交通事故に強い弁護士を「評判」で選ぶのはNG!有能な弁護士の選び方・探し方

交通事故の被害者になってしまった際、加害者との示談交渉や賠償金の相場を把握するために、 弁護士への相談や依頼を検討する方は多いでしょう。
このとき、交通事故の弁護士をインターネット上の評判や口コミだけで選んでしまうケースも少なくありませんが、そこには見逃しがちな落とし穴があります。
本記事では、交通事故に強い弁護士を「評判」だけで決めてはいけない理由と、有能な弁護士を選ぶためのポイントなどについて解説します。
交通事故の弁護士は評判だけで決めない
交通事故に強い弁護士は、評判だけで決めてはいけません。
なぜなら、インターネット上に存在している口コミやランキング、おすすめサイトのような評判は、必ずしも参考になるとは限らないからです。
その理由について、以下で詳しく解説します。
口コミは主観的な意見に過ぎない
インターネット上に掲載されているユーザーの口コミは、どうしても主観的な意見になりがちです。
同じ弁護士に相談したとしても、受ける印象は人によって異なるからです。
ある人にとってはよいと感じる弁護士でも、別の人にとっては満足できない場合があるため、口コミだけで判断するのは難しいでしょう。
また、依頼者の状況や目的、弁護士との相性によっても、評判が変わることがあります。
ただし、「依頼前と依頼後で言っていることが違う」など、具体的に悪い口コミが複数見られる場合には、慎重に判断することをおすすめします。
弁護士ランキングは評価基準で変わる
弁護士ランキングは、評価基準によって大きく変わります。
そのため、ランキング上位の弁護士が必ずしも、交通事故に強いとは限りません。
たとえば、交通事故の弁護士としてランク付けされていたとしても、その基準が「弁護士費用の安さ」や「解決実績の件数」などで決められている場合があります。
しかし、これらの基準が自分の求める弁護士選びと一致していなければ、参考にはならないのです。
もし、弁護士ランキングを参考にする際には、どのような評価基準でランク付けされているのか、きちんと精査する必要があるでしょう。
おすすめサイトは広告料に左右される
インターネットで検索したときに上位に表示される「おすすめサイト」は、広告料を支払うことで目立つ位置に掲載される仕組みとなっています。
このため、おすすめサイトに掲載されている弁護士が、必ずしも交通事故に強いとは限りません。
実力のある弁護士であったとしても、広告料を支払っていなければ、サイトに掲載されないからです。
また、広告料の支払い額によって掲載の有無や順位が決まるため、交通事故に本当に強い弁護士が目立つ位置に表示されるとは限りません。
交通事故に強い弁護士の選び方5選
インターネット上の口コミや弁護士ランキング、おすすめサイトが参考にならないのであれば、信頼できる交通事故に強い弁護士は、どのように選べばよいのでしょうか。
基本的には、次の5つのポイントを基準に弁護士を選ぶのがおすすめです。
- 交通事故問題に注力している
- 示談交渉・後遺障害等級認定の実績が豊富である
- 相談者目線で親身に対応してくれる
- 弁護士費用の料金体系がわかりやすい
- 有名かどうかは気にせずに選ぶ
各ポイントについて、以下で詳しく解説します。
1.交通事故問題に注力している
まずは、弁護士が交通事故問題に注力しているかを確認します。
そのためには、弁護士が所属する法律事務所のWebサイトを閲覧するのがおすすめです。
交通事故問題に力を入れている弁護士であれば、過去の解決実績や依頼者の声などが掲載されていることが多いでしょう。
これらの情報をもとに、自分のケースでも満足のいく結果が得られそうかをイメージしてみることが大切です。
もっとも、都合のよい解決事例だけを掲載しているケースもあるため、あくまでも参考程度にとどめておくのが賢明です。
2.示談交渉・後遺障害等級認定の実績が豊富にある
示談交渉や後遺障害等級認定の実績が豊富であるかどうかも、弁護士選びの重要なポイントです。
交通事故の示談交渉は専門知識が求められるため、十分な経験がなければスムーズに進めることは難しいからです。
また、後遺障害等級認定は等級によって慰謝料が変わるため、実績のある弁護士に依頼することが重要です。
