円満離婚の方法・対策ガイド!事前準備から合意後までの15のポイントを徹底解説
- 「離婚はしたいけれど、相手との喧嘩は避けたい」
- 「子どもがいるので、離婚後の面会交流のことも考えて円満に離婚したい」
離婚を検討している方のなかには、このように悩んでいる人も多いでしょう。
お互いが納得して別れる「円満離婚」ができれば、精神的な負担を最小限に抑えて、新しい人生を前向きにスタートできます。
しかし、準備なしにただ「別れたい」と伝えるだけでは、話がこじれてしまうリスクが高いです。
感情的になって喧嘩になれば、離婚が遠のくだけでなく、大きなトラブルにもなりかねません。
スムーズに別れるためには、相手を尊重したうえで、冷静に対応する姿勢が大切です。
本記事では、円満離婚をするための具体的な手順や、話し合いで気をつけるべき15のポイントを詳しく紹介します。
これからどのように動けばよいか判断するための参考にしてください。
円満離婚とは?揉めることなく双方が納得して離婚すること
円満離婚とは、夫婦がお互いに納得し、揉めることなく離婚することです。
離婚後も相手を悪く思うことなく、落ち着いた関係でいられるため、「仲良し離婚」と呼ばれる場合もあります。
円満に別れるためには、喧嘩をしないだけでなく、相手に不満を残さないことが大切です。
どちらか一方に不満が残るとあとでトラブルになる可能性があるので、本当の意味での円満離婚とはいえません。
そのため、自分の希望だけでなく、相手の気持ちも考えた話し合いが求められます。
円満離婚を実現する方法|事前準備の4つのポイント
円満離婚を目指すなら、いきなり相手に「別れたい」と告げるのは避けるべきです。
準備がないまま話を始めると、相手は驚いて感情的になり、話し合いがこじれるおそれがあります。
話し合いをスムーズに進めるためにも、以下のような事前準備をしっかりおこないましょう。
- 離婚したい理由を明確にしておく
- 妥協点(落としどころ)を決めておく
- 相談する場合は信頼できる人だけにする
- 離婚後の生活に関してある程度の目途を立てる
ここからは、それぞれのポイントについて詳しく説明します。
1.離婚したい理由を明確にしておく
まずは、離婚したい理由をはっきりさせましょう。
理由があやふやなまま話を切り出しても、相手は納得できず、困惑してしまいます。
納得できる説明がないと、話し合いが平行線になり、最悪の場合は裁判などの争いに発展するおそれもあるでしょう。
相手が感情的にならずに話を聞けるような、論理的かつわかりやすい理由を用意してください。
たとえば、「性格が合わない」「価値観が違う」といった理由でも、具体的なエピソードを交えて整理しておくと伝わりやすくなります。
2.妥協点(落としどころ)を決めておく
離婚する際は、双方で離婚条件を話し合う必要があります。
主な離婚条件は、以下の5つです。
| 項目 | 決めるべき内容 |
| ①親権・面会交流 | 子どもと一緒に暮らすのはどちらか(親権)、離れて暮らす親といつ・どこで・どのように会うか(面会交流)。 |
| ②養育費 | 子どもを育てるための費用を、いつからいつまで、毎月いくら支払うか。 |
| ③慰謝料 | 離婚の原因が不倫や暴力の場合、慰謝料をどれくらい支払うか。 |
| ④財産分与 | 預貯金、家、車など、結婚してから夫婦で協力して作った財産をどのように分けるか。 |
| ⑤年金分割 | 将来受け取る年金を確保するため、婚姻期間中の厚生年金の記録をどのように分割するか。 |
離婚条件を決める際は、自分の希望を全て通そうとするのではなく、ある程度譲歩する姿勢を心がけましょう。
「絶対に譲れない条件」と「妥協してもよい条件」を事前に決めておくのもおすすめです。
3.相談する場合は信頼できる人だけにする
離婚の悩みは誰かに聞いてほしくなるものですが、相談する相手は慎重に選びましょう。
不特定多数の人に話してしまうと、噂が広まり、配偶者の耳に入ってしまうおそれがあります。
本人のいないところで話が伝わると、内容が誤解されたり、「勝手に言いふらしている」と相手を怒らせたりする原因になります。
余計なトラブルを避けるためにも、相談は口が堅く、心から信頼できる友人や親族だけに留めてください。
事前に弁護士に相談しておくのもおすすめ
自分たちだけで離婚条件を決めるのが難しい場合や、何から準備すればよいかわからないときは、弁護士への相談も検討してください。
離婚問題が得意な弁護士であれば、個別の事情に合わせて、適切な離婚条件や協議の進め方をアドバイスしてくれます。
弁護士の意見を事前に聞いておけば、自信を持って話し合いに臨めます。
知識がないまま不利な条件で合意してしまう失敗も防げるでしょう。
4.離婚後の生活に関してある程度の目途を立てる
円満離婚を目指すには、離婚後の生活について具体的な見通しを立てておくことも大切です。
まずは以下2点を中心に、生活の基盤をどう整えるか計画してください。
