離婚相談所とは?弁護士・公的機関など相談先の種類と選び方
離婚を考え始めるとき、誰に相談すればいいのか悩む方は少なくありません。
弁護士・公的機関・民間のカウンセリングなど相談先はいくつもあり、費用も対応できる範囲もそれぞれ違います。
費用を抑えたいのか、近くで相談したいのか、交渉まで任せたいのかによって、適した相談先は変わります。
自分の悩みやニーズに合った窓口を選ぶためにも、相談先ごとの対応範囲と費用を押さえておきましょう。
本記事では、離婚を相談できる専門家や公的機関を紹介します。
相談先の選び方、弁護士に相談するメリット、依頼前にしておく準備も取り上げるので、ぜひ参考にしてください。
離婚相談所とは|離婚を相談できる専門家・公的機関など
離婚相談所とは、離婚について相談できる専門家や機関の総称で、法令上の正式な名称ではありません。
相談先は、法律的な助言や交渉を担う窓口、公的な制度を案内する窓口、心理的なサポートを重視する窓口に分かれます。
法律面の相談先には、弁護士のほか、弁護士会の法律相談センターや法テラスがあります。
弁護士は、離婚の条件や手続きについて助言し、依頼を受ければ相手方との交渉や裁判所での手続きの代理も可能です。
公的機関には、市区町村の市民相談、家庭裁判所の家事手続案内、男女共同参画センターなどがあります。
民間の離婚カウンセリングやNPO法人では、離婚に踏み切るまでの迷いや感情面の相談が可能です。
離婚問題を弁護士に相談できる窓口
離婚問題を弁護士に相談できる主な窓口は、以下のとおりです。
| 相談先 | 相談方法 | 費用 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ベンナビ離婚 | 電話・メール・オンラインなど(事務所による) | 30分5,500円程度 (初回相談無料の事務所が多数) |
今すぐ離婚問題を得意とする弁護士を探したい |
| 法テラス | 電話・対面・オンライン | 収入・資産が基準以下なら無料(30分×3回まで) | 経済的に弁護士費用の負担が難しい |
| 弁護士会の法律相談センター | 対面・電話(地域による) | 原則30分5,500円程度(地域・相談内容によって無料の場合もある) | 弁護士を紹介してほしい・話だけ聞きたい |
| 自治体の無料法律相談 | 対面・電話(地域による) | 無料 | 近場で一般的な質問だけしたい |
ベンナビ離婚|離婚問題に精通した弁護士を24時間検索できる

離婚問題を得意とする弁護士を今すぐ探したいなら、「ベンナビ離婚」を利用できます。
「ベンナビ離婚」は、離婚・男女問題に注力する弁護士を、地域や相談内容から絞り込んで検索できるポータルサイトです。
サイト上から24時間いつでも検索可能です。
財産分与・親権・慰謝料など、相談したい内容ごとに弁護士を探せるほか、電話相談に対応した事務所も掲載されています。
掲載弁護士の多くは初回相談を無料としているので、依頼を決める前に複数の弁護士を比較する際も役立ちます。
法テラス|収入・資産要件を満たす場合は無料で相談できる
法テラスでは、オペレーターが無料の電話相談で事情を聴き取り、相談者に適切な相談窓口の紹介や法制度の情報を提供しています。
収入や資産が一定以下の場合は、弁護士への無料法律相談(1案件につき3回まで)や、弁護士費用の立替制度を利用できます。
無料相談や弁護士費用の立替制度を利用できるのは、以下の収入・資産基準を満たす場合です。
| 家族人数 | 収入基準 | 資産基準 | |
|---|---|---|---|
| 生活保護の基準に定める一級地 | そのほか | 地域共通 | |
| 一人 | 200,200円以下 | 182,000円以下 | 180万円以下 |
| 二人 | 276,100円以下 | 251,000円以下 | 250万円以下 |
| 三人 | 299,200円以下 | 272,000円以下 | 270万円以下 |
