遺留分侵害額請求を弁護士に相談するメリット|費用相場や弁護士の選び方も解説
- 「遺留分侵害額請求は、弁護士に相談・依頼したほうがよいのか」
- 「相談するとどんなメリットがあるの?」
遺留分侵害額請求について弁護士へ相談を検討しているものの、このように悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
本記事では、遺留分侵害額請求を弁護士に相談するメリットや費用相場について解説します。
遺留分侵害額請求には「相続開始と遺留分の侵害を知ったときから1年」という時効があるため、早めに対応が求められます。
これまで弁護士へ相談することをためらっていた方も、ぜひ本記事を参考に、問題解決への第一歩を踏み出してみてください。
遺留分侵害額請求を弁護士に相談・依頼するメリット
遺留分侵害額請求について弁護士に相談・依頼するメリットは、以下のとおりです。
- 問題解決までの道筋を立ててくれる
- 書類の作成や収集といった煩雑な作業を代行してもらえる
- 相続財産の調査を任せることも可能
- 正確な遺留分侵害額を計算してもらえる
- 相手との交渉を全て任せられる
- 調停や訴訟に発展しても対応を任せられる
- 自分にとってより有利な解決を目指せる
- 時効完成を阻止できる
- 【請求を受ける側】遺留分を侵害しているか適切にアドバイスしてもらえる
ここからは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
問題解決までの道筋を立ててくれる
遺留分の請求を検討していても、専門知識がなければ何をどうすればよいかわからず問題解決までの道筋が見えません。
また、インターネットで検索しても、その方法が自分の状況に合っているとは限りません。
その点、遺留分侵害額請求について弁護士に相談・依頼すれば、状況や事情を細かくヒアリングしたうえで、あなたに合った方法で解決までの道筋を示してくれます。
手探りで手続きを進めるストレスや不安が大きく軽減され、最後まで安心して対応を任せられるでしょう。
書類の作成や収集といった煩雑な作業を代行してもらえる
弁護士に依頼すれば、遺留分を請求する際の内容証明郵便、調停・訴訟に必要な書類の作成を代行してもらえます。
また、調停や訴訟では戸籍や不動産登記事項証明書、固定資産評価証明書といった遺産に関する証明書を取得する必要がありますが、そういった証明書関係の収集も依頼可能です。
遺留分の請求に慣れている人でない限り、煩雑な書類の作成や膨大な証明書の収集には時間や労力がかかります。
自分で作成・収集できたとしても、ミスや書類不備によって手続きが滞ったり、生活や仕事に支障が出てしまったりする場合もあるでしょう。
その点、相続問題や遺留分の請求に精通している弁護士に依頼することで、手続きをミスなくスムーズに進めてもらえます。
相続財産の調査を任せることも可能
弁護士に依頼すると、法務局や市区町村役場、金融機関などでの財産調査も一任できます。
遺留分侵害額請求をおこなう際には、まず遺留分侵害額を計算するため全ての遺産を把握しなければなりません。
財産調査は自分でもおこなえますが、漏れがあったり家族間で情報が共有されなかったりして遺産総額を把握できない場合があります。
その点、弁護士であれば職権で漏れなく財産を調査できるため、自分で調査をおこなう自信がない場合や協力的でない相続人がいるケースでも心配いりません。
正確な遺留分侵害額を計算してもらえる
正確な遺留分侵害額を計算してもらえる点も、弁護士に依頼するメリットです。
遺留分侵害額を把握するには、複雑な計算を伴います。
特に以下のようなケースは遺留分侵害額の計算が難しく、正しい金額を算出できない可能性があります。
- 生前贈与があった
- 相続財産の中に不動産や同族株式がある
- 複数の相続人への遺贈があった
- 相続債務(借金など)がある
例えば生前贈与や遺贈があったことを見落とすと、請求できる金額が本来より減ってしまうおそれがあります。
また、不動産や同族株式があると、評価方法次第では金額が大きく左右されてしまいます。
これらのことを考慮しながら正しい遺留分侵害額を計算するのは難しいので、弁護士の力を頼るべきでしょう。
相手との交渉を全て任せられる
