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離婚後の共同親権制度とは?4つの基本ポイントと親権者変更の手続きについて解説

弁護士監修記事
離婚トラブル 親権
2026年01月06日
離婚後の共同親権制度とは?4つの基本ポイントと親権者変更の手続きについて解説
この記事を監修した弁護士
川越 悠平弁護士 (東京桜の森法律事務所)
依頼者様のお気持ちを尊重し、一人ひとりに適したサポートを提供しています。離婚自体を争う事件や財産分与などを争う事件はもちろん、親権や面会交流、養育費などお子さんの関わる事件にも注力しています。
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これまで日本では、離婚をすると父母のどちらか一方だけが親権をもつ「単独親権制度」が採用されていました。

しかし、民法の改正により、2026年4月1日を目処に、離婚後も父母双方が親権をもつ「共同親権」が選べるようになります。

本記事では新しい共同親権制度の仕組みや、すでに離婚している場合の申請方法について、わかりやすく解説します。

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離婚後の共同親権制度とは?

これまでの日本の民法では、婚姻中は父母が共同で親権を行使しますが、離婚をする際には必ず父または母のどちらか一方を親権者と定めなければなりませんでした。

これを「単独親権制度」といいます。

しかし、近年の家族のあり方の多様化や、離婚後も両親が協力して子どもを育てるべきという考え方の広まりを受け、民法が改正されることになりました。

今回の改正では、離婚後の親権の選択肢として、従来の「単独親権」に加えて、新たに「共同親権」が導入されます。

これにより、離婚後であっても、父母が役割分担をしながら協力して子どもの養育に関わることが可能になります。

なお、この離婚後の共同親権制度は、2026年4月1日に施行される予定です。

離婚後の共同親権に関する主な改正ポイント</h3>

離婚後の共同親権に関しては、以下のような条文が新たに整備・改正されています。

【離婚後の共同親権に関する主な条文】
父母の責任(817条の12) 婚姻中または離婚後かを問わず父母は、子の心身の健全な発達のため、人格を尊重して養育する責務を追うことが明文化されました。
離婚後の親権者(819条) 離婚時に父母の協議で単独親権か共同親権かを選択できるようになりました。協議で決定できなかった場合には裁判所が判断します。
親権の単独行使(824条の2第1項) 共同親権の場合、原則子どものことについて共同で決定するが、①急迫の事情があるとき、②日常行為については一方が単独で親権を行使できると明文化されました。
意見対立時の裁判(824条の2第3項) 父母間で意見が合わない場合、家庭裁判所が一方を親権行使者に指定できることになりました。
法定養育費(766条の3) 養育費の取り決めがない場合、法務省令で定める額(子ども1人あたり月2万円)を法定養育費として請求できます。
親族との交流(766条の2) 子の利益のために特に必要があるときは、祖父母など父母以外の親族と子の交流を定めることができることになりました。

 

【参考元】民法等の一部を改正する法律案 新旧対照条文

離婚後の共同親権について知っておくべき4つのポイント

ここからは、共同親権の制度を理解するうえで知っておくべき4つのポイントを解説します。

1.共同親権と単独親権から選べるようになる

共同親権制度におけるもっとも大きなポイントは、離婚時に「共同親権」か「単独親権」かを父母が選択できるようになる点です。

これまでの制度では、離婚をする場合、父または母のいずれか一方を必ず親権者として定めなければなりませんでした。

そのため、親権をめぐって対立が深刻化しやすく、結果として離婚後に一方の親が子どもとほとんど会えなくなってしまうケースも少なくありませんでした。

一方、新しい制度では、父母が十分に話し合い(協議)をおこない、双方が合意できれば、離婚後も二人で親権を持つ「共同親権」を選択できます。

これにより、離婚後であっても、父母それぞれが子どもの成長や生活に責任を持ち、継続的に関わっていくための土台が整えられます。

ただし、全てのケースで共同親権が選ばれるわけではありません。

DVや虐待のおそれがある場合など、子どもの安全や利益を最優先すべき事情があるときには、これまでどおり単独親権を選択することも可能です。

状況に応じて柔軟に選べる点が、今回の制度改正の大きな特徴といえるでしょう。

2.協議で決まらない場合は裁判所が決定する

親権については、全ての夫婦が冷静に話し合って決められるわけではありません。

自分は共同親権がよいが、相手が反対している、相手に親権を渡したくないというような場合、父母の間で意見が対立し、協議がまとまらないケースも想定されます。

もし話し合いで決着がつかない場合は、家庭裁判所に申し立てをおこなうことで、裁判官が判断を下すことも可能です。

裁判所は、父母の関係性やこれまでの養育状況、そして何よりも「子どもの利益のためにはどちらがよいか」という視点で、共同親権にするか、単独親権にするかを決定します。

単に権利が欲しいという親の都合ではなく、子どもの幸せが最優先されるということを覚えておきましょう。

3.共同親権では「重要な事項」は両親で決める

共同親権になったからといって、全てを2人で一緒に決めなければならないわけではありません。

しかし、子どもの人生に大きな影響を与える「重要な事項」については、父母が共同で決定する必要があります。

具体的には、以下のようなケースが該当すると考えられています。

  • 進学や転校の決定:どの高校に進学するか、留学をするかなど
  • 長期の入院や手術:重大な医療行為を受けるかどうか
  • 宗教に関すること:特定の宗教に入信させるかなど

