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不貞行為の証拠にLINEは有効か?慰謝料請求のポイントも解説

弁護士監修記事
離婚トラブル
2023年02月17日
2024年04月08日
不貞行為の証拠にLINEは有効か?慰謝料請求のポイントも解説
この記事を監修した弁護士
原 千広弁護士 (日暮里中央法律会計事務所)
東京大学法科大学院修了。東京弁護士会所属。離婚・相続等の家族案件から労働・国際案件まで幅広く携わり、Yahoo!ニュース等の記事監修も手がける。(※本コラムにおける、法理論に関する部分のみを監修)
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「配偶者の不貞行為を裏付ける有力な証拠は得られてはいないが、不倫相手とLINEで連絡を取っているのでは」と疑う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、不貞行為の証拠に当てはまるLINEでのメッセージ内容LINEを不貞行為の証拠にする際のポイントを解説します。

LINEのメッセージから不倫が発覚し慰謝料の請求や離婚に発展するケースもありますので、配偶者に不倫の疑いがある場合、以下を踏まえて配偶者の行動を見ていくと、不倫の決定的な証拠が得られるかもしれません。

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不貞行為の証拠になるLINEメッセージとは?

LINEメッセージの中でも、不貞行為の証拠にできるものとできないものがあります。

事前に不貞行為の証拠として認められやすいものを把握しておきましょう。

この項目では、不貞行為の証拠として認められるLINEメッセージについて解説します。

性的関係・性行為を示すやり取りや画像

まず、不貞行為の証明には、配偶者と不倫相手との肉体関係の存在を証明する必要があります。

性的関係や性行為を示すやり取りや画像は、肉体関係の有無を明確にできるため不貞行為の証拠になり得ます。

性行為中や性行為前後の画像は、配偶者も言い逃れができません。

また、性行為の感想を言い合うようなやり取りも不貞行為をおこなったと推認できるため、不貞行為の証拠に有効です。

しかし、LINEメッセージの場合、曖昧な表現での性行為を示すやり取りでは、肉体関係を推認できない場合もあります。

不倫相手との性行為の存在を具体的に示唆するやり取りでなければ、不貞行為の証拠と認められにくいため注意しましょう。

泊まりがけの旅行を示すやり取りや画像

泊まりがけの旅行を示すやり取りや画像は、肉体関係を推認できるため不貞行為の証拠となります。

2人きりで泊まりがけの旅行に行けば、通常は性行為があるはずという経験則が働き得るためです。

同棲の証拠となるやり取りや画像

同棲がわかるやり取りや画像も不貞行為の証拠と認められます。

「今日はいつもより早く帰る」や「今日は夕飯はいらない」などの文面は相手と同棲している証拠になります。

単身赴任などで配偶者と別居をしている場合は、LINEのやり取りを確認する機会が少なくなるため証拠の入手が困難です。

相手の行動パターンが予測できる場合などは探偵事務所へ依頼をするなど、別の方法も検討しておきましょう。

LINEメッセージだけでは不貞行為の証拠にならない理由

ここまで紹介してきた内容のメッセージ以外は、基本的に肉体関係の有無が明確になりづらいため、不貞行為の証拠としては不十分です。

一般的に、「愛している」や「会いたい」などのやり取りがあれば、浮気は疑われますが、肉体関係の有無までは判断できません。

浮気が疑われる内容であっても、裁判になれば不貞行為の証拠と認められない場合が多いです。

配偶者のLINEメッセージから不倫関係を匂わせる文面が発見できたとしても、上記内容に当てはまらない場合は、焦らず決定的な証拠があるかも確認しておきましょう。

LINEを不貞行為の証拠にする3つのポイント