弁護士には相手との交渉を全て任せられるため、依頼後は直接相手と交渉する必要がありません。
遺留分は繊細な問題のため、当事者だけで話し合うと感情的になり、関係がこじれたり大きなトラブルに発展したりするおそれがあります。
しかし、弁護士が間に入ることで相手が冷静に対応してくれやすくなるでしょう。
また、請求を無視・拒否されることや、合意できずに調停や訴訟へ発展するリスクも下げられます。
依頼者にとっては「お金の話をしたくない」というストレスを感じずに済む点も大きなメリットといえるでしょう。
調停や訴訟に発展しても対応を任せられる
遺留分侵害額請求に相手が応じず、調停や訴訟に発展した場合でも、弁護士に依頼していればそのまま対応してもらえます。
調停や訴訟は自分でも対応できるものの、書類や主張を立証するための準備には専門知識が求められるため、自力で臨むにはハードルが高いでしょう。
その点、弁護士に依頼すれば専門的な手続きを全て任せられるほか、調停への同席や訴訟への代理出頭にも対応してもらえます。
証人尋問や和解協議がおこなわれる場合など、本人が呼ばれるケースや出席するのが望ましいこともありますが、基本的には弁護士が代理人として出廷し、裁判所での対応をおこなってくれるので、依頼者は弁護士からの報告・連絡を待つだけでOKです。
自分にとってより有利な解決を目指せる
自分で遺留分侵害額請求をする場合、相手からの不利な条件を飲んでしまうおそれがあります。
しかし、弁護士が関わっていれば相手の要求や反論に適切に対応でき、有利な条件で合意できる可能性が高まります。
また、相手も弁護士相手にそれほど無茶な要求はしないはずです。
そのため、本来受け取れるはずの遺留分をスムーズに確保しやすくなるでしょう。
時効完成を阻止できる
遺留分侵害額請求の時効は、相続が開始したことと贈与や遺贈によって遺留分を侵害されていることを知ったときから1年間です。
相続の発生や遺留分の侵害について知らなかった場合でも、被相続人の死後10年で遺留分侵害額請求権は消滅します。
1年という期間は長いようにも思えますが、相手に請求を無視されたりもめたりしていると、あっという間に期限が過ぎてしまいます。
そのため、早い段階で弁護士に相談し、早期解決もしくは時効成立を阻止するための対応をしてもらう必要があるでしょう。
なお、1年の消滅時効は、相手が時効を援用してはじめて効力が発生するため、相手が援用しない限りは期限を過ぎていても請求が可能です。
しかし、被相続人の死亡から10年の「除斥期間」については、相手が援用していなくても時効が完成し、その後は請求が一切できなくなります。
【請求を受ける側】遺留分を侵害しているか適切にアドバイスしてもらえる
弁護士への相談は、遺留分の請求を受けている方にもおすすめです。
弁護士に相談・依頼すれば、あなたが本当に遺留分を侵害しているかどうかを確認してもらえます。
もし遺留分を侵害していないなら、相手の要求に応じる必要はありません。
弁護士から相手にその旨を伝えてもらえば、多くの場合はスムーズに解決できます。
また、遺留分を侵害しているケースでも、支払うべき金額や合意方法などを具体的にアドバイスしてくれるため、誤った判断や無用なトラブルを避けられるでしょう。
遺留分侵害額請求について相談する弁護士の探し方
遺留分侵害額請求について相談する弁護士は、以下の方法で探せます。
- 【おすすめ】ベンナビ相続を利用する
- Googleなどの検索エンジンで探す
- 家族や友人に紹介してもらう
- 弁護士会で紹介してもらう
ここからは、それぞれの方法について解説します。
【おすすめ】ベンナビ相続を利用する
遺留分侵害額請求について相談する弁護士を探す際におすすめなのは、ベンナビ相続を利用することです。
ベンナビ相続とは、相続問題を得意としている弁護士だけが掲載されているポータルサイトです。
相続問題を扱っていない弁護士は登録されておらず、「相談したい内容を検索」の中に「遺留分」という項目があるため、あとは地域を選択すればピンポイントで弁護士を探せます。
また、初回相談無料や休日の相談可能など、さらに細かい条件で絞り込めば自分に合った弁護士と出会えるでしょう。
Googleなどの検索エンジンで探す
遺留分侵害額請求について相談する弁護士は、Googleなどの検索エンジンで探すのもよいでしょう。