後遺障害等級認定は、自賠責損害調査事務所への申請を通じて決定されます。
通常、加害者の保険会社を通した「事前認定」の方法が取られますが、その際には意見書の作成や資料の準備が必要です。
この段階で、弁護士の知識や経験が後遺障害認定の結果を左右する可能性があります。
後遺障害等級の獲得実績が多い弁護士は、交通事故に強いと判断できる指標のひとつです。
後遺障害に強い弁護士の探し方については、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】後遺障害に強い弁護士の特徴とは?探すための4つの方法も解説
3.相談者目線で親身に対応してくれる
相談者目線で親身に対応してくれるかどうかも、交通事故に強い弁護士選びの重要なポイントです。
交通事故問題の解決には長い時間がかかるため、弁護士との信頼関係が不可欠です。
長期にわたるやり取りでは、弁護士の「人柄」や「レスポンスの速さ」が重要になります。
これらが揃っていれば、スムーズなやり取りができ、依頼者の精神的負担も軽減されるでしょう。
なお、このような弁護士を見極めるには、無料相談を活用し、相見積もりを取ることが有効です。
無料相談を利用すれば、複数の法律事務所を比較でき、弁護士の対応や相性を判断できます。
複数の弁護士を比較したうえで、納得のいく弁護士に依頼することをおすすめします。
4.弁護士費用の料金体系がわかりやすい
弁護士費用は相談料や着手金、成功報酬、日当、実績などで構成されているため、料金体系が明確であることが大切です。
弁護士費用には厳密な規定がなく、事務所によって料金体系や金額が異なります。そのため、費用が相場の範囲内であるかも確認しておきましょう。
また、弁護士費用特約が付帯されている場合は、弁護士費用が全額補償されるため、費用を気にせず選ぶことが可能です。
この場合は、弁護士の能力や相性、対応力を重視して選ぶことをおすすめします。
5.有名かどうかは気にせずに選ぶ
交通事故に強い弁護士を選ぶにあたって、有名かどうかはあまり関係ありません。
なぜなら、書籍の出版、メディアでの取材、テレビ出演などの実績があっても、それが弁護士の実力を保証するものではないからです。
また、無名だからといって優秀でないとも限りません。
交通事故に強い弁護士を選ぶ際は、知名度ではなく、先述した実績や料金、相談時の対応を基準に選ぶことが重要となっています。
交通事故に強い弁護士の探し方5選
交通事故に強い弁護士は、どのように探せばよいのでしょうか。
主に、以下の方法で探すことができます。
- ベンナビ交通事故
- 法テラス
- 交通事故紛争処理センター
- 日弁連交通事故相談センター
- ホームページ・SNS
ここでは、それぞれの探し方について紹介します。
1.ベンナビ交通事故
交通事故に強い弁護士を探すなら、「ベンナビ交通事故」を利用するのがおすすめです。
ベンナビ交通事故は、交通事故問題の解決を得意とする弁護士が掲載されているポータルサイトです。
お住まいの地域や相談したい内容から、近くの法律事務所やトラブルの種類ごとに、弁護士を簡単に検索できます。
また、無料相談ができる弁護士も探せるため、人柄や自分との相性を確かめたうえで依頼することができます。
2.法テラス
法テラスは、国が設立した法的トラブルを解決するための総合案内所です。
誰に相談すればよいのかわからない場合や、解決方法を知りたいときに利用できます。
世帯年収に応じて無料相談が可能で、低所得の方でも安価にリーガルサービスを受けられるのが特徴です。
そのため、弁護士費用の負担が難しい方や、弁護士特約に加入していない方にも適しています。
【参考元】日本司法支援センター 法テラス
3.交通事故紛争処理センター
交通事故紛争処理センターは、交通事故による示談交渉のトラブルを解決するための機関のひとつです。
ここでは、示談交渉に関する相談、委嘱弁護士による和解あっせん、審査会による裁定を受けることができます。
示談交渉の解決に向けた体制が整っているため、後遺障害等級認定や過失割合に争いがなく、できるだけ費用をかけずに示談を進めたい場合や、早く示談金を受け取りたい場合に適しています。
