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弁護士の無料相談にデメリットはある?相談前に知っておくべき注意点と活用のポイント

弁護士監修記事
法律相談
2025年04月11日
2025年04月14日
弁護士の無料相談にデメリットはある?相談前に知っておくべき注意点と活用のポイント
この記事を監修した弁護士
原内 直哉弁護士 (インテンス法律事務所(相続分野))
弁護士・司法書士の資格を有している他、建設・不動産会社の経営経験もあり、不動産が絡む遺産分割の場合もトータルサポートが可能。休日の面談や電話・オンラインでの面談も受け付けている。
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弁護士との無料相談には、法律トラブルの解決策を知れるなどのメリットが多くあります。

その一方で「無料相談を利用することにデメリットはないのか?」と不安に感じている方もいるはずです。

結論からいうと、大きなデメリットはないものの、十分な準備をしないと有益にならない可能性はあるでしょう。

そこで本記事では、弁護士との無料相談を利用したい方に向けて、以下の内容について説明します。

  • 弁護士との無料相談にデメリットはほとんどないこと
  • 弁護士との無料相談を利用する際の4つのデメリット
  • 弁護士の無料相談を利用する際に知っておくべき注意点
  • 弁護士との無料相談を上手に活用するための5つのコツ
  • 弁護士に無料相談ができる主な窓口と選ぶときのポイント など

本記事で無料相談のデメリットと注意点を理解し、安心して法律相談を受けられるようになりましょう。

目次

弁護士との無料相談にデメリットはほとんどない!積極的に利用しよう!

弁護士との無料相談を利用するにあたって、以下のような不安の声もあるようです。

  • 途中で相談料を請求されるのではないか
  • 有料相談より相談の質が落ちるのではないか
  • 相談後に無理やり勧誘を受けるのではないか など

しかし、基本的にはこれらを心配する必要はないでしょう。

そもそも弁護士は、相談するためのハードルを下げるために無料相談を実施しています。

相談を申し込めば親身になって対応してくれますし、無料相談だけで終わっても問題はないと考えています。

特に大きなデメリットはありませんので、法律トラブルを抱えているなら無料相談を積極的に利用しましょう。

弁護士との無料相談を利用する際の4つのデメリット

あえて弁護士との無料相談を利用するデメリットを挙げるなら、以下のようなことが考えられます。

  • 十分なアドバイスを得られないことがある
  • 相談先によってはその場で委任契約を結べない
  • 相談先によっては相談する弁護士を自分で選べない
  • 相談したこと自体に後悔をしてしまうことがある