- 住まいの確保
実家に戻るのか、新しい賃貸住宅を借りるのか決めます。
引っ越しが必要な場合は、敷金や礼金などの初期費用の見積もりが必要です。 - 当面のお金の確保
仕事をして収入を得る方法や、当面の生活費をどうするか考えます。
養育費などはすぐに支払われるとは限らないため、相手からの入金に頼らずとも生活できる準備が欠かせません。
具体的な生活のイメージができていると、心に余裕を持って、冷静に話し合いを進められます。
円満離婚を実現する方法|切り出す際の3つのポイント
事前準備が整ったら、いよいよ相手に離婚の意思を伝えます。
このときの切り出し方ひとつで、その後の話し合いがスムーズに進むか決まります。
感情的になって喧嘩にならないよう、慎重に進めましょう。
相手に話を切り出すときに注意すべき主なポイントは、以下の3つです。
- お互いに冷静なときに切り出す
- ハッキリと「離婚したい」旨を伝える
- その時点での相手の意見に耳を傾ける
ここからは、それぞれのポイントについて紹介します。
1.お互いに冷静なときに切り出す
離婚の話は、お互いが落ち着いて話せるタイミングを選んで切り出しましょう。
夫婦喧嘩の最中や、相手の機嫌が悪いときに伝えても、感情的な言い合いになるだけです。
売り言葉に買い言葉となり、話がこじれてしまうかもしれません。
また、子どもがいる前で話を切り出すのは絶対に避けてください。
子どもに不安を与えるだけでなく、相手にも親としての配慮が足りないと思われてしまいます。
休日や夜など、2人がゆっくり向き合える時間を確保してから話を始めてください。
2.ハッキリと「離婚したい」旨を伝える
相手に伝えるときは、曖昧な言葉を使わず、はっきり「離婚したい」と言葉にすることが大切です。
遠回しな言い方や、不満を並べるだけでは、「ただの愚痴だ」と受け取られてしまうかもしれません。
こちらの本気度が伝わらず、話し合いが始まらない可能性もあります。
ただし、はっきり伝えるといっても「あなただけが悪い」「あなたのここがダメだ」など、相手を責めるような言い方は控えてください。
相手のプライドを傷つけないよう、言葉を選んで理由を説明しましょう。
3.その時点での相手の意見に耳を傾ける
急に離婚を切り出された相手は、驚いて動揺してしまうのが普通です。
すぐに離婚に同意するとは限らず、「やり直したい」と言うかもしれません。
そのときは、一方的に自分の意見を押し通すのではなく、相手の言い分もしっかりと聞いてください。
たとえ自分の決意が固まっていたとしても、相手の気持ちを無視して話を進めると、反発を招いて揉める原因になります。
相手の考えを尊重する姿勢を見せることが、お互いの納得につながります。
相手の話を受け止めたうえで、それでも離婚したい気持ちが変わらないのであれば、日を改めて再度冷静に離婚の意思を伝えましょう。
円満離婚を実現する方法|話し合いでの5つのポイント
離婚を切り出したあとは、離婚するかどうかや、具体的な条件についての話し合いが始まります。
ここでの話し合いをスムーズに進められるかどうかが、円満離婚の分かれ道です。
話し合いをするための主なポイントは、以下の5つです。
- 話し合う意思を持つ
- 同じ目線で話し合いをする
- 相手の嫌なところを言わない
- 相手の意見・意向も尊重する
- 時間がかかってもあまり慌てない
ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.話し合う意思を持つ
円満に別れるためには、夫婦でしっかりと話し合うことが大切です。
会話が少ないままでは、お互いが本当に納得して終わりにするのは難しいでしょう。
離婚したい理由はもちろん、お金や子どものことまで、とことん話し合ってください。
もし相手が離婚に反対していたり、条件に納得していなかったりする場合は、無視をしてはいけません。
なぜ離婚したいのか、時間をかけて丁寧に説明する姿勢が必要です。
面倒がらずに向き合うことで、少しずつ理解を得られるでしょう。
2.同じ目線で話し合いをする
話し合うときは、相手を敵と見なさず、ふたりで問題を解決するという意識を持ってください。
「あなたのせいでこうなった」と責めるような言い方は対立を生むだけなので、「お互いの将来のためによくない」といったように、2人の問題として話すことが大切です。
同じ内容の話でも、言い方ひとつで相手の受け止め方は変わります。
上から目線で話したり、突き放したりせず、同じ目線で話し合うように心がけてください。
3.相手の嫌なところを言わない
離婚を切り出す際、これまでの不満や相手の嫌いな部分を指摘するのは控えましょう。
溜まっていた不満をぶつけたくなるかもしれませんが、それを口にすると喧嘩になり、話が進まなくなります。
円満に手続きを終えることが目的なら、言わなくてもよいことは黙っておくべきです。
過去の過ちを責めるのではなく、これからの未来に向けてどうするかを話し合いましょう。
