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任意整理の流れを徹底解説!手続き開始から弁済完了までの全過程

弁護士監修記事
債務整理
2024年11月26日
2024年11月26日
任意整理の流れを徹底解説!手続き開始から弁済完了までの全過程
この記事を監修した弁護士
杉本 真樹弁護士 (杉本法律事務所)
解決への道筋は一つではありませんので、いくつか選択肢をご提案し、それぞれのメリット・デメリットをしっかりとご説明した上で、一緒に最良の選択肢を考えるように心がけております。
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債務整理の中でも任意整理は裁判所を介さない手続きであり、カード会社などに対して利息のカットや長期分割払いを交渉のうえ毎月の返済を楽にする手続きです。

過去の取引状況によっては、引き直し計算により借金の減額や過払い金として払い過ぎていた分が戻ってくる可能性もあります。

しかし、具体的にどんな流れで手続きをおこなえばよいのかわからず悩んでいる方も多いでしょう。

そこで本記事では、任意整理の流れや手続きに要する期間について解説します。

また、手続き開始から弁済完了までの全過程についても説明するので、ぜひ参考にしてください。

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任意整理の一般的な流れ

任意整理の一般的な流れは、以下のとおりです。なお、【依頼者】は依頼者が対応する手順、【弁護士】は弁護士が対応する手順を指します。

  1. 【依頼者】まずは弁護士に相談|無料相談の利用がおすすめ!
  2. 【依頼者】弁護士と委任契約を締結する
  3. 【弁護士】債権者へ受任通知を発送
  4. 【弁護士】債権者に対する取引履歴の開示請求・債務調査
  5. 【弁護士】引き直し計算・過払い金の有無の確認
  6. 【弁護士】債権者と和解交渉・和解契約を締結
  7. 【依頼者】和解内容に基づいて弁済開始

それぞれの手順について、以下で詳しく解説します。

1.【依頼者】まずは弁護士に相談|無料相談の利用がおすすめ!

任意整理の手続きは裁判所を介す必要がないため自身でも可能ですが、まずは弁護士へ相談しましょう。

借金を抱えて金銭的に苦しい状況で弁護士に依頼することに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、債務整理の相談を無料でできる法律事務所は少なくありません

相談の段階で借入額や借入先の数、自身の収入状況などがわかる書類を持参すると、より具体的な話し合いができます。

任意整理は債権者と粘り強く交渉することが求められるため、これまで請け負ってきた経験や実績が豊富な弁護士へ相談・依頼しましょう。

2.【依頼者】弁護士と委任契約を締結する

相談の結果、弁護士に正式に依頼する場合は、報酬体系などを確認のうえ費用の見積もりを出してもらい委任契約を締結してください。

委任契約を締結することは、法律的に依頼者は弁護士に大きな権限を委任することになります。

つまり、弁護士が代理人となり本人の立場で問題に割って入り債権者と交渉できるため、非常に強力な権限だといえるのです。

弁護士のサポートにより督促のストレスから解放される、手続きに対する時間と手間を軽減できる、借金を大きく減らす交渉力など多数のメリットがあります。

なお、委任契約を締結するうえでは、弁護士費用をよく確認してください。

弁護士費用には、着手金・報酬金・日当・印紙や資料の取り寄せ・交通費など、さまざまなものが含まれます。

そのため、委任契約書には弁護士費用と依頼の範囲を必ず具体的に明記してもらい、可能な限りの明細を求めてください。

3.【弁護士】債権者へ受任通知を発送

委任契約を結ぶと同時に、担当の弁護士から債権者に向けて一斉に受任通知が送付されます。

受任通知は任意整理の依頼を受けた弁護士が債権者に対し、債務者の代理人として手続きを進めることを知らせる通知です。

債権者のもとに受任通知が届くと、賃金業法21条により以降の取り立てや返済がストップされ、債権者は債務者と直接やりとりができなくなります

違反した債権者は罰金や業務停止などの罰則が科されるため、仮に受任通知発送以降に債権者から取り立てや催促が来ても応じる必要はなく、そのあとの対応は全て弁護士に一任してください。

