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離婚慰謝料を受け取って税金(贈与税)はかかる?注意すべきケースとおすすめの対処法

弁護士監修記事
離婚トラブル 慰謝料
2026年03月02日
離婚慰謝料を受け取って税金(贈与税)はかかる?注意すべきケースとおすすめの対処法
この記事を監修した弁護士
川越 悠平弁護士 (東京桜の森法律事務所)
依頼者様のお気持ちを尊重し、一人ひとりに適したサポートを提供しています。離婚自体を争う事件や財産分与などを争う事件はもちろん、親権や面会交流、養育費などお子さんの関わる事件にも注力しています。
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  • 「離婚時に受け取った慰謝料って、税金はかかるの?」
  • 「贈与税の対象になるケースもあるって本当?」

このような不安を抱えている方は少なくないのではないでしょうか。

結論から言うと、離婚慰謝料は原則として贈与税の対象にはなりません

しかし、金額や支払いの名目、財産分与との区別が曖昧な場合など、条件次第では課税対象と判断されるケースもあります。

誤った認識のまま受け取ってしまうと、あとから税務署から指摘を受けるリスクも否定できません。

そこで本記事では、離婚慰謝料と税金の基本的な考え方をはじめ、贈与税がかかる可能性がある具体的なケース、トラブルを防ぐために注意すべきポイント、万が一課税が疑われた場合の対処法までをわかりやすく解説します。

離婚時に税務面で後悔しないためにも、ぜひ最後まで参考にしてください。

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原則として離婚慰謝料を受け取っても税金はかからない

離婚の際に相手から受け取るお金には、大きく分けて「慰謝料」と「財産分与」の2種類がありますが、どちらも基本的には税金はかかりません。

慰謝料とは、不倫や暴力(DV)など、相手のせいで受けた心の痛みに対する損害賠償金です。

所得税法では、心や体に受けた損害を埋め合わせるためのお金には税金をかけないという決まりがあります。

わかりやすくいえば、慰謝料は儲けではありません。被害を受けてマイナスになった心の状態を、お金で「ゼロ」に戻すためのものだと考えられています。

利益を得ているわけではないため、そこに税金をかけるのはおかしいという考え方が基本にあるのです。

また、財産分与とは結婚している期間に夫婦で協力して貯めた財産を、離婚時に分けることをいいます。

法律や税金の考え方では、これは相手から何かをもらうのではなく、もともと自分のものであった持ち分を返してもらうことだとみなされます。

自分のお金を自分の財布に戻すだけですから、そこに税金がかかることはありません。

ちなみに、子どものために受け取る養育費も、生活や教育に必要な範囲であれば税金はかかりません。

これは親として扶養義務を果たすためのお金だからです。

このように、離婚に関するお金のやり取りは、基本的には非課税です。

しかし、特定のケースでは、税務署から「これは税金を払うべきだ」と判断されてしまうことがあります。

ここからは、離婚慰謝料に対して税金がかかるケースについて詳しく見ていきましょう。

離婚慰謝料に税金(贈与税)がかかる可能性があるケース

原則として税金はかかりませんが、例外的に「贈与税」などの税金が発生してしまうケースがあります

これは主に、離婚を利用した税金逃れを防ぐためのルールが関係しています。

具体的にどのような場合に税金がかかるのか、3つの注意すべきパターンを見ていきましょう。

1.相場以上の慰謝料を受け取った場合

離婚慰謝料に税金がかかる可能性がある1つ目のパターンは、受け取った金額が世間一般の常識と比べてあまりにも高すぎる場合です。

離婚の慰謝料にはある程度の相場があり、通常は高くても300万円程度が上限となることが多いです。

そのような状況の中、たとえば一般的なサラリーマン家庭の離婚で、慰謝料として1億円が支払われたとします。

この場合、税務署は次のように考えます。

「本来の慰謝料は300万円程度のはずだ。残りの9,700万円は、慰謝料という名前を使っているけれど、実質的にはただのプレゼントだろう」

この場合、相場を超える部分に対して、高額な贈与税がかかってしまう可能性があります。

もちろん、相手の資産状況や事情によっては慰謝料が相場より高くなることもありますが、「もらえるならもらえるだけもらおう」と極端な金額を設定すると、あとで税金の問題が発生する可能性がある点に注意しましょう。

