むちうちの休業損害はいつまで受け取れる?目安の期間やケース別の計算方法を解説


事故後にむちうちの症状が出て、仕事などを休まなければならなかった場合は、加害者に休業損害を請求できる可能性があります。
しかし「休業損害はいつまで受け取れるの?」「むちうちで受け取れる休業損害はどれくらい?」と悩む方も多いでしょう。
そこで本記事では、交通事故でむちうちになった際に休業損害をいつまで受け取れるのか、休業損害の計算方法や算定時の注意事項などについてわかりやすく解説します。
むちうちは、比較的軽微な事故であっても発症しやすい症状の一つです。
今は症状が出ていなくても、今後発症する可能性もあるので、ポイントを押さえておきましょう。
【交通事故被害】むちうちで休業損害はいつまで受け取れる?
まずは、交通事故でむちうちになった際にいつまで休業損害を受け取れるのか見ていきましょう。
交通事故の「休業損害」とは仕事を休んだせいで減った収入のこと
交通事故によるむちうちで仕事を休まざるを得なかった場合は、休業損害を受け取ることができます。
交通事故における休業損害とは、「交通事故の怪我とその治療が原因で仕事を休まざるを得なくなった結果、本来ならば得られていたはずの収入の減少分」のことです。
たとえば、交通事故でむちうちになったせいで首に痛みがあり、通院・治療のために仕事を休んだ場合、収入が減った分は「休業損害」とした加害者側に請求できます。
休業損害が受け取れる期間は交通事故発生日から完治・症状固定まで
休業損害を受け取れる期間は、「交通事故が発生した日から、完治または症状固定の診断が下された日」までです。
完治とは、交通事故で負った怪我が完全に回復した状態のことです。
一方、「症状固定」とは、これ以上治療を継続しても症状の回復が期待できない状態のことを意味します。
たとえば、交通事故によるむちうちでしびれの症状が生じたケースにおいて、治療によってしびれが完全になくなったときには「完治」、どれだけ治療を継続してもしびれが取れずに改善が見込めないときには「症状固定」と扱われます。
そのため、休業損害を受け取るには医師から完治または症状固定の診断を受けるまで、通院を継続することが大切です。
なお、交通事故で負ったむちうちについて症状固定の診断がされたあと、後遺症が原因で収入が減った場合は、休業損害ではなく「逸失利益」を別途請求できます。
休業損害が支払われるのは実際に休んだ日数分
休業損害は、事故の発生日から完治または症状固定の日までの全ての日数分が認められるわけではありません。
休業損害が支払われるのは、入院・通院・リハビリ・自宅療養などで実際に仕事を休んだ日数分に限られます。
なお、「今日は体調が悪いから」などの理由で、自分判断で会社を休んだ場合は休業損害が認められない可能性があります。
完治や症状固定の前に通院・リハビリ以外の理由で会社を休む必要がある場合は、その旨を事前に医師に相談したうえで、医師の判断に基づく休みであることを証明できるようにしましょう。
なお、通院のために有給休暇を取得した場合でも、休業損害の請求は可能です。
有給休暇を取得すれば給与が減少することはありません。
しかし、有給休暇は本来労働者が自分のために自由に取得できるものであり、治療のために有給休暇を取得することは実質的に労働者が財産を失っているともいえます。
そのため、有給休暇を取得して通院した分の休業損害の請求も認められているのです。
ただし、年末年始やお盆など、勤務先が休日として指定している日に通院をしても休業損害は認められません。
むちうちの場合、休業損害が受け取れる期間は3ヵ月~6ヵ月程度が目安
症状や箇所によって異なるものの、一般的に、むちうちの治療期間は「3ヵ月~6ヵ月程度」といわれています。
つまり、休業申請が受け取れるのも事故から3ヵ月~6ヵ月程度だと思っておくとよいでしょう。
この目安期間以上に治療を受ける場合、加害者側の保険会社から治療費の打ち切りなどの打診を受ける可能性が高いです。
しかし、本当に治療が必要な状況であるなら、打診を受けても応じる必要はありません。
医師に相談のうえで治療の必要性を証明し、引き続き治療費を支払ってもらうように交渉しましょう。
むちうちによる休業損害の計算方法
ここからは、交通事故のむちうちが原因で休業損害を請求するときの計算方法について解説します。
なお、休業損害の計算方法は交通事故被害者の社会的立場や身分によって異なります。
休業損害は自賠責基準・弁護士基準で異なる
大前提として、休業損害は、自賠責基準と弁護士基準のどちらを根拠にするかによって金額が異なります。
自賠責基準とは、自賠責保険制度から保険金を支払うときの根拠になる基準のことです。
