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浮気した配偶者に離婚慰謝料を請求できるか?成立条件と受け取るためのコツを解説

弁護士監修記事
離婚トラブル 慰謝料
2026年03月02日
浮気した配偶者に離婚慰謝料を請求できるか?成立条件と受け取るためのコツを解説
この記事を監修した弁護士
川越 悠平弁護士 (東京桜の森法律事務所)
依頼者様のお気持ちを尊重し、一人ひとりに適したサポートを提供しています。離婚自体を争う事件や財産分与などを争う事件はもちろん、親権や面会交流、養育費などお子さんの関わる事件にも注力しています。
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配偶者の浮気が発覚し、「このまま離婚したら慰謝料を請求できるのだろうか」と不安や疑問を抱えている人は少なくありません。

精神的なショックや裏切られた悲しみの中で、権利や手続きまで調べるのは大きな負担になるでしょう。

結論として、浮気が原因で離婚する場合、一定の条件を満たせば慰謝料の請求は可能です。

そこで本記事では、浮気による離婚で慰謝料を請求できる条件、請求の流れ、スムーズに進めるためのポイントをわかりやすく解説します。

複雑な手続きをできるだけ簡単に進めたい人や、少しでも多くの慰謝料を受け取りたい人はぜひ参考にしてください。

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配偶者の浮気が原因で離婚した!慰謝料は請求できる?

配偶者の浮気が原因で離婚した場合、多くのケースで慰謝料を請求できます。

慰謝料とは、離婚に至るまでに受けた精神的苦痛に対して支払われる損害賠償のことです。

まず、浮気そのものについては、民法第770条1項1号における離婚事由として明記されています。

また、慰謝料については、民法第709条に「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」という規定があります。

つまり、配偶者の浮気によって婚姻関係という法律上保護される利益が侵害された場合は、精神的損害について賠償を求められるということです。

ただし、浮気があったからといって必ず慰謝料が請求できるわけではありません。

浮気前に夫婦関係がすでに破綻していた場合や、請求する側にも重大な有責行為がある場合は、慰謝料が否定される可能性もあります。

浮気を理由に離婚した場合に慰謝料を受け取るための条件

浮気が原因で離婚した場合、慰謝料を請求できるのは、以下の4つの条件が整ったときです。

  • 不貞行為があった事実
  • 夫婦関係が破綻していなかったこと
  • 不貞を示す証拠が存在すること
  • 消滅時効内であること

これらの条件を満たすことで、慰謝料が認められやすくなり、受け取れる金額も増える可能性があります。

逆に、条件が揃っていない場合は請求が難しくなるため、事前に自分の状況を整理しておくことが重要です。

ここでは、それぞれの条件について詳しく解説します。

1.肉体関係が存在すること

慰謝料請求をおこなうには、配偶者と不倫相手の間に肉体関係があったことが必要です。

裁判所は、単なる食事・LINEのやり取り・デートだけでは不貞行為とは認めてくれません。

不貞行為とは「自由な意思に基づく肉体関係」を指し、民法でも法定離婚事由として「不貞行為」が明記されています。

つまり、実際に男女関係があったと客観的に判断できる状況でなければ、慰謝料請求は難しくなるでしょう。

2.夫婦関係が破綻していないこと

慰謝料を請求するには、浮気がおこなわれた時点で夫婦関係が「破綻していなかった」ことが重要です。

すでに別居して長期間連絡がなかったり、夫婦生活が事実上終わっている状態であれば、裁判所は「不貞行為によって婚姻関係が侵害されたとはいえない」と判断し、慰謝料が認められなくなる可能性があります。

夫婦関係の破綻は、裁判所がこれまでの生活状況・会話の有無・別居の期間などを総合的に判断します。

例えば、同居していて日常会話があり、夫婦として通常の生活を営んでいた期間中に浮気がおこなわれた場合、夫婦関係は継続していたと判断されやすいです。

一方、数年以上の別居や、相互に離婚の合意をしている状態では、破綻後の浮気として扱われ、慰謝料請求が難しくなるでしょう。

3.不貞行為の証拠が残っていること

慰謝料を請求するには、不貞行為を立証するための証拠が重要です。

配偶者が肉体関係を認めている場合でも、あとになって否認されるケースがあるため、客観的な証拠を確保しておきましょう。

代表的な証拠としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ラブホテルや不倫相手の自宅へ出入りした写真・動画
  • 浮気を示すLINEやメールのやり取り
  • 宿泊したホテルの予約履歴
  • 位置情報のログ
  • クレジットカードの利用明細
  • 探偵による調査報告書 など