| 四人 | 328,900円以下 | 299,000円以下 | 300万円以下 |
※生活保護の基準に定める一級地:東京都特別区・大阪市など
※家賃や医療費などを支払っていれば要件を満たしていなくても利用できる場合あり
なお、法テラスに弁護士の紹介を依頼すると、原則として弁護士を選べません。
自分で選びたい場合は、「ベンナビ離婚」で法テラスと契約している弁護士を探し、法テラスの利用を希望する旨を伝えましょう。
弁護士会の法律相談センター|弁護士を紹介してもらえる
各地の弁護士会が運営する法律相談センターでも、弁護士に相談可能です。
相談は原則として有料(30分5,500円程度)ですが、センターによっては無料相談に応じているところもあります。
たとえば、大阪弁護士会では、調停や訴訟が始まっていて弁護士にまだ依頼していない当事者を対象に、1回無料の相談を実施しています。
各地の法律相談センターや相談料の要否は、日本弁護士連合会のホームページで検索してください。
法律相談センターでは、相談を担当した弁護士にそのまま依頼できますが、担当弁護士が離婚問題を得意としているとは限りません。
そのため、依頼をまだ決めていない段階で話を聞いておきたい方や、別の弁護士の見解も確かめたい方に向いています。
| 相談料 | 原則30分5,500円程度(センター・相談内容によっては無料) |
|---|---|
| 相談方法 | 対面・電話(地域による) |
| 予約 | 各弁護士会の相談センターへ電話またはWebで申し込む |
| 探し方 | 日本弁護士連合会のホームページで最寄りのセンターと相談料の要否を確認 |
【参考元】日本弁護士連合会:全国の弁護士会の法律相談センター
自治体の無料法律相談|一般的な質問や制度説明を無料で受けられる
自治体(市区町村役場)でも、定期的に弁護士による無料法律相談会を開催しています。
資力の基準はなく、実施している自治体の住民であれば利用可能です。
相談時間は30分程度で、開催日時や予約方法は地域によって異なります。
役所の窓口やホームページで確認しましょう。
ただし、自治体の無料法律相談では、担当する弁護士は指名できず、相談を担当した弁護士にそのまま依頼することもできません。
具体的な助言を求める場合や依頼を見据えているなら、はじめから離婚問題を扱う弁護士に相談したほうがスムーズです。
| 相談料 | 無料 |
|---|---|
| 対象 | 実施している自治体の住民 |
| 相談時間 | 30分程度 |
| 予約・日程 | 自治体によって異なる(役所の窓口やホームページで要確認) |
| 注意点 | 担当弁護士は選べず、その場で依頼はできない |
【関連記事】市役所に離婚相談するメリット・デメリットとは?相談に向いている人についても解説
【目的別】弁護士以外で離婚にまつわる悩みを相談できる窓口
離婚をめぐる悩みは、弁護士以外の窓口でも相談できます。
目的別の窓口と対応範囲は、以下のとおりです。
| 窓口 | 相談方法 | 費用 | 対応範囲 |
|---|---|---|---|
| 家庭裁判所の家事手続案内 | 窓口(各庁による) | 無料 | 調停・審判の進め方や申立て方法の案内 |
| 男女共同参画センター | 対面・電話(予約制が多い) | 無料 | 離婚・夫婦関係の悩みの整理、心理面の相談 |
| 司法書士事務所 | 対面・電話・オンラインなど | 事務所による | 不動産の名義変更(登記手続)、登記を見据えた協議書作成 |
| 行政書士事務所 | 対面・電話・オンラインなど | 事務所による | 合意済みの条件の離婚協議書化、公正証書の原案作成 |
| 民間の離婚カウンセリング | 対面・電話・オンラインなど | 有料 | 気持ちの整理、離婚を決断するまでの相談 |
家庭裁判所の家事手続案内|調停や審判の進め方を知りたい
家庭裁判所の家事手続案内は、離婚調停や審判といった裁判所の手続きの進め方について、案内を受けられる窓口です。
