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遺産分割調停で弁護士なしはリスクが高い理由とは?弁護士費用の目安も解説

弁護士監修記事
遺産相続 遺産分割
2026年04月15日
遺産分割調停で弁護士なしはリスクが高い理由とは?弁護士費用の目安も解説
この記事を監修した弁護士
日下 貴弘弁護士 (グリーンクローバー法律会計事務所)
税理士資格を持っており、「相続に強い弁護士」として、遺産分割の問題/遺留分侵害額請求の問題/遺言の有効性の問題/相続の生前対策など、相続に関する問題を数多く扱っています。
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遺産相続の際、相続人同士で話し合っても遺産分割がまとまらず、家庭裁判所でおこなわれる「遺産分割調停」に進むケースは少なくありません。

その際、「弁護士をつけずに自分だけで対応できるのでは」と考える方も多いのではないでしょうか。

遺産分割調停は単なる話し合いの場ではなく、法律知識や主張の組み立て方次第で結果が大きく変わる手続きです。

弁護士なしで臨んだ結果、本来受け取れるはずだった相続分を主張できなかったり、不利な条件で調停が成立してしまったりするリスクもあります。

この記事では、遺産分割調停を弁護士なしで進めることの具体的なリスクをわかりやすく解説します。

また、弁護士に依頼した場合の費用相場や、費用に見合うメリットについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

遺産分割調停で弁護士なしはリスクが高い?弁護士は必要?

まずは、遺産分割調停の弁護士あり・弁護士なしのデータ、遺産分割調停で弁護士への依頼が推奨されるケースについて解説します。

実際に弁護士を立てて調停に臨む割合が高い

2024年におこなわれた遺産分割調停・審判において、代理人として弁護士が関与した割合は、以下のとおりです。

遺産分割調停・審判における代理人弁護士の関与数/全家庭裁判所(2024年)
  調停成立 調停に代わる審判
総数 6,776 4,817
代理人弁護士が関与した数 5,710 3,624
代理人弁護士が関与しなかった数 1,066 1,193
代理人弁護士が関与した割合 約84.2% 約75.2%

【参照】令和6年司法年報-3家事編

遺産分割調停に弁護士が関与したのは、全体の約84.2%です。

一方、調停に代わる審判では、全体の約75.2%の事件に弁護士が関与しています。

ここから、大半の遺産分割事件に代理人弁護士が関与しているというデータを読み取ることができます。

遺産分割調停で特に弁護士を立てるべきケース

遺産分割調停は、弁護士なしで相続人だけで手続きを進めることも可能です。

しかし、実際の遺産分割調停では、専門的な法律知識や書類作成が求められます。

また、遺留分や特別受益などが争点になるようなケースでは、自分の主張を根拠付ける適切な証拠を用意しなければ、不利な内容で調停が成立しかねません。

さらに、相手方が弁護士をつけている場合には、こちら側が弁護士なしで遺産分割調停に望むことで、本来受け取ることができた遺産を奪われるという事態を強いられかねないでしょう。

そのため、以下のようなケースで遺産分割調停に発展したときには、弁護士を立てて遺産分割調停手続きに対応することが推奨されます。

  • 相手方の全部または一部に弁護士が就任した場合
  • 遺産のなかに不動産や有価証券、収益物件などの複雑かつ高額な財産が含まれており、遺産の評価方法などで争いが生じる可能性が高い場合
  • 相続財産調査を尽くしても遺産の全貌を把握できない場合
  • 代襲相続や被相続人の再婚、養子縁組などによって、遺産分割手続きに関与する相続人の人数が非常に多い場合
  • 相続人のなかに、未成年者や重度認知症、成年被後見人など、判断能力に疑いがある人がいる場合
  • 相続人のなかに行方不明や連絡先がわからない人がいる場合
  • ほかの相続人との関係が希薄だったり疎遠な人が含まれていたりする場合
  • ほかの相続人による遺産の使い込みが疑われる場合
  • 相続人同士の話し合いで、不安やストレス、恐怖心を抱く場合
  • ほかの相続人が法的根拠のない主張を展開するなどして話が通じない場合
  • 特別受益や寄与分、遺留分侵害などが争点になっている場合
  • 被相続人が死亡してから相当の期間が経過している場合

