離婚協議書の書き方ガイド|無料テンプレートや自分で作成する際のポイントも紹介
- 「離婚協議書を自分で作成したいが書き方がわからない」
- 「離婚協議書を作成するのに役立つ無料のテンプレートはあるか」
長い人生のなかで、離婚は何度も経験するものではありません。
いざ離婚することになっても、離婚条件についてまとめた離婚協議書の書き方がわかる方は少ないでしょう。
本記事では離婚協議書に書くべき項目や書き方、離婚協議書の無料テンプレート、離婚協議書を作成するまでの流れ、作成のポイントを解説しています。
離婚協議書の書き方に不備があって、トラブルが生じるケースは少なくありません。
本記事を読めば、自分で不備のない離婚協議書を作成できるようになります。
離婚協議書の書き方とは?どうすれば簡単に作成できる?
離婚協議書の書き方について、法律などで特にルールは定められていません。
それぞれの夫婦が、自分の事情に応じて自由に書くことができます。
ただし専門家でなければ、どの項目をどのように書けばよいかわからないのではないでしょうか。
本記事では離婚協議書に書くべき項目やサンプル、テンプレートを紹介しています。
これらを参考にすれば、離婚協議書の作成は簡単です。
あとはそれぞれの事情に応じ、必要な項目を追加したり不要な項目を削除したりすれば、離婚協議書が完成します。
【サンプル付き】離婚協議書に書くべき項目とは?何をどう書けばいい?
ここでは離婚協議書に書くべき項目と、項目ごとのサンプルを紹介します。
このサンプルを自分の事情にあわせて書き換えてください。
離婚に合意したこと
(離婚の合意)
甲及び乙は、本日、協議離婚すること及び乙がその届出を速やかにおこなうことを合意する。
最初に夫婦が共に離婚に合意した旨を記載します。
どちらがいつ離婚届を提出するかも書いておけば、トラブルの予防になるでしょう。
親権者|どちらが子どもを引き取るか
(親権者)
甲乙間の長男●●(平成●年●月●日生)、及び長女●●(平成●年●月●日生)の親権者・監護権者を乙と定め、乙において監護養育する。
未成年の子どもがいるのであれば、離婚協議書において親権者の指定も必要です。
合意内容を明確に示すために、以下も記載ください。
- 子どもの名前
- 子どもの生年月日
- 誰が親権者・監護者になるか
親権者と監護者をわける際は、それぞれ別々に上記内容を記載ください。
養育費|金額・支払時期・支払方法など
(養育費)
甲は乙に対し子の養育費として、●年●月から満22歳に達する月まで1人につき1ヵ月に○万円を支払うことを認め、当該月の末日までに乙が指定する銀行口座(●●銀行●●支店 普通 口座番号●●●● 口座名義●●●●)に振り込む方法で支払う。振込手数料は甲の負担とする。子の病気や進学その他の事由による特別の費用負担は、甲乙間の協議で別途定める。
親権者でない側の親は、子どもが経済的に自立するまでにかかる養育費を親権者に支払う義務を負います。
離婚協議書には、養育費について以下の内容を記載しましょう。
- 金額
- 養育費を支払う期間(いつからいつまで養育費を支払うか)
- 支払い方法など
面会交流|子どもと離れて暮らす親が子どもと交流する条件
(面会交流)
乙は、甲が子と月●回、●時間程度の面会交流をおこなうことを認める。面会交流の具体的な日時、場所及び方法については、子の福祉に配慮して、甲乙間の協議にて定める。子が7歳になったあとは、年●回・●泊●日の宿泊を含む面会交流ができる。
子どもと離れて暮らす側の親が、離婚後に子どもと面会交流をする際のルールを記載します。
以下の事項を明記しておけば、トラブルの予防となり安心です。
- 面会交流の頻度
- 場所や内容などのルール(両親が協議したうえで決める、といった書き方も可)
財産分与|婚姻中の共有財産を分け合う条件
(財産分与)
甲は乙に対し、財産分与として●万円支払う義務があることを認め、これを令和●年●月●日限り、乙が指定する銀行口座(●銀行●支店 普通 口座番号● 口座名義●)に振り込む方法で支払う。振込手数料は甲の負担とする。
婚姻期間に夫婦が一緒に築いた財産は、離婚時に分け合います。
その割合も夫婦の協議で決めることも可能ですが、それぞれ2分の1ずつ取得するのが一般的です。
財産分与に関して、離婚協議書には以下事項を明記しましょう。
- 夫婦のどちらがどちらに対して財産を分与するか
- どの財産を分与するか
- 分与の方法など
不動産などを売却して得たお金を分配する場合は、その旨も記載します。
年金分割|厚生年金保険の分割割合
(年金分割)
甲及び乙は、甲乙間の年金分割の割合を0.5とすることに合意し、甲は乙に対し、当該年金分割に必要な手続きに協力することを約束する。
夫婦のいずれかもしくは両方が婚姻期間中に厚生年金の保険料を支払っていた場合、離婚後にその分の年金を分配します。
離婚協議書には、その分配割合を記載しましょう。
分配割合は夫婦の協議で自由に決められますが、原則として半分ずつ(0.5ずつ)です。
年金分割手続きへの協力を約束することも記載しておくと安心でしょう。