相手のプライドを傷つけないよう、感情を抑えて大人の対応を心がけてください。
4.相手の意見・意向も尊重する
自分の希望ばかりを押し付けず、相手の話もよく聞くことが大切です。
相手にとっても離婚は大きな出来事ですので、意見を尊重する姿勢を見せてください。
お互いが少しずつ譲り合うことで、合意しやすくなります。
ただし、早く終わらせたいからといって、相手の言うことを全て聞く必要はありません。
相場から外れた金額の慰謝料や養育費など、明らかに損をする条件を提示されたときは、はっきりと断ってください。
譲れるところは譲り、譲れないところは守るというバランス感覚が必要です。
5.時間がかかってもあまり慌てない
早く別れたいからといって、結論を急ぎすぎないようにしましょう。
焦って条件をあいまいにしたり、安易に妥協したりすると、あとで「約束が違う」と揉める原因になります。
円満な離婚であっても、話し合いから離婚成立まで半年?1年程度かかることは珍しくありません。
時間がかかっても、一つひとつの条件を丁寧に取り決めることが大切です。
着実に進めるほうが、結果的にトラブルのない離婚につながります。
円満離婚を実現する方法|合意後に関する3つのポイント
話し合いがまとまったら、離婚の手続きに進みます。
「話がついたからもう大丈夫」と安心してしまうのは、まだ少し早いです。
ここで詰めが甘いと、あとからトラブルになり、円満な関係が崩れてしまうおそれがあります。
確実に離婚を成立させ、その後の生活をスムーズに始めるためのポイントは、以下の3つです。
- 離婚協議書は公正証書で作成する
- 早い段階で証人の候補を探しておく
- 離婚後の手続きは速やかにおこなう
ここからは、それぞれのポイントについて紹介します。
1.離婚協議書は公正証書で作成する
話し合いで決まった離婚条件は、必ず文書に残してください。
口約束だけでは、あとで「言った、言わない」のトラブルになるおそれがあるからです。
とくに、お金に関する取り決めは「公正証書」にしておくことを強くおすすめします。
公正証書とは、公証役場で公証人が作成する公文書です。
強制執行認諾文言付きの公正証書を作成しておくと、もし相手が養育費や慰謝料を支払わなかった場合に、裁判をしなくても給料や財産を差し押さえられます。
「支払わなければならない」という責任感を相手に強く持たせる効果もあり、将来の安心につながります。
【関連記事】【弁護士監修】離婚における公正証書とは?作成するメリットや手順を解説
2.早い段階で証人の候補を探しておく
協議離婚の届出には、成人の証人2名による署名が必要です。
18歳以上であれば、親や兄弟、友人など誰でも証人になれます。
しかし、頼まれた側が「責任を負いたくない」と感じて断るケースもあるでしょう。
直前になって慌てないよう、誰にお願いするか早めに決めて、了承を得ておくとスムーズです。
もし身近に頼める人がいない場合は、弁護士や行政書士に相談してみましょう。
【関連記事】離婚届の証人は18歳以上なら誰でも可!頼める人がいない場合はどうする?
3.離婚後の手続きは速やかにおこなう
離婚届を提出したあとも、名義変更や手当の申請など、多くの手続きが待っています。
中には、期限が決まっている手続きもあるので、後回しにせず速やかに進めましょう。
とくに、以下の10項目は生活に直結する重要な手続きですので、漏れがないよう確実に対応してください。
【離婚後に必要な主な10個の手続き】
- 住民票・世帯主の変更
- 国民健康保険の手続き
- 児童扶養手当・児童手当の申請
- 保育所の申し込み
- 印鑑登録の変更
- 国民年金または社会保険の手続き
- 就学援助の申請
- 家・車・口座などの名義・住所変更
- 年金分割の手続き
- 会社への報告(会社員の場合)
【関連記事】抜け漏れなし!離婚後にすべき手続きリスト|効率的な順番も解説
さいごに|円満離婚を目指したい場合はとにかく冷静に話し合おう!
円満離婚とは、お互いに心から納得し、争わずに別れることです。
円満離婚のために重要なのは、感情的にならず、冷静に話し合いを進めることです。
過去を責めるのではなく、「お互いの未来」のためにどうすべきかを第一に考えて行動しましょう。
とはいえ、お金や子どものことなど、将来に関わる重要な条件を決める場面では、意見がぶつかって行き詰まってしまうこともあるはずです。
「本当にこの条件でいいのか」「相手に言いくるめられていないか」と、不安になることもあるでしょう。
そんなときは、無理に自分たちだけで解決しようとせず、弁護士への相談を検討してください。
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経験豊富な弁護士のアドバイスがあれば、不利な条件で合意するリスクを回避できます。
後悔のない新しい生活をスタートさせるために、ぜひ活用してみてください。