これらは、片方の親が勝手に決めるのではなく、お互いに連絡を取り合い、合意形成を図らなければなりません。

共同親権を選択した場合、離婚したから関係ないと無視をするのではなく、子どもの将来について真剣に話し合う姿勢が求められることを覚えておきましょう。

4.共同親権であっても単独でできる行為もある

日常生活のあらゆることについて、いちいち元配偶者の許可をとる必要があると、生活が回らなくなってしまいます。

そのため、新しい法律では、共同親権であっても「単独で親権を行使できる場合」が定められています。

片方の親権者が単独で決められるケースとしては、主に以下が挙げられます。

  • 急迫の事情があるとき:子どもが事故に遭って緊急手術が必要な場合や、DVから逃げるための避難など、急いで判断しなければならないときは、単独で決定できます。
  • 監護および教育に関する日常の行為:毎日の食事のメニュー、着る服の選択、習い事の送迎、学校の宿題の確認など、日常的な世話(監護)については、子どもと一緒に暮らしている親(同居親)が単独で判断・決定できます。

このように、共同親権制度は「重要なことは2人で」「日常のことはそれぞれで」というように、メリハリをつけて運用されることが想定されています。

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離婚後に単独親権から共同親権に変更することはできる?

すでに離婚が成立しており、単独親権の状態にある方にとって気になるのは「単独親権から共同親権に変更することができるのか」という点ではないでしょうか。

結論からお伝えすると、法律の施行後(2026年4月1日以降)であれば、すでに離婚している場合でも親権者変更の手続き(改正民法819条6項)によって共同親権に変更することが可能です。

ただし、家庭裁判所が「子の利益のため必要があると認めた」場合でなければ共同親権への変更は認められません。

たとえば、以下のようなケースでは、変更が認められない可能性が高いでしょう。

  • 子ども自身が共同親権を拒絶している場合
  • 父母の仲が極端に悪く、最低限の連絡調整すらできない場合
  • 共同親権にすることで、子どもの生活環境が不安定になる恐れがある場合

単に「制度が変わったから」という理由だけではなく、実質的に父母が協力して子どもの養育ができる関係にあるかどうかが重視されます。

そのため、共同親権への変更を検討している場合は、まずは弁護士に相談するのがおすすめです。

非監護者が共同親権を獲得するために必要な3つのポイント

将来的に共同親権を獲得したいと考える場合、どのような準備をしておくべきなのでしょうか。

法律が施行されるまでの間に意識しておきたい、3つの重要なポイントを解説します。

1.配偶者を説得して共同親権の同意を得る

共同親権を得るために最もスムーズな方法は、元配偶者と話し合い、納得してもらうことです。

裁判所の手続きを利用するにしても、相手の同意があれば認められる可能性は格段に高まります。

なお、配偶者からの理解を得るためには、離婚後であっても以下のように誠実な対応を心がけることが大切です。

  • 決められた養育費を遅れずに支払う
  • 面会交流(親子が会うこと)のルールを守る
  • 相手の悪口を子どもに言わない

こうした日々の積み重ねが信頼関係を築き、「この人なら共同親権をもっても大丈夫だ」と相手に思わせる土台となります。

相手を敵対視するのではなく、子どもの親としてのパートナーとして尊重する姿勢を示しましょう。

2.子どもや配偶者に暴力などを振るわない

今回の法改正でも、DVや虐待のおそれがある場合には、単独親権にしなければならないという規定が盛り込まれています。

過去に暴力があった場合はもちろん、現在進行形で相手を威圧したり、子どもに対して不適切な言動をしたりしている場合は、共同親権は認められません。

もし、感情的になって相手を責めてしまいそうなときは、一度冷静になる時間をもつことが必要です。

「共同親権」は、あくまで子どもの利益のためにある制度であり、親が相手を支配するための手段ではないことを肝に銘じておきましょう。

3.離婚問題が得意な弁護士に相談・依頼する

共同親権の導入は、これまでの親権制度の常識を覆す大きな変更です。

そのため、一般の方が自分だけで判断したり、相手と交渉したりするのは難しい場面も多くなるでしょう。

とくに、相手が共同親権に反対している場合や、過去の経緯から話し合いが困難な場合は、法律のプロである弁護士のサポートが不可欠です。

弁護士に依頼するメリットには、以下のようなものがあります。

  • 法的な観点からのアドバイス:今の状況で共同親権が認められる見込みがあるか、客観的に判断してもらえます。
  • 相手との交渉代理:直接話すのが難しい場合、弁護士が間に入って冷静に交渉を進めてくれます。
  • 調停のサポート:裁判所での手続きや、調停委員への説明などを任せることができます。

弁護士を選ぶ際は、「離婚問題に注力する弁護士」や「親権問題に強い弁護士」など、この分野の経験が豊富な専門家に相談することをおすすめします。

初回相談を無料で受け付けている事務所も多いため、まずは一度相談してみましょう。

さいごに|離婚後の「共同親権制度」について正しく理解しておこう!

本記事では、2026年を目処に導入される「離婚後の共同親権制度」について解説しました。

今回の民法改正の大きなポイントは、以下のとおりです。

  1. 選択肢が増える:離婚時に「単独親権」だけでなく「共同親権」も選べるようになります。
  2. 変更が可能:すでに離婚している場合でも、法施行後に家裁へ申し立てれば変更できる可能性があります。
  3. 子の利益が最優先:父母の合意がない場合、裁判所が「子どものために」判断します。
  4. 準備が大切:共同親権を目指すなら、養育費の支払いや誠実な対応で信頼を築くことが重要です。

共同親権制度は、離婚後も子どもが両親からの愛情を受けて育つための新しい仕組みです。

しかし、ただ制度が変わるのを待っているだけでは、状況は好転しないかもしれません。

もし、将来的に共同親権を希望するのであれば、今からできる準備を始めることが大切です。

正しい知識を身につけ、専門家の力も借りながら、子どもの未来にとってもっともよい形を模索していってください。

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