ただし、違法な方法で取得した証拠は、証拠としての扱いが争われたり、逆に不利になったりするおそれがあります。

例えば、勝手に相手のスマホを開いたり、盗聴器を仕掛けたりなどの行為はプライバシー侵害となり、逆にトラブルになる可能性があるので注意しましょう。

証拠の集め方に迷った場合は、証拠の扱いに詳しい弁護士に相談するのが安全です。

4.消滅時効がまだ成立していないこと

不貞行為に基づく慰謝料請求には「時効」があるため、一定期間が過ぎると請求ができなくなってしまいます。

不貞行為の慰謝料請求における消滅時効は、「不貞行為と加害者を知った時から3年」または「不貞行為が行われた時から20年」が基本です(民法第724条)。

とくに、離婚協議や別居が長期化している場合、話し合いに時間を取られているうちに時効が成立してしまうケースもあるため注意しましょう。

なお、時効は請求の通知や裁判手続などで進行を止めたり、リセット(更新)したりできる場合があります。

ただし、内容証明郵便で請求の意思を示したうえで、期限内に調停・訴訟などの手続きを取る必要があるケースもあるため、弁護士へ確認するのが安心です。

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浮気した配偶者に対して離婚慰謝料を請求する2つのパターン

浮気が原因で離婚する場合、慰謝料を請求するタイミングには「離婚手続きと同時に請求する」と「離婚後に慰謝料のみを別途請求する」の2つがあります。

それぞれにメリットと注意点があり、状況によって適切な選択肢は異なります。

離婚前後の精神状態や相手との関係性、証拠の有無、時効までの期間などを踏まえ、どちらがより確実に慰謝料を受け取れるか判断することが大切です。

以下では、それぞれのパターンについて詳しく見ていきましょう。

1.離婚手続きと一緒に慰謝料を請求する

離婚手続きと同時に慰謝料を請求するメリットは、離婚の原因と慰謝料の関連性が明確であることから、話がスムーズに進みやすい点にあります。

同じタイミングで離婚と慰謝料請求の手続きを進められるため、精神的な負担が一度で済むことも利点です。

一方で、感情的になりやすい時期のため話し合いが難航したり、相手が慰謝料を認めず離婚問題が長期化したりすることもあるでしょう。

なお、協議離婚の場合は、離婚届を提出する前に慰謝料の金額や支払い方法を話し合い、合意内容を「離婚協議書」または「公正証書」にまとめます。

一方、調停離婚の場合は、家庭裁判所の調停手続きの中で慰謝料の金額や支払い方法が決定されるため、裁判所が作成する調停調書にその内容が記載されます。

2.離婚後に慰謝料だけを請求する

もうひとつの方法が、離婚後に慰謝料請求だけをおこなうパターンです。

離婚を急いで決着させたい場合や、離婚時点では慰謝料請求の証拠が十分に揃っていない場合に選択されることがあります。

この方法のメリットは、精神的負担を分散できる点です。

離婚時は感情が高ぶり冷静な判断が難しいため、慰謝料についてはあとでじっくり準備したい人に向いています。

ただし、離婚協議書などに「離婚後はいかなる名目でも互いに金銭請求をしない」といった清算条項を盛り込んでしまうと、離婚後の慰謝料請求は難しくなるため注意しましょう。

また、慰謝料請求の時効についても注意が必要です。

不貞行為を知ってから3年経過すると慰謝料請求権が消滅するため、離婚後にゆっくり準備しているうちに時効が成立してしまう危険があります。

時間が経つと相手が証拠隠滅を図るケースもあるため、証拠確保は離婚前から進めておくことが大切です。

準備期間を確保したい場合は早めの法的対応を検討し、弁護士に相談しながら進めることで慰謝料を請求できる可能性が高まるでしょう。

浮気した配偶者から離婚慰謝料をより多く受け取るポイント

浮気を理由に離婚する場合、慰謝料の金額はケースごとに大きく異なります。

しかし、請求の仕方や証拠の集め方、交渉方法によって受け取れる金額は変わるため、適切な準備をおこなうことでより高い慰謝料を目指すことができます。

とくに以下の3つのポイントを抑えておくことが重要です。

  1. 悪質性を証明できる証拠を確保する
  2. 話し合い(協議)で示談を成立させる
  3. 離婚問題が得意な弁護士のサポートを受ける

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

1.悪質性を証明できる証拠を確保する

慰謝料の金額を左右する大きな要素が「不貞行為の悪質性」です。

婚姻関係の破綻につながるほどの悪質な行為が明らかであれば、慰謝料の増額につながります。

具体的には、以下のような状況を証明できれば、悪質性が高いと判断されやすくなるでしょう。

  • 浮気の期間が長い
  • 複数人との関係がある
  • 配偶者が妊娠中・出産直後など、とくに配慮が求められる時期に不貞をはたらいた
  • 不貞相手を自宅に連れ込むなど、家庭生活を直接侵害した
  • 不貞行為を隠すために虚偽説明・証拠隠滅・暴言などを繰り返した
  • 家庭や子どもを顧みず頻繁に外泊している
  • 生活費を不倫相手に使っている など