「相続 弁護士 地域名」や「遺留分 弁護士 地域名」などで検索すれば、相続や遺留分の問題に対応してくれる法律事務所が出てきます。
事務所のホームページで実績や費用、サービス内容などを直接確認できるのもメリットです。
ただし情報が多すぎて、結局どこの事務所に依頼すればよいか迷うことも少なくありません。
そのほか、検索上位に表示されていれば実力や信頼性が高いとは限らず、事務所のホームページには良い口コミしか掲載されていないこともある点に注意が必要です。
家族や友人に紹介してもらう
家族や友人の中に弁護士と知り合いの人がいる場合は、紹介してもらうのもひとつの方法です。
一から自分で探す手間や時間を省けるため、依頼までスムーズに進められます。
また、家族や友人からの紹介であれば、おかしな弁護士に当たる可能性は低いでしょう。
ただし、知り合いに弁護士がいる人は少なく、いたとしてもその弁護士が遺留分の請求を得意としているかはわかりません。
さらに相性が合う・合わないの問題もあるため、家族や友人にとっては「良い弁護士」でも、自分にとってはそうでない場合もあることを理解しておく必要があります。
弁護士会で紹介してもらう
弁護士は、弁護士会で紹介してもらうことも可能です。
弁護士会とは、全ての弁護士が所属している公的な団体のことで、所属する弁護士への指導・監督のほか、法律相談や弁護士の紹介といったサービスをおこなっています。
公的な団体からの紹介であるため信頼性が高く、一から自分で探す必要がない点はメリットですが、希望する分野を得意とする弁護士を紹介してもらえるとは限らない点に注意が必要です。
【参考】全国の弁護士会・弁護士会連合会
遺留分侵害額請求について相談する弁護士を選ぶポイント
遺留分侵害額請求について相談する弁護士を選ぶ際は、以下のポイントを重視しましょう。
- 相続問題の対応実績が豊富か
- 費用倒れにならないか
- 相談者にとって不利なポイントも隠さず話してくれるか
- 相談者個別の状況に応じた解決方法をアドバイスしてくれるか
- 相性がよいと感じるか
- わかりやすく丁寧に説明してくれるか
- 事務所へのアクセスがよいか
遺留分侵害額請求はそれぞれの事情によって適した対応が異なるため、経験があり信頼できる弁護士を見つけることが納得できる解決につながります。
詳しくは、以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
【関連記事】相続問題を相談・依頼する弁護士の選び方|信頼できる専門家を見極める12のポイント
遺留分侵害額請求を相談・依頼する弁護士費用の相場は?
遺留分侵害額請求について弁護士に相談・依頼する場合、主に以下のような費用がかかります。
| 項目 | 概要 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 相談料 | 弁護士に法律相談をする際にかかる費用 ※依頼する前に弁護士へ案件の相談を するのが一般的 |
0円~20,000円/30分 |
| 着手金 | 弁護士に依頼をする際にかかる初期費用 ※事案が不成功でも返金されない |
10万円~80万円程度 ※事案によって異なる ※相手との話し合いまでですめば費用は抑えられるが調停・訴訟へすすむごとに加算される |
| 報酬金 | 事案の終了時にかかる成功報酬 ※事案が不成功だった場合は不要 |
取得(減額)できた遺留分の4%~27%程度 |
| 日当・実費 | 日当は弁護士が法律事務所を出て裁判手続きなどで出張した場合にかかる費用。実費は事案の処理にあたって実際にかかる郵送費・交通費・裁判費用など。 | 事案によって異なる ※日当の相場は3万円~10万円程度/日 そもそも日当がかかるか否かなど法律事務所により異なる ※事務手数料の相場は2万円~4万円程度 事務手数料はかからないこともある |
分割払いや後払いに対応している事務所もありますが、基本的には着手金の入金が確認できてはじめて業務がスタートします。
また、報酬金は希望通りの解決に至らなかった場合は請求されませんが、「依頼が成功したかどうか」の基準は事務所によって異なる点に注意が必要です。
そのため、費用については相談の時点で確認し、疑問点は依頼前に解消しておきましょう。
できるだけ安い費用で遺留分侵害額請求を依頼できる弁護士を選ぶには?