ここでは、弁護士との無料相談を利用する際のデメリットを4つ説明します。

1.十分なアドバイスが得られないことがある

弁護士との無料相談の時間は、一般的に30分~1時間程度となっています。

そのため、以下のような相談の場合は、十分なアドバイスが得られない可能性があります。

  • 相談内容が専門的である場合
  • 登場人物や関係者が多く複雑な場合
  • 膨大な量の証拠を確認してもらう場合 など

ただし、通常の悩みであれば、1時間以内に解決策などのアドバイスをもらえることが多いです。

そこまで「アドバイスがもらえなかったらどうしよう?」などと不安に思う必要はないでしょう。

2. 相談先によってはその場で委任契約を結べない

自治体の法律相談会のように、その場で弁護士と委任契約を締結できない場合もあります。

その場で弁護士と委任契約を締結できない場合、以下のようなデメリットが考えられます。

  • 改めて弁護士を探す必要がある
  • 事件の解決までに時間がかかってしまう
  • 法律トラブルが悪化してしまう可能性がある など

「まずは相談だけ」という場合には、自治体主催の法律相談会でも問題はないと考えられます。

しかし、依頼を前提としていたり、解決を急いでいたりする場合はデメリットになってしまうでしょう。

3.相談先によっては相談する弁護士を自分で選べない

原則として、以下のような相談窓口では弁護士を選ぶことができません。

  • 自治体
  • 弁護士会
  • 法テラス

弁護士を選べない場合、自分の相談内容を得意としていない弁護士が相談相手になる可能性があります。

その結果、一般的なアドバイスにとどまり、詳しい解決策や対策などを知れないということが考えられます。

4.相談したこと自体に後悔をしてしまうことがある

弁護士との無料相談を利用した際に、以下のように感じる方もいるようです。

  • 依頼しないことを申し訳ないと思う
  • かえって不安や心配が大きくなった
  • 自分にとって役に立たないアドバイスだった など

通常、弁護士との無料相談を受ければ、トラブルが整理されて、今後の道筋などを知ることができます。

しかし、その弁護士と相談できたという満足感よりも、心配していることが明らかになり、不満や不安が上回ってしまうリスクはあるでしょう。

弁護士の無料相談を利用する際に知っておくべき5つの注意点

弁護士の無料相談を利用する際の注意点は、以下のとおりです。

  • 相談できる時間・回数に制限がある
  • 事件処理に関する実務はしてくれない
  • 相談内容によっては対応してもらえない
  • 事前予約がなければ相談できないことが多い
  • 利用できるのは原則として本人だけである

ここでは、弁護士の無料相談を利用する際の注意点について説明します。

1.相談できる時間・回数に制限がある

弁護士との無料相談には、基本的に以下のような時間制限・回数制限が設けられています。

  • 相談時間:30分~1時間程度が多い
  • 相談回数:初回相談のみ無料が多い

無料相談の時間や回数は相談窓口によって異なり、無料相談後の対応もそれぞれ違います。

その後は有料相談になる場合もあれば、その場で相談が打ち切りになる場合もあるでしょう。

2.事件処理に関する実務はしてくれない

弁護士との無料相談では、以下のような対応はおこなってもらえません。

  • 法律文書の作成や添削
  • 相手方との連絡や交渉
  • 判例や法令のリサーチ など

これらを弁護士におこなってもらいたい場合は、弁護士と委任契約を締結する必要があります。

あくまでも無料相談は「悩みを話して、弁護士からアドバイスをもらうもの」と理解しておきましょう。

3.相談内容によっては対応してもらえない

以下のような場合は、弁護士に無料相談を断られる可能性があります。

  • 匿名で相談している場合
  • 利益相反に該当する場合
  • 事前の調査や資料確認が必要な場合
  • 担当弁護士の専門外について相談する場合 など

また、中には相続・遺言、債務整理、交通事故などのように、相談分野が指定されているケースもあります。

相談窓口の利用条件を確認し、その窓口で法律相談を受けられるかどうかよく確認することが望ましいです。

4.事前予約がなければ相談できないことが多い

弁護士との無料相談は、基本的に予約制となっています。

飛び込みで行っても弁護士が不在だったり、相談中だったりする可能性があるので注意が必要です。

二度手間になってしまうリスクも考えられるため、必ず事前に予約をしてから相談しに行きましょう。

5.利用できるのは原則として本人だけである

法律相談は、原則として本人だけが利用できます。

法律トラブルは本人の希望や意向などが重視されるため、代理での相談はできないことが多いです。

なお、刑事事件で本人が逮捕されているなど、本人が来られない場合には家族や上司なども相談できます。

弁護士との無料相談を上手に活用するための5つのコツ

弁護士との無料相談を上手に活用するためのポイントは、以下のとおりです。

  • 自分の悩みに合わせて弁護士を選ぶ
  • 相談内容、希望、事件の背景をメモ書きしてまとめておく
  • トラブルに関する証拠・資料は全て持参する
  • できる限り早い段階から無料相談を利用する
  • 複数の無料相談を利用して比較をする

ここでは、弁護士の無料相談を上手に活用するためのコツについて説明します。

1.自分の悩みに合わせて弁護士を選ぶ

弁護士にはそれぞれ家事事件、民事事件、刑事事件、企業法務などの得意分野があります。

より具体的なアドバイスを得るためには、自分の悩みに合わせて弁護士を選ぶことが重要です。

弁護士の得意分野は、法律事務所のWebサイトや弁護士ポータルサイトなどで調べられます。

得意分野別に弁護士を効率よく探したい場合には、以下にあるベンナビを利用することをおすすめします。

2. 相談内容、希望、事件の背景をまとめておく

無料相談を受ける際は、事前に相談内容、希望、事件の背景などをメモ書きしてまとめておくことが重要です。

A4用紙1~2枚程度で問題ありませんので、以下の項目とそれぞれの回答を記入しておきましょう。

  • 事件の関係者は誰か?
  • 今日、相談したいことは何か?
  • 最終的にどのような結果を望むか?
  • 事件に関する主な出来事と時期はどうか?