配偶者のスマートフォンから不貞行為をおこなったと見られるLINEメッセージが発見できれば、以下の3つのポイントに注意をして撮影するようにしましょう。

撮影方法によっては加工を疑われてしまう場合がありますので、慎重に証拠を集めます。

配偶者に言い逃れができる隙を与えないためにも、紹介する内容を抑えてみてください。

1.不貞行為を示すLINEトークを撮影する

不貞行為を表すLINEのやり取りを見つけた場合、自身のスマートフォンで撮影をしましょう。

実際にLINEトークを撮影する際の注意点は以下の3つです。

相手のスマホ本体を含めた写真を撮影する

不貞行為がわかるLINEトークを保存する際は、相手のスマートフォン本体を含めた写真を撮影するようにしましょう。

本体が写っていない場合、誰のスマートフォンかが明確にならず裁判の際に「自分のスマートフォンではない」と言い逃れる隙を作ってしまいます。

不貞が明確な部分を写す

LINEトークを撮影する際、肉体関係が明確にわかるやり取りを撮影しましょう。

曖昧な表現ではなく、性行為を直接的な表現で表したやり取りでなければ不貞行為の証拠としては不十分です。

また、配偶者が確実に言い逃れできないように全体の会話の流れもわかるように不貞が明確な部分の前後も撮影しましょう。

やり取りが長く、何枚かに渡って撮影する際は、やり取りを少し重複させるように撮影するとわかりやすくなります。

日付や時間、送信者がわかるようにする

LINEトークを撮影する場合、日付や時間、送信者も含めて撮影しましょう。

トーク内容を意識するあまり、送信者を入れずに撮影してしまわないように気をつけましょう。

また、日付や時間、送信者などがわからなければ、配偶者に「結婚前のやり取りだった」「冗談で友人に送ったときのトーク内容だ」などと反論されてしまう可能性もあります。

せっかくの証拠を無駄にしないためにも日付や時間、送信者が明確になるように撮影しましょう。

2.トーク履歴のバックアップをとっておく

LINEの「一括ダウンロード」を利用し、トーク履歴のバックアップをとるのも一つの方法です。

トークを事前にダウンロードしておければ、配偶者にトーク履歴を消されてもデータとして残るため問題ありません。

しかし、一括ダウンロードをすると不貞行為の証明に必要のない部分までダウンロードされるため、配偶者へのプライバシー侵害の度合いは大きくなります。

配偶者といえども一定のプライバシーは保護されるべきとも考えられます。

一括ダウンロードにより不貞行為の証拠を入手するのは、プライバシー侵害と主張されるリスクのある方法ですので注意が必要です。

3.不倫相手を特定しておく

慰謝料を請求する際は、不倫相手を特定する必要があります。

LINEトークで不貞行為の証拠が見つかっても、LINEなどのSNSは匿名で利用できるため、不倫相手に「これは自分ではない」と言い逃れをされる危険性があります。

不倫相手がLINEのプロフィールアイコンを顔写真にしている場合は、LINEのプロフィール画面を撮影しておきましょう。

また、他のSNSで不倫相手の名前で検索し、証拠になりそうなものを探す方法もあります。

慰謝料を請求するために、不倫相手に内容証明郵便を送る際には、不倫相手の名前と住所は知っておく必要があります。

不倫相手の情報はできるだけ収集した方が賢明です。

自身で調査するのが難しい場合は、証拠集めや過去の裁判事例に詳しい弁護士へ相談することもおすすめです。

証拠を集める際の3つの注意点

不貞行為の証拠を集める際の注意点を3つ解説します。

自身で証拠を集める際は、配偶者への苛立ちから見境なく証拠を集めようとしてしまいがちです。

気をつけなければ裁判の際に証拠の集め方を配偶者から指摘され、逆に自身に不利な流れになってしまう可能性もあります。

3つの点に気をつけ、安全に証拠を集めましょう。

相手にバレないようにする

不貞の証拠集めは配偶者にバレないように注意しましょう。

一度証拠集めが配偶者にバレると警戒心をもたれ、今後の証拠集めが困難になります。