家庭内の問題を家庭裁判所の手続きで解決できるか、解決できる場合はどのような申立てをすればよいかを、一般的な範囲で説明します。
1件あたり20分程度が目安です。
なお、個別の事案についての法律相談や身上相談はできません。
利用は無料で、多くの家庭裁判所では予約なしで利用できます。
受付の時間帯や方法は各庁によって異なるため、事前に確認しましょう。
| 相談料 | 無料 |
|---|---|
| 予約の要否 | 不要の場合が多い(受付時間・方法は各庁によって異なる) |
| 対応範囲 | 手続きの流れや申立て方法の一般的な案内(1件あたり20分程度) |
【参考元】家事手続案内|裁判所
男女共同参画センター|心理面のサポートも受けたい
男女共同参画センターは、離婚や夫婦関係の悩みについて、気持ちの整理を含めた相談ができる公的な窓口です。
都道府県や市町村が設置する施設で、名称は地域によって異なります。
結婚・離婚のほか、家族関係や女性への暴力、生き方全般など、幅広い相談を扱っています。
相談員が話を聞きながら気持ちの整理を手伝う形式が中心で、相手方との交渉や法的手続きの代理はしません。
| 相談方法 | 対面・電話(予約制のセンターが多い) |
|---|---|
| 相談料 | 無料 |
| 対応範囲 | 結婚・離婚、家族関係、女性への暴力、生き方全般などの相談 |
司法書士事務所|不動産の財産分与など登記手続を任せたい
司法書士は、不動産の名義変更などの登記手続を依頼できる専門家です。
財産分与によって不動産の所有者が変わる場合、司法書士に依頼すれば、法務局への登記申請を代行してもらえます。
夫婦間に争いがなく、すでに離婚条件が固まっていれば、登記を見据えた離婚協議書の原案作成もあわせて依頼できます。
ただし、司法書士には相手方との交渉や、家庭裁判所の調停・審判の代理は依頼できません。
財産分与の内容自体に争いがある場合や、具体的な法的助言が必要な場合は、弁護士に相談する必要があります。
| 相談方法 | 対面・電話・オンライン(事務所によって異なる) |
|---|---|
| 相談料 | 事務所によって異なる |
| 対応範囲 | 不動産の名義変更(所有権移転登記)、登記を見据えた離婚協議書の作成 |
行政書士事務所|離婚協議書の作成のみを依頼したい
夫婦間ですでに合意している離婚条件を、離婚協議書としてまとめる作業のみ任せたい場合は、行政書士に依頼できます。
ただし、行政書士に、相手方との交渉や離婚調停・離婚訴訟の代理は依頼できません。
離婚の条件で対立がある場合や、交渉・家庭裁判所の手続きを見据えているときは、行政書士ではなく弁護士に相談する必要があります。
| 相談方法 | 対面・電話・オンライン(事務所によって異なる) |
|---|---|
| 費用 | 事務所によって異なる |
| 対応範囲 | 合意済みの離婚条件の書面化、公正証書の原案作成 |
民間の離婚カウンセリング|感情の整理や話し相手を求めている
民間の離婚カウンセリングは、気持ちの整理や心理的なサポートを重視したい方におすすめの相談先です。
臨床心理士やカウンセラーが、離婚を考えるに至った経緯や抱えている迷い・不安を聞いてくれます。
ただし、カウンセラーが弁護士資格を有していない限り、法的な助言や相手方との交渉はできません。
離婚の条件を詰めたり手続きを進めたりする段階では、別途弁護士への相談が必要になります。
料金は事業者によって異なり、時間制の有料相談が一般的です。
| 相談方法 | 対面・電話・オンラインなど(事業者による) |
|---|---|
| 相談料 | 原則有料 |
| 対応範囲 | 離婚に関する心理的な悩み |
DVやモラハラが原因で離婚を考えている方が相談できる窓口
配偶者から暴力・モラハラを受けている場合は、身の安全の確保を最優先に、DV被害に対応した窓口へ相談してください。
相談から緊急時の一時保護、生活の立て直しまでを担う機関があります。
各窓口の特徴は、以下のとおりです。
