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子どもへの虐待で離婚したら慰謝料を請求できる|請求条件やポイントなどを解説

弁護士監修記事
離婚トラブル 慰謝料
2026年04月28日
子どもへの虐待で離婚したら慰謝料を請求できる|請求条件やポイントなどを解説
この記事を監修した弁護士
代表弁護士 野条 健人弁護士 (かがりび綜合法律事務所)
地域に根差した法律事務所で、依頼者の声に寄り添った解決を目指す。遺言書の作成や遺産分割協議など相続トラブルについて幅広く対応している。
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  • 「子どもへの虐待を理由に離婚した場合、慰謝料は請求できるのだろうか」
  • 「請求したことで相手と揉め、状況がさらに悪化しないだろうか」

このような不安や迷いを抱えていませんか?

子どもを守るために離婚を決断することは、精神的にも大きな負担です。しかし、慰謝料の問題まで考えなければならないとなると、「正しい判断ができているのか」「自分や子どもが不利にならないか」と悩んでしまうのは無理もありません。

本記事では、子どもへの虐待を理由とする離婚で慰謝料が認められる条件や、請求する際の具体的なポイント、注意点をわかりやすく解説します。

感情だけで動いて後悔しないために、慰謝料請求を適切に進めるためにはどのような準備が必要なのかを整理していきましょう。

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虐待が理由の離婚で慰謝料請求はできる?

結論からいえば、一定の条件を満たせば虐待を理由に離婚慰謝料の請求が認められる可能性はあります。ただし、どのような行為が慰謝料の対象となる不法行為に該当するのかは、ケースによって異なります。

ここではまず、子どもへの虐待があった場合、そして配偶者に対するDVがあった場合に分けて、慰謝料請求が可能となる理由や考え方を整理していきます。

1.子どもに対して虐待があった場合|請求できる

配偶者が子どもに対して身体的・心理的な虐待をおこなっていた場合、その行為は離婚原因となるだけでなく、慰謝料請求の根拠にもなり得ます。

子どもへの虐待は、民法上の不法行為に該当する可能性が高く、親としての監護義務や配偶者としての信義則に著しく反する行為と評価されるためです。

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

引用元:民法709条

殴る・蹴るといった身体的暴力だけでなく、暴言や無視などの心理的虐待であっても、子どもの心身に重大な悪影響を与えていれば慰謝料請求の対象となります。

2.配偶者に対してDVがあった場合|請求できる

子どもへの虐待に加えて、配偶者自身がDV(ドメスティック・バイオレンス)を受けていた場合も、慰謝料請求が認められる可能性は高くなります。

DVには、殴る・蹴るといった身体的暴力だけでなく、怒鳴る、人格を否定する発言を繰り返す、行動を過度に制限するといった精神的暴力も含まれます。

DV行為は、婚姻関係を継続する前提を破壊する重大な違法行為にあたり、慰謝料請求の対象とできる可能性は十分にあります。

子どもがそのDVを日常的に目撃していた場合、いわゆる「面前DV」として、子どもへの心理的虐待と同時に評価されるケースもあります。この場合、慰謝料額が増額される可能性も否定できません。

配偶者へのDVで離婚する場合の慰謝料については、以下の記事も参考にしてください。

【関連記事】DVで離婚する際の慰謝料相場は?請求手順と確実に慰謝料を獲得するための秘訣

虐待を理由に離婚する場合に慰謝料請求が認められる条件

虐待を理由に離婚する場合であっても、必ずしも全てのケースで慰謝料請求が認められるわけではありません。

慰謝料は精神的損害に対する賠償である以上、法律上いくつかの要件を満たす必要があります。条件を正しく理解せずに進めてしまうと、請求が認められなかったり、不要な争いに発展したりするおそれもあるため慎重に判断しましょう。

虐待を理由に離婚する場合に慰謝料が認められるための条件として、以下の4つを押さえておきましょう。

  1. 夫婦関係が継続していること
  2. 子どもに対する虐待があったこと
  3. 虐待が離婚理由になっていること
  4. 損害賠償請求権の時効が成立していないこと

それぞれについて、具体的に解説します。

1.夫婦関係が継続していること

慰謝料請求が認められるためには、虐待があった時点で法律上の夫婦関係が継続している必要があります。

婚姻関係が存在する場合、配偶者には互いに協力し、家族として安全な生活環境を維持する義務があります。そのため、婚姻中に子どもへの虐待やDVがおこなわれた場合、それは夫婦間の信頼関係を破壊する行為として、慰謝料請求の対象になり得るのです。

