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法定養育費制度とは?基本ポイントや間違えやすい注意点などをわかりやすく解説

弁護士監修記事
離婚トラブル 養育費
2026年01月06日
法定養育費制度とは?基本ポイントや間違えやすい注意点などをわかりやすく解説
この記事を監修した弁護士
川越 悠平弁護士 (東京桜の森法律事務所)
依頼者様のお気持ちを尊重し、一人ひとりに適したサポートを提供しています。離婚自体を争う事件や財産分与などを争う事件はもちろん、親権や面会交流、養育費などお子さんの関わる事件にも注力しています。
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養育費は、子どもの将来を守るために大切なお金ですが、口約束だけで終わらせてしまったり、相手が支払いに応じなかったりと、トラブルが絶えないのが現実です。

そこで、2024年5月の民法改正では、新しく「法定養育費制度」が導入されることが決まりました。

この制度は、離婚後の生活の安定や、子どもの福祉を守るために非常に重要な役割を果たすと期待されています。

本記事では、2026年4月1日から施行が予定されている「法定養育費制度」について、制度の仕組みやメリット、注意点などを解説します。

新しい制度を正しく理解し、後悔のない選択をするための参考にしてください。

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法定養育費制度とは?まずは制度の概要を把握しよう

法定養育費制度とは、離婚時に夫婦間で養育費の取り決めをしていなくても、法律で定められた一定額の養育費を請求できる仕組みのことです。

これまでは、離婚するときに「養育費を月々〇〇円支払う」という取り決め(合意)をしていないと、あとから請求するのが大変でした。

家庭裁判所に申立てをする必要があり、時間も手間もかかってしまうため、泣き寝入りしてしまうケースも多かったのです。

しかし、法定養育費制度が始まると状況が変わります。

夫婦間で養育費の取り決めをしないまま離婚した場合でも、法律によって自動的に養育費を請求する権利が発生します。

たとえば、相手が「払いたくない」と逃げたり、話し合いに応じなかったりしても、法律が決めた金額であれば正面から請求できるようになるのです。

では、一体いつから・どれくらいの金額・誰が受け取ることができるのでしょうか。

ここからは、法定養育費制度の基本的なポイントとして、以下3つを解説します。

  • 法定養育費はいつから始まるのか
  • 受け取れる法定養育費の額
  • 法定養育費を受け取れる対象者

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

1.法定養育費は2026年4月1日に運用が始まることが決まっている

法定養育費は、改正民法の施行に合わせて、2026年4月1日に運用が開始されることが決まっています。

具体的には、2026年4月1日からの施行が予定されています。

つまり、これから離婚を考えている方で、2026年の春以降に離婚が成立する場合には、この新しい制度が適用される可能性が高いということです。

現在はまだ準備期間中ですが、2026年に向けてさまざまな準備が進められています。

これから別居や離婚を検討している方は、この「2026年春」というタイミングを一つの目安として計画を立てておくとよいでしょう。

2.受け取れる法定養育費は子ども1人あたり月2万円

法定養育費制度では、子ども1人につき月額2万円を最低限の養育費として請求することができます。

つまり、子どもが2人いる場合は「2万円×2人=4万円」を毎月受け取ることが可能です。

ただし、あくまで法定養育費は「最低額」であり、本来受け取れる養育費の上限を定めるものではありません。

相手の収入や子どもの人数、生活状況などに応じて、話し合いや調停によって2万円を超える養育費を取り決めることも可能です。

3.対象者は「制度の運用が始まったあとに離婚をした人」となっている

法定養育費制度を利用できる対象者は、制度の運用が始まったあと(2026年4月1日以降)に離婚をした人のみです。

施行日よりも前に離婚が成立している場合は、法定養育費制度は適用されない点に注意しましょう。

ただし、すでに離婚している方であっても、養育費の未払い問題などで困っているケースは多いはずです。

既存の離婚家庭への対応や、制度施行前に離婚した人がどのように保護されるかについては、今後の議論や運用で詳細が詰められていく部分もあります。

すでに離婚済みの方で養育費の悩みを抱えている場合は、まずは弁護士などの専門家に相談し、現行の法律でどのような対策がとれるか確認してみましょう。

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法定養育費制度のよくある間違い|制度について知っておくべき注意点

法定養育費制度は、養育費の未払い問題を解消する点で大きなメリットがありますが、反対に注意点もあります。

ここでは、法定養育費制度に関してよくある間違いと、知っておくべき注意点について解説します。

1.「養育費の取り決めが不要になる」は間違い!