| 窓口 | 相談方法 | 対応時間 | 相談料 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 配偶者暴力相談支援センター | 電話・来所 | センターにより異なる(夜間・土日対応の窓口もある) | 無料(通話料は自己負担) | 相談・一時保護・自立支援まで対応 |
| DV相談ナビ(#8008) | 電話 | 転送先の相談機関の受付時間内 | 無料(通話料は自己負担) | 発信地の最寄りの支援センターへ自動転送 |
| DV相談+(プラス) | 電話・チャット・プラス相談箱 | 電話・プラス相談箱は24時間/チャットは正午〜午後10時 | 無料 | 外国語チャット10言語、同行支援まで連携 |
| みんなの人権110番 | 電話・インターネット | 平日午前8時30分〜午後5時15分 | 無料(通話料は自己負担) | 匿名相談可、ネット相談フォームあり |
配偶者暴力相談支援センター|身の安全を確保しながら離婚手続を進めたい
配偶者暴力相談支援センターは、配偶者暴力防止法(DV防止法)に基づき、被害者の保護と自立支援を担う中心的な機関です。
相談や相談機関の紹介のほか、緊急時の安全確保と一時保護、保護命令制度や保護施設の利用に関する情報提供をおこなっています。
一時保護は、女性相談支援センターが自ら、または委託を受けた施設が担います。
離婚を進めるなかで身の安全に不安がある場合は、離婚の相談と並行して利用するとよいでしょう。
| 相談方法 | 電話・来所 |
|---|---|
| 相談料 | 無料(通話料は自己負担) |
| 受付時間 | 各地の配偶者暴力相談支援センターによって異なる |
| 支援内容 | 相談、カウンセリング、緊急時の安全確保・一時保護、自立支援や保護命令の情報提供 |
DV相談ナビ|適切な相談先がわからない
配偶者からの暴力について相談先がわからない場合は、DV相談ナビを利用できます。
DV相談ナビは、全国共通ダイヤル(#8008)から、最寄りの都道府県配偶者暴力相談支援センターに自動転送するサービスです。
相談料は無料ですが、通話料がかかります。
また、一部の携帯通信会社・IP電話からはつながらない場合があります。
DV相談ナビを利用できない場合は、都道府県または市町村の配偶者暴力相談支援センターに直接電話してください。
| 受付時間 | 転送先の配偶者暴力相談支援センターの受付時間内 |
|---|---|
| 電話番号 | #8008 |
| 相談料 | 無料(通話料は自己負担) |
【参考元】DV相談ナビ|内閣府男女共同参画局
DV相談+(プラス)|24時間電話やプラス相談箱で相談したい
配偶者からのDVの悩みは、DV相談+(プラス)でも無料相談ができます。
DV相談+(プラス)は、内閣府が運営する全国対応のDV相談窓口です。
電話・チャット・プラス相談箱の3つの手段で相談でき、電話・プラス相談箱は24時間受け付けています。
専門の相談員が状況を把握したうえで必要と判断した場合は、面接や関係機関などへの同行・一時保護施設の入所調整なども実施されます。
| 受付時間 | 電話・プラス相談箱:24時間受付 チャット相談:12時00分~22時00分 |
|---|---|
| 電話番号 | 0120-279-889(フリーダイヤル) |
| プラス相談箱 | プラス相談箱の受付フォームはこちら |
| チャット相談 | チャット相談フォームはこちら |
| 支援内容 | ①電話・チャット・プラス相談箱による相談 ②WEB面談:相談状況に応じて実施 ③同行支援:全国の民間支援団体のネットワークを活用して支援 ④保護・宿泊場所の提供:女性相談支援センターなどの公的機関につなぐとともに、緊急的かつ一時的に宿泊施設も提供 |
【参考元】DV相談+(プラス)
みんなの人権110番|DVを含む人権問題全般について相談したい
DVを含む人権侵害の悩みについては、みんなの人権110番にも無料で相談できます。