一方で、虐待行為がおこなわれた時点ですでに婚姻関係が破綻していたと判断される場合には、慰謝料請求が否定または減額される可能性があります。

形式上は婚姻関係が続いていても、夫婦としての実体が失われていると評価されると、「虐待によって婚姻関係が侵害された」とは言えないと判断されることがあるためです。

2.子どもに対する虐待があったこと

慰謝料請求を認めてもらうためには、子どもに対する虐待の事実があったことを具体的に示す必要があります。

子どもに対する虐待に含まれる行為は、以下のとおりです。

虐待の種類 具体例
身体的虐待 殴る、蹴る、叩くなどの暴力を繰り返す行為
物を投げつけたり、突き飛ばしたりする行為
火傷を負わせる、強くつねる、髪を引っ張るなど、身体に痛みや傷を与える行為
性的虐待 子どもの体を不適切に触る、触らせる行為
性的な行為を強要する、またはそれに近い行為をさせる
性的な動画や画像を見せる、性的な発言を繰り返す行為
ネグレクト(育児放棄) 食事を十分に与えず、慢性的に空腹状態にさせる
入浴や着替えをさせず、不衛生な環境で放置する
長時間ひとりで放置し、病気やケガをしても適切な対応をしない
心理的虐待 「生まれてこなければよかった」など、人格を否定する暴言を浴びせる
無視を続ける、必要以上に怖がらせるなど、精神的に追い詰める行為
夫婦間の暴力を日常的に見せる(面前DV)

なお、慰謝料請求においては、虐待と単なるしつけとの違いが争点になることも多く、「どの程度の行為があったのか」を客観的に説明することが欠かせません。

そのため、第三者の記録や証拠の有無が非常に重要です。医師の診断書、写真、動画、学校や保育園の報告書、児童相談所への相談履歴などは、虐待の存在を裏付ける有力な材料になります。

証拠が乏しい場合、事実関係を否定され、慰謝料請求が認められないリスクも高まります。

感情的な主張だけでは足りない点を理解し、証拠をどのように残し、整理するかが大きなポイントです。

3.虐待が離婚理由になっていること

慰謝料請求が認められるためには、子どもへの虐待が「離婚に至った主な原因」であることも必要です。

たとえ虐待の事実があったとしても、たとえば性格の不一致や金銭問題などが主な離婚理由と判断されると、虐待と離婚との因果関係が否定される可能性があります。

そのため、「虐待があったからこそ婚姻関係を続けられなかった」という点を明確にすることが重要です。

協議書や調停・裁判での主張内容に一貫性がないと、相手方から反論を受けやすくなるので注意しましょう。

4.損害賠償請求権の時効が成立していないこと

慰謝料請求には時効があり、時効が成立すると、たとえ正当な理由があっても請求が認められなくなります。

慰謝料には大きく分けて以下の2つの時効があります。

  1. 個々の虐待行為に対する慰謝料:被害を知った時から3年(または5年 ※生命・身体への侵害の場合)
  2. 虐待が原因で離婚に至ったことに対する慰謝料(離婚慰謝料):原則として離婚成立日から3年

そのため、離婚後に落ち着いてから慰謝料を請求しようと考えている人は注意しましょう。

「忙しくて動けなかった」「精神的に余裕がなかった」といった事情があっても、原則として時効は進行します。

請求の可能性が少しでもある場合は、できるだけ早い段階で専門家に相談することが重要です。

過去の虐待であっても離婚慰謝料として請求できる可能性が高いため、諦めずにご相談ください。

なお、離婚に伴う慰謝料については、実務上「離婚成立から3年」を目安として説明されることもありますが、どの時点を起算点とみるかは請求の構成や事情によって変わり得ます。

早めに弁護士へ相談し、あなたのケースでの期限を確認することが大切です。

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子どもに対する虐待があった場合の離婚慰謝料の請求方法

子どもへの虐待を理由に慰謝料を請求する方法は、以下2つがあります。

  • 離婚手続きの中で請求する
  • 離婚が成立したあとに請求する

それぞれにメリット・注意点があり、状況に合わない方法を選んでしまうと、交渉が長引いたり、トラブルが激化したりするおそれもあるため、違いを理解しておくことが重要です。

ここでは、それぞれの請求方法について解説します。

1.離婚手続きの中で請求する場合

子どもへの虐待を理由とする慰謝料は、離婚協議・調停・裁判といった離婚手続きの中で請求することが可能です。

離婚手続きの中で慰謝料請求をするメリットは、離婚条件と慰謝料をまとめて整理できる点にあります。

親権、養育費、面会交流などと一緒に話し合うことで、全体としての合意形成を図りやすくなります。

ただし、離婚手続きの中で請求する際の注意点として、主張の一貫性が挙げられます。離婚理由として虐待を主張しながら、慰謝料の場面では別の理由を前面に出してしまうと、因果関係を疑われるおそれがあります。