【参考元】公益財団法人 交通事故紛争処理センター
4.日弁連交通事故相談センター
日弁連交通事故相談センターは、交通事故の被害者救済を目的として、日本弁護士連合会が設立した公益財団法人です。
交通事故に関する民事上の紛争解決をサポートし、無料相談を受け付けています。
交通事故紛争処理センターと同様に、ADR(裁判外紛争解決)機関のひとつであり、裁判をせずに示談による解決を目指します。
このため、裁判のサポートはおこなっていません。
無料の電話相談や面接相談、示談あっせんに対応しており、日本国内で発生した交通事故に関する民事責任の問題、人身事故や物損事故について相談できます。
相談できる内容は民事責任に関する範囲に限られ、交通事故による損害賠償問題が対象となります。
【参考元】公益財団法人 日弁連交通事故相談センター
5.ホームページ・SNS
弁護士や法律事務所のホームページやSNSを確認するのも、交通事故に強い弁護士を探す際に役立ちます。
最近では、多くの弁護士がホームページやSNSを運用しており、過去の相談事例や解決実績を掲載しています。
これらの情報を参考にすることで、日常的に交通事故の案件を扱っているのか、実績が豊富かを判断できます。
具体的な実績が明示されていれば、交通事故に強い弁護士を選ぶ際の指標となるでしょう。
交通事故に強い有能な弁護士に依頼する3つのメリット
交通事故に強い有能な弁護士に依頼すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、評判の良い弁護士に依頼する代表的な3つのメリットを紹介します。
1.慰謝料が増額する可能性が高い
交通事故が発生した場合、多くは加害者が加入する任意保険会社と示談交渉をおこないます。
しかし、保険会社は独自の低い基準で慰謝料や示談金を提示するのが一般的です。
交通事故の慰謝料には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3種類があり、弁護士に依頼すると、裁判所が認める適正な金額(弁護士基準)で算定されます。
そのため、保険会社との交渉で増額が期待でき、最も高額な慰謝料を獲得できる可能性が高まります。
保険会社と対等に交渉を進めるためにも、弁護士への依頼をおすすめします。
2.症状に見合った後遺障害等級認定が望める
交通事故によるけがは、後遺症が残る可能性があります。
後遺症が残った場合、後遺障害等級の認定を受けることで、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できます。
交通事故に強い弁護士に依頼すれば、戦略的に後遺障害等級の認定を目指せるため、症状に見合った適正な等級認定を受けられる可能性が高まります。
申請方法には、「事前認定」と「被害者請求」の2種類があります。
- 事前認定:加害者が加入する任意保険会社を通じて申請する方法
- 被害者請求:被害者自身が直接申請する方法
被害者請求は、申請手続きを全て自身でおこなう必要があり、大きな負担となります。
しかし、弁護士に依頼すれば、後遺障害認定に必要な書類の収集や作成をサポートしてもらえるため、スムーズに手続きを進められます。
また、認定結果に納得できない場合は、異議申立てをおこなうことも可能です。
3.相手方とのやり取りを一任できる
弁護士に依頼することで、相手方とのやり取りを一任できます。
特に示談交渉では、弁護士を通さない場合、加害者の保険会社と直接やり取りする必要が生じることがあります。
これは精神的な負担が大きく、適切な対応を求められる場面も少なくはありません。
自分の負担やストレスを軽減するためにも、保険会社との交渉、後遺障害等級認定の申請、訴訟手続きなどを弁護士に一任するのがおすすめです。
示談交渉の詳細については、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するべき6つの理由|交渉の流れも解説
交通事故の弁護士選びに関するよくある質問
最後に、交通事故の弁護士選びに関するよくある質問を紹介します。
弁護士への依頼を検討する際に、誰でも持ちやすい疑問であるため、参考にしてください。
悪い評判のある弁護士は避けたほうがよいですか?
