離婚の財産分与を無料相談できる3つの窓口と弁護士選びのポイント
- 「計算方法が分からない」
- 「分与割合が決まらない」
- 「どの財産が分与対象になるのか分からない」
上記のように、財産分与に関する悩みやトラブルはさまざまです。
対応内容によっては、問題が複雑化して解決が長引く恐れもあるため、特に「自力で進められる自信がない…」という方は、各窓口がおこなう弁護士への無料相談を利用するのがよいでしょう。
ただし注意点として、窓口によってサポートする内容は異なります。この記事で知識を付けておきましょう。
この記事では、離婚の財産分与を無料相談できる窓口や相談前の注意点、弁護士の選び方などについて解説します。
離婚の財産分与について無料相談できる窓口3選
主な無料相談先としては、以下の3つがあります。ここでは、各窓口の対応内容について解説します。
- ベンナビ離婚
- 法テラス
- 役場・自治体
ベンナビ離婚|電話相談・休日夜間相談できる弁護士が見つかる
ベンナビ離婚は、弁護士探しの手助けをおこなうポータルサイトです。
検索条件を細かく指定して弁護士を探せるという点が大きな特徴で、「東京都新宿区で相談可能な弁護士」など、地域ごとに絞り込むことができます。
また、「離婚を得意とする弁護士」「初回の面談相談料無料」「24時間面談受付」など、相談内容や相談形式ごとに絞り込むこともできます。
検索結果からは弁護士詳細ページへと移行でき、弁護士歴・対応方針・弁護士の表情・事務所の雰囲気なども確認可能です。
検索も簡単なので、「自分が信頼できる弁護士に相談したい」という方は、まずは一度利用してみることをおすすめします。
法テラス|条件を満たすと3回まで無料相談可能
法テラスは「経済的な理由で弁護士に依頼できない」という方を対象にサポートをおこなっている機関です。
法テラスによる審査を通過することで、無料法律相談(3回まで)や弁護士費用の一部立て替えなどのサポートを受けることができます。
ただし審査を通過するためには、「収入や資産が一定額を下回っていること」などの利用条件を満たしていなければなりません。
さらに無料相談を利用する場合、相談する弁護士を自由に選ぶことができないため、場合によっては思うように話が進まない可能性もあるなど、いくつか注意すべき点もあります。
自治体の無料法律相談|とりあえず相談したい方
地域によっては、役場や自治体などでも弁護士の無料相談をおこなっているところもあります。
自分の地域が無料相談をおこなっているか気になる方は、各役所のホームページなどから確認してください。
ただし法テラスと同様、相談する弁護士を自由に選ぶことはできません。
したがって、場合によっては「離婚問題に関する知識・経験が十分でない」「相性が合わない」など、思うような結果とならないこともあります。
離婚の財産分与を無料相談する前に知っておくべきこと
相談時間には限りがあります。基本的に30分程度、長くても60分というところがほとんどであるため、相談時は相談内容を簡潔かつ的確に伝えるということがポイントとなります。
スムーズに相談を進めるためにも、相談時は以下の資料を用意しておくべきでしょう。
- 車検証
- 通帳のコピー
- 不動産登記簿謄本
- 固定資産評価証明書
- ローンに関する書類
- 生命保険・学資保険の証書
- 株・投資信託に関する書類
上記資料のほかにも、「悩んでいること」や「確認したいこと」をまとめたメモを作成するのも効果的です。
なお作成時は、「箇条書きで要約する」「時系列順に記載する」など、読みやすさを意識して作成しましょう。
また確認事項が複数ある場合は、あらかじめ優先順位を付けておくことで相談漏れが防止できます。
財産分与について無料相談する弁護士を選ぶポイント
「弁護士であればどのような問題でも解決できる」とは限りません。なかには離婚問題の対応に積極的ではない弁護士もいるため、相談時は注意しましょう。
ここでは、無料相談する弁護士を選ぶポイントについて解説します。
財産分与トラブルに関する解決実績が豊富
まず知っておくべきポイントとして、弁護士にはそれぞれ「力を入れている分野」があります。
弁護士の取扱分野はさまざまで、離婚問題のほかにも、交通事故・刑事事件・相続・債務・債権などがあります。
たとえ30年以上活動しているようなベテランの弁護士であっても、離婚問題に関する案件に対応したことがない場合は、有効なアドバイスが見込めないことも考えられます。
相談時は、離婚分野の案件に力を入れており、解決実績が豊富な弁護士を選ぶべきでしょう。
弁護士情報については、それぞれの事務所ホームページから確認することができます。