遺留分の請求でできるだけ弁護士費用を抑えたいなら、以下のポイントに注意して選ぶとよいでしょう。
- 無料相談に対応した法律事務所の弁護士を選ぶ
- できる限り早い段階で弁護士に相談する
- 費用の支払いに不安があれば着手金無料や分割払いに対応する法律事務所を選ぶ
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
無料相談に対応した法律事務所の弁護士を選ぶ
無料相談を実施している法律事務所を選べば、費用の心配をせず悩みを打ち明けられます。
また、気軽に複数の事務所を比較でき、「合わない」と思ったら依頼を見送ればよいため、費用を無駄にせずに済むでしょう。
無料相談の際には金額だけでなく費用が発生するタイミングや支払い方法なども確認し、納得したうえで依頼することが重要です。
できる限り早い段階で弁護士に相談する
費用を抑えたいなら、できる限り早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
早い段階から弁護士に動いてもらうことで、事態が深刻化する前に解決できる可能性が高まるためです。
反対に、無理に自力で解決しようとすると、相手との関係がこじれてしまい調停や訴訟以外に方法がなくなってしまうおそれがあります。
例えば、内容証明郵便だけで解決できれば数万円で済むのが一般的ですが、調停や訴訟に移行した場合、遺留分の請求額によっては100万円以上かかる場合もあります。
そのため、遺留分侵害額請求に関する悩みが生じた時点で、弁護士への相談を検討しましょう。
費用の支払いに不安があれば着手金無料や分割払いに対応する法律事務所を選ぶ
弁護士費用の支払いに不安があるなら、着手金無料あるいは分割払いに対応できる事務所を選ぶのがポイントです。
着手金は依頼時に支払いが発生するケースが多く、金額によっては一括での支払いが難しいこともあるでしょう。
その点、分割払いなら解決までの期間に合わせて計画的な支払いが可能です。
分割払いについては事務所のホームページに記載されていることもありますが、記載がない場合でも、相談時に希望を伝えれば柔軟に対応してくれることもあります。
ただし事務所ごとに条件や支払い回数は異なるため、詳細は必ず事務所に確認しましょう。
また、着手金が無料の事務所は、その分報酬金が割高になっている可能性があります。
「着手金無料」というだけで飛び付かず、トータルでの金額を考えることも重要です。
遺留分侵害額請求を弁護士に相談・依頼するにあたってよくある質問
ここからは、遺留分侵害額請求を弁護士に相談・依頼するにあたってよくある質問を紹介します。
遺留分侵害額請求の弁護士費用は誰が払うの?相手に請求できる?
遺留分侵害額請求の弁護士費用は、依頼者本人が支払います。
例えば次男が長男に遺留分を請求し、それぞれが弁護士に依頼した場合は、長男も次男も自分の依頼に対してかかった費用を負担します。
もし相手に非があるときでも、自分が負担すべき分を相手に請求することはできません。
遺留分侵害額請求は弁護士なしでできる?自分ですると失敗する?
遺留分侵害額請求は、弁護士に依頼せず自分で対応することも可能です。
ただし制度が複雑であるため、専門知識や経験がなければ難しいでしょう。
専門知識や経験のない方が自分で対応すると、侵害額の計算や相手との交渉で失敗する可能性があります。
そのため、費用はかかっても弁護士への相談・依頼がおすすめです。
費用面で不安があるなら、まずは弁護士の無料相談を受け、支払い方法について相談しましょう。
事務所によっては、分割払いや後払いに応じてくれることもあります。
さいごに|遺留分侵害額請求についてはなるべく早く弁護士に相談を!
本記事では、遺留分侵害額請求を弁護士に相談・依頼するメリットや費用相場について解説しました。
遺留分侵害額請求を弁護士に相談・依頼すると、問題解決までの道筋を立ててくれたり書類作成や収集などの煩雑な作業を代行したりしてもらえます。
また、請求を受ける側も、本当に遺留分を侵害しているかを確認してもらえるほか、請求を受けたときの対処法もアドバイスしてもらえるでしょう。
遺留分侵害額請求では、早期の相談が解決までにかかる時間や費用の負担軽減に直結します。
請求権には時効もあるため、相談を後回しにせず、できる限り早めに弁護士探しを始めることが重要です。
