交通事故の相談先は7つ!保険会社や日弁連交通事故相談センター等ケース別相談先
交通事故を起こした・被害にあったという方は、まずその場では警察に連絡をしましょう。
その場の処理を済ませられたら、そのあとは示談や訴訟といった手続に移ります。
交通事故の相談先は7つありますが、状況によって相談すべき先・内容が変わります。
ここでは交通事故の相談先としてケース別に7つの機関を紹介し、それぞれに期待できる内容や相談すべき理由について解説していきます。
- 【相談先①】交通事故に特化した弁護士|重大なトラブルに発展しそうな場合
- 【相談先②】保険会社|責任の所在が明確な場合
- 【相談先③】日弁連交通事故相談センター|気軽に相談したい場合
- 【相談先④】交通事故紛争処理センター|損害賠償で困っている場合
- 【相談先⑤】交通事故相談所|手続などがわからないとき
- 【相談先⑥】自賠責保険・共済紛争処理機構|保険の対応で困っているとき
- 【相談先⑦】そんぽADRセンター|損害保険会社の対応に納得がいかないとき
- 交通事故の相談をどこにすべきか迷ったら|相談内容別一覧
- 日弁連交通事故相談センターがおこなう「示談斡旋」とは
- 交通事故の相談をするならまずはこれを準備!
- 交通事故の相談をする際の注意点
- 交通事故の相談方法|面談・電話・メール
- 交通事故の相談は弁護士がおすすめの理由
- まとめ|交通事故問題が複雑化しそうなら迷わず弁護士へ相談を
【相談先①】交通事故に特化した弁護士|重大なトラブルに発展しそうな場合
交通事故には、常に被害者と加害者がいます。
自分がどの立場でも、トラブルに発展しそうなら交通事故の解決が得意な弁護士を頼るとよいでしょう。
弁護士に相談するメリットは、被害者の場合は7つ、加害者の場合でも5つあります。
【被害者・加害者のメリット】 | ✓連絡窓口を全て弁護士にできる ✓適切な過失割合で合意しやすい ✓慰謝料の交渉ができる |
---|---|
【加害者のメリット】 | ✓処分の軽減を図れる ✓被害者との示談交渉を代行してもらえる |
【被害者のメリット】 | ✓治療中の不安・困りごとを相談できる ✓適切な休業損害を受け取ることができる ✓治療の打切りの交渉をしてもらえる ✓適切な後遺障害認定を受けることができる |
被害者・加害者両方にとって大きなメリットなのが、事故後の連絡窓口を全て弁護士に依頼できることです。
被害者|弁護士に頼るメリット
被害者の方にとって、治療中に保険会社からくる様々な連絡は大きな苦痛です。
弁護士に依頼すれば全て弁護士が対応してくれるので、大きく負担が減ることになります。
また、保険金額の支払いには、保険会社をとおした過失割合の決定が必要です。
基本的には加害者と被害者どちらの言い分も聞いたうえでの判断となりますが、これには法的な知識が求められます。
弁護士に相談することで、ドライブレコーダーなどの資料をもとに、妥当な過失割合の算定に協力してくれます。
加えて、慰謝料に関しての示談交渉もスムーズにできます。
示談交渉については交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するべき6つの理由|交渉の流れも解説をご覧ください。
弁護士に依頼することで「弁護士基準」での算定が可能になるため、増額の交渉が期待できるでしょう。
そのほかにも、事故によるけがで仕事を休まざるを得なくなってしまった時のための休業損害請求や、万が一後遺症が発生してしまった際には後遺障害認定を受けるためのアドバイスがもらえます。
加害者|弁護士に頼るメリット
加害者にとってのメリットは、免許停止といった処分の軽減を図るためのアドバイスがもらえたり、刑事責任軽減のための主張を相談できたりすることです。
また、状況によっては刑事事件として扱われる可能性も想定されますが、弁護士に相談すれば、被害者との示談交渉を代行してもらえ、最終的に不起訴処分となることも期待できます。