また事務所のなかには、「財産分与のご相談は○○事務所」「財産分与に関するお悩みは○○事務所で解決」などとサイト上でアピールしているところもあるため、これらも参考になるでしょう。
依頼時の費用について明確に説明してくれる
無料相談だけでなく、弁護士に案件対応を依頼する場合は「弁護士費用」を支払う必要があります。
費用詳細については「離婚の財産分与を依頼した場合の弁護士費用」で後述しますが、ケースによっては予想外の費用がかかってしまうことも考えられます。
依頼段階になって手続きが滞ることがないよう、相談時は費用について明確に説明してくれる弁護士を選んでおいたほうが安心でしょう。
なお事務所ごとの費用対応についても、事務所ホームページにてある程度把握できます。
返信・対応がスピーディ
多くの場合、弁護士は複数の案件を同時並行で対応しています。
したがって、弁護士のスケジュール状況などによっては、こちらから連絡を入れてもレスポンスが遅かったり、折り返しがなかったりすることも考えられます。
いくら腕の利く弁護士であっても、多忙で頻繁に連絡が取れない場合、解決まで時間がかかってしまう恐れもあります。
相談時は返信・対応がスピーディな弁護士を選ぶべきでしょう。
なお弁護士ごとの対応スピードについては、「無料相談がスムーズに予約できるか」「相談メールを送った際の返信速度はどれほどか」などを参考にすることで、ある程度把握できます。
離婚の財産分与を依頼した場合の弁護士費用
「相談だけでは解決が難しそうなので、弁護士に対応を依頼したい」という場合は、着手金や報酬金などの弁護士費用が発生します。
ここでは弁護士費用の内訳や、依頼時の費用相場について解説します。
弁護士費用の相場
弁護士費用の主な内訳としては、相談料・着手金・報酬金などがあります。
ただし案件対応にあたって、交通費や郵便代などが発生した場合は実費、弁護士が遠方に出張した場合は日当などの費用が発生することもあります。
一例として、協議離婚で財産分与を依頼した場合、弁護士費用の相場としては以下の通りです。
弁護士費用 |
費用相場 |
相談料 |
5,000円~1万円/1時間 (無料相談を利用した場合は0円) |
着手金 |
獲得金額に対して10~30% |
報酬金 |
獲得金額に対して10~20% |
実費 |
案件に応じて異なる (交通費・通信費・郵便代・宿泊費など) |
日当 |
1~2万円/1日 |
ただし弁護士費用については、事務所によってバラつきがあるため、上記相場とは大きく異なる場合もあります。
また慰謝料請求や養育費請求など、財産分与以外の対応も依頼するような場合は、別途費用が発生する可能性もあります。
「具体的な額が知りたい」という方は、弁護士に直接聞いたほうが確実でしょう。
計算例
依頼する事務所が、獲得金額に応じて「着手金」や「報酬金」を設定している場合、ケースごとに計算が必要となります。
ここでは、協議離婚で財産分与を依頼した場合の「着手金」と「報酬金」について、獲得金額ごとの計算例を紹介します。
なお、着手金については獲得金額の10%、報酬金については獲得金額の20%と仮定します。
獲得金額 |
着手金 |
報酬金 |
合計 |
100万円 |
10万円 |
20万円 |
30万円 |
200万円 |
20万円 |
40万円 |
60万円 |
300万円 |
30万円 |
60万円 |
90万円 |
500万円 |
50万円 |
100万円 |
150万円 |
1,000万円 |
100万円 |
200万円 |
300万円 |
ただし、「実費や日当が発生した場合」や「慰謝料や養育費が獲得できた場合」など、ケースによっては別途計算が必要となる場合もあります。
「離婚の財産分与を無料相談する弁護士を選ぶポイント」でも解説した通り、費用に関する不安点がある場合は費用の説明が明確な事務所を選びましょう。
まとめ
離婚の財産分与について無料相談をおこなっている主な窓口は、ベンナビ離婚・法テラス・自治体などがあります。
ただし弁護士へ相談する際は、「これまでの問題解決実績」や「返信・対応の早さ」などの点がポイントとなります。
「法テラス」や「役場・自治体」の場合、相談する弁護士を自由に選ぶことができないため、場合によっては思うような結果が得られない可能性もあります。
その点「ベンナビ離婚」であれば、注力分野・対応体制・支払い方法などの詳細検索ができ、条件ごとに弁護士探しがスムーズにおこなえます。
さらに事務所詳細ページからは、弁護士歴・対応方針・弁護士の表情なども確認できます。
「自分が信頼できる弁護士に相談したい」という方は、まずは一度探してみましょう。