一方、弁護士基準とは過去の裁判例や個別の交通事故トラブルの状況を踏まえたうえで、被害実態に即した賠償額を算定する際に使用される基準を指します。
自賠責基準によると、休業損害は以下の公式に基づいて画一的に算出されます。
休業損害 = 6,100円(日額)× 休業日数 |
※給与所得者、自営業、専業主婦など問わず、全て同一の基準で計算
※2020年3月31日までに発生した交通事故については「日額5,700円」で計算
※立証資料などによって被害者の収入が1日につき6,100円を超えることが明らかな場合には「日額19,000円」まで増額可能
【参考】自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準|金融庁・国土交通省
ただし、自賠責保険から支払われる損害賠償額は、「治療費、通院交通費、休業損害などを合計して120万円まで」という上限額が設けられている点に注意が必要です。
つまり、被害者が高収入である場合や被害額が大きい場合、自賠責保険だけでは休業損害の全てを補償してもらえない可能性があるのです。
一方で、弁護士基準による休業損害は、以下の公式に沿って算出されます。
休業損害 = 実際の収入に基づく日額 × 休業日数 |
弁護士基準では、実際の収入に基づいて休業損害が計算されるため、高収入の方や被害額が大きい事故においても、適切な休業損害を受け取れる可能性があります。
そのため、適切な休業損害を請求するには、自賠責基準ではなく弁護士基準を用いて損害賠償額を計算する必要があるでしょう。
会社員やアルバイトなどの給与所得者
サラリーマンやフリーターなどの給与所得者の休業損害を計算するときには、以下の公式が活用されます。
休業損害 = 交通事故前3ヵ月間の収入 ÷ (稼働日数(出勤日数)or 90日)× 休業日数 |
「交通事故前3ヵ月間の収入」は、給与明細、源泉徴収票、休業損害証明書などの証拠書類から算出します。
また、「日額」を計算するときには、事案の状況によって「稼働日数と90日」のどちらで割るかを選択可能です。
なお、休業損害の計算における賞与や各種手当の扱いは、以下のように異なります。
- 賞与(ボーナス):交通事故によりボーナスが減少した事実を証明できたときに限り、休業損害に算入できる
- 各種手当(住宅手当・季節手当など):交通事故により各種手当が減少した事実を証明できたときに限り、休業損害に算入できる
- 昇給・昇進が遅れた場合:昇給・昇進の遅れが交通事故によるものであると証明できたときに限り、休業損害に算入できる
- 産休・育休中に交通事故にあった場合:産休・育休中に給与が支払われていないときに限り、専業主婦と同じように「全年齢平均賃金」をベースに休業損害を算出する
- 産休明け・育休明けに交通事故にあった場合:産休・育休前の給与額を前提に休業損害を算出する
自営業者|仕事を休んだ場合
自営業者や個人事業主が交通事故のむちうちで仕事ができなくなったときには、以下の計算式で休業損害を算出します。
休業損害 = 交通事故の前年度の申告所得 ÷ 365日 × 休業日数 |
「交通事故の前年度の申告所得」は、確定申告をベースに算出されます。
たとえば、青色申告の人の場合なら「前年度の確定申告所得額に青色申告控除額を加えた金額」、白色申告の人については「前年度の確定申告所得額に専従者控除額を加えた金額」を用います。
なお、確定申告を怠っていたケースや過少申告をしていたケース、自営業初年度で確定申告をしていないケースでは、預貯金通帳の入金状況や所得を証明できる書類などを活用して、休業損害を算出しなければいけません。
ただし、どこまでの金額の休業損害が認められるかは、相手方との示談交渉や民事訴訟における立証の程度次第だという点に注意が必要です。
また、自営業者本人が休業を強いられた結果、臨時で人を雇用したり、固定費の支出を強いられたりしたときには、そのための支出分についても損害賠償請求が認められます。
専業主婦・専業主夫|家事ができなくなった場合
仕事をしていない専業主婦・専業主夫が交通事故でむちうちになったときは、以下の計算式で休業損害を算出します。
「専業主婦・専業主夫は仕事をしていないから休業損害は請求できない」というのは間違いです。
休業損害 = 女性の全年齢平均賃金(年収)÷ 365日 × 休業日数 |
まず、「女性の全年齢平均賃金(年収)」は、毎年厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査(賃金センサス)」のデータが使用されます。
次に、専業主婦・専業主夫の「休業日数」については、「入通院をした日数」がそのまま活用されることが多いです。