慰謝料に関する交渉も、弁護士を通せば過去の裁判例をもとに妥当な金額を計算し、減額できる可能性が高まるでしょう。
交通事故が得意な弁護士を探すには
いざ弁護士を頼ろうと思っても、どのように探すのが一番よいのか迷う方も多いはずです。
交通事故事件に精通した弁護士を探すには、専門的に比較検討できるサイトを利用するのがおすすめです。
交通事故に注力している弁護士を探すのに便利なサービスを紹介します。
ベンナビ交通事故で検索する
ベンナビ交通事故なら、お住まいの地域で活躍する交通事故に特化した弁護士を簡単に検索できます。
「交通事故の慰謝料計算機」を使えば、慰謝料の計算や費用相場も可能です。
累計相談数は7万7,000件を超え、「後遺障害等級に納得いかない」「保険会社から治療打切りと言われた」など、様々なケースに対応しています。
相談料無料の弁護士事務所も掲載していますので、交通事故に関してお悩みの方は一度サイトを利用してみましょう。
【相談先②】保険会社|責任の所在が明確な場合
交通事故が起きたとき、被害者・加害者のどちらであっても、加入している保険会社への連絡が必要になります。
相談ができる内容としては以下のとおりです。
【被害者・加害者】 | ✓示談の交渉 |
---|---|
【被害者】 | ✓けがの治療費や車の修理費に関する請求 |
交通事故が起きたとき、大きな争点になるのが過失割合に関する部分です。
大きなトラブルに発展しそうな場合は弁護士に頼るのが一番ですが、両者共に責任の所在が明確で納得できている場合、弁護士に依頼する必要はありません。
保険会社に相談する流れ
被害者の場合、加入している保険会社へ連絡する際に必要な情報は、事故の状況やけがの有無、加害者の車両番号や連絡先など、多岐にわたります。
このため、まずは警察などへの連絡を最優先におこない、その場で必要な情報を集められるようにしておきましょう。
治療費や修理費の見積もりがとれたら、示談の交渉に入ります。
もし被害者側にも過失がある場合、保険会社の示談代行サービスが使えるので、相談してみましょう。
けがの治療費や車の修理費に関する請求、休業損害請求など、様々なやり取りを代わりに執りおこなってくれます。
ただし、これらのケースは全て深刻なトラブルに発展していない場合に限ります。
納得できない条件を提示されてしまった場合、弁護士に依頼する必要が出てきます。
【相談先③】日弁連交通事故相談センター|気軽に相談したい場合
交通事故に巻き込まれたとき、「どこに相談したらよいかわからない!」という場合、公益財団法人日弁連交通事故相談センターに連絡してみましょう。
日弁連交通事故相談センターは、被害者救済の目的で設置された公益財団法人です。
相談できる内容は多岐にわたり、被害者から寄せられる相談にはほぼ対応しています。
たとえば以下のとおりです。
- 交通事故にかかる法律相談
- 示談斡旋
- 慰謝料といった賠償金や示談の交渉
- 保険会社との過失割合の折衝 など
たとえば、加害者が任意保険に入っておらず、慰謝料について思うように交渉できないようなケースでも、無料で相談に乗ってもらえます。
9つの自動車共済と協定を結んでおり、交渉相手が該当する共済に加入している場合には、裁定に一定の拘束力(片面的拘束力)があります。
このため比較的スムーズに示談や和解が進むのもメリットです。
なお、任意保険会社に対する拘束力はないため、注意が必要です。
相談費用は5回までなら無料、予約はWebからでもOKです。
対応してくれるのは加盟している弁護士で、相談所は全国156か所に設置されています。
電話相談も無料で対応しており、相談しやすいのが特徴です。
デメリットは、交渉相手が任意保険会社だった場合、後述の交通事故紛争処理センターに依頼したほうがよい場合があることと、事故の事実認識に相違がある場合は利用ができないケースがあることです。
