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法テラス役に立たないって本当?上手な活用方法と遅れた場合のリスクなどを解説

弁護士監修記事
法律相談
2025年09月08日
2025年09月08日
法テラス役に立たないって本当?上手な活用方法と遅れた場合のリスクなどを解説
この記事を監修した弁護士
関口 英紀弁護士 (川崎相続遺言法律事務所)
遺産分割など揉めやすい問題の交渉、調停、訴訟から、生前の相続対策として遺言や家族信託の活用についてまで幅広く対応。相談者の事情に合わせたオーダーメイドの解決を目指しており、多くの実績がある。
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  • 「法テラスが役に立たないのは本当か?」
  • 「法テラスに相談しても意味がないのか?」

法テラスを利用するにあたり、口コミサイトやSNS上で批判的な投稿を目にした方もいるでしょう。

結論からいうと、法テラスに対するネガティブな口コミや投稿などは事実であることが多いようです。

しかし、批判の多くは回避することができ、むしろ上手に活用することで非常に便利なものとなります。

そこで本記事では、法テラスについて不安や疑問がある方に向けて、以下の内容を説明します

  • 「法テラスは役に立たない」といううわさが本当かどうか
  • 持ち込み方式で法テラスの民事法律扶助制度を利用するメリット
  • 法テラスと契約している弁護士を探して依頼する際の大まかな流れ など

本記事を参考に、法テラスの制度を上手に活用して、法律トラブルを解決できるようになりましょう。

「法テラスは役に立たない」といううわさは本当なのか?

口コミサイトやSNS上では、以下のような内容の投稿を目にすることがあります。

  • 弁護士が自分の相談内容に詳しくなくて頼りにならないと感じてしまった
  • 法テラスに相談したのにほかの相談窓口とのたらい回しになってしまった など

このような投稿を見ると「法テラスは役に立たないのではないか?」と不安になる方もいるでしょう。

しかし、以下のように法テラスの利用について満足している声も数多くあります。

  • 離婚問題に詳しい先生に担当してもらえて大変満足のいく相談となった
  • なかなか対応してくれる弁護士が見つからなかったがようやく見つかった など

そのため、必ずしも「法テラスが役に立たない」わけではなく、上手に使うことがポイントと言えます。

「法テラスは役に立たないかも」と心配なら持ち込み方式がおすすめ!

法テラスを活用する際は、以下のようなメリットがある持ち込み方式を選択するのがおすすめです。

  • 自分で弁護士を選ぶことができる
  • 早めに事件に着手してもらえる可能性がある

ここでは「法テラスは役に立たないかも」と心配している方が、持ち込み方式を利用するメリットを紹介します。

1.自分で弁護士を選ぶことができる

持ち込み方式とは、法テラスと契約している弁護士を経由して民事法律扶助制度を利用する方法のことです。

通常の法テラス経由で依頼する場合と異なり、持ち込み方式では依頼者は自分で弁護士を選ぶことができます。

そのため、離婚問題が得意な弁護士など、自身が抱える法律トラブルに合う専門家に依頼することが可能です。

「自分の抱えるトラブルに詳しくなかった」といった、法テラスが役に立たないリスクを回避できるでしょう。

2.早めに事件に着手してもらえる可能性がある

持ち込み方式では、法テラスの審査が終わる前に弁護士が事件に着手してくれるケースもあるでしょう

依頼内容によっては迅速な着手が必要になり、法テラスの審査結果を待っている余裕がない事件もあります。

そのような場合に、民事法律扶助制度が利用できることを見越して早急に事件に着手してくれる弁護士もいます。

「なかなか着手してもらえない」「事件の解決が進まない」といったデメリットの回避につなげられるでしょう。

法テラスと契約している弁護士を探して依頼する際の流れ|4ステップ

持ち込み方式で弁護士に依頼する場合の流れは、以下のとおりです。

  • 法テラスと契約している弁護士を探す
  • 法律事務所に問い合わせをして相談の予約をする
  • 相談時に民事法律扶助制度を利用したい旨を伝える
  • 審査に通れば弁護士費用立替制度などを利用できる