遺産分割調停で弁護士を立てるメリット7つ

遺産分割調停で弁護士に相談・依頼するメリットを7つ紹介します。

  1. 依頼人の利益の最大化を目指してくれる
  2. 依頼人の相続分を確保するために適切な主張を展開してくれる
  3. 不利な遺産相続にならないように適切なアドバイスを期待できる
  4. 面倒な遺産相続手続きを全て任せることができる
  5. ほかの相続人と顔を合わせずにすむ
  6. 調停委員との間で適切なやりとりを期待できる
  7. 遺産分割協議がまとまらず審判に移行したあとの対応も期待できる

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

依頼人の利益を最大化するために有効な活動をしてくれる

弁護士は、依頼人の利益を最大化することを職責としています。

そのため、弁護士に遺産分割調停に対応してもらえれば、自分の希望通りの遺産相続を実現するための活動を期待できるでしょう。

法律に基づいて自分の相続分を適切に主張してもらえる

法定相続人には、自分の法定相続分や遺留分を取得する法的権利が与えられています。

しかし、実際の遺産分割協議や遺産分割調停の現場では、相手方が高圧的な主張やこちらの証拠不足によって、自分の相続分や遺留分さえも取られてしまうケースが少なくありません。

弁護士は相続制度や遺産相続のルールをしっかりと把握しているので、依頼者が本来受け取ることができる権利を承継できるように、遺産分割調停において適切な法的主張を展開してくれるでしょう。