少しでもトラブルの気配がした場合には、弁護士の利用を検討しましょう。
電話番号 | 0120-078325 |
---|---|
受付時間 | 平日10:00~16:30/第5週除く水曜10:00~19:00 |
拠点数 | 全国156か所 |
ホームページ | http://www.n-tacc.or.jp/ |
【相談先④】交通事故紛争処理センター|損害賠償で困っている場合
公益財団法人交通事故紛争処理センターは、自動車事故の損害賠償問題で悩む方のために設立された公益財団法人です。
保険会社・全国トラック交通共済協同組合連合会(交協連)・JA共済連といった各種団体などからの拠出金を財源として運営されています。
相談できる内容としては以下のとおりです。
- 加害者側の保険会社との賠償に関する法律相談
- 加害者側の保険会社との和解斡旋
交通事故紛争処理センターは、協定のある任意保険会社や団体に対して片面的拘束力をもちます。
このため、加害者側が提示してきた損害賠償の金額や条件などについて不服がある場合の相談に適しています。
和解斡旋がうまくいかなった場合には、交通事故紛争処理センターで審査・裁定がおこなわれ、適切な賠償金額を算出して通知してくれます。
保険会社はこの裁定結果に従う義務があるのです。
担当してくれるのは加盟している弁護士で、費用は無料です。
利用には事前予約が必要ですが、電話受付のみのため注意しましょう。
拠点は全国11か所にあります。
所在地に最も近い相談所にコンタクトを取りましょう。
なお、損害賠償についての裁定に関しては、治療継続中である場合や、後遺障害の等級が確定していない場合は、損害額が確定していないので対象になりません。
もしこの部分が争点になりそうな場合は、交通事故が得意な弁護士に頼るとよいでしょう。
電話番号 | 03-3346-1756(東京本部) |
---|---|
受付時間 | 平日9:00~12:00/13:00~17:00 |
拠点 | 札幌/仙台/東京/さいたま/名古屋/静岡/金沢/大阪/広島/高松/福岡 |
ホームページ | http://www.jcstad.or.jp/ |
【相談先⑤】交通事故相談所|手続などがわからないとき
交通事故にあったとき、手続関連についてよくわからないといった場合は、自治体などの交通事故相談所に連絡をしてみましょう。
たとえば東京都の場合、東京都交通安全協会の交通事故相談所が都内に7か所あります。
また、千葉県は3か所の庁舎窓口で相談を受け付けているようです。
どこまで対応しているかは各自治体によって異なります。
たとえば東京・千葉であれば、以下の内容の相談が可能です。
- 自賠責保険・任意保険
- ひき逃げなどの場合の補償
- 損害賠償額の相談
- その他法律相談
相談は経験豊富な職員が対応、相談料は無料です。
交通事故は加害者・被害者共に多くの手続ややり取りが必要となるものです。
保険の手続や適切な相談先についてアドバイスをしてくれるので、安心して事故後の処理を進められるでしょう。
焦ってしまい「何から手を付けたらいいかわからない!」といった方は近くの交通事故相談所に連絡を取ってみると、状況を進捗できるかもしれません。
【参考記事】
交通事故相談所|東京都交通安全協会
交通事故相談所の案内|千葉県
【相談先⑥】自賠責保険・共済紛争処理機構|保険の対応で困っているとき
一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構は、交通事故の被害者保護を目的として設立された指定紛争処理機関です。
自動車損害賠償責任保険・自動車損害賠償責任共済の支払いに関する紛争について、第三者機関として間に入って調停を図ります。
主に相談できる内容としては以下のとおりです。
- 治療費・休業損害請求・慰謝料などの、自賠責保険金・共済金の支払基準
- 賠償責任の有無や賠償金の金額について
