法テラスを初めて利用する人必見!依頼までの流れや相談時のポイントなどを詳しく解説
- 「弁護士に相談したいけれど、費用が心配で一歩踏み出せない…」
- 「法テラスってよく聞くけれど、実際どうやって利用するの?」
法律トラブルを抱えたとき、費用面の不安から専門家への相談をためらってしまう方は少なくありません。
そんなときに心強い支えとなるのが、国が設立した公的機関である法テラス(日本司法支援センター)です。
法テラスでは、一定の条件を満たせば無料法律相談や弁護士費用の立替制度を利用できるため、経済的に余裕がない人でも適切な支援を受けながら問題解決を進められます。
本記事では、法テラスを初めて利用する人向けに、相談予約から依頼までの流れ、利用できる制度の特徴、そして相談時に押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。
法的な不安を抱えている方が安心して一歩踏み出せる内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
【初めての人向け】法テラスで受けられる主な3つのサービス
まずは、初めて法テラスを利用する人のために、法テラスがどのようなリーガルサービスを提供しているのかについて解説します。
- 情報提供サービス
- 法律相談サービス
- 弁護士費用立替サービス
それぞれのサービスについて、詳しく見ていきましょう。
1.情報提供サービス
法テラスでは、以下のような疑問や不安を抱く人に向けて、一般的な情報提供サービスを実施しています。
- 法律トラブルに巻き込まれたときに相談できる場所や窓口を知りたい
- 自分が抱えた悩みや不安、トラブルに関係する法制度や手続きの流れを知りたい
- 自分が巻き込まれた争訟について法律的な解決が可能かを知りたい など
なお、情報提供サービスのみの利用の場合、資産や収入に関する条件はありません。
法テラスの情報提供サービスを利用したいときは、以下の窓口から問い合わせをしてください。
| 問い合わせ方法 | 詳細 |
|---|---|
| 電話 | 電話番号:0570-078374(おなやみなし) ※IP電話、プリペイド携帯、海外から電話する場合:03-6745-5600 ※外国語対応を希望する場合:0570-078377 ※平日9時〜21時、土曜日9時〜17時(祝日・年末年始を除く) |
| メール | メール受付フォーム |
| チャット | チャットボット |
2.法律相談サービス
法テラスでは、弁護士や司法書士との無料法律相談サービスを提供しています。
1つの事案につき相談できるのは3回まで、1回30分までという条件付きですが、無料で専門家に相談できるので、初めての法律トラブルで悩んでいる方も利用しやすいでしょう。
ただし、法テラスで弁護士・司法書士の無料相談を受けるには、以下の条件に注意が必要です。
- 対象は所定の収入要件・資産要件を満たす経済的困窮者のみ
- 事前予約が必須
無料の法律相談を予約したい場合には、お近くの法テラス事務局に電話をするか、Webの入力フォームから問い合わせをしてください。
3.弁護士費用立替サービス
無料の法律相談だけでは解決に至らず、弁護士や司法書士への依頼が必要な事案については、弁護士費用の立替サービスを利用できます。立て替えてもらった費用は分割払いで返済でき、利息は発生しません。
ただし、民事法律扶助サービスを利用するには、所定の収入要件・資産要件などの諸条件を満たす必要があります。
法テラスの民事法律扶助サービスを利用する際は条件がある
法テラスの民事法律扶助サービスを利用するには、以下の3つの要件を満たさなければいけません。
- 収入要件・資産要件を満たすこと
- 民事法律扶助制度の趣旨に合致していること
- 勝訴の見込みがないとはいえない状況であること
それぞれの要件について、詳しく見ていきましょう。
1.所得や財産に関する基準を満たす必要がある
法テラスの民事法律扶助制度は、経済的に困窮している人を対象にしたサービスです。
そのため、利用するには収入・資産について以下の要件を満たす必要があります。
| 家族の人数 | 収入基準 | 資産基準 |
|---|---|---|
| 1人 | 200,200円以下 | 180万円以下 |
| 2人 | 276,100円以下 | 250万円以下 |
| 3人 | 299,200円以下 | 270万円以下 |
| 4人 | 328,900円以下 | 300万円以下 |
| 家族の人数 | 収入基準 | 資産基準 |
|---|---|---|
| 1人 | 182,000円以下 | 180万円以下 |
| 2人 | 251,000円以下 | 250万円以下 |
| 3人 | 272,000円以下 | 270万円以下 |
| 4人 | 299,000円以下 | 300万円以下 |
なお、収入基準については、同居家族の人数が1名増えるごとに、以下の金額を加算します。