ただし、個別具体的な事情により、家事などに従事できなかったことを証明できる場合には、休業日数を増やすことができます。
学生|内定取り消しや就職の遅れが生じた場合
交通事故でむちうちになった被害者が学生の場合でも、休業損害を請求できる可能性があります。
ただし、休業損害で請求できる内容は、学生の状況によって異なります。
- アルバイトで収入を得ていた場合:休業損害証明書や確定申告書に基づいて損失分を算出する
- 内定を得ていたのに交通事故が原因で就職が遅れた場合、内定取り消しにあった場合:賃金センサスまたは内定先で得られたであろう推定給与額に基づいて損失分を算出する
- 内定を得ていない状態で就職が遅れていたと思われる場合:賃金センサスに基づいて損失分を算出する
アルバイトで収入を得ていたケースでは、具体的な損失額を客観的に証明できるので、休業損害の金額について争いが生じる可能性は低いでしょう。
一方、事故によるむちうちが内定取り消しや就職遅れの原因になった場合は、交通事故がなかったときにどれだけの収入を得ることができていたかを証明するのは簡単ではありません。
たとえば、単位の取得状況や学業の成績、就職活動の進捗状況などによっては、加害者側から休業損害の支払いを拒絶される可能性もあるでしょう。
そのため、学生が交通事故に巻き込まれて就職などに影響が出た場合は、できるだけ早いタイミングで交通事故トラブルを得意とする弁護士へ相談するのが得策です。
むちうちの休業損害を計算・請求する際の注意点
交通事故でむちうちになったときの休業損害を計算したり、相手方に請求したりするときの注意点を2つ紹介します。
遅刻・早退も休業損害の対象になる
入院や通院のために、半日休暇を取得した場合もその分の休業損害が認められます。
「休業損害は1日単位でしか認められない」と勘違いしている方も多いですが、仮に早退や遅刻であっても、事故によって減収した分は請求することができるのです。
休業損害を請求するには診断書が必要になる
休業損害を加害者側に請求をするときは、交通事故によって損害が生じたことや、具体的な金額について、客観的に証明する書類などが必要です。
実際にむちうちで通院をした事実を証明できなければ、加害者側から休業と交通事故の因果関係を否定されかねません。
なお、実務上は休業損害の請求に医師が作成した診断書が必要になることが多いです。
診断書は加害者側との示談交渉だけではなく警察への提出も求められるため、病院を受診後、できるだけ早いタイミングで取得してください。
むちうちの休業損害を受け取るまでの流れ
交通事故にあってからむちうちの休業損害を受け取るまでの流れは、以下のとおりです。
- (保険に加入しているなら)交通事故の現場で保険会社に連絡する
- できるだけ早いタイミングで病院を受診して通院をスタートする
- 加害者側の任意保険会社に休業損害に関する必要書類を提出する
- 休業損害の金額や支払い方法などについて示談交渉を進める
- 示談契約を締結したあと、1週間~2週間後を目安に休業損害を含む示談金が支払われる
- 示談契約が成立しない場合、民事訴訟を提起して、裁判所の手続き内で休業損害などについて争ったうえで、確定判決の獲得を目指す
とくに重要なのは、「休業損害を含む損害賠償額をいつ受け取れるか」という点です。
示談交渉がスムーズにまとまれば、和解契約締結から1週間~2週間程度で休業損害を受け取れる一方、民事訴訟に発展してしまうと、解決するまでに数ヵ月~1年以上の期間を要することもあります。
つまり、その間は減収分を自分で何とかする必要があり、しばらくの期間家計がひっ迫するおそれがあるのです。
そのため、希望の条件で早期の示談成立を実現するために弁護士に頼ることも検討してください。
弁護士であれば、適切な休業損害を計算したうえで、論理的な主張を展開して早期の示談成立を目指してくれます。
むちうちの休業損害を請求するときの必要書類
むちうちの休業損害を請求するときの必要書類は、以下のように被害者の立場によって異なります。
被害者の属性 | 必要書類 |
---|---|
会社員やアルバイトなどの給与所得者 | ・休業損害証明書 ・交通事故にあった前年の源泉徴収票 ・給与明細 ・賞与減額証明書 |
自営業者 | ・確定申告書 ・納税証明書 |
専業主婦・専業主夫 | ・世帯を構成する家族全員分の記載がある住民票 ・家族構成表 ・(パートなどで働いている兼業主婦・兼業主夫の場合)源泉徴収票や休業損害証明書など |
学生 | ・(アルバイトの場合)源泉徴収票や休業損害証明書など ・(内定取り消しの場合)内定通知書 ・(就職遅れの場合)就職時期が遅れたことを証明する書類 |
これらの書類がなければ、加害者側に対して休業損害の根拠を示すことができません。