また、LINEトークではメッセージを読むと既読マークがついてしまうため、注意が必要です。

配偶者のLINEトークを確認する際は、スマートフォンを機内モードにしてLINEトークを見るなどして既読をつけずにメッセージを確認しましょう。

過度なプライバシーの侵害

証拠集めに必死になり、過度なプライバシーの侵害にならないようにしましょう。

プライバシー侵害それ自体では逮捕されないものの、ひどい場合は慰謝料を請求される場合もあります。

LINEのポップアップ通知をたまたま見た程度であればともかく、配偶者のLINEアカウントに勝手にログインしたり、携帯からデータを抜き取ったりするのは危険です。

しかし、不貞行為を調査するために、LINEのトーク画面を見る場合、プライバシー侵害だと認められるケースは少ないです。

慰謝料を請求されても、請求される金額は低く、不貞行為で請求する慰謝料と同額か、低い場合が多い傾向です。

また、配偶者のLINEトークの画面を見ようとした際に、パスワードがかかっている場合は無理に開けようとしてはいけません。

自分のカメラで撮影をおこなう

不貞行為がわかるLINEトークを保存する際は、偽造の可能性をなくすために自分のカメラで写真を撮影しましょう。

LINEをきっかけに効力の強い不貞行為の証拠を集める3つの方法

LINEをきっかけにさらに強い証拠を集める方法を3つ解説します。

メッセージのみでは不貞行為の証拠として弱い場合がありますが、他の証拠の信憑性を上げるきっかけになる場合もあります。

LINEをきっかけに強い証拠を入手し、慰謝料の請求や離婚請求を有利に進められるようしっかりと準備をしていきましょう。

相手に不貞の自認書を作成してもらう

配偶者のスマートフォンから不倫を匂わせるLINEメッセージが確認でき、それ以上の具体的なやり取りが確認できなければ、配偶者を問い詰めて事実確認をおこなうというのもひとつの手段です。

配偶者から不貞行為をおこなったとの自白が得られた場合、その場で自認書を書かせましょう。

自認書とは、不貞行為の事実を認める書面です。

  • 不貞行為の期間
  • 相手の名前
  • 不貞行為があった場所

などを具体的に配偶者に書いてもらい、署名と押印、作成した日付を入れます。

自認書があれば、今後慰謝料の請求や離婚請求が必要となった場合のLINEメッセージだけではない強い証拠になります。

相手の自白を録音する

LINEの証拠を利用して配偶者が自白し、自白内容の録音をすれば不貞行為の証拠として活用できます。

自認書と同じように、具体的な経緯や内容を録音しましょう。

録音の場合、自認書とは違い音声のみになるため、関係のないことを途中で話したりせず端的に不貞相手の名前や経緯を聞くとよいでしょう。

探偵に調査してもらう

不貞行為の証拠を集める際に探偵会社を利用すると、うまくいけば、探偵が配偶者と不倫相手のラブホテルに入っていくところなどを代わりに撮影してくれます。

探偵会社に依頼する場合は、依頼前に配偶者の行動パターンやスケジュールを押さえておくとスムーズに調査でき費用も安くなる可能性があります。

信頼できる探偵会社に依頼し不貞行為の強力な証拠を掴みましょう。

まとめ

浮気がわかるLINEトークがあれば、不貞行為の証拠になるかどうかを考える必要があります。

不貞行為の証拠になる場合は自分のスマホで撮影し証拠として保存するようにしましょう。

LINEメッセージのみでは不貞行為の証拠として弱いことも多いため、他の証拠と合わせて不貞行為を立証しましょう。

決定的な証拠が見つからない場合や自身での証拠集めが難しい場合は、専門家である弁護士や探偵会社への相談をおすすめします。

費用はかかりますが、有効な証拠を入手できる可能性が高まるでしょう。

また、弁護士であれば慰謝料請求や離婚請求の際にも専門的なアドバイスも可能です。

無料相談という形で自身の悩みを聞いてくれる場合もありますので、まずは弁護士へ相談しましょう。

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