法務局職員や人権擁護委員が、DVを含む人権侵害の相談に応じる窓口です。
相談内容に応じた適切な助言や関係機関への情報提供をおこなっています。
秘密は厳守され、匿名での相談も可能です。
電話をかけると自動音声ガイダンスが流れるので、内容に応じた番号を押しましょう。
インターネットの専用フォームからも相談できます。
| 電話番号 | 0570-003-110 ※自動音声ガイダンスに従い、該当する番号を押してください。 ・女性の人権に関する相談:1番 ・高齢者の人権に関する相談:2番 ・障害者の人権に関する相談:3番 ・その他の人権問題に関する相談:4番 |
|---|---|
| 受付時間 | 平日 午前8時30分〜午後5時15分 |
| 相談料 | 無料(通話料は自己負担) |
| 相談方法 | 電話、インターネットの専用フォーム |
| 対応者 | 法務局の職員・人権擁護委員(匿名可、秘密厳守) |
【参考元】みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル)|法務省
離婚問題の相談先を選ぶ際の確認事項
自分の悩みやニーズに合う相談窓口を選ぶためにも、まずは現在の状況を整理し、相談の目的を明確にしておきましょう。
相談先を検討する際は、以下のポイントを基準にしてみてください。
一般的な見解を聞きたいか、具体的なアドバイスが欲しいか
相談の目的を明確にしましょう。
制度の一般的な説明を求めているのか、自分の状況に即した具体的な助言を求めているのかで、適した相談先は変わります。
はじめの段階では、市区町村で定期的に開催している無料の法律相談会を利用して情報を収集するのも有効な手段です。
ある程度の知識を得たあと、離婚条件の検討や個別具体的なアドバイスが必要な場合に、法律事務所の無料相談を利用するとよいでしょう。
基本的知識を備えた上で弁護士に相談すれば、時間制限のある無料相談を有効活用できます。
相談したい内容と窓口の取り扱い分野が一致しているか
相談したい内容と、窓口の対応できる分野が一致しているかを、事前に確認しましょう。
窓口ごとに扱える範囲は決まっており、対応範囲が合っていないと、結局は別の窓口へ相談し直すことになりかねません。
司法書士や行政書士は、離婚事件における一般的な法律相談や、夫婦間の代理交渉、家庭裁判所の手続代理は対応できません。
親権・養育費・親子交流・財産分与・慰謝料などの個別具体的な権利・義務関係について、法的助言ができるのは弁護士のみです。
迷う場合は、窓口の公式サイトや電話で、対応できる相談内容を先に確かめておくとよいでしょう。
相談に行ける時間帯に窓口が対応しているか
自分が相談に行ける曜日や時間帯に、窓口が対応しているかを確認しておきましょう。
公的機関の窓口は平日の日中のみの対応が多く、仕事を持つ方には利用しづらい場合があります。
法律事務所には、夜間・土日の相談や電話・オンラインでの相談に対応しているところもあります。
予約制の窓口が多いため、対応時間とあわせて予約方法も事前に確認しておくとスムーズです。
サポートを受ける緊急性が高いか
サポートを受ける緊急性が高いかどうかも、相談先を選ぶ際の重要なポイントです。
配偶者からのDVなどで身の危険が差し迫っているときは、配偶者暴力相談支援センターへの相談を優先しましょう。
「配偶者が怖くて自分で動けない」という状況であれば、弁護士に相談のうえ、警察や公的機関と連携したサポートを受けるのもひとつの方法です。
費用を払えるか
相談料や弁護士費用を払えるかどうかも、判断材料のひとつです。
個別具体的なアドバイスまでは求めず、一般的な見解を聞きたい場合は、自治体の無料法律相談を利用するのが有効です。
弁護士への依頼を検討しているものの、経済的な事情でお金を工面できない場合は、法テラスに相談してみるとよいでしょう。
収入と資産が一定基準以下であれば法テラスの立替制度を利用でき、弁護士費用を分割で支払えます。