不利にならないために必要なアドバイスをしてくれる

弁護士は、依頼人が不利な遺産分割調停案を強いられないために、必要なアドバイスを提供してくれます。

たとえば、相続財産に不動産が含まれている場合には、不動産の評価方法が争点になる可能性が高いです。

不動産を承継する側なら評価額を引き下げるような評価方法を、不動産を承継せずにほかの財産を承継する側なら評価額を引き上げるような評価方法を選択しようとします。

弁護士は、依頼人がどの財産をどのような形で承継したいのかについて希望を聞いたうえで、不利にならない承継方法を実現するための主張立証をしてくれるでしょう。

面倒な手続きや交渉を全て任せられる

遺産分割調停を弁護士に依頼すれば、家庭裁判所における調停期日への対応やほかの相続人との連絡、必要書類の準備など、面倒な手続きや交渉を全て任せられます。

依頼者は定期的に弁護士から報告を受けて、法律事務所などで打ち合わせをするだけで遺産相続手続きを終わらせられるので、時間や労力の負担が大幅に軽減されるでしょう。

ほかの相続人と顔を合わせずにすむ

遺産分割調停を弁護士に依頼すれば、弁護士が依頼人の窓口になってくれます。

たとえば、ほかの相続人と顔を合わせたり連絡をとりあったりするのが面倒だと感じているなら、弁護士への依頼によって、ほかの相続人と関わる機会をゼロにできます。

調停委員に対しても適切に交渉をすすめてくれる

遺産分割調停手続きでは、説得的な証拠を用意したうえで、裁判官や調停委員に対してこちら側の主張を伝えなければいけません。

弁護士に依頼をすれば、依頼者がどのような形での遺産承継を希望しているのかを把握したうえで、調停委員に対して丁寧な交渉をおこなってくれるでしょう。

審判に移行した場合も不利になるのを避けられる

遺産分割調停段階から弁護士に依頼をしておけば、調停不成立で遺産分割審判手続きに移行したとしても、不利な審判が下されるリスクを大幅に軽減できます。

遺産分割審判では、調停手続きで提出された証拠や当事者の主張内容が判断材料にされます。

その際には、法的根拠がある主張・証拠が特に重視される傾向にあります。

遺産分割調停で弁護士に依頼をして丁寧に手続きなどを進めていれば、調停段階で提出した証拠や主張は法的根拠のある的確なものになっているはずです。

その結果、遺産分割審判でも有利な判断を獲得しやすくなるでしょう。

遺産分割調停の対応を弁護士に依頼した場合の費用目安

ここからは、遺産分割調停への対応を弁護士に相談・依頼したときの弁護士費用の目安額を紹介します。

遺産分割調停の弁護士費用の内訳は、以下のとおりです。

  • 相談料
  • 着手金
  • 報酬金
  • 日当
  • 実費

それぞれの内訳ごとに、概要や相場を見ていきましょう。

初回相談料|依頼する前の相談時にかかる費用

遺産分割調停について依頼をする場合には、委任契約を締結する前に、弁護士との間で法律相談の機会を設けるのが一般的です。

業務を依頼する前の段階で実施される法律相談では、相談料が発生します。

相談料の目安は、30分あたり5,500円〜11,000円(税込)です。

法律事務所によっては、初回の法律相談料を無料にしているところもあります。

着手金|弁護士に依頼する時点でかかる初期費用

弁護士に遺産分割調停を依頼する場合、委任契約を締結するタイミングで、着手金を支払う必要があります。

着手金とは、弁護士に業務を依頼する際に発生する初期費用のことです。

弁護士に依頼した業務がどのような形で解決しようとも、また、業務の途中で委任契約を解除したとしても、原則として返金されることはありません。

旧弁護士報酬基準による着手金の目安

遺産分割調停の着手金は、固定の金額が定められているパターンと、事件の経済的利益の金額によって変動するパターンの2種類に区分されるのが一般的です。

まず、遺産分割調停案件の着手金を固定しているケースでは、20万円〜60万円が目安になります。

次に、経済的利益の金額によって変動するケースでは、以下のように、旧弁護士報酬基準を参考にしていることが多いです。

事件の経済的利益の金額 着手金
300万円以下の場合 経済的利益の8%
300万円を超え3,000万円以下の場合 経済的利益の5% + 9万円
3,000万円を超え3億円以下の場合 経済的利益の3% + 69万円
3億円を超える場合 経済的利益の2% + 369万円

また、この表における経済的利益は、以下のように争いがある部分とない部分で算出方法が異なります。

  • 遺産分割調停で争いがある遺産:そのままの価額を経済的利益に反映
  • 遺産分割調停で争いがない遺産:1/3に減額した価額を経済的利益とする

報酬金|成果に対する成功報酬

弁護士に依頼した遺産分割調停が解決した場合には、業務終了時に報酬金を支払う必要があります。

報酬金とは、弁護士の業務に対する成功報酬のことです。

委任契約を途中で解約する場合には、業務の進捗状況に応じて一定の報酬金が発生します。

旧弁護士報酬基準による成功報酬の目安

遺産分割調停の報酬金は、以下のように、旧弁護士報酬基準に基づいて設定されることが多いです。

事件の経済的利益の金額 報酬金
300万円以下の場合 経済的利益の16%
300万円を超え3,000万円以下の場合 経済的利益の10% + 18万円
3,000万円を超え3億円以下の場合 経済的利益の6% + 138万円
3億円を超える場合 経済的利益の4% + 738万円

日当/出張手当|遠方に出張した際にかかる手当

日当とは、弁護士が法律事務所の外で仕事をしたときに発生する費用のことです。

たとえば、調停期日に出席するために遠方の家庭裁判所まで出張した場合や、遺産に含まれる不動産の状況を確認する場合に現地訪問をした場合には、日当が発生する可能性があります。

日当の金額は法律事務所によって異なりますが、半日で3万円以上5万円以下、1日で5万円以上10万円以下が目安です。

どの業務に対して日当が発生するのかは、委任契約締結前に確認することを強くおすすめします。

実費|印紙代・交通費など遺産分割調停に対してかかる諸費用

遺産分割調停を進める際には、印紙代や郵便切手代、弁護士の交通費・宿泊費用、発行手数料などが発生します。

弁護士に遺産分割調停を依頼すると、これらの諸経費は実費として依頼者負担になります。

遺産分割調停でかかる弁護士費用のシミュレーション例

実際に遺産分割調停を弁護士に依頼したときに発生する費用について、具体例を使ってシミュレーションをしてみましょう。

  • あなたが受け取る遺産総額:2,500万円
  • ほかの相続人との争訟の対象になっている遺産:1,000万円
  • 初回の相談料:無料
  • 着手金:30万円
  • 日当:遠方への出張はなく、日当は発生していない
  • 実費:3万円

この事案では、経済的利益をいくらと見積もるかが問題になります。

まず、遺産総額2,500万円のうち、争訟の対象になっている遺産は1,000万円、争いがない部分の遺産は1,500万円です。

そのため、報酬金の算定根拠になる経済的利益は、争いがある部分の1,000万円と、争いがない部分の1,500万円の1/3に相当する500万円を合算した1,500万円です。

そして、旧弁護士報酬規定によると、経済的利益が1,500万円の遺産分割調停の報酬金は「経済的利益の10% + 18万円」の計算式で算定されるので、本件遺産分割調停を弁護士に依頼した場合の報酬金は168万円と算定されます。