- 東京都特別区、大阪市などの地域に居住している場合:33,000円
- 上記以外の地域に居住している場合:30,000円
また、家賃や住宅ローンを負担している場合には、以下の金額を収入から控除できます。
| 家族の人数 | 家賃・住宅ローンの控除限度額(東京・大阪など以外) | 家賃・住宅ローンの控除限度額(東京・大阪などの都市部) |
|---|---|---|
| 1人 | 41,000円 | 53,000円 |
| 2人 | 53,000円 | 68,000円 |
| 3人 | 66,000円 | 85,000円 |
| 4人 | 71,000円 | 92,000円 |
2.民事法律扶助の趣旨に適している必要がある
法テラスの民事法律扶助制度を利用するには、依頼者が抱えている案件が、民事法律扶助制度の趣旨に合致している必要があります。
たとえば、報復目的や自己宣伝目的で弁護士や司法書士の力を借りようとする場合には、民事法律扶助サービスは利用できません。
また、民事訴訟の提起自体が権利濫用と判断される可能性が高い事案についても、審査で落ちる可能性があります。
さらに、極端に請求額が少額の争訟や、相手に資力がなく強制執行が空振りに終わる可能性が高い案件についても、費用対効果が低いという理由で民事法律扶助サービスの対象外になり得ます。
3.「勝訴の見込みがない」とはいえない状況である
法律相談の段階で明らかに勝訴の見込みがないと判断されるような事案については、法テラスの民事法律扶助サービスの審査に落ちる可能性が高いです。
たとえば、自己破産を希望している債務者について、明らかに免責不許可事由に該当する事実関係が存在し、免責許可決定を得ることができないような事案や、配偶者が出会い系サイトで第三者とメッセージのやり取りをしていただけで不倫慰謝料請求を求めようとしている事案などでは、勝訴の見込みがないといえる状況であるため、民事法律扶助サービスの審査には通らないでしょう。
一方、客観的な証拠は不十分であるものの、粘り強い示談交渉やその他の証拠方法を探ることで法的な解決を見込める事案や、感情的な対立だけではなく法的な論点も存在する事案などについては、勝訴の見込みがないとはいえないため、法テラスのサポートを受けることができます。
初めて法テラスで相談を受けて弁護士に依頼するまでの流れ
初めて法テラスを利用する人のために、法テラスに相談をしてから弁護士に依頼するまでの流れを紹介します。
- 最寄りの法テラス事務局を検索する
- 法テラスに問い合わせて法律相談の予約をとる
- 法律相談を受ける準備をする
- 相談当日に法テラスで法律相談を受ける
- 弁護士への依頼が必要だと判断される場合には、法テラスの民事法律扶助制度の審査を申し込む
それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。
1.最寄りの法テラス事務所を探そう
法テラスの地方事務所は全国に所在しています。
原則として法テラスの無料法律相談や民事法律扶助制度は近くの法テラス地方事務所で対応することになるので、まずは最寄りの法テラス事務局を探してください。
【参考】お近くの法テラス|法テラス
2.法テラスに問い合わせて予約を取ろう
法テラスの法律相談は原則として事前予約が必須です。
相談を希望する法テラス事務局に直接電話をするか、Webの予約フォームから相談日・相談時間を予約してください。
なお、法テラス事務局次第では、対面面談だけではなく、電話やオンラインでの法律相談を実施している場合があります。
どうしても仕事や家事・育児などで開所時間内に訪問できない場合には、予約の際に電話やオンラインでの対応が可能かを確認してみましょう。
3.法律相談を受ける準備をする
法テラスで初めて法律相談を受ける際は、必ず事前準備をおこないましょう。
相談時間は30分以内と限られているので、事前に相談内容や時系列などをまとめたメモを用意するのがおすすめです。
また、法律相談に必要な資料や書類なども忘れずに用意しましょう。
「関係なさそうだから法律相談に持っていかなくても大丈夫か」などと自分だけで判断するのではなく、相談事項に関連しそうなものは全て持参してください。
4.相談当日になったら法テラスに行こう
予約した日時になったら、法テラス事務局を訪問して法律相談を受けます。
法テラスを訪問すると、受付の手続きや援助申込書の記入などの作業が必要なので、遅くとも相談開始時間の10分前までには来所するのがおすすめです。
なお、同一案件の法律相談は3回まで可能なので、2回目以降の法律相談を希望する場合には、次回の相談日を予約するとよいでしょう。
2回目以降に相談する弁護士を変更したいなら、相談が終わったあとにその旨を法テラス側に伝えてください。
5.依頼をしたい場合は弁護士に伝えよう
法律相談を受けた結果、紛争処理について弁護士に依頼をしたいと判断できた場合には、法テラス側に民事法律扶助制度の利用を申し込みましょう。