作成方法に迷ったら、以下にある川崎市の「弁護士相談準備シート」などを参考にするのもおすすめです。

【参考】川崎市|弁護士相談準備シート

3.トラブルに関する証拠・資料は全て持参する

無料相談の際には、トラブルに関する証拠や資料を全て持参することをおすすめします。

必要な証拠はトラブルによって異なりますが、以下のようなものを持参するとよいでしょう。

トラブル 証拠例
離婚問題 ・戸籍謄本
・配偶者の源泉徴収票
・預金通帳や残高証明書のコピー
・不動産の登記事項証明書
・住宅ローンの契約書や返済計画書
・不倫やDVなどがわかる写真・動画 など
相続問題 ・戸籍謄本(被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍)
・遺産目録や財産の一覧表
・預金通帳や残高証明書のコピー
・不動産の登記事項証明書
・生命保険の保険証券
・遺言書(存在する場合) など
・相続人間でのやり取りを記録したメールや手紙
・被相続人の介護記録(寄与分が問題となる場合)
借金問題 ・契約書や返済計画書
・債権者一覧表
・給与明細書
・不動産の登記事項証明書
・生命保険の保険証券
・退職金見込額証明書 など
交通事故 ・交通事故証明書
・診断書や治療明細書
・後遺障害診断書や検査結果
・事故前の収入がわかる資料
・保険会社とのやり取りや通知書 など

 

なお、必要な証拠や資料は相談内容や相談先によって異なります。

予約する際に担当者に対して「何を持参すればよいか」を質問することをおすすめします。

4.できる限り早い段階から無料相談を利用する

法律トラブルは、放置すればするほど状況が複雑化し、解決が困難になることが多いです。

たとえば、交渉で解決できるはずの問題なのに、訴訟で争うことになるケースもあります。

そのため、できる限り早い段階から弁護士との無料相談を利用することをおすすめします。

早い段階で相談すれば、現在選択できる解決策や今後の道筋などについてアドバイスを受けられます。

離婚、相続、借金、交通事故、労働問題、刑事事件など、法律トラブルが生じたらまずは相談してみましょう。

5.複数の無料相談を利用して比較する

法律問題を解決するためには、弁護士との相性も重要になります。

そこで複数の法律事務所の無料相談を利用して、比較するということもおすすめです。

複数の弁護士と相談をしたら、以下のポイントを参考に依頼先の弁護士を選ぶとよいでしょう。

【弁護士を選ぶときのポイント】

  • 解決方針が希望に合うか
  • 説明がわかりやすいかどうか
  • 丁寧に対応してくれるかどうか
  • 専門分野での実績があるかどうか
  • 弁護士費用が明確でわかりやすいか など