以上を踏まえると、本件の遺産分割調停を弁護士に依頼した場合の弁護士費用総額は201万円になります。

  • 相談料:0円
  • 着手金:30万円
  • 報酬金:168万円
  • 日当:0円
  • 実費:3万円
  • 総額:201万円

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遺産分割調停の弁護士費用の負担をおさえる方法

ここからは、遺産分割調停の弁護士費用を低額におさえる方法について解説します。

初回無料相談を活用する

弁護士費用を低額におさえたいなら、初回の相談料無料の法律事務所を優先的に選ぶのがおすすめです。

たとえば、遺産分割調停を依頼する際には、契約を締結する前に法律相談の機会が設けられることが多いですが、初回相談無料の法律事務所を選ばなければ、所定の法律相談料の負担を強いられます。

また、遺産分割調停を依頼する弁護士を選ぶときには、いくつかの法律事務所で実際に弁護士と顔を合わせて相性などを確認するステップが必要ですが、その都度相談料を払っていると、最終的な費用負担総額がどんどん膨れあがってしまいます。

その点、初回の相談料無料の弁護士を選べば、費用負担なく遺産分割調停を依頼する弁護士を見つけられるうえ、弁護士費用の節約にもなるでしょう。

複数の法律事務所から見積もりをもらって比較する

遺産分割調停の弁護士費用を安くおさえたいなら、複数の法律事務所から見積もりをもらって比較するのがおすすめです。

というのも、弁護士費用の算定方法や金額は法律事務所によって異なるからです。

法律相談の機会に現在抱えている遺産相続トラブルの内容を伝えれば、最終的な弁護士費用目安額を提示してもらえるので、もっとも条件に合う弁護士を選ぶとよいでしょう。

ただし、費用面だけに注目して弁護士を選ぶのはおすすめできません。

費用面の条件だけではなく、人柄や経験、実績、得意分野、熱意などを考慮したうえで、信頼して遺産分割調停を任せることができるかという観点で弁護士を決めるようにしてください。

なるべく早く弁護士に相談する

弁護士費用を低額におさえたいなら、遺産相続問題が発生してすぐに弁護士に相談するのがおすすめです。

というのも、弁護士に相談しないまま遺産相続手続きが進んでしまうと、ほかの相続人との争いがどんどん深刻化してしまう可能性が高いからです。

たとえば、弁護士に相談・依頼する前から調停手続きがある程度進んでおり、ほかの相続人との意見の違いを埋めることができない状況だと、遺産分割調停の終盤で弁護士に相談・依頼をしたところで、遺産分割調停の成立は期待しにくいです。

そして、そのまま審判に移行すると、遺産分割審判事件分の弁護士費用の負担も強いられかねません。

弁護士費用を低額にしたいなら、遺産分割トラブルの早期解決を目指すべきです。

弁護士に相談するタイミングが早いほど円滑かつ有利に遺産分割手続きを進めやすくなるので、被相続人が死亡したときには、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談してください。

近くの法律事務所/弁護士の出張が不要な法律事務所を選ぶ

弁護士費用をおさえたいときには、法律事務所の所在地にも注意が必要です。

まず、遺産分割調停は、相手方のうちのひとりの住所地を管轄する家庭裁判所、または、当事者が合意で定める家庭裁判所に申立てをする必要があります。

裁判所から遠い法律事務所に依頼をすると、遺産分割調停期日のたびに弁護士が出張をしなければならず、高額の日当が発生します。

また、遺産分割調停を弁護士に依頼すると、定期的に法律事務所を訪問して、弁護士と打ち合わせをする必要があります。

しかし、自宅などから離れている法律事務所に依頼をしてしまうと、その都度時間と交通費の負担を強いられます。

ですから、弁護士費用の負担総額を軽減したい場合には、弁護士の日当や交通費、オンラインでの打ち合わせが可能かなどの諸事情を総合的に考慮して、相談・依頼する法律事務所を選ぶようにしてください。

経済的に困窮している場合は法テラスを利用できる

経済的な理由で遺産分割調停を弁護士に相談・依頼しにくいという人は、法テラス(日本司法支援センター)の利用を検討してください。

法テラスとは、国が設立した法律トラブルの解決を支援するための総合案内所のことです。

経済的理由から弁護士のリーガルサービスにアクセスできない人のために、無料法律相談サービスや弁護士費用の立て替えサービス(民事法律扶助制度)を提供しています。

民事法律扶助制度の利用が認められると、法テラスが一時的に弁護士費用を無利子で立て替えてくれるので、まとまった初期費用を支払えない人でも、弁護士に遺産分割調停を依頼しやすくなるでしょう。