受任通知の発送後は一時的に返済が止まるため、その間に弁護士費用などを準備できます。

基本的に受任通知の効力が薄れることはなく、督促や取り立てが再開する恐れもないため、精神的な余裕が生まれるでしょう。

4.【弁護士】債権者に対する取引履歴の開示請求・債務調査

次に、債権者に対する取引履歴の開示請求と債務調査をおこないます。

基本的には受任通知の送付と同時におこなわれ、債権者との間で借入と返済の取引をどれくらいおこなったかを確認して、借入先ごとの債務額を調査します。

まず、弁護士が債務調査としておこなうことは債権者に対する取引の開示請求です。

賃金業者によって異なるものの、開示までには数週間から数ヵ月程度かかります。

開示請求と債務調査をおこなうためには、次の書類が必要になることが多いです。

具体的に必要な資料は、依頼した弁護士に確認し、弁護士から書類を求められた場合は、できるだけスムーズに対応しましょう。

  • 運転免許証や保険証などの身分証明書
  • 債権者一覧表
  • クレジットカードや消費者金融などのカード
  • 預金通帳
  • 確定申告書や源泉徴収票などの収入がわかる書類

債務調査をおこなう前に、弁護士は債務者が保管している借用書や領収書、振り込み金受け取り書などに基づき、それぞれの債権者からの借入金額と借入年月日、返済金額、返済年月について債務調査票を作成します。

債務者の手元に借用書などの必要書類が無い場合は、債権者に直接債権調査票を送付して回答が得られ次第、開示請求と債務調査を進めることになるでしょう。

5.【弁護士】引き直し計算・過払い金の有無の確認

債権者から開示された取引履歴をもとに、上限金利である15%から20%に基づいて引き直し計算をおこない、実際の借金額を算出します。

債権者により情報が開示されない場合は再度開示請求をおこなう、あるいはほかの資料に基づいた推定計算をおこなうことになるでしょう。

また、この段階で過払い金の有無について確認し、過払い金が発生している場合は債権者に返還請求が可能です。

2010年6月18日に改正された賃金業法により上限金利が20%に引き下げられたため、それ以前に賃金業者から借入をしていた場合は過払い金の発生が考えられます。

該当する時期の借り入れに心当たりがある場合は、弁護士に相談し、過払い金請求をおこなうかどうかも決めましょう。

6.【弁護士】債権者と和解交渉・和解契約を締結

引き直し計算をして確定した債務額をもとに、和解案となる返済計画を作成します。

借入額や借入先の数、債務者の経済状況、周囲からの資金援助の有無などを総合的に考慮して、返済期間や月々の返済額など無理のない返済プランを立てていきます。

なお、36回以上の分割払いとして3年以上の返済計画や、将来の利息カットを盛り込んで作成するのが一般的です。

次に、作成した和解案を各債権者に送付して弁護士が代理人となり、債権者との和解交渉に臨みます。

債権者が元本だけでも返済してほしいと考えた場合は、和解交渉に応じてもらえるでしょう。

しかし、弁済期間があまりに長い場合は、債権者から同意を得ることは難しくなります。

債権者からの同意が得られず和解交渉がまとまらなければ任意整理そのものに支障をきたす恐れもあるでしょう。

最悪の場合、特定調停などを利用しなければならなくなります。

そのため、分割弁済にする場合の期間は原則3年まで、長くても5年までに設定してください。

任意整理では、それぞれの債権者と個別に交渉して同意を得ていきますが、交渉条件はどの債権者でも同じでおこなうことが鉄則です。

最終的に和解内容が確定すると、内容に基づく合意書が作成され和解契約を締結します。

7.【依頼者】和解内容に基づいて弁済開始

無事に和解契約が締結できれば、和解内容に基づいて弁済が開始します。

弁済が開始されたあとは、最後まで滞りなく返済できるよう、節制した生活を送ることが大切です。

和解案の内容に沿って返済できなければ、個人再生や自己破産などの債務整理を検討しなければならないため注意しましょう。

なお、法律事務所によっては賃金業者への返済までを代行してくれることがあります。

返済代行を依頼できれば、債務者が複数の賃金業者に対して振り込みをおこなう煩わしさがありません。

その際は、銀行の振込手数料を含めた送金手数料が必要になるため事前に確認してください。

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任意整理にかかる期間の目安 | 手続きの流れごとに解説

任意整理にかかる期間の目安を、手続きの流れごとに解説します。

以下に手順ごとにかかる期間をまとめているのでみてみましょう。

手続きの内容・流れ

かかる期間の目安

①弁護士への相談・依頼

事務所による。問い合わせ後即日で相談可能なところもあれば、数日かかるところもある。

②委任契約締結後、受任通知の発送まで

即日〜3日程度

➂取引履歴の開示請求・債務調査

1ヵ月〜2ヵ月程度

④引き直し計算

1週間〜2週間程度

⑤和解案作成、債権者と和解交渉

3ヵ月程度

⑥弁済

3年〜5年程度

 