慰謝料|金額・支払時期・支払方法など
(慰謝料)
甲は乙に対し、不貞行為の慰謝料として●万円を支払う義務があることを認め、●年●月●日までに、乙が指定する銀行口座(●銀行●支店 普通 口座番号●口座名義●)に振り込む方法で支払う。振込手数料は甲の負担とする。
不倫・DVなどの原因で離婚し、夫婦間で慰謝料が支払われる場合は、その内容についても明記します。
具体的には、以下を記載しましょう。
- 金額
- 支払期限
- 支払方法など
清算条項|離婚協議書で定めた内容以外に権利や義務がないことの確認
(清算条項)
甲及び乙は、本件離婚が円満に解決したことを確認し、本書に定めるほかに何ら債権債務関係が存在しないことを相互に確認する。
清算条項とは離婚協議書に定めた内容のほかに、互いに権利・義務がないことを示す条項です。
「慰謝料の金額が高過ぎたので返還して欲しい」など、あとからトラブルが発生しないよう離婚協議書の最後に清算条項を必ず記載します。
基本的には上記サンプルどおりで構いませんが、「ただし●●については協議を継続する」など但し書をつけることも可能です。
離婚協議書用の無料テンプレート【ダウンロード可能】
ここでは、離婚協議書用の無料テンプレートを紹介しています。
「子どもがいる場合」「子どもがいない場合」にわけて紹介しておりますので、ご自身に合う方をお使いください。
なお、テンプレートはあくまで参考例です。
ご自身の状況にあわせ、項目の修正・追加・削除などをする必要がありますので注意ください。
子どもがいる場合

こちらは子どもがいる場合のテンプレートです。
親権や養育費、面会交流といった子どもに関して取り決めるべき主要な事項を掲載しています。
「子どもがいる場合のテンプレート(.docx)」を
ダウンロードする
子どもがいない場合

子どもがいない場合は、親権・養育費・面会交流といった取り決めは必要ありません。
その分、シンプルなテンプレートとなっています。
「子どもがいない場合のテンプレート(.docx)」を
ダウンロードする
離婚協議書を作成する流れ
ここでは離婚協議書を作成する流れを紹介します。
離婚協議書を作成する前に、離婚条件の洗い出しや夫婦間の協議といった手続きが必要です。
1.離婚協議書に記載すべき離婚条件を洗い出す
財産分与や親権など、離婚協議書にまとめる離婚条件を洗い出しておきましょう。
離婚協議書がまとめられたあとに漏れがあることに気付いても、協議し直すのは難しい可能性があるので注意しましょう。
一般的に、離婚協議書に記載すべき主な離婚条件は以下のとおりです。
- 財産分与
- 年金分割
- 慰謝料
- 親権(子どもがいる場合)
- 養育費(子どもがいる場合)
- 面会交流(子どもがいる場合)
各項目の詳細をはじめ、離婚前にチェックしておくべき事項の詳細は以下記事でも紹介しておりますので、興味があれば参照ください。
【関連記事】離婚する前にすることは?離婚前の準備・離婚手続き・離婚の切り出し方を解説
2.夫婦で離婚の協議をおこなう
夫婦で話し合い、離婚条件について合意をはかります。
離婚すること自体の同意はできていても、離婚条件で揉めることは少なくありません。
互いの主張に大きな差があるのであれば、譲歩が必要になることもあります。
夫婦だけでの合意が難しいようであれば、弁護士に介入してもらうことも検討しましょう。
3.合意内容を離婚協議書にまとめる
離婚条件の合意ができたら、その内容を離婚協議書にまとめます。
テンプレートを使い、必要に応じて項目を追加・削除・修正すれば離婚協議書を簡単に作成できるでしょう。
離婚条件は、あとでトラブルにならないよう曖昧な表現は避けてください。
作成した離婚協議書は、弁護士に不備がないか確認してもらうと安心です。
4.離婚協議書を公正証書にする
公正証書とは、公務員である公証人によって作成される公文書です。
離婚協議書の公正証書化は必須ではありません。
しかし公正証書にしておくことで、養育費などの支払いが滞った際に裁判をすることなく相手の財産を差し押さえられるようになります。
離婚協議書を公正証書にする流れや手数料などは、以下記事が詳しいです。
【関連記事】公正証書とは?離婚協議書を公正証書にするメリットや作成する際の流れ
離婚協議書を自分で作成する際のポイント
離婚協議書に不備があると、あとでトラブルになる可能性があります。
以下、トラブルを回避するため確認しておきたいポイントを見ていきましょう。
夫婦でしっかり話し合い離婚条件を合意してから作成する
当然ですが夫婦でしっかり話し合い、離婚条件を合意してから作成しましょう。
きちんと離婚条件を話し合わず、曖昧なまま離婚協議書を作成すると後でトラブルになる可能性が生じます。
離婚協議書をまとめたら、あとで合意したことを証明するため夫婦で署名・押印をしてください。
押印は認印でもかまいません。
曖昧な書き方はしない
離婚協議書では、曖昧な書き方・表現は避けます。
たとえばお金を支払う内容については、具体的な金額を記載するのが最低条件です。