法テラスの利用が認められるのは、以下3つの要件を満たす場合に限られます。

  1. 収入基準・資産基準を満たしていること
  2. 勝訴の見込みがゼロではないこと
  3. 民事法律扶助の趣旨に適合していること

法テラスの利用条件については、以下の関連記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

【関連記事】法テラスの主な利用条件は3つ!収入・資産に関する基準(要件)について詳しく解説

遺産分割調停で弁護士を立てて解決した事例

ここでは、遺産分割調停で代理人弁護士を立てて解決に至った事例を紹介します。

相手方の使途不明金も含めて解決した事例

本件は、被相続人(母親)の娘が、兄から遺産分割調停を申し立てられた事案です。

母親が生きている間、兄が母親の財産管理をしていたという経緯がありますが、母親の死後、使途不明金の存在が疑われました。兄側から申し立てられた遺産分割調停において使途不明金について何度も質問しましたが、兄側から誠実な回答を得られなかったため、遺産分割調停手続きの途中で弁護士に相談・依頼するに至りました。

依頼を受けた弁護士は、母親が口座を開設していた金融機関に対して取引明細の開示請求をおこない、入出金履歴を一覧表で整理しました。また、相手方である兄に対しては、出金履歴に対応する支出の明細書・領収書などの提出を求めました。

これらの対応により使途不明金の存在などに関する主張に対して調停委員が理解を示してくれたので、最終的には、こちら側の意見に沿った遺産分割内容で調停が成立しました。

【関連記事】遺産分割調停で、相手方の使途不明金を含めて解決した事例

相手方の提示が不当であることを示し法的に適正な遺産分割を実現した事例

本件は、被相続人(父親)の娘が、弟に対して遺産分割調停を申し立てた事案です。

相手方には行政書士が就いており、相手方が提示する遺産分割内容が極めてこちら側に不利なものでした。また、相手方からは特別受益の主張もおこなわれました。

依頼を受けた弁護士は、遺産分割内容が不当であること、不動産の評価方法に問題があることを指摘し、最終的には、相手方の特別受益の主張を否定したうえで、こちら側にとって有利な遺産分割調停が成立しました。

【関連記事】遺産分割調停で、法的に適正な遺産分割を実現

遺産分割調停を弁護士に任せる場合によくある質問

さいごに、遺産分割調停を弁護士に任せるケースでよく寄せられる質問をQ&A形式で紹介します。

遺産分割調停の弁護士費用は誰が払うの?

遺産分割調停の弁護士費用は、原則として弁護士に依頼した本人が支払う必要があります。

複数の相続人同士で協力して弁護士に依頼したケースでは、当事者間で合意した割合に基づいて弁護士費用を負担します。

原則として、遺産分割で争っている相手方に対して弁護士費用を請求することはできません。

例外的に弁護士費用を相手方に請求できるのは、遺産分割調停などの申立てが信義則違反や権利濫用に該当するようなケースに限られます。

遺産分割調停で弁護士を立てると費用倒れになることはある?

相続財産の金額や遺産分割の結果あなたが承継する財産の種類・内容次第では、弁護士への依頼によって費用倒れになったり、自分の預貯金などから弁護士費用を支払わなければいけなくなったりします。

ただし、遺産相続トラブルへの対応が得意な弁護士は依頼者の費用負担にも配慮してくれるので、費用倒れのリスクがあるケースでは、委任契約を締結する前に指摘してくれることが多いです。

法律相談の際に弁護士に確認すれば、弁護士費用の目安額や費用倒れのリスクについても教えてくれるでしょう。

遺産分割調停は弁護士だけが出頭することも可能?

弁護士に依頼すれば、遺産分割調停期日には弁護士が出席してくれるので、本人が時間・労力をかけて出頭する必要はありません。

ただし、当事者本人が直接事実関係や考えを説明したほうが調停委員の納得を引き出しやすいなどの事情がある場合には、本人による出頭が望ましいことも多いです。

代理人弁護士と相談しながら、遺産分割調停期日に出席するべきかどうかを判断するとよいでしょう。

さいごに|遺産分割調停で弁護士なしはリスクが高い!

遺産分割調停で有利な解決結果を望むなら、できるだけ弁護士に相談・依頼をしてください。

相手方の主張内容に対する反証、こちらの主張を根拠づける証拠収集などを通じて、有利な遺産相続を実現してくれるでしょう。

ベンナビ相続では、遺産分割調停などへの対応が得意な弁護士を多数紹介中です。

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