- 後遺障害等級の認定制度について
- 調停申請手続 など
自賠責保険・共済紛争処理機構は、自賠責保険を取り扱う保険会社・共済組合に対し、採決した調停結果を遵守させる片面的拘束力をもっています。
紛争処理の審査は無料です。
当事者の出席も不要で、保険会社・共済組合から提出された書類に基づき審査がおこなわれます。
申請が受理されればほぼ自動で手続が進むので、被害者の方にとっては負担も少なく済みます。
なお、あくまで自賠責保険に関するトラブルを扱うため、任意保険に関しての争いは対応できませんので注意しましょう。
電話番号 | 0120-159-700 |
---|---|
受付時間 | 平日9:00~12:00/13:00~17:00 |
拠点 | 東京/大阪 |
ホームページ | http://www.jibai-adr.or.jp/ |
【相談先⑦】そんぽADRセンター|損害保険会社の対応に納得がいかないとき
そんぽADRセンターは、一般社団法人日本損害保険協会の相談対応窓口です。
交通事故被害者と損害保険会社との間で起こったトラブルについて、苦情対応や紛争解決の相談をおこなっています。
相談できる内容は多岐にわたります。
主に対応しているのは下記のとおりです。
- 損害保険会社とのトラブル相談
- 損害保険会社への苦情相談
- 損害保険会社との紛争相談
いずれの相談内容でも、相談費用は無料です。
交通事故への対応や損害保険に関する相談について、専門の相談員が第三者の視点から公正なアドバイスをしてくれます。
苦情への対応としては、該当の損害保険会社に通知し、業務改善の対応を求めるなどにより解決促進を図ります。
苦情解決の手続を踏んでもトラブルが収まらない場合、紛争解決手続にも対応しています。
弁護士などによる「紛争解決委員」を発足し、双方の事情をヒアリングして和解案の提案をしてくれます。
原則として損害保険会社とのトラブル対応のための相談窓口になりますので、保険内容の相談はできないため注意しましょう。
電話番号 | 0570-022808 |
---|---|
受付時間 | 平日9:15~17:00 |
拠点 | 札幌/仙台/東京/金沢/名古屋/大阪/広島/高松/福岡/那覇 |
ホームページ | https://www.sonpo.or.jp/about/efforts/adr/ |
交通事故の相談をどこにすべきか迷ったら|相談内容別一覧
ケース別に適した相談先をまとめました。ぜひ参考にしてください。
裁判になる可能性が高い|交通事故の解決が得意な弁護士
相手方とトラブルが発生し、裁判に発展する可能性が高い場合は弁護士を頼らなければなりません。
法廷に立てるのは弁護士のみです。
裁判になる可能性が高い状況として、下記が挙げられます。
- 交通事故の状況について加害者・被害者の主張に不一致がある
- 示談斡旋が不成立になった
- 示談で示された条件に納得できない・してもらえない
損害賠償請求権にも時効がありますので、早急に処理したい場合や交渉が難航している場合は、弁護士を頼りましょう。
示談斡旋が不成立になった|交通事故の解決が得意な弁護士
示談斡旋が不成立になった場合、弁護士などに入ってもらって「民事調停」などで対応するのが一般的です。
ここでも話し合いが進まない場合、裁判まで発展する可能性もありますので、この段階で弁護士に依頼してしまうのが近道です。
保険会社ともめた|紛争相手によって異なる
保険会社とトラブルに発展した場合、相手によって相談先が異なります。
自賠責保険会社ともめた|自賠責保険・共済紛争処理機構
このケースでは自賠責保険・共済紛争処理機構が適しています。
自賠責保険を取り扱う保険会社・共済組合に対して片面的拘束力をもっているので、スムーズに話が進みます。
任意保険会社・共済ともめた|交通事故紛争処理センター
この場合、交通事故紛争処理センターに相談しましょう。