審査をクリアしたら、法テラスの経済的支援を受けながら、弁護士に業務を任せることができます。
初めて法テラスの無料法律相談を利用する際の5つのポイント
初めて法テラスの無料法律相談を利用する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- わからないことは何でも相談する
- 3回の法律相談をうまく活用する
- 無料法律相談に対応していない相談事項を把握しておく
- 自分で弁護士を選べない
- 法律事務所に直接連絡をして法テラスを利用できるか確認することも可能
それぞれについて、詳しく解説します。
1.わからないことは遠慮なく質問する
法テラスを初めて利用するときは、わからないことだらけのはずです。
「こんな基本的なことを聞いたら申し訳ない」「見当違いの質問をすると呆れられるのではないか」などと不安に感じる必要はありません。
法律トラブルのこと、法律の手続きのこと、法律相談を受けるにあたって不安を感じていることなど、疑問点や懸念事項は何でも相談できるので、弁護士や法テラスのスタッフには遠慮なく質問をしてください。
2.3回ある法律相談を上手に活用する
法テラスでは、同一の内容については3回まで無料で相談できます。
そのため、法テラスの無料法律相談を受けるときには、3回分の相談時間を有効活用するのがおすすめです。
たとえば、1回目の法律相談では現状分析と手続きを進める方法や必要書類などのアドバイス、2回目は具体的な解決策・選択肢に踏み込んだアドバイス、3回目は各解決策のメリット・デメリットや今後想定される流れなど、ストーリーを作って法律相談を受けるとよいでしょう。
3.無料法律相談で相談できない内容があると理解する
法テラスの無料法律相談で対応してくれるのは、以下のような民事事件に関する相談だけです。
- 借金問題(過払金請求、自己破産、任意整理、個人再生、返済計画の作りかたなど)
- 離婚問題(不倫慰謝料、養育費、婚姻費用、面会交流、親権、財産分与など)
- 労働問題(不当解雇、ハラスメント、給与未払い、長時間残業、労災など)
- 遺産相続問題(遺言書の作成、相続放棄、遺留分侵害、遺産分割協議・調停・審判など)
- インターネットの問題(名誉毀損、誹謗中傷、ネットストーカー、発信者情報開示請求など)
- その他(個人間の金銭トラブル、契約不適合トラブル、交通事故など)
たとえば、刑事事件に関する相談には対応していないので、法テラスではなく弁護士会などに相談するとよいでしょう。
また、法テラスの無料法律相談はあくまでも経済的に困窮した個人を対象としているので、団体や法人に関する相談は受け付けてくれません。
4.自分で弁護士を選べない
法テラスを利用すると経済的負担を軽減しながら弁護士のリーガルサービスを受けられますが、相談者が弁護士を選べない点には注意が必要です。
たとえば、担当した弁護士が相談者の相談内容について詳しくなければ、踏み込んだアドバイスは期待しにくいでしょう。
もちろん、2回目、3回目の無料法律相談で担当弁護士を変更してもらうことは可能ですが、その際にも、どの弁護士がよいかの希望を出すことはできません。
5.自分で法テラス契約弁護士を探すこともできる
法テラスの無料法律相談や民事法律扶助制度を利用したい場合、法テラス事務局に問い合わせをするのが一般的です。
ただ、なかには「自分で相談する弁護士を選びたい」「相談する弁護士は人柄や実績などを調べたうえで厳選したい」という人も少なくはないでしょう。
このような希望がある場合は、自分で法テラスと提携している弁護士を見つけたうえで、無料の法律相談や民事法律扶助サービスを利用するのも選択肢のひとつです。
法テラスが公開している「契約弁護士名簿」を確認すれば、法テラスのサービスを利用できる弁護士を見つけることができます。
ただし、この方法で法テラスを利用する場合、自分で法律事務所に直接連絡をして、法律相談の予約を入れたうえで法テラスの各制度を利用したい旨を申告しなければいけません。
「いきなり法律事務所に連絡するのは抵抗感がある」という人は、法テラスに問い合わせをしたほうがスムーズでしょう。
さいごに|依頼するかどうか関係なく一度法テラスに相談してみよう
日常生活で法律問題に巻き込まれたものの、経済的な不安を抱えているなら、できるだけ早いタイミングで法テラスに相談してください。
法テラスは初めての相談者に対しても丁寧な対応をしてくれるので、自分が抱えている法律問題についても今後の見通しがわかり、精神的な負担を軽減できるでしょう。
また、法テラスではなく、自分で信頼できる弁護士を見つけたいという場合には、初回の法律相談無料などのサービスを展開している法律事務所を選ぶのがおすすめです。
1回限りの無料相談ですが、弁護士の人柄や相性をチェックし、今後依頼するかどうかの判断をするには十分でしょう。
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