公証役場の無料相談のポイント|大まかな流れや事前準備のポイントなどを理解しよう
相続や離婚などに関する重要な書類を作成するために、公証役場の利用を検討している人も多いのではないでしょうか。
各地の公証役場が提供している無料相談は、公正証書の作成に関する疑問を解決するための大きな助けになります。
ただ、いざ利用しようと思っても「どんな流れで進むのか」「何を準備していけばよいのか」といった不安を抱える人も多いはずです。
そこで本記事では、公証役場の無料相談を活用する際の大まかな流れや事前準備のポイント、注意点について詳しく解説します。
無料相談の仕組みを正しく理解しておけば、時間を無駄にすることなくスムーズに相談を進められるはずです。
公証人との無料相談を受けられる2つのケース
公証人とは、遺言や契約書の公正証書作成などに携わり、法律上の重要な手続きをサポートする専門家です。
公証人は国の公務である公証作用を担う実質的な公務員であり、公証人への相談は原則として無料で利用できます。
ここでは、公証人に無料相談できる代表的なケースを2つ解説します。
1.公証役場にて随時無料相談を実施している
公証役場では、一般市民が法律的な不安や疑問を気軽に相談できるよう、無料相談を実施しています。
公証人が直接相談に応じてくれるので、公正証書作成に関する不安を抱えている方にとっては心強いでしょう。
ただし、公証人に相談できる内容はあくまで公正証書作成に関する内容に限られます。
たとえば、「親族間のトラブルを防ぐためにはどのような遺言を残したらよいか」といった法律相談はできないため注意しましょう。
なお、相談は電話やメールで受け付けているケースが多いため、各公証役場のWebサイトや電話で確認すると安心です。
2.役所などで相談会を実施している場合もある
公証人への相談は、自治体や地域団体と連携して役所などで実施されるケースもあります。
市区町村の広報誌や公式Webサイトで告知されることが多く、相続や成年後見制度に関する市民向け相談会はとくに人気があります。
この相談会は、普段公証役場に行くのが難しい高齢者や多忙な人でも利用しやすいのが利点です。
費用をかけずに専門的なアドバイスを得られる貴重な機会なので、開催情報をチェックし、必要な書類を持参して相談会に参加しましょう。
公証役場の無料相談を利用する際の大まかな流れ
ここでは、実際に公証役場の無料相談を利用する際の大まかな流れを3つのステップに分けて解説します。
- 最寄りの公証役場を探す
- 窓口に問い合わせて予約を取る
- 公証役場に行って公証人と相談する
それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。
1.最寄りの公証役場を探す
まずは、日本公証人連合会の公式Webサイトを参考に、自宅や職場からアクセスしやすい公証役場を探しましょう。
遺言や契約に関する相談は、必要書類を持参して出向くことが多いため、交通の便を考えて最寄りの役場を選ぶのが効率的です。
公証役場によっては無料相談を随時おこなっている場合と、予約が必要な場合があるため、事前に確認しておきましょう。
2.窓口に問い合わせて予約を取る
次に、相談したい公証役場へ電話やメールで問い合わせましょう。
無料相談を希望する旨を伝えれば、予約の要否や持参すべき資料について案内してもらえます。
たとえば、遺言書作成に関する相談の場合は戸籍謄本や財産の一覧、契約に関する相談の場合は契約書の下書きなどが求められることがあります。
予約制の役場では、相談日までに必要な書類を整理して準備しておくことで、当日の相談をより有意義に進められるでしょう。
3.公証役場に行って公証人と相談する
予約が完了したら、当日は指定された時間に役場を訪れ、公証人と面談形式で相談をおこないます。
相談自体は無料ですが、その後に実際の公正証書作成に進む場合は費用が発生する点には注意が必要です。
無料相談は、まず方向性を確認し、自分のケースに合う解決方法を整理する場として活用するとよいでしょう。
また、公証人では解決できない悩みがある場合は、弁護士や司法書士など、どの専門家に相談するべきかなどのアドバイスがもらえる可能性もあります。
公証役場の無料相談を利用する際の3つのポイント
公証役場での無料相談を有効活用するには、事前準備や当日の対応が重要です。
ここでは、公証役場の無料相談を有効活用するための具体的なポイントを解説します。
1.事前に相談したい内容をまとめておく
無料相談は限られた時間でおこなわれるため、効率よく疑問を解消するには、あらかじめ相談内容を整理しておくことが大切です。
たとえば、「遺言書を作成したいが自筆と公正証書の違いは?」や「事業承継で契約書を公正証書にすべきか?」といった具体的な質問を書き出しておくと、短時間でも要点を押さえたアドバイスを受けやすくなります。
家族構成や財産の概要といった背景事情も簡潔にメモしておくと、公証人が状況をすぐに把握できるため、より的確な助言につながるでしょう。