【関連記事】
離婚問題の弁護士費用が払えない!お金がないときの対処法をわかりやすく解説
法テラスで離婚相談するメリットは?利用できる条件や有効活用するポイントも解説
依頼を前提としているか
弁護士への依頼を見据えている場合は、はじめから法律事務所に相談したほうがスムーズです。
各自治体が開催している無料法律相談では、相談を担当した弁護士にその場で依頼できません。
依頼の意思がある程度固まっている場合は、弁護士の無料相談を予約して、直接方針を聞くとよいでしょう。
離婚問題を弁護士に相談するメリット
弁護士に相談すると、ひとりで抱えていた漠然とした不安を、具体的な課題や解決への道筋として整理できます。
養育費や財産分与として、いくら程度獲得できるかも把握できるので、離婚後の経済的な見通しも立てやすくなるでしょう。
相手が離婚に応じない場合も、裁判で離婚が認められる可能性があるかどうか、証拠として何を準備すべきかをアドバイスしてもらえます。
離婚手続を正式に弁護士に依頼すれば、相手方の交渉を任せられるため、直接やり取りをするストレスから解放されます。
トラブルの芽を事前に摘み取りながら、夫婦の状況に応じて適切な離婚条件を検討してもらえるため、新生活をスムーズにスタートできるでしょう。
離婚問題を依頼する弁護士の選び方|相談時のチェックポイント
離婚事件の解決実績が豊富な弁護士を選びましょう。
相談時には、具体的な解決策を提示してくれるか、メリットだけでなくデメリットを伝えてくれるかを確認してください。
費用体系が明瞭か、相性は良いかといった視点もチェックポイントです。
離婚事件の解決実績が豊富か
離婚事件の解決実績が豊富な弁護士を選びましょう。
弁護士にも得意・不得意な分野があり、全ての弁護士が離婚問題の実務に精通しているとは限らないためです。
実績が豊富な弁護士なら、調停や訴訟に移行した場合の費用・期間・リスクを踏まえて落としどころを見極められるため、早期解決が期待できます。
離婚問題への注力度は、法律事務所のホームページに載っている解決事例の件数や内容で確認できます。
ホームページで確認できない場合は、初回相談時に離婚案件の取り扱い件数や解決事例を直接尋ねるとよいでしょう。
複数の解決策とそれぞれのメリット・デメリットを提示してくれるか
複数の解決策とそれぞれのメリット・デメリットを示してくれる弁護士を選びましょう。
夫婦間で冷静かつ円滑に話し合いができる状態であれば、弁護士が表に出ずにバックアップするほうが、早期に解決できる場合もあります。
一方、相手が離婚を頑なに拒んでいる場合には、早期に交渉に見切りをつけて調停・裁判に移行したほうがよいケースもあります。
個々の事情や希望を丁寧にヒアリングし、複数の道筋を示してくれると、依頼者自身も納得のいく決断ができるようになるでしょう。
「確実に有利な条件で離婚できる」などと良い面ばかり述べる弁護士は、避けたほうが無難です。
想定されるリスクや、手続きに要する期間まで含めて説明してくれるかを、初回相談で確認しましょう。
弁護士費用の内訳・計算方法を詳しく説明してくれるか
依頼した場合の費用を、契約前に詳しく説明してくれる弁護士を選びましょう。
弁護士費用は主に着手金・報酬金・実費・日当で構成され、計算方法も特殊なため、費用総額を予測するのが難しく感じる方は少なくありません。
費用の説明があいまいだと、依頼後のトラブルにつながるおそれがあります。
相談の段階で、どのような場合にいくら費用が発生するのかを、具体的に説明してくれるかを確認してください。
【関連記事】離婚の弁護士費用の総額はいくら?内訳・相場・抑える方法・注意点を解説
親身に話を聞いてくれるか
自分の話に丁寧に耳を傾けてくれる弁護士を選びましょう。
有利な解決を目指すには、弁護士と依頼者の十分なやり取りが欠かせないためです。
初回相談で率直に質問し、弁護士の考え方や解決への姿勢を確認しましょう。
説明を途中で遮ったり、方針だけを一方的に伝えたりする弁護士では、細かい事情を十分に伝えられません。