和解ができない場合、こちらの機関で審査がおこなわれ、保険会社・共済はその審査結果を受け入れなければなりません。
損害保険会社ともめた|そんぽADRセンター
この場合、そんぽADRセンターが妥当です。
損害保険会社へ苦情の相談ができたり、紛争に関する相談をしたりできます。
和解案でも成立しない場合は裁判になる可能性も考えられるので、あらかじめ弁護士にも相談しておくとよいでしょう。
相談場所の数で選びたい|日弁連交通事故相談センター
日弁連交通事故相談センターは、全国156か所に拠点をもつ弁護士主体の公益財団法人です。
相談費用は無料で弁護士が対応してくれるので、近場の弁護士を探したいという方はこちらに相談してみることをおすすめします。
簡単な相談をしたい|交通事故相談所
交通事故相談所は都道府県などの自治体や社団法人として、交通事故に関する法律相談などをおこなっています。
費用は無料でベテラン職員が各種手続や適した相談先のアドバイスをしてくれます。
責任が明確でトラブルの可能性が低い|保険会社
お互いに責任の所在が明確でトラブルになりそうにないときは、保険会社へ連絡しましょう。
交通事故に関する保険は、事故日を起点に期限が設けられていることがほとんどです。
早めに相談するようにしましょう。
なお、交通事故の相談には保険会社との紛争に関するものも多くあります。
この時点で安心ということではないので、注意しましょう。
日弁連交通事故相談センターがおこなう「示談斡旋」とは
日弁連交通事故相談センターは、示談交渉などをおこなう弁護士を紹介してくれる「示談斡旋」というサービスを提供しています。
示談斡旋は、交通事故に関する無料相談をした依頼人と、事故の相手方や保険会社との仲立ちを弁護士が無料でおこない、早期解決を図るサービスです。
示談斡旋ができるかどうかは、担当の弁護士が判断します。
治療が終了していない場合や症状固定していない場合は対応してもらえないので注意しましょう。
示談斡旋に適すると判断された場合、弁護士を介して和解案の提案がおこなわれます。
相手方が納得すれば成立となりますが、令和2年の成立率は78.89%と高い水準です。
平均2回以下で示談が成立するというスピーディーさも魅力です。
示談斡旋に相手が同意してくれない場合や、提示した和解案で不服がある場合、訴訟に進みます。
日弁連交通事故相談センターと協定を結んだ9共済が相手の場合、日弁連交通事故相談センターで審査をおこない、決定されることもあります。
【参考サイト】示談あっ旋・審査|日弁連交通事故相談センター
交通事故の相談をするならまずはこれを準備!
交通事故の相談をする場合、相談内容の整理と必要書類の準備が必要になります。
それぞれポイントがあるので、しっかり確認しておきましょう。
相談内容の要点をまとめておく
相談内容についてまとめておきましょう。
まとめておくべき点としては下記が挙げられます。
- 事故の内容
- 相手方の情報
- けが・後遺症に関すること
- 交渉の進捗状況
- 保険会社からの提示額
- 治療を受けている病院の情報
- その他、不安や希望があればメモ
事故の内容とは、「人身事故か物損事故か」「車の被害状況」「日時や天候など、事故当時の状況」などです。
自転車での走行中か、歩行中か、それとも追突事故なのか、周囲や自身がけがをしているかといった状況をまとめておきましょう。
また、相手方の情報も必要です。
連絡先、保険への加入状況といった情報をまとめておきましょう。
けがや後遺症に関しては、医師の診断書や相手保険会社からの後遺障害等級認定など、わかる情報があれば全てまとめておきましょう。
治療状況や入通院日数などにより、損害賠償金額増額の期待が高まります。
また、保険会社からの後遺障害等級認定や示談金の提示の有無などについては、今後の争点となる重要なポイントなので、忘れず確認しましょう。
必要な書類をそろえておく
必要書類は相談先により異なります。