ここでは、法テラスと契約している弁護士を探して依頼する際の4つのステップについて説明します。

1.法テラスと契約している弁護士を探す

まずは、以下のような方法で法テラスと契約している弁護士を探しましょう。

  • 法テラスの名簿一覧で確認する
  • 日弁連のひまわりサーチを使う
  • インターネットで検索する

このうちひまわりサーチの利用がおすすめで、法テラスとの契約の有無や重点取扱業務などを同時に調べられます

ただし、登録は任意となっているため、必ずしも全ての弁護士が登録されているわけではない点に注意が必要です。

必要に応じて、インターネットを使い最寄りの法テラスと契約している弁護士を探すのもよいでしょう。

2.法律事務所に問い合わせをして相談の予約をする

条件や希望に合う弁護士が見つかったら、電話やメールなどで問い合わせて法律相談の予約を取りましょう。

問い合わせをすると、相談日程を調整してもらえて、当日の持ちものの案内などをしてもらえるのが一般的です。

多くの事務所では初回無料相談に応じていますが、中には有料相談の場合もあるので注意するほうがよいでしょう。

3.相談時に民事法律扶助制度を利用したい旨を伝える

当日は法律事務所に行って、法律トラブルについて弁護士と相談をします。

相談をすることで今後の見通しや解決策などのアドバイスを受けられます

また、相談時には「民事法律扶助制度を利用したい」旨を伝えるようにしましょう。

民事法律扶助制度を利用したい旨を伝えると、利用条件などの案内をしてくれます。

なお、その弁護士に依頼しない場合は、無理に民事法律扶助制度の話をする必要はありません

4.審査に通れば弁護士費用立替制度などを利用できる

弁護士への依頼が決まったら、民事法律扶助制度の利用申請をおこないます。

申請手続は弁護士を通じておこなうため、指示を受けるようにしましょう。

審査に通ると援助開始決定通知が届くため、その後、契約をすることで立て替えを受けられます

それ以後は弁護士が事件に着手してくれて、法律トラブルの解決に向けたサポートをしてくれます

「法テラスが役に立たない」と思い弁護士への相談が遅れることのリスク

「法テラスが役に立たない」と思って、弁護士への相談が遅れてしまうリスクは以下のとおりです。

  • トラブルが悪化してしまう
  • 不利な結果になってしまう
  • 時効が成立してしまう

ここでは、「法テラスが役に立たない」と思い弁護士への相談が遅れることのリスクについて紹介します。

1.トラブルが悪化してしまう

弁護士への相談が遅れてしまうと、トラブルが悪化してしまう可能性が高まります

たとえば、借金問題であれば遅延損害金が増えますし、労働問題であれば会社が倒産するなどもあり得ます。

また、感情的な対立が激しくなったり、相手方の態度が硬化したりして交渉が難航するリスクもあるでしょう。

2.不利な結果になってしまう

弁護士への相談が遅れてしまうと、不利な結果になってしまう可能性も高まります

たとえば、記憶があいまいになったり、証拠が散逸したりしてしまうリスクが考えられます。

また、協議での解決が難しくなり、調停や訴訟などの手続きが必要になるケースもあります。

3.時効が成立してしまう

権利には時効が設けられていることが多く、対応が遅れることで時効が成立してしまうリスクもあります。

たとえば、損害賠償請求権の消滅時効は3年間(5年間)ですし、賃金請求権の消滅時効は3年間となっています。

「法テラスは役に立たない」と思って弁護士への相談や依頼が遅れると権利が消滅してしまう可能性が高まります。

さいごに|持ち込み方式で法テラスのさまざまな制度を有効活用しよう!

口コミサイトやSNSなどで「法テラスは役に立たない」という投稿を目にすることもあるでしょう。

しかし、これらの不満はもしかしたら上手に法テラスを活用できていないことが原因かもしれません。

法テラスを活用するときは「持ち込み方式」にして、自分に合う弁護士に依頼するのがおすすめです。

持ち込み方式であれば自分で弁護士を選べますし、早い段階からサポートを受けられる可能性もあります。

まずは法テラスと契約している弁護士を探して、その弁護士と相談するということから始めてみましょう。

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