離婚問題は、長期にわたるやり取りが必要になることが多い手続きです。
「話しづらい」「理解されていない気がする」と感じた場合は、固執せず別の弁護士を探したほうがよいでしょう。
自分に不利なことや他人に知られたくない事柄を話せるか
自分に不利な事実や、他人に知られたくない事柄を打ち明けられる弁護士を選びましょう。
離婚の相談では、家庭内の事情やプライベートな事柄を扱います。
不利な事実を伏せたままでは、あとから相手方に指摘された際に、反論の準備が間に合わない可能性があります。
評価や説教をせずに話を聞いてくれる弁護士であれば、事実関係を全て共有でき、より具体的なアドバイスを得られます。
無料相談の段階で話しづらさを感じた場合は、別の弁護士にも相談してみましょう。
【関連記事】離婚に強い弁護士の選び方|失敗しないためのポイント8つと探し方も解説
弁護士に離婚問題を相談する前に準備すべきこと
限られた相談時間を有効に使うには、事前の準備が欠かせません。
以下では、相談前に整理しておきたい5つの準備を紹介します。
婚姻から離婚に至る経緯を時系列でまとめる
相談前に、結婚から離婚を考えるに至った経緯を、時系列でメモにまとめておきましょう。
法律相談は30分から1時間程度が一般的です。
口頭だけで伝えようとすると、時間が足りなくなったり、伝え漏れが生じたりするおそれがあります。
整理しておくとよい項目は、以下のとおりです。
- 結婚した日
- 夫婦関係がうまくいかなくなった時期ときっかけ
- 別居を始めた時期(別居している場合)
- 離婚を決意する原因になった出来事
出来事の日付や当時のやり取りをメモに残しておくと、弁護士が状況を正確につかみやすくなります。
時系列の整理は、調停や訴訟に進んだ際の主張の組み立てにも役立ちます。
家族構成・職業・子の年齢をメモしておく
家族構成や双方の職業・収入、子どもの年齢といった基本情報も、あわせてメモしておきましょう。
養育費や財産分与の見通しは、家族構成や収入によって異なります。
具体的には、次の点を整理しておくとよいでしょう。
- 夫婦の職業・収入
- 婚姻中に夫婦が共同で築いた財産の種類・評価額
- 子どもの年齢と就学状況
- 別居している場合、子どもはどちらと暮らしているか
収入や資産の詳しい内容は、通帳や源泉徴収票などの資料とあわせて準備しておきましょう。
相談したい内容を優先順位をつけて箇条書きにする
聞き忘れを防ぐために、相談したい内容を箇条書きにし、優先順位をつけておきましょう。
一番知りたいことから順に並べておけば、時間切れになっても核心は押さえられます。
相談の場で思いついた質問は、箇条書きの下に書き足していく形でメモしておきましょう。
離婚条件などの希望を明確にしておく
親権・養育費・財産分与・慰謝料など、離婚条件について自分がどうしたいかを整理しておきましょう。
希望が固まっていないと、弁護士も方針を提案しにくく、相談が抽象的な話にとどまるためです。
相談前に整理しておきたい項目は、以下のとおりです。
- 親権:共同親権または単独親権の希望
- 養育費:希望する月額と受け取りたい期間
- 財産分与:確保したい財産と分け方の希望
- 慰謝料:慰謝料原因となる有責行為の有無・請求する場合は希望する金額
- 面会交流:会う頻度や方法の希望
譲れない条件と交渉の余地がある条件を分けておくと、方針を立てやすくなります。
ただし、希望が全て通るとは限りません。
法的に実現できる範囲の説明を受け、現実的な落としどころを一緒に探ることも大切です。
収入や資産に関する資料を揃えておく
財産分与や養育費の見通しを立てるために、収入や資産に関する資料をそろえておきましょう。
口頭で説明するだけでは漏れが生じやすく、弁護士も正確な評価ができないためです。
準備しておきたい資料は、以下のとおりです。
| 項目 | 準備しておきたい資料の例(コピー可) | |
|---|---|---|