ここでは例として日弁連交通事故相談センターへの相談で必要となるものについて紹介します。
ホームページに記載されている必要書類は、下記のとおりです。
✓交通事故証明書、事故状況を示す図面、現場・物損等の写真
✓診断書、診療報酬明細書
✓後遺障害診断書
✓事故前の収入を証明するもの(給与明細書、休業損害証明書、源泉徴収票・確定申告書の写し等)
✓相手方からの提出書類(賠償額の提示書等)
「交通事故証明書」とは、事故があったことを証明する公的書類のことです。
警察に事故の届出をしたあとに、自動車安全運転センターに申請すれば取得できます。
なお、申請するには以下3つの方法があるので、自分に合った方法で取得しましょう。
- 自動車安全運転センターの事務所で直接申請する
- 警察署などで交通事故証明書申込用紙を入手。ゆうちょ銀行で申請する
- 自動車安全運転センターのWebサイトから申請する
【参考サイト】申請方法|自動車安全運転センター
日弁連交通事故相談センターは無料で利用できますが、相談回数は5回までと定められています。
一度の相談でなるべく多くの情報を提供できるよう、可能な限り自分で準備しておくとよいでしょう。
なお、日弁連交通事故相談センターの示談斡旋を申し込む場合、申出書や委任状といった書類も必要となります。
ホームページでダウンロードできるので、確認しておきましょう。
交通事故の相談をする際の注意点
交通事故を相談する際に注意しておきたいポイントを解説します。
ポイントを押さえておけば、トラブルになる前に予防ができたり、トラブルが起きた時に迅速に対応できたりします。
特に保険周りのトラブルは期日があるので、スピード命です。
万が一に備えてポイントを覚えておきましょう。
交通事故問題に注力している弁護士を選ぶ
交通事故の相談には様々な相談先がありますが、交渉が難航した場合や、示談の条件に納得いかない場合、最終的には裁判になります。
このため、交通事故に詳しく、注力している弁護士に頼るという選択肢を常にもっておきましょう。
交通事故で交渉する相手は、事故の当事者だけではありません。
相手方も弁護士を雇っているケースもあれば、加入していた保険会社が保険金を払い渋ることもあります。
特に保険会社は、なるべく支払う保険金が少なくなるように専門用語を用いて丸め込もうとしてきます。
不信感がぬぐえなかったり、こちらが理解しているか確認せずに話を進めてこようとしたりする場合、一度話を止めて弁護士に相談してみましょう。
ベンナビ交通事故なら、交通事故に特化した弁護士を、無料で検索、比較検討できます。
慰謝料や示談金が少ない、過失割合に納得いかないといった不満や不安がある方は、ぜひ利用してみてください。
事実をきちんと伝える
交通事故の相談は、事実だけをしっかりと伝えられるようにしましょう。
たとえば弁護士に相談する場合、相談時間は限られています。
無料相談ともなれば30分程度が相場です。
弁護士に判断材料を渡す場と割り切って、当時の詳しい状況を整理したり、警察から資料を取り寄せたりして、主張の要点とその裏付けをまとめておきましょう。
そのほかの相談先についても同様です。
主張の要点とその裏付けとなる資料一式を準備して、事実を間違いなく伝えるという点を意識しておきましょう。
何をゴールにするか明確にしておき、見通しを教えてもらう
何を目的に相談するのか、ゴールを明確にしてから相談先を決定しましょう。
たとえば示談で示された慰謝料に満足いかない場合、弁護士にその旨を伝え、当時の状況や資料を渡します。
そうすればおおまかな見通しを教えてもらえるでしょう。
また、見通しが立てば、その後の行動をより適切なものに変えていけます。
たとえば事故でけがをしてしまった場合、後遺障害認定を受けるためには病院で一定の診療を受けておく必要があります。
慰謝料に納得がいかず増額を目指したいといった場合や保険会社ともめて困っている場合など、様々な状況が考えられます。
