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交通事故の慰謝料相場はいくら?入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料ごとに紹介

弁護士監修記事
交通事故
2026年01月19日
交通事故の慰謝料相場はいくら?入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料ごとに紹介
この記事を監修した弁護士
立花 志功弁護士 (立花志功法律事務所(事故分野))
北海道・札幌にある地域密着型の弁護士事務所。交通事故問題の実績豊富で、被害者に寄り添った丁寧な対応を心がけている。
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交通事故に遭ったとき、多くの人が気になるのが慰謝料の金額です。

ただし、慰謝料には明確な基準がなく、実際の金額はけがの程度や通院期間、後遺症の有無、さらに算定方法によっても大きく変わります。

本記事では、交通事故で発生する慰謝料を入通院・後遺障害・死亡の3つに分け、それぞれの特徴や相場をわかりやすく説明します。

あわせて、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の違いも整理し、どの基準が被害者にとって有利なのかも解説するので、ぜひ参考にしてください。

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交通事故の慰謝料相場を知る前に理解しておくべき2つの基本事項

交通事故の慰謝料を正しく理解するには、まず慰謝料の種類と算定基準を押さえておく必要があります。

これらの違いを知ることで、保険会社から提示された金額が妥当かどうかを判断しやすくなります。

1.交通事故の慰謝料には3つの種類がある

交通事故の被害者が請求できる慰謝料は、主に次の3種類に分けられます。

  • 入通院慰謝料:事故によるけがで入院・通院を余儀なくされた精神的・肉体的苦痛への補償。入通院期間や通院日数に応じて金額が決まる。
  • 後遺障害慰謝料:治療後も後遺症が残り、後遺障害等級が認定された場合に支払われる補償。等級の重さに応じて金額が変わる。
  • 死亡慰謝料:被害者が死亡したことによる精神的・肉体的苦痛に対する補償で、本人および遺族への慰謝料が含まれる。家庭内での役割や扶養家族の有無などによっても金額が異なる。

慰謝料はこのいずれか一つだけに限られるわけではありません。

たとえば、入通院後に後遺症が残り、後遺障害等級が認定された場合は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の両方を受け取れます。

2.慰謝料の算定基準にも3つの種類がある

交通事故の慰謝料額を計算する基準には、以下3つがあります。

【交通事故の慰謝料(賠償金)を算定する際の基準】

  • 自賠責基準:自賠責保険が用いる国の基準で、最低限の対人補償を目的としている。3つの基準の中で最も金額が低くなる傾向がある。
  • 任意保険基準:任意保険会社が独自に定める社内基準。自賠責基準よりは高いが、弁護士基準には及ばない。
  • 弁護士基準(裁判基準):過去の裁判例をもとに設定された基準で、被害者にとって最も高額かつ公平な金額が算定される可能性が高い。

同じ事故であっても、どの基準が適用されるかによって慰謝料額は数倍変わることを覚えておきましょう。

【けがをした場合】交通事故の入通院慰謝料の相場

交通事故でけがを負い、入院や通院を余儀なくされた場合に支払われるのが入通院慰謝料です。

入通院慰謝料は、治療期間や通院日数などをもとに算定されますが、どの基準で計算するかによって金額が大きく異なります。

ここでは、自賠責基準と弁護士基準の違いをもとに、具体的な相場を確認していきます。

1.自賠責基準の場合

自賠責基準とは、国が定めた自賠責保険(強制保険)による最低限の補償を目的とした算定基準です。

入通院慰謝料は1日あたり4,300円と定められており、次の2つの計算式のうち低い方の金額が採用されます。

  1. 4,300円 × 治療期間(日数)
  2. 4,300円 ×(入院日数+通院日数)×2

たとえば、入院なし・通院6ヵ月(180日)、実通院日数60日の場合は、それぞれ以下のように計算が可能です。

  1. 4,300円 × 180日 = 77万4,000円
  2. 4,300円 ×(60日×2)= 51万6,000円

つまり、この場合の入院慰謝料は51万6,000円となります。

2.弁護士基準の場合

弁護士基準では、過去の裁判例をもとに「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」で示されている相場に基づいて入院慰謝料を算出します。