| 収入に関する資料 | 給与所得者の場合 | 給与明細、源泉徴収票 |
| 自営業者の場合 | 確定申告書の控え、所得証明書 | |
| 財産に関する資料 | 預貯金 | 預貯金通帳または残高証明書 |
| 不動産 | 登記事項証明書、固定資産税の納税通知書 | |
| 保険 | 生命保険・学資保険の証券、解約返戻金の額がわかる書類 | |
| 退職金 | 就業規則、退職金規程 | |
| 住宅ローンなど | 返済予定表、残高証明書 | |
配偶者名義の資産も、把握している範囲でメモしておきましょう。
資料が全てそろっていなくても、わかる範囲の情報を伝えれば相談はできます。
【関連記事】離婚弁護士に相談する前の3つの準備!相談ノートの作り方や当日の基本的な流れも解説
離婚の相談先に迷ったら「ベンナビ離婚」で弁護士を検索
離婚の相談先をお探しなら、「ベンナビ離婚」の活用がおすすめです。
「ベンナビ離婚」は、離婚問題に注力する弁護士を全国から検索できるポータルサイトです。
地域や相談内容などの条件で絞り込めるため、離婚事件に精通した弁護士を効率よく探せます。
離婚時には、財産分与や親権、養育費など夫婦間で話し合うべき事項が複数あります。
自力で対応すると、長引く交渉や相手と対峙する心理的負担から、不条理な条件に合意してしまうケースは珍しくありません。
弁護士に依頼すれば、負担に感じる交渉を任せられるため、精神的なストレスを軽減しながら、必要な取り決めを確実に進められます。
「ベンナビ離婚」に掲載されている法律事務所の多くは、初回無料相談や夜間・休日やオンライン相談に対応しています。
まずは気軽に相談してみてください。
離婚の相談所に関するよくある質問
本章では、離婚の相談所に関してよくある質問に、Q&A形式で回答します。
Q.離婚問題は相談だけで解決できますか?
法律相談だけでも、悩みが解決したり、よりよい解決の方向性がみえたりするケースもよくあります。
相手と冷静かつ円滑に話し合いができる状態であれば、疑問が生じたときに都度弁護士から助言を受ける方法も検討できるでしょう。
もっとも、同じ問題での無料相談は回数制限が設けられているのが一般的です。
相談内容や状況によっては、正式に手続きを依頼したほうが費用を抑えられる場合もあります。
相手との交渉や調停・裁判などを任せたい場合、離婚協議書を作成して欲しい場合などは、弁護士への正式な依頼が必要です。
Q.離婚カウンセラーへの相談では法的アドバイスを受けられますか?
一般的に、離婚カウンセラーは心理的支援の専門家であり、法的な判断や手続きはできません。
離婚条件の妥当性を判断したり、法的書類を作成したりすることはできないため、これらが必要になった段階では弁護士への相談が必要です。
ただし、最近では、弁護士資格を持ちながら離婚カウンセラーとしてもサポートする専門家もいます。
弁護士兼離婚カウンセラーであれば、心理的サポートと法的アドバイスの両方を受けられます。
Q.弁護士に相談すると必ず依頼しなければいけませんか?
弁護士に相談したからといって、必ず依頼しなければならないわけではありません。
依頼するかどうかは、自分で自由に決められます。
費用や方針の説明を聞いたうえで、一度持ち帰って検討したり、別の弁護士にセカンドオピニオンを求めたりしても問題ありません。
まとめ
離婚の相談先には、弁護士・公的機関・民間のカウンセリングなどがあり、対応できる範囲がそれぞれ異なります。
相談の目的・サポートを要する緊急性などに応じて、適切な相談先を選びましょう。
弁護士への相談は、ベンナビ離婚・法律相談センター・自治体などで受けられます。
配偶者からの暴力がある場合は、配偶者暴力相談支援センターやDV相談+などの利用を検討してください。
弁護士を選ぶ際は、離婚問題の解決実績・話しやすさ・相性を確認しましょう。
経緯や希望条件、資料を整理してから相談すると話がスムーズに進みます。
相談先に迷った場合は、「ベンナビ離婚」で離婚問題に注力する弁護士を探してみてください。