2.慰謝料として不動産を受け取った場合

離婚慰謝料に税金がかかる2つ目のパターンは、慰謝料として現金ではなく自宅(不動産)を受け取る場合です。

この場合、不動産という経済的な価値を受け取ったとして、「不動産取得税」という税金がかかる可能性があります。

一方で、財産分与として不動産を受け取った場合、原則として不動産取得税はかかりません。

なぜなら、財産分与は自分の持ち分を返してもらうだけという考え方に基づいているからです。

つまり、受け取るものは同じ家であっても、書類上の名目が「慰謝料」か「財産分与」かによって、数万円から数十万円の税金の差が出ることがあるのです。

これは知らないと損をしてしまう典型的なケースといえます。

なお、不動産を渡す側(元夫など)には、不動産が値上がりしていると譲渡所得税という別の税金がかかることがあります。

相手が税金で資金不足になり、約束したお金が払えなくなるトラブルを避けるためにも、不動産のやり取りがある場合は慎重な確認が必要です。

3.不法行為がないのに慰謝料を受け取っている場合

離婚慰謝料に税金がかかる3つ目のパターンは、いわゆる「偽装離婚」とみなされるケースです。

贈与税や相続税を逃れるために、形式的に離婚届を出して財産を相手に移し、実際にはその後も夫婦のように一緒に暮らしているような場合です。

税務署の調査能力は非常に高く、同居の継続や生活費の共有状況などから、実質的には離婚していないと判断されることがあります。

もし偽装離婚だと認定されると、離婚そのものが税金対策のための嘘だったとされ、受け取った財産の全額が贈与とみなされます

さらに、悪質な隠蔽があったとして、「重加算税」という非常に重いペナルティ(税率35%~40%)が上乗せされるリスクもあります。

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離婚慰謝料に税金をかけられないようにする2つの対処法

ここまで、離婚慰謝料に税金がかかってしまうケースを紹介しました。

しかし、正当な理由で離婚し、適切な手続きを踏めば、過度に税金の心配をする必要はありません。

ここでは、税金トラブルを避けるためにやっておきたい2つの対処法を紹介します。

1.離婚協議書を作成しておく

離婚慰謝料への課税を避けるうえで大切なのは、「離婚協議書」をしっかりと作成し、証拠を残しておくことです。

口約束だけでお金のやり取りをしてしまうと、あとから税務署にお金の流れを指摘されたとき、「これは慰謝料です」「財産分与です」と証明することが難しくなります。

単なる個人間の贈与だと疑われないためにも、書面は必須です。

離婚協議書には以下の内容を具体的に記載しておくと、税務署に対する強力な証明になります。

  • 離婚に至った理由(不貞行為やDVの内容など)
  • 慰謝料の金額とその根拠
  • 財産分与の対象となる財産と分け方

とくに慰謝料が高額になる場合は、なぜその金額なのか(相手の責任がどれほど重いか)が客観的にわかるように書いておくことが、贈与ではないと主張するためのポイントになります。

できれば、公的な証明力が高い「公正証書」にしておくことをおすすめします。

【関連記事】【サンプル付】離婚協議書の書き方とは?記載すべき内容や公正証書にする方法も解説

2.離婚問題が得意な弁護士に相談しておく

離婚慰謝料の税金でトラブルにならないためには、事前に弁護士へ相談しておくのもおすすめです。

離婚とお金、そして税金の問題は非常に複雑です。

民法や所得税法、地方税法など、さまざまな法律が絡み合っています。

自分たちだけで判断して、節税のために離婚前に家の名義を変えておこうなどと安易に行動すると、かえって配偶者への贈与とみなされ、控除が使えずに数百万円単位の損をしてしまうこともあります。

そのため、以下のケースに当てはまる場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

  • 慰謝料や財産分与の額が数千万円以上と高額になる場合
  • 自宅や株式など、現金以外の資産を受け取る場合
  • 相手が会社経営者などで、財産関係が複雑な場合

離婚問題に注力している弁護士であれば、法律の知識だけでなく、税金のリスクについても考慮したアドバイスをしてくれます

また、必要に応じて税理士と連携し、手取りを最大化するための計画を提案してくれるでしょう。

もし離婚慰謝料が贈与税の対象になっていた場合はどうなる?

さいごに、受け取った離婚慰謝料が「贈与」とみなされてしまった場合に、どのようなことが起きるのかを知っておきましょう。

1.税務署からお尋ねがある

離婚して大きなお金が入ると、家を買ったり、高い買い物をしたりすることもあるでしょう。

税務署は、不動産の登記情報などをチェックしており、「この人は収入に見合わない買い物をしているが、資金はどこから出たのか?」と疑問を持つことがあります

すると、税務署から「お尋ね」という文書が届いたり、税務調査が入ったりすることがあります。

ここで、「離婚の慰謝料です」と答えても、金額が相場より極端に高かったり、離婚協議書などの証拠がなかったりすると、納得してもらえない可能性があります。

2.贈与税の申告が必要になる

税務署から「これは慰謝料の範囲を超えているので、差額は贈与になります」と認定された場合、贈与税の申告が必要になります。

贈与税は、基礎控除として年間110万円までは非課税ですが、それを超える部分には税金がかかります。

贈与税の税率は、ほかの税金と比べても非常に高く設定されています。

受け取った金額によっては、半分近くを税金として納めなければならないこともあります。

3.ペナルティが科されてしまう

贈与について「バレないだろう」と思って申告をしていなかったり、偽装工作をしていたりしたことが発覚すると、本来払うべき税金に加えて、重いペナルティが科されます

  • 無申告加算税:申告していなかったことに対する罰金(税額の15%~30%)
  • 重加算税:悪質な隠蔽があった場合の重い罰金(原則35%/無申告に代わる場合は40%)
  • 延滞税:税金を納めるのが遅れたことに対する利息(年2.4%~8.7%など)

これらを合計すると、受け取った財産の大半を失ってしまうことにもなりかねません。

「知らなかった」では済まされないのが税金の世界です。

だからこそ、最初から「適正な金額」で「正しい名目」の書類を作成しておくことが何よりも大切なのです。

さいごに|原則、離婚慰謝料には税金がかからないので安心しよう!

本記事では、離婚慰謝料に税金がかかるケースについて解説しました。

しかし、基本に立ち返れば、通常の離婚で適正な慰謝料や財産分与を受け取る限り、税金の心配をする必要はほとんどありません。

大切なのは、以下の3点を守ることです。

  • 「慰謝料」や「財産分与」の金額を、常識的な範囲(相場)で決めること
  • 特に不動産を受け取る場合は、「財産分与」という名目を正しく使うこと
  • 合意した内容を、必ず「離婚協議書(できれば公正証書)」として残すこと

もし、「相手が高額な支払いを申し出ているけれど大丈夫か?」「不動産をもらう手続きがよくわからない」といった不安がある場合は、ひとりで悩まずに弁護士に相談してみてください

解決実績豊富な弁護士の知恵を借りることで、無用な税金トラブルを避け、正当な権利としての財産をしっかりと守ることができます。

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