そのうえで、以下についても誰がみてもわかるよう明示します。
- 誰が誰に対して支払うか
- 支払い方法
- 支払い期限・時期
- 振込手数料の負担など
法律や一般常識に照らし合わせ無効になるような記載はしない
離婚協議書に、法律や一般常識に照らし合わせ無効になるような記載をしてはいけません。
仮にそのような記載があっても、無効になります。
たとえば、以下のような内容は無効になるので注意ください。
- 常識から外れるような行き過ぎたペナルティ
- 将来的な親権者変更を否定する
- 面会交流を一切認めないなど
争いを予防できるように内容をまとめる
あとで争いにならないように、離婚協議書の内容をまとめましょう。
「ここは話さなくても大丈夫だろう」「相手も同じように考えているはず」と甘くみていたことが、トラブルの原因になることもあります。
たとえば面会交流のルールをきちんと決めておかないのは、リスクが高いです。
「面会交流を求める回数が多過ぎる」とか、反対に「面会交流をさせてもらえない」
などの争いに発展しやすくなります。
テンプレート・雛形をそのまま利用するのはNG
離婚協議書のテンプレート・雛形は便利ですが、そのまま利用するのは避けましょう。
テンプレート・雛形はあくまで一例であり、全ての夫婦に適用できるわけでないためです。
テンプレート・雛形は参考にとどめ、ご自身の事情にあわせて追加・削除・修正をする必要があります。
法的な強制執行力がある公正証書にすることが推奨される
離婚協議書自体には、法的な強制執行力があるわけではありません。
たとえば約束通りお金が支払われなくても、離婚協議書にまとめただけではすぐに財産の差し押さえといった手続きができないのです。
離婚協議書を執行受諾文言付きの公正証書にしておけば、法的な強制執行力をもたせられます。
その分だけ手間が増えますが、トラブルを予防するためにも検討しましょう。
公正証書化の詳しいメリットや手続きの流れについては、以下記事を参考にしてください。
【関連記事】公正証書とは?離婚協議書を公正証書にするメリットや作成する際の流れ
弁護士に相談・依頼することも検討する
離婚協議書によるトラブルを避けるためにも、弁護士に相談・依頼することも検討しましょう。
弁護士に相談・依頼すれば、自分たちがつくった離婚協議書に不備がないか確認してもらえます。
離婚協議書の作成自体を、弁護士に任せることも可能です。
離婚協議書の書き方についてよくある質問
ここでは離婚協議書の書き方について、よくある質問を紹介します。
離婚協議書を作成するなかで、多くの方が抱く疑問なので参考にしてください。
離婚協議書は手書きでもいい?
離婚協議書は、手書きでもかまいません。
当事者の署名・捺印があれば、契約書として成立します。
ただし修正や書き直しの手間を考えると、パソコンで作成した方が楽でしょう。
手書きで作成するのであれば、すぐに消せてしまう鉛筆などで書くのは避けます。
油性のボールペンなどを使うようにしましょう。
またトラブルを避けるためにも、誰でも読めるような読みやすくきれいな字で書く必要があります。
自分で作成した離婚協議書でも効力はあるの?
離婚協議書は自分で作成したものでも、夫婦の署名捺印があれば契約書としての効力があります。
夫婦は、離婚協議書にまとめられた内容を守る義務が生じるのです。
ただ自分たちで作成した離婚協議書には、法的な強制執行力まではありません。
たとえば協議書の内容どおりお金が支払われなくても、財産の差し押さえなどをするには別途裁判手続きが必要です。
離婚協議書に法的な強制執行力を持たせるには、前述のとおり公正証書化しておく必要があります。
離婚協議書の内容はあとから変更できる?
離婚協議書の内容は、夫婦双方が合意さえすればあとから変更することも可能です。
相手が合意しない場合は、調停などの手続きによって合意を目指すことになります。
調停でも相手が合意してくれないのであれば、裁判で争わなくてはなりません。
そうなれば負担が大きくなるばかりか、合意まで長い時間がかかってしまいます。
このような手間を避けるためにも、できるだけ変更の必要がない離婚協議書を最初から作成するよう心がけましょう。
自分たちだけで作成するのが不安であれば、あらかじめ弁護士に相談・依頼することを強く推奨します。
さいごに|離婚協議書の作成で不安があれば弁護士に相談を!
離婚協議書を自分で作成するには、基本的な書き方を理解しテンプレートを活用するとよいでしょう。
自分の事情にあわせてテンプレートの内容を修正・追加・削除すれば、比較的簡単に離婚協議書を作成できます。
ただ記載に漏れがあったり不明瞭な点があったりすると、離婚協議書の内容が原因でトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
離婚協議書を作成するにあたり、少しでも不安があれば弁護士に相談・依頼することを強く推奨します。
離婚問題を得意とする弁護士に相談・依頼すれば、離婚協議書の不備を適切に指摘してくれるでしょう。
離婚協議書の作成自体を、弁護士に任せることも可能です。