2.関連する証拠・資料は全て持参する
相談の際は、相談内容に関連する資料をできるだけ持参すると、公証人からより具体的な回答が得やすくなります。
たとえば、遺言に関する相談であれば、不動産の登記簿謄本や預金通帳のコピーを準備するとよいでしょう。
自分が直面している問題や背景事情に関する資料を用意すれば、公証人も少ない時間でより正確に状況を把握できるため、有意義な相談となるはずです。
3.弁護士などからアドバイスを受ける
公証役場の無料相談は有益ですが、公証人はあくまで書面作成の専門家であり、「どうするべきか」といった助言は受けられません。
また、当事者の代理人として交渉や紛争解決を担ったりしてくれるわけではない点にも注意しましょう。
そのため、法的リスクを深く検討する必要がある場合や、相続人間の対立・契約トラブルが絡む場合は、弁護士への相談を併用するのが望ましいです。
公証人には公正証書に関する基本的な枠組みを教えてもらい、あわせて弁護士に実務的な戦略を相談することで、より安心して手続きを進められるでしょう。
公証役場の無料相談を利用するにあたっての注意点
公証役場の無料相談には制限や注意点があり、誤解して利用すると「思っていたのと違った」というトラブルになりかねません。
ここでは、公証役場の無料相談を活用する際に押さえておくべき4つの注意点を解説します。
1.実際に書類を作成する際は手数料がかかる
無料相談では、公証人から公正証書作成の流れや必要書類、注意点を教えてもらえます。
ただし、実際に契約書や遺言書などの公正証書を作成する際には必ず手数料が発生します。
たとえば遺言公正証書の場合、遺言の目的となる財産の額に応じて以下のような手数料が必要なことを覚えておきましょう。
| 遺言の目的となる財産の金額 | 手数料 |
|---|---|
| 100万円以下 | 5,000円 |
| 100万円を超え200万円以下 | 7,000円 |
| 200万円を超え500万円以下 | 11,000円 |
| 500万円を超え1,000万円以下 | 17,000円 |
| 1,000万円を超え3,000万円以下 | 23,000円 |
| 3,000万円を超え5,000万円以下 | 29,000円 |
| 5,000万円を超え1億円以下 | 43,000円 |
| 1億円を超え3億円以下 | 4万3,000円に超過額5,000万円までごとに1万3,000円を加算した額 |
| 3億円を超え10億円以下 | 9万5,000円に超過額5,000万円までごとに1万1,000円を加算した額 |
| 10億円を超える場合 | 24万9,000円に超過額5,000万円までごとに8,000円を加算した額 |
さらに、遺言公正証書は法律に基づいて公証役場で保管される原本と、遺言者に交付される正本と謄本の発行が必要となり、それぞれに発行手数料がかかります。
相談の際には作成時にかかる費用についても確認しておくと安心です。
2.原則として相談時間は平日日中に限られる
公証役場の相談対応は、基本的に平日の営業時間内に限られます。
土日祝日や夜間は対応していない場合がほとんどなので、仕事の都合で時間が取れない人にとっては利用しづらいと感じるでしょう。
相談を希望する場合は事前にスケジュールを調整し、必要な書類や質問内容を整理してから電話または訪問などで相談するのがおすすめです。
3.法律相談に対応してもらうことはできない
公証人の役割は「公正証書の作成」に限られており、弁護士のように法律相談全般をおこなうことはできません。
そのため、トラブルの解決策や法的な見解を求めることはできず、あくまで書類作成やその手続きに関する助言にとどまります。
相続や離婚などの法的な争いを含む複雑な問題を相談したい場合には、公証人ではなく弁護士に相談しましょう。
4.飛び込みでの相談を受け付けていない地域もある
公証役場によっては、完全予約制を採用しており、飛び込みでの相談を受け付けていない場合があります。
相談に行く前に必ず電話やメールで受付状況を確認し、必要に応じて予約を取ってから訪問しましょう。
さいごに|公正証書の作成などが必要な場合は公証役場に相談しよう
本記事では、公証役場の無料相談の流れやポイント、注意点などについて詳しく解説しました。
各地の公証役場では、遺言書や任意後見契約、金銭消費貸借契約などの公正証書の作成についての相談を無料で受け付けています。
無料相談では一般的なアドバイスや方向性を得ることができますが、実際に契約書や遺言書を作成する際には有料の手続きが必要となるので注意しましょう。
相続や契約などで、公正証書を作成すべきか不安がある場合は、まずは無料相談を活用し、その後は公証役場で本格的なサポートを受けるのがおすすめです。
また、公証役場での相談はあくまで公正証書の作成に関する内容に限られるため、「遺産分割協議をどのように進めるべきか」といった法律一般に関する悩みがある場合は弁護士への相談もあわせて検討しましょう。