必要書類の内容に疑問があるときには、加入している任意保険会社か弁護士に相談してください。
むちうちの休業損害を適切に受け取るためのポイント
ここでは、交通事故のむちうちが原因で生じた休業損害に対して、適切な補償を受けるためのポイントを解説します。
できるだけ早く病院を受診する
交通事故に巻き込まれたときは、怪我の有無にかかわらず、できるだけ早いタイミングで病院を受診してください。
病院を受診して診断書を取得しなければ、仮に怪我をしていても人身事故として扱われず、休業損害を受け取れなくなってしまいます。
また、事故後は「できるだけ早く」病院を受診することが大切です。
交通事故と受診の期間が空くと、交通事故と怪我の因果関係を主張立証するのが難しくなり、適切な休業損害を受けられなくなる可能性があります。
なお、むちうちは事故にあってから数日が経過してようやく症状を自覚するケースも少なくありません。
事故直後に自覚症状がなくても、深刻なむちうちを負っている可能性は否定できないので、できるだけ早い段階で病院を受診して医師の判断を仰ぐべきでしょう。
仕事よりも治療を優先する
交通事故でむちうちなどの怪我を負ったときには、完治または症状固定までは治療を最優先にしてください。
たとえば、医師から指定された日に「仕事があるから」という理由で通院をキャンセルすると、「前向きに治療をする意思がない」「医師の指示に従うつもりがない」などと判断されて、適切な休業損害や治療代が支払われないリスクが生じます。
適切な休業損害や治療代を受け取りたいのなら、完治または症状固定のタイミングまでは治療最優先で、可能であれば自宅で安静にするなどを心がけましょう。
完治・症状固定までは通院を継続する
交通事故でむちうちなどの怪我を負ったときには、必ず完治または症状固定までは通院を継続してください。
休業損害や治療代、通院交通費は、交通事故当日から完治または症状固定のタイミングまで請求できます。
しかし、完治や症状固定に至る前に通院を辞めると、本来受け取れたはずの休業損害を受け取れなくなってしまいます。
とくに、むちうちの場合には、通院を続ける過程で自覚症状がなくなり「もう通院しなくても大丈夫」と感じることもあるでしょう。
しかし、患者本人がどれだけ回復したと思ったとしても、適切な休業損害や治療代を請求したいのであれば、医師が完治または症状固定の診断を下すまでは、医師の指示通りに治療を続けてください。
医師に対して症状や日常生活への影響を具体的に伝える
適切な休業損害を受け取るには、むちうちの症状をできるだけ詳細に医師へ伝えることが大切です。
そもそも、むちうちの症状は骨折などのようにはっきりしたものではありません。
そのため、医師は被害者本人の証言をもとに、診断書を作成することになります。
病院を受診した際は、身体の不調についてできるだけ具体的に医師に伝えるように心がけましょう。
なお、むちうちになると、以下のような症状に悩まされることが多いです。
- ふらつき、耳鳴り、しびれ、吐き気、倦怠感
- 眼精疲労、目のピントが合わない、めまい、ふらつき
- 首、肩、背中などの痛み、こり、はり など
事故後にこれらの症状を感じたら、むちうちが原因の可能性があるので早めに病院を受診しましょう。
休業期間は医師と相談して決める
むちうちが原因で会社を休まざるを得ない場合には、いつ休むのかやどれくらいの期間休業するのかについて、必ず医師と相談をしてください。
なぜなら、医師の判断なく被害者個人の独断で会社を休んでしまうと、「交通事故で負ったむちうちをケアするための休業である」という客観的な証明ができないからです。
休業損害が認められるのは、「交通事故で負った怪我などに対して治療・リハビリをするために仕事を休んだとき」だけです。
むちうちの症状がつらくて仕事ができないときには、事前に医師に相談をしてから休むようにしましょう。
保険会社から治療の打ち切りを打診されても安易に受け入れない
むちうちの症状がなかなか回復せずに通院期間が長くなると、加害者側の保険会社から「治療費の打ち切り」を打診されることがあります。
加害者側の保険会社は、自社で負担する治療費をできるだけ軽減したいと考えるからです。
しかし、相手方から治療費の打ち切りを打診されても、自分だけの判断で合意をしてはいけません。
相手方から治療費が支払われないと自己負担になるほか、被害者に経済的な余裕がなければ、必要な治療を受けることさえ難しくなりかねないからです。
相手方の保険会社から治療費の打ち切りを打診されたときには、医師に治療継続の必要性を判断してもらったうえで、その旨を保険会社に伝えるようにしてください。
自分だけで相手方と交渉をするのが難しい場合は、弁護士に依頼して治療費の継続負担に関する合意を取り付けてもらいましょう。
