼ばれる、遺族固有の慰謝料も請求できます。

示談交渉がまとまり、示談書を取り交わせば、10日~2週間程度で保険会社から示談金が振り込まれます

死亡事故で保険会社から支払われた損害賠償金は、法定相続分に応じて遺族に分配されるのが原則ですが、遺族間で話し合って、分配の割合を変更することも可能です。

死亡事故の場合、支払われる金額が大きくなることが多く、保険会社もできる限り支払う金額を減らそうとしてくるため、交渉で揉めてしまうケースも少なくありません。

死亡事故で保険会社と交渉する場合には、弁護士に対応をしてもらうことをおすすめします。

示談交渉は相手方の保険会社とおこなう

示談交渉の相手は、加害者が任意保険に加入していれば任意保険会社と、任意保険に加入していない場合には加害者本人です。

自身が加入している任意保険会社に代理で交渉してもらうことも可能ですが、いわゆるもらい事故のように、こちらに過失がない事故のケースでは、保険会社に示談交渉を代行してもらうことはできません。

また、保険会社によっては、同業者の馴れ合いから、こちらに有利になるように交渉を進めてもらえないおそれがあります。

なお、相手の保険会社が弁護士を立ててきた場合には、以後の交渉を相手の弁護士としていくことになります。

法律や裁判例、交渉術を熟知している弁護士に対して、個人で交渉するのは得策だとはいえないでしょう。

本来もらえるべき示談金がもらえなくなってしまわないよう、保険会社との交渉は弁護士に依頼するのがおすすめです。

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交通事故の示談交渉を自分でおこなうデメリット

交通事故の示談交渉を自分でおこなう場合、以下のようなデメリットが考えられます。

適切な賠償金額の目安がわからない

相手の保険会社が提示してくる示談金の金額は、法的に認められる金額よりも低い金額で提示されることがほとんどです。

ただ、どういう計算方法でその金額になるのか、適切な示談金がいくらなのかを、法律に精通していない一般人が正確に計算することは難しく、相手の提案に乗ったほうがいいのか、いくらで提示すべきなのかもわからないことが多いでしょう。

一度でも示談をしてしまうと、あとになってから示談の内容を覆すことは困難です。

交渉段階で適切な賠償金額の目安がわからないことは、自分で交渉することの大きなデメリットであるといえるでしょう。

時間的・精神的な負担がかかる

交通事故の知識が乏しい一般人が交渉することで、交渉がスムーズに行かず、示談金が支払われるまでに時間がかかってしまうおそれがあります

適切な示談金を計算するためには、法律や過去の裁判例などを正確に把握している必要があります。

法的な根拠に基づいた主張ができないと、相手の保険会社も交渉には応じてくれません。

保険会社もできるだけ低い金額で交渉をまとめようとしてくるため、被害者個人で交渉しようとすると、交渉が長期化してしまうおそれがあるのです。

また、交通事故の被害に遭ったにもかかわらず、仕事や家事の合間をぬって相手の保険会社と交渉しなくてはならないのは、精神的にも大きな負担になるでしょう。

保険会社の担当者によっては、交渉を早く切り上げるために、心無い言葉で攻め立ててくるようなケースもあります。

治療に専念できない

自分で相手の保険会社と交渉する場合、保険会社との交渉や、証拠の収集、わずらわしい各種手続きを、忙しい仕事や家事・育児の合間をぬって自分一人でおこなわなければならないため、治療に専念することができません。

弁護士であれば、保険会社との交渉や証拠の収集など、わずらわしい手続きを全て任せることができるため、治療に専念することができます。

交通事故の被害に遭った場合に何よりも重視すべきことは、一日でも早くけがを直して、いつもどおりの社会生活を送れるようになることです。

そのためには、治療に専念できる環境を作り上げることが、何よりも重要であるといえるでしょう。

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼する際のポイント

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼する際のポイントは、大きく以下の2つになります。

弁護士費用特約の有無を確認する

まずは、自分が加入している保険に、弁護士費用特約が付帯しているかどうかを確認してください。

弁護士費用特約とは、交通事故に遭った際に、一定の弁護士費用を保険会社が負担してくれる特約のことです。

保険会社により負担してくれる金額は異なりますが、多くの保険会社では、相談料は10万円まで、弁護士費用は300万円まで負担してくれます。

この弁護士費用特約を利用すれば、実質弁護士に無料で依頼することができるため、交通事故で弁護士に依頼するのであれば、一番に確認しておきたい点であるとえるでしょう。

もし、弁護士費用特約が付帯していなかったとしても、事故の内容次第では、自分で交渉するよりも弁護士に交渉を依頼したほうがメリットがある場合もあります。

具体的にどれくらいの金額が請求できるのかは、弁護士に相談してみるとよいでしょう。

なお、弁護士費用特約を使ったからといって、保険の等級が下がることはありませんので、安心して特約を利用してください。

早めに弁護士に依頼する

弁護士に依頼するタイミングは、早ければ早いほど保険会社との交渉が優位に進む可能性が高くなります。

交通事故では、事故直後からやるべきことがたくさんあります。

依頼のタイミングが早ければ早いほど、弁護士から適切なサポートを受けられる機会を多く得ることができるでしょう。

弁護士費用特約があれば弁護士費用を気にすることはありませんし、早めに弁護士を入れるデメリットもありません。

できれば、事故直後に弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ|交通事故の示談交渉は弁護士にご依頼ください

交通事故の示談交渉は、弁護士に依頼することをおすすめします。

示談交渉で損をしないためにも、なるべく早い段階から弁護士に依頼するのがベストです。

その際、弁護士費用特約が自分や家族の保険についているかどうか、事前に確認しておくようにしてください。

弁護士に依頼すべきか迷っている場合には、無料相談などを利用して、まずは相談だけでもしてみるとよいでしょう。

相談先の詳細は交通事故の相談先は7つ!保険会社や日弁連交通事故相談センター等ケース別相談先をご覧ください。

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  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
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