任意整理の手続きには、和解成立までで4ヵ月~6ヵ月程度、弁済完了までには3年~5年程度の時間がかかります。

もちろんケースによっても異なりますが、ある程度長い期間を要することを覚えておきましょう。

なお、任意整理の手続きを個人でおこなう場合は、上記の表よりもさらに長い期間がかかる可能性があります。

書類に不備があったり、交渉に時間がかかったりと、時間も手間もかかることを考えると、やはり弁護士などに依頼するのが得策といえるでしょう。

任意整理手続きの開始後、和解までの期間は結局どのくらい?支払いはいつから?

実際に、弁護士に相談して任意整理の手続きが始まり、最終的な和解に至るまでの目安期間は6ヵ月です。

依頼する弁護士や自身の債務状況によって期間が異なるため、あくまで目安と捉えてください。

そして、任意整理が完了して最初の返済が始まる期間は任意整理後の3ヵ月から6ヵ月後が一般的です。

しかし、和解が成立するまでの期間は交渉次第であり、支払い開始までの期間が早まる、逆に大幅な遅れも考えられます。

任意整理は専門家に依頼がおすすめ

任意整理の準備や交渉などは法律に対する知識が求められるため、弁護士などの専門家への依頼がおすすめです。

ここからは、任意整理を弁護士などの専門家に依頼するメリットや費用の目安について解説します。

専門家に依頼するメリット

任意整理を弁護士などの専門家に依頼するメリットとして、次の4つが挙げられます。

  • 周囲にバレにくい
  • 有利に和解交渉できる可能性がある
  • 準備をスムーズに進められる可能性がある
  • 任意整理以外の方法も提案してもらえることがある

弁護士などの専門家に依頼することで多くの手続きを任せられるうえ、最大限の配慮を考えてくれるため周囲にバレにくくなります

とくに、債務整理問題の経験が豊富な弁護士に依頼することで、和解交渉を有利に進めやすくなるでしょう。

必要書類についての指示も受けられるため、スムーズに準備できます。

そして、借金問題を解決する方法は任意整理だけではありません。

もし任意整理が適していない場合は、個人再生や自己破産などを含めて法的観点から最適な方法を提案してもらえます。

専門家に依頼する際にかかる費用の目安

任意整理の弁護士費用は交渉するカード会社1社ごとに発生するため、借入先が複数ある場合は弁護士費用がかさんでしまいます。

目安としては1社あたり5万円から15万円程度で、主な費用の内訳は次のとおりです。

  • 相談料:0円から1万円
  • 着手金:債権者1社につき3万円から5万円
  • 解決報酬金:債権者1社につき0円から2万円
  • 減額報酬:債権者1社につき減額された借金額の10%程度
  • 過払い金報酬金:取り戻せた過払い金の20%程度

法律事務所によっては相談料無料や着手金・減額報酬を0円に設定していることがあります。

弁護士費用については分割や積立制度を使った支払い方法もあるため、まとまったお金が用意できず弁護士費用を一括で支払えない方は一度相談してみましょう。

自身の状況によって費用が異なるため、初回相談時に実際にかかる費用の見積もりを確認してください。

さいごに|任意整理を相談する弁護士ならベンナビで

本記事では、任意整理の流れや期間などを解説しました。任意整理の手続きは自身でも進められますが、法律の知識がなければ債権者との交渉は難航することが予想されます。

さらに、書類などの準備も困難であることから、想定以上に時間を要してしまうでしょう。

任意整理をスムーズに進めて、できるだけ有利な条件で和解するためには、任意整理の経験と実績が豊富な弁護士への依頼をおすすめします。

なお、債務整理を得意とする弁護士を検索する際はベンナビを活用してください。

ベンナビには債務整理に注力している弁護士が多数掲載されているため、解決実績が豊富な弁護士を効率よく検索できます。

相談無料、24時間対応、電話・メール・オンライン対応可能といった弁護士も多いため、利用しやすいでしょう。

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編集部
本記事はベンナビを運営する株式会社アシロが企画・編集をおこないました。
  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
  • ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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