なお、弁護士基準ではむちうちや打撲など軽症向けと、骨折や靭帯損傷などの重症向けの2つの表が使い分けられます。

【軽症の場合】
入院\通院 0月 1月 2月 3月 4月 5月 6月
0月 0 35 66 92 116 135 152
1月 19 52 83 106 128 145 160
2月 36 69 97 118 138 153 166
3月 53 83 109 128 146 159 172
4月 67 95 119 136 152 165 176
5月 79 105 127 142 158 169 180
6月 89 113 133 148 162 173 182
7月 97 119 139 152 166 175 183
8月 103 125 143 156 168 176 184
9月 109 129 147 158 169 177 185
10月 113 133 149 159 170 178 186
11月 117 135 150 160 171 179 187
12月 119 136 151 161 172 180 188
【重症の場合】
入院\通院 0月 1月 2月 3月 4月 5月 6月
0月 0 53 101 145 184 217 244
1月 28 77 122 162 199 228 252
2月 52 98 139 177 210 236 260
3月 73 115 154 188 218 244 267
4月 90 130 165 196 226 251 273
5月 105 141 173 204 233 257 278
6月 116 149 181 211 239 262 282
7月 124 157 188 217 244 266 286
8月 132 164 194 222 248 270 290
9月 139 170 199 226 252 274 292
10月 145 175 203 230 256 276 294
11月 150 179 207 234 258 278 296
12月 154 183 211 236 260 280 298

それぞれの表を用いて、自賠責保険と弁護士基準の賠償金を比較してみましょう。

通院期間 自賠責基準 弁護士基準(軽症) 弁護士基準(重症)
1ヵ月(通院10日) 8万6,000円 約19万円 約28万円
2ヵ月(通院20日) 17万2,000円 約36万円 約52万円
3ヵ月(通院30日) 25万8,000円 約53万円 約73万円
4ヵ月(通院40日) 34万4,000円 約67万円 約90万円
5ヵ月(通院50日) 43万円 約79万円 約105万円
6ヵ月(通院60日) 51万6,000円 約89万円 約116万円

このように、弁護士基準で算出した場合は、自賠責基準よりもおおむね2倍前後の金額差が生じます。

自賠責基準との差は大きいため、保険会社からの提示額に納得できない場合は、交通事故に詳しい弁護士へ相談し、弁護士基準での増額交渉をおこなうことが重要です。

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【後遺症が残った場合】交通事故の後遺障害慰謝料の相場

治療を続けてもけがが完治せず、後遺症が残ってしまった場合には「後遺障害慰謝料」を請求できます。

後遺障害慰謝料は、1級〜14級の後遺障害等級に応じて金額が決まります。

ここでは、自賠責基準と弁護士基準の違いをもとに、等級別の慰謝料目安をまとめました。

1.自賠責基準の場合

自賠責基準では、後遺障害等級に応じて定額が設定されています。

また、後遺障害が「介護を要する場合」と「介護を要さない場合」でも金額が異なります。

【介護を要する後遺障害の場合】
等級 自賠責基準
要介護1級 1,650万円(1,600万円)
要介護2級 1,203万円(1,163万円)
【介護を要さない後遺障害の場合】
等級 自賠責基準
1級 1,150万円(1,100万円)
2級 998万円(958万円)
3級 861万円(829万円)
4級 737万円(712万円)
5級 618万円(599万円)
6級 512万円(498万円)
7級 419万円(409万円)
8級 331万円(324万円)
9級 249万円(245万円)
10級 190万円(187万円)
11級 136万円(135万円)
12級 94万円(93万円)
13級 57万円
14級 32万円

たとえば、むちうちなどで後遺障害14級が認定された場合の慰謝料は32万円です。

2.弁護士基準の場合

弁護士基準によって後遺障害慰謝料を算出する場合は、以下の表が用いられます。

等級 弁護士基準
要介護1級 2,800万円
要介護2級 2,370万円
1級 2,800万円
2級 2,370万円
3級 1,990万円
4級 1,670万円
5級 1,400万円
6級 1,180万円
7級 1,000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円