口コミを参考にして弁護士を選ぶのもひとつの方法ですが、悪い口コミはあくまでも個人的な感想に過ぎず、必ずしも弁護士の実力を正確に反映しているとは限りません。
交通事故は発生件数が多く、事故の状況や被害の程度によって示談の内容も大きく異なります。
そのため、全ての案件が同じように解決するわけではなく、口コミだけで判断するのは避けるべきです。
弁護士との相性や対応を確認するためにも、まずは無料相談を利用し、直接話してみることが大切です。
弁護士選びで失敗した場合は変更できますか?
弁護士選びで失敗した場合でも、途中で弁護士を変更することは可能です。
そのため、弁護士との相性が合わないと感じた場合には、問題なく変更できます。
弁護士に対して少しでも不満や悩みがある場合は、弁護士の変更も視野に入れましょう。
なお、弁護士を変更する際の手順は、以下のとおりです。
- 別の法律事務所に相談し、費用対効果を見極める
- 現在の担当弁護士に変更の意向を伝え、実費などを清算する
新しい弁護士と契約し、案件を引き継ぐ。
実際に、新しい弁護士に相談したことで、即座に状況が改善したケースも多くあります。
交通事故の弁護士費用はいくらですか?
交通事故の弁護士費用は、相談料・着手金・報酬金などに分かれ、金額は法律事務所によって異なります。
一般的な弁護士費用の相場は、以下のとおりです。
- 相談料:30分ほどで5,500円
- 着手金:約11万円
- 報酬金:経済的利益の11% + 約22万円
- その他の費用:実費や日当などが発生
ただし、法律事務所によっては相談料や着手金が無料の場合もあります。
また、弁護士費用特約があれば、被害者1名につき最大300万円までの弁護士費用が補償され、実質無料で依頼できることもあります。
弁護士に納得いくまで質問し、自分のケースでは、どれくらいの費用がかかるのか、事前に見積もりを依頼しましょう。
交通事故を弁護士に依頼するデメリットはありますか?
交通事故を弁護士に依頼する最大のデメリットは、弁護士費用がかかることです。
そのため、ケースによっては、弁護士に依頼して増額した賠償額よりも、弁護士費用のほうが高くなり、結果的に損をする可能性もあります。
ただし、弁護士費用特約が付いている場合、上限300万円までの弁護士費用が補償されることが多いため、費用負担のリスクを抑えられるでしょう。
交通事故で弁護士に依頼するのは意味ないのですか?
交通事故で弁護士に依頼することには、決して意味がないわけではありません。
むしろ、弁護士に依頼することで、慰謝料の増額や、症状に見合った適正な後遺障害等級の認定が期待できます。
さらに、相手方の保険会社との示談交渉や手続きを一任できるため、時間的・精神的な負担を大幅に軽減できます。
交渉がスムーズに進むことで、納得のいく形で交通事故の問題を解決できるでしょう。
さいごに|交通事故に強い弁護士はベンナビで探そう
交通事故の被害に遭ってしまったときには、弁護士への相談や依頼を検討する方は多いです。
しかし、インターネット上の評判や口コミだけでは、本当に有能な弁護士かどうかを判断するのは難しいものです。
そのため、実際に弁護士に会って、交通事故に強い弁護士の特徴に当てはまるのかを自分の目で確かめることが大切です。
「ベンナビ交通事故」では、交通事故に強い弁護士を、お住まいの地域や相談内容に応じて、検索・比較できます。
まずは無料相談を活用し、複数の弁護士に会って、人柄や自分との相性を確認してみるのがおすすめです。