弁護士との無料相談を積極的に利用したほうがよいケース3選

弁護士との無料相談を利用すべき主なケースは、以下のとおりです。

  • 自力での解決が難しい法律トラブルに直面した場合
  • そもそも弁護士に依頼すべきか判断できない場合
  • 弁護士との相性を確かめてから依頼したい場合

ここでは、弁護士との無料相談を積極的に利用したほうがよいケースについて説明します。

1.自力での解決が難しい法律トラブルに直面した場合

法律トラブルが生じた際は、弁護士との無料相談を利用するほうが望ましいです。

弁護士との無料相談を利用することで、以下のようなメリットが期待できるでしょう。

  • トラブルの状況を整理できる
  • 証拠や資料を確認してもらえる
  • 自分の希望に合う解決策を知れる
  • 今後の注意点や対策などを知れる など

法律トラブルは自分ひとりでも対応できますが、手続きや対応を間違えてしまうリスクは高いです。

まずは弁護士に相談し、解決策や解決方針などのアドバイスを受けつつ対応することをおすすめします。

2.そもそも弁護士に依頼すべきか判断できない場合

弁護士に依頼するべきかどうか迷っている方にとっても、無料相談は役立ちます。

無料相談を受けると、弁護士は状況を整理し、本人だけで対応できるか、依頼するべきかを教えてもらえます。

費用をかけずに弁護士に依頼するべきかどうか知りたいという場合には、無料相談を活用するとよいでしょう。

3.弁護士との相性を確かめてから依頼したい場合

無料相談は、弁護士との相性を確かめることにも役立ちます。

弁護士によって人柄や性格、弁護方針、コミュニケーション能力などは異なります。

無料相談を活用することで、その弁護士に自身の法律トラブルを任せられるかを確認することができるでしょう。

弁護士に無料相談ができる主な窓口と選び方

弁護士と無料相談ができる主な窓口は、以下のとおりです。

  • 法律事務所
  • 自治体
  • 弁護士会
  • 法テラス

ここでは、弁護士に無料相談ができる窓口と選ぶときのポイントを紹介します。

1.法律事務所|自分の悩みに合った弁護士と相談したい場合

多くの法律事務所では、無料法律相談に対応しています。

無料相談の時間や回数は以下のように異なるため、自分に合った事務所で相談するとよいでしょう。

  • 時間:30分まで、1時間まで、時間制限なし
  • 回数:初回のみ、3回まで、何回でも可能

法律事務所の場合はWebサイトで得意分野を確認できるため、自分の悩みに合う弁護士と相談できます。

また、相談後には委任契約を締結し依頼することもできるため、スムーズに事件に着手してもらえるでしょう。

効率よく弁護士を探したい場合は、トラブルごとに弁護士を探せるベンナビを利用することをおすすめします。

2.自治体の法律相談窓口|一般的な法律トラブルを相談したい場合

多くの自治体では、住民向けに弁護士による無料相談を実施しています。

相談時間は30分程度で、相談回数は1回限りとしていることが多いです。

自治体の無料法律相談では、幅広い法律問題について弁護士からアドバイスがもらえます。

一般的なアドバイスに限られることが多いですが、「まずは相談したい」という方には有益な相談先です。

なお、相談日時や受付時間などは異なるため、お住まいの地域の自治体のWebサイトなどで確認しましょう。

3.弁護士会の法律相談センター|借金問題や労働問題について相談したい場合

弁護士会が運営する法律相談センターでは、原則として有料で法律相談に応じています。

しかし、東京の法律相談センターのように電話による無料相談に応じている地域もあります。

また、借金問題や労働問題については無料で相談に応じている法律相談センターは多いです。

無料相談の有無や詳細などについては、地域にある法律相談センターで確認するとよいでしょう。

【参考】日本弁護士連合会:全国の弁護士会の法律相談センター

4.法テラス|収入が少なくて経済的に余裕がない場合

法テラスでは、経済的に余裕がない方を対象に無料法律相談を実施しています。

一定の収入基準・資産基準を満たせば、30分間の法律相談を最大3回まで受けられます。

そのため、ひとつの法律トラブルについて詳しいアドバイスを受けられることがメリットです。

また、収入基準・資産基準などを満たしている場合は、弁護士費用の立替制度も利用できます。

収入や資産が少なく、弁護士に相談する余裕がない方にとって、法テラスはおすすめの選択肢となるでしょう。

【参考】お近くの法テラス | 法テラス

さいごに | デメリットを踏まえて弁護士との無料相談を賢く活用しよう!

弁護士との無料相談には、大きなデメリットはありません。

しかし、十分なアドバイスが得られない、相談したことを後悔するなどのデメリットが考えられます。

これらのデメリットを回避するには、事前に十分準備し、自分に合った弁護士に相談するのがおすすめです。

本記事で紹介した準備のポイントや窓口選びのコツを参考にしつつ、弁護士との無料相談を利用してみましょう。

編集部
本記事はベンナビを運営する株式会社アシロが企画・編集をおこないました。
  • ※ベンナビに掲載されているコラムは、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。
  • ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドライン をご覧ください。
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