「法律で決まった金額がもらえるなら、面倒な話し合いはしなくていいや」そう考えてしまうのは大きな間違いです。

法定養育費として請求できる金額は、月額2万円程度などの「最低限の額」にすぎません。

子どもを一人前に育てるためには、食費だけでなく、学費、医療費、被服費など、さまざまなお金がかかります。

とくに、進学や習い事などを考えている場合、法定養育費の額だけでは十分なサポートをするのは難しいでしょう。

本来受け取るべき適正な養育費の額は、夫婦それぞれの収入に応じて決まるもので、法定養育費よりも高額になるケースが一般的です。

「法定養育費があるから安心」と話し合いを放棄せず、あくまで「話し合いがまとまらなかったときの保険」と捉えることが大切です。

子どもの将来のためにも、できる限り夫婦でしっかりと話し合い、お互いの収入に見合った適正な養育費を取り決める努力を怠らないようにしましょう。

2.「法定養育費であれば必ず受け取れる」は間違い!

法定養育費は、誰もが必ず受け取れるものではありません。

相手に支払い能力がまったくない場合や、相手が意図的に支払いを拒否し続けて行方をくらませてしまった場合などは、回収が難航することもあります。

制度がある=100%受け取れるわけではないという現実を知っておく必要があるでしょう。

しかし、今回の法改正では、養育費の支払いをより確実にするための強力な武器も用意されました。

それが、先取特権という権利の付与です。

完全な保証ではありませんが、これまでよりも「逃げ得」を許さない仕組みが強化されていることは間違いありません。

法定養育費制度に関するよくある質問

ここでは、法定養育費制度について、さらに詳しく知りたい方向けの疑問にお答えします。

Q.法定養育費の「先取特権」とは何か?

法定養育費における「先取特権」とは、養育費を受け取る側が、ほかの債権者よりも優先して支払いを受けられる権利のことです。

通常、未払いの養育費を回収するには、調停や裁判を経て強制執行をおこなう必要がありました。

しかし、先取特権が認められることで、裁判手続きを経ずに相手の財産(給与や預貯金など)に対して優先的に請求できる可能性が高まります。

この仕組みは、養育費が「子どもの生活を支えるために欠かせないお金」である点を重視したものです。

相手にほかの借金や支払い義務があっても、養育費の回収が後回しにされにくくなる点が大きな特徴といえるでしょう。

なお、先取特権があるからといって、必ず自動的に全額回収できるわけではありません。

相手に差し押さえ可能な財産があるかどうかなど、実務上の条件も関係します。

そのため、制度の内容を正しく理解したうえで、必要に応じて専門家へ相談することが重要です。

Q.法定養育費はいつまで受け取れるのか?

法定養育費が受け取れるのは、子どもが18歳になるまで、もしくは養育費の取り決めがおこなわれるまでです。

通常の養育費の場合、個別の事情を考慮して18歳~20歳、あるいは大学卒業までを支払い期間とするのが一般的ですが、法定養育費では受け取れる期間が画一的に決まっている点に注意しましょう。

Q.法定養育費は遡って請求することができる?

法定養育費制度の施行にともなって「過去に支払われなかった分も、この制度を使ってまとめて請求したい」と考える方もいるでしょう。

法定養育費制度では、施行日よりあとの離婚に限り、離婚日まで遡って法定養育費を請求することが認められています。

一方、一般的に養育費は「請求したとき」からあとの分について認められるのが原則です。

過去にさかのぼって何年分も請求することは、特別な事情がない限り難しいでしょう。

さいごに|法定養育費制度など離婚問題のことなら弁護士に相談しよう!

2026年から始まる「法定養育費制度」は、離婚後の子どもたちの生活を守るための画期的な仕組みです。

これまで泣き寝入りしていた養育費問題解決のため、「話し合いができなくても最低限の権利がある」と法律が認めたことは大きな前進といえるでしょう。

しかし、金額が最低限であることや施行後の離婚のみが対象であることなど、注意すべき点が多いのも事実です。

子どもとあなたの生活を守るためには「自分たちの状況に合った適正な養育費」をしっかりと取り決めることが大切であることに変わりはありません。

そのため、養育費を含め離婚後の生活に不安のある方は、離婚問題に注力する弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士は法律の専門家として、代理人となって相手と交渉したり、法改正の知識に基づいた最適なアドバイスをおこなったりしてくれます。

初回相談を無料でおこなっている法律事務所も多くあります。

一人で悩まず、まずは専門家のアドバイスを受けて、新しい生活への第一歩を安心して踏み出してください。

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