2.話し合い(協議)で示談を成立させる

慰謝料をより多く受け取りたい場合、配偶者との協議で示談を成立させることが効果的です。

裁判では慰謝料の相場が一定の範囲に収まりやすいのに対し、協議であれば当事者同士が合意すれば相場以上の金額で決着することも珍しくありません。

とくに、相手が浮気を認めているケースや、「社会的立場を守りたい」「早く解決したい」と考えている場合は、交渉の余地が大きくなるでしょう。

なお、示談成立の際には、内容を文書として残すことが必須です。

「離婚協議書」や「公正証書」を作成しておけば、相手が支払いを滞らせた場合に強制執行ができるため、回収リスクを大幅に減らせます。

ただし、協議での交渉では相手の反応を見ながら柔軟に方針を変える必要があるため、不安な場合は弁護士に同席を依頼するのがおすすめです。

3.離婚問題が得意な弁護士のサポートを受ける

慰謝料を確実に、そしてより多く受け取りたい場合、離婚問題に精通した弁護士のサポートは大きな力になるでしょう。

弁護士が介入することで、相手が強気な態度を取っていたとしても適正な金額の請求が可能になり、証拠の整理や交渉がスムーズに進む可能性が高まります。

また、法的知識がないまま自力で交渉を進めると、相場より低い金額で合意してしまったり、必要な証拠が不足して支払い義務が認められなかったりするリスクもあります

弁護士は、証拠の有効性を判断し、慰謝料額が上がりやすいポイントを整理しながら、効果的な請求方法を提案してくれます

また、相手が提示してきた条件が妥当かどうかの判断や、時効が迫っている場合の迅速な対応も可能です。

協議で話がまとまらない場合でも、調停や裁判への移行をスムーズに進められるため、請求の失敗リスクを大きく減らせるでしょう。

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浮気した配偶者に慰謝料請求をおこなう場合の3つの注意点

浮気を理由に慰謝料請求を進める際には、法的に注意しなければならないポイントがいくつかあります。

とくに注意すべき点は以下の3つです。

  1. 配偶者と浮気相手から二重取りはできない
  2. 配偶者が慰謝料の支払いを無視するリスクがある
  3. 浮気相手だけに慰謝料を請求すると求償権が問題になる

確実に慰謝料を受け取るためにも、事前にこれらの注意点を把握しておきましょう。

1.配偶者と浮気相手から二重取りはできない

慰謝料請求では、「共同不法行為」をはたらいたとして配偶者と浮気相手の両方が損害賠償責任を負います。

しかし、注意しなければならないのは配偶者と浮気相手の両方から慰謝料をもらう「二重取り」はできないという点です。

慰謝料は「損害の補填」を目的としているため、被害者が受け取れる総額はあくまで一つの損害の範囲内に限られます。

仮に慰謝料総額が200万円の場合、配偶者と浮気相手の双方に対して請求すること自体は可能ですが、200万円を超えた慰謝料を受け取ることはできません。

なお、実務では両者が連帯して責任を負うと判断されることが多く、「どちらがいくら負担するか」については協議や調停で調整されます。

2.配偶者が慰謝料の支払いを無視するリスクがある

慰謝料請求で見落とされがちな問題が、「配偶者が支払いを無視する可能性」です。

請求が認められたとしても、相手が任意で支払いに応じるとは限りません。

とくに協議を口頭で済ませた場合や、法的強制力のない書面しか用意していない場合は、支払いが滞るリスクが高くなります。

相手が支払いを拒否したり無視したりすると、改めて法的手続きを踏む必要があり、精神的負担も大きくなるでしょう。

このようなリスクを避けるためには、慰謝料の合意内容を「強制執行可能な形」で残すことが重要です。

代表的な方法は、公正証書の作成です。

公証役場で慰謝料の金額・支払い期限・遅延損害金などを記載した公正証書を作成しておけば、支払われなかった場合に相手の給与や財産を差し押さえることが可能になります。

【関連記事】【弁護士監修】離婚における公正証書とは?作成するメリットや手順を解説

3.浮気相手だけに慰謝料を請求すると求償権が問題になる

配偶者ではなく、浮気相手だけに慰謝料を請求することも可能ですが、この場合に注意したいのが「求償権」の問題です。

不貞行為は、原則として配偶者と浮気相手の共同不法行為と評価されます。

そのため、浮気相手が慰謝料を全額支払った場合でも、あとから配偶者に対して「本来あなたも負担すべき分を支払ってほしい」と求償請求をおこなう可能性があります。

結果として、直接請求していないはずの配偶者がトラブルに巻き込まれ、関係がさらに悪化するケースも少なくありません。

請求先を誰にするかは、金額だけでなく、その後の影響まで見据えて慎重に判断することが重要です。

【関連記事】求償権とは?不倫の慰謝料で損しないための基礎知識をわかりやすく解説

さいごに|浮気した配偶者に慰謝料請求をするなら弁護士に相談を!

本記事では、浮気が原因で慰謝料請求する際のコツや注意点などについて詳しく解説しました。

配偶者の浮気は、心を深く傷つけ、日常生活にも大きな影響を与えるつらい出来事です。

そんな状況の中で、慰謝料の条件や手続き、証拠の準備まで一人で抱え込むのはとても大きな負担になります。

慰謝料請求について不安な点があるなら、迷わず弁護士に相談してください

弁護士は複雑な手続きを代わりに進め、証拠の整理や相手との交渉もサポートしてくれます。

自分が冷静に前へ進むための心強い味方となり、より有利な条件での解決へ導いてくれる存在です。

一人で抱え込まず、必要なときは専門家の力を借りながら、これからの生活を取り戻す一歩を踏み出していきましょう。

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