弁護士基準では、後遺症が日常生活や仕事に及ぼす影響、将来的な不安・精神的苦痛まで含めて算定します。

自賠責基準よりも2倍〜3倍の金額差が出ることが多く、特に上位等級では1,000万円以上の差が生じる場合もあります。

そのため、保険会社から提示された慰謝料が低いと感じた場合は、弁護士に相談して弁護士基準での再計算・増額交渉をおこなうことが重要です。

【被害者が亡くなった場合】交通事故の死亡慰謝料の相場

交通事故で被害者が亡くなってしまった場合、遺族は「死亡慰謝料」を請求できます。

死亡慰謝料は、被害者本人が被った精神的苦痛に対する補償と、遺族が受けた精神的苦痛に対する補償を合わせたものです。

ここでは、自賠責基準と弁護士基準のそれぞれにおける算定方法と金額の目安を見ていきましょう。

1.自賠責基準の場合

自賠責基準による死亡慰謝料は、あらかじめ定められた固定額に基づいて計算されます。

被害者本人の慰謝料と遺族の慰謝料を合算し、扶養家族の有無に応じて加算される仕組みです。

家族構成 金額
本人 400万円(一律)
遺族が1人の場合 550万円
遺族が2人の場合 650万円
遺族が3人以上の場合 750万円
扶養家族がいる場合 200万円を加算

※遺族には、被害者の両親・配偶者・子が含まれます。

※自賠責基準の死亡慰謝料は、「被害者本人の死亡慰謝料」と「遺族の近親者慰謝料」を合算して支払われます。

たとえば、被害者が一家の大黒柱で、妻と子ども2人(計3人の遺族)を扶養していた場合、死亡慰謝料は以下のように計算できます。

400万円(本人)+750万円(遺族3人)+200万円(扶養加算)=1,350万円

なお、自賠責保険における死亡事故の支払限度額は3,000万円であり、この範囲内で逸失利益や葬儀費用なども補償されます。

2.弁護士基準の場合

弁護士基準では、家族構成や社会的地位、遺族の精神的苦痛の度合いなどが総合的に考慮され、個別の事情に応じて金額が決まる仕組みです。

被害者の状況 死亡慰謝料の目安
一家の支柱 2,800万円
母親・配偶者 2,500万円
独身の男女・子ども・幼児など 2,000万円〜2,500万円

 

また、加害者に飲酒運転や信号無視、無免許運転、ひき逃げなどの悪質な行為があった場合は、慰謝料が増額される傾向があります。

自賠責基準と弁護士基準の慰謝料相場を比較すると、自賠責基準では約400万〜1,350万円、弁護士基準では約2,000万〜2,800万円とされ、両者の間にはおおむね2倍以上の差が生じます。

死亡慰謝料は、被害者本人だけでなく、遺族が受けた深い悲しみや喪失感などの精神的苦痛を補うための補償です。

保険会社が提示する金額が自賠責基準に基づいている場合、実際の損害を十分に反映していない可能性があります。

そのため、示談に入る前に弁護士へ相談し、弁護士基準での算定額をもとに交渉を進めることが大切です。

さいごに|保険会社から慰謝料の提示があったら弁護士に相談を!

ここまで見てきたとおり、交通事故の慰謝料は「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」という3つの基準によって大きく金額が変わります。

保険会社から提示される慰謝料の多くは、自賠責基準や任意保険基準に基づいて計算されており、被害者が受けた精神的苦痛を十分に反映していないことが少なくありません。

提示された金額に疑問を感じた場合は、早い段階で弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に依頼すれば、過去の裁判例を踏まえた弁護士基準での正確な算定が可能になり、保険会社との示談交渉でも有利に進めることができます。

また、弁護士特約が付いている自動車保険に加入している場合は、弁護士費用を自己負担せずに依頼できるケースもあります。

慰謝料は、被害者本人や遺族が抱える精神的苦痛を金銭的に補う大切な補償です。

金額の違いが将来の生活にも影響を及ぼすことがあるため、納得できる解決を目指すためにも、専門家のサポートを受けながら適正な金額での示談をおこないましょう。

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