交通事故問題が得意な弁護士のサポートを受ける
交通事故でむちうちになったときは、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談・依頼をするのがおすすめです。
交通事故トラブルを得意とする弁護士のサポートを受けることによって、以下のようなメリットを得られます。
- 加害者側の保険会社との示談交渉を代理してくれる
- 被害者側にも過失がある交通事故形態でも、できるだけ有利な示談条件での示談契約締結を目指してくれる
- むちうちで通院するときのポイントを教えてくれる
- 治療費の打ち切り打診があったときにも、証拠を提示しながら治療費の支払い継続を求めてくれる
- むちうちで後遺症がのこったときでも、適切な後遺障害等級を獲得できるように手続きを進めてくれる
- 休業損害以外に生じた損害分も適切に加害者側に請求してくれる
- 弁護士基準を根拠に慰謝料などが算定されるので、受け取ることができる賠償額の増額を期待できる
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むちうちの休業損害は請求期限がある??
むちうちの休業損害は、不法行為に基づく損害賠償請求権を根拠に請求します。
不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効は、人身事故は「5年」、物損事故は「3年」です。
この期間が経過すると、加害者側に損害賠償を請求できなくなるので注意しましょう。
なお、加害者側が保険会社に加入している場合は、相手方もスムーズに示談交渉に応じてくれるので、消滅時効が問題になる可能性は低いです。
しかし、加害者が任意保険に未加入の状態だと、加害者本人と直接示談交渉をおこなう必要があるため、交渉が長引くことで消滅時効が成立するリスクを否定できません。
示談交渉が長引きそうな場合や、相手方とすでにもめている場合は、いち早く弁護士へ相談し、対応についてアドバイスをもらいましょう。
むちうちの休業損害に関するよくある質問
さいごに、交通事故でむちうちになった被害者からよく寄せられる質問をQ& A形式で紹介します。
むちうちの休業損害はいつ支払われる?
一般的に、人身事故の被害にあった場合、完治または症状固定をしたタイミングで示談交渉をスタートし、示談契約が成立したあとに保険金などが支払われます。
一方、休業損害については、例外的に示談交渉をしている途中で請求が可能です。
これは、休業損害が交通事故被害者の生活を経済的に補償する役割を持つためです。
毎月の収入がなくなると喫緊の生活費に支障が生じる場合には、通院をスタートしてからすぐに必要書類を用意し、加害者側の保険会社に休業損害の支払いを請求してください。
通常は、請求から1週間~2週間程度で毎月の休業損害分の保険金が支払われます。
なお、休業損害は他の損害項目と同じタイミングで一括で請求することも可能です。
休業損害と休業補償・傷病手当・失業保険の違いは?
休業損害と似た制度として、休業補償・疾病手当・失業保険が挙げられます。
これらと休業損害との違いは以下のとおりです。
補償の種類 | 内容 | 休業損害との 同時受け取りの可否 |
---|---|---|
休業補償 | 業務中・通勤中の怪我・疾病が原因で就労できなくなった労働者を経済的に補償するための労災保険制度に基づく給付。 | 不可 |
傷病手当 | 病気や怪我が原因で休業するケースにおいて、事業者から十分な報酬が支払われないときに支払われる健康保険制度に基づく給付。 | 不可 |
失業保険 | 離職者の失業中の生活を経済的に支えるために支給される雇用保険制度に基づく給付。 | 可 |
さいごに|交通事故に巻き込まれたときはまず弁護士に相談を!
交通事故に巻き込まれてむちうちなどの怪我を負ったときや、むちうちが原因で会社を休まざるを得ないときには、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談をしてください。
なぜなら、むちうちが原因で仕事や日常生活に影響が出た場合、休業損害や治療費、後遺障害などの請求について加害者側との示談交渉が難航する可能性があるからです。
弁護士なら、被害者が損をすることがないように有利な条件での示談成立に向けて尽力してくれます。
もちろん、手続きや相手とのやり取りも全て任せられるので、治療に専念することが可能です。
ベンナビ交通事故では、交通事故事案に力を入れている弁護士を多数掲載しています。
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