目的をしっかりもって見通しの相談をしましょう。
交通事故の相談方法|面談・電話・メール
交通事故の相談は相談先によって様々な方法で可能です。
それぞれメリットデメリットがあるので、自身の状況を踏まえて最適な方法を選択しましょう。
面談で相談するメリット
面談のメリットは相手の顔を見られるので、信頼できそうかどうかを慎重に見定められることです。
また、文章だけでは伝えきれない微妙なニュアンスも、対面であればその場の雰囲気で伝わりやすくなります。
言葉にするのが苦手という方は、むしろ対面での相談のほうが汲み取ってもらいやすく、おすすめです。
電話で相談するメリット
電話相談は、会場や事務所に足を運ばなくても対応してもらえる便利なサービスです。
対面には劣りますが、文章では伝わらない微妙なニュアンスの違いを伝えやすいのがメリットです。
手元にパソコンを置いておけば、弁護士の話を聞きながら、気になる点があれば調べてみるといったことも可能になります。
メールで相談するメリット
メール相談は、電話や面談と異なり予約不要で、担当者が離席などの理由で対応できないということが起こりません。
特に時間制限がないことも大きなメリットといえます。
面談・電話にかかわらず、相談したい内容をまとめておくのは重要なステップです。
メールなら、書きながら要点をまとめたり、推敲できたりしますので、まだ状況がまとめきれていない方にもおすすめです。
交通事故の相談は弁護士がおすすめの理由
これまで見てきたとおり、交通事故の相談は相手の提示してくる条件や態度によって、最終的に裁判まで発展する可能性をはらんでいます。
初めから弁護士に相談しておいたほうが、多くのメリットを享受できます。
それぞれ解説していきます。
代理人として交渉を一任できる
弁護士はあらゆる法律行為を代行できます。
相手の保険会社とのやり取りや示談の交渉などを代理で進めてもらえ、全て一括で依頼が可能なので、様々な手間や負担から解放されます。
手続などの時間と手間を軽減できる
弁護士に依頼すれば、病院の手続から裁判の法的手続まで、一括で依頼が可能です。
求める落としどころを確定させておけば、そこに向けて戦略を立てて実行してくれます。
相手がどのような条件を出してきても、必要な手続は全て代行してもらえるので、手間と時間を軽減できるのは大きなメリットです。
症状にあった後遺症認定を受けられる可能性が高まる
症状にあった正しい等級での後遺症認定は、適切な賠償金をもらうために必須です。
保険会社はなるべく支払いをしなくてよいように、法律用語を並べ立てて低い等級に誘導しようとしてきます。
弁護士に依頼すれば、適切な等級認定へと導いてくれるので安心です。
納得のいく慰謝料を受け取れる可能性
示談金や慰謝料は交通事故において最も重要な争点の一つです。
納得のいく金額を受け取るには、後遺症認定や過失割合など、特別な法的知識が必要不可欠になります。
弁護士は法律のプロフェッショナルです。
交通事故に注力している弁護士なら、過去の判例などから適切で納得のいく金額を受け取れるように尽力してくれます。
またデメリットに関しては【解消策あり】交通事故の解決を弁護士に依頼するデメリット|費用の抑え方も解説をご覧ください。
まとめ|交通事故問題が複雑化しそうなら迷わず弁護士へ相談を
交通事故の相談先は状況によって様々ですが、中でも日弁連交通事故相談センターはオールマイティーに相談可能です。
しかし、トラブルが大きく発展しそうな場合、交通事故の解決が得意な弁護士に頼るのが最も堅実な選択肢です。
裁判になった場合、法廷に立てるのは弁護士だけです。
交通事故に精通した弁護士なら、そうした事態を見据えながら、早急に事態の収束を図ってくれるでしょう。
ベンナビ交通事故なら、お住まいの地域や相談したい内容から、交通事故に注力している弁護士を検索できます。
「問題が複雑になりそう」、「手続がよくわからない」といった方はぜひ利用してみてください。