そのため、離婚理由と慰謝料請求理由を整理したうえで進めることが重要です。

2.離婚が成立したあとに請求する場合

すでに離婚が成立している場合でも、子どもへの虐待が原因で精神的損害を受けたのであれば、離婚後に慰謝料を請求できる可能性があります。

この場合、離婚慰謝料というよりも、不法行為に基づく損害賠償請求として進めることになります。

離婚後に請求するケースとしては、離婚時には精神的余裕がなく慰謝料まで考えられなかった場合や、あとから虐待の深刻さが明らかになった場合などが挙げられます。

離婚そのものと切り離して請求できる点はメリットですが、手続きが「虐待に対する損害賠償」として単独で進むため、相手方が強く反発することも少なくありません。

また、離婚後に請求する場合には、時効の問題が特に重要になります。一定期間が経過すると請求自体ができなくなるため、「落ち着いてから考えよう」と先延ばしにすることにはリスクがあります。

さらに、離婚時に慰謝料について請求しないことに合意していた場合は、あとからの請求は困難となる点に注意が必要です。

離婚後の慰謝料請求については、以下の記事も参考にしてください。

【関連記事】離婚後でも慰謝料請求はできる!請求方法と請求された場合の対処法|ベンナビ離婚

子どもに対する虐待があった場合の離婚慰謝料のポイント

子どもへの虐待が関係する離婚では、慰謝料を請求できるかどうかだけでなく、どのように進めるかが結果を大きく左右します。

安全確保や証拠集めの方法を誤ると、慰謝料請求が不利になるだけでなく、子どもや自分自身がさらに危険な状況に置かれるおそれもあります。

ここでは、トラブルを悪化させず、適切な慰謝料を求めるためには、以下の手順で進めていきましょう。

  1. まずは自分と子どもの安全を確保する
  2. 虐待の事実を証明できる証拠を入手する
  3. 虐待が理由の離婚慰謝料の相場を確認する
  4. 早めに離婚問題が得意な弁護士に相談する

それぞれについて、具体的に解説します。

1.まずは自分と子どもの安全を確保する

子どもへの虐待が疑われる場合、最優先すべきは慰謝料の問題ではなく、自分と子どもの安全を確保することです。

いくら法的に慰謝料を請求できる状況であっても、危険な環境に身を置いたままでは、心身への被害が拡大してしまいます。

具体的には、実家への避難や一時保護施設の利用、自治体や児童相談所への相談を検討しましょう。

安全な場所に身を置くことで、冷静に今後の対応を考える余裕が生まれるはずです。

また、安全確保は「虐待から逃げた証拠」として評価されることもあり、後の手続きで有利になる可能性もあります。

相手の顔色をうかがって我慢し続けることが、結果的に状況を悪化させるケースも少なくありません。慰謝料請求を含めた問題解決のために、まずは命と生活を守る行動を取ることを優先しましょう。

2.虐待の事実を証明できる証拠を入手する

離婚慰謝料を請求するうえでは、虐待の事実を裏付ける証拠を確保することが重要です。

どれほど辛い経験をしていても、証拠がなければ「事実があったかどうか」を巡って争いになり、請求が認められない可能性があります。

虐待の証拠としては以下のようなものが有効です。

  • 医師の診断書
  • ケガやあざの写真、動画
  • 音声の録音
  • 学校や保育園の記録
  • 児童相談所や警察への相談履歴 など

心理的虐待の場合でも、暴言を記録したメモやメッセージの履歴が役立つことがあります。重要なのは、できるだけ客観的な第三者の記録を残すことです。

証拠はあとから集めようとしても難しい場合が多いため、少しでも「おかしい」と感じた段階で意識的に残しておくことが大切です。

証拠集めに不安がある場合は、自己判断で動く前に弁護士などの専門家に相談しましょう。

3.虐待が理由の離婚慰謝料の相場を確認する

慰謝料を請求する際、「いくら請求できるのか」「高額を請求しすぎていないか」といった金額面の不安を抱える人も多いでしょう。

虐待が理由の離婚慰謝料の相場としては、数十万円〜数百万円と幅があり、行為の内容・期間・悪質性・子どもや配偶者への影響などを踏まえて個別に判断されます。

相場を把握せずに感情的な金額を提示してしまうと、相手の反発を招き、話し合いが決裂する原因になることもあります。一方で、相場を知らないまま低い金額で合意してしまい、あとから後悔するケースも少なくありません。

あらかじめ過去の裁判例や一般的な水準を確認しておくことで、現実的で納得感のある請求がしやすくなるでしょう。

また、弁護士であればあなたのケースでどれくらい慰謝料を獲得できるかを概算可能です。少しでも不安があれば、早めに弁護士へ相談してください。

4.早めに離婚問題が得意な弁護士に相談する

子どもへの虐待が関係する離婚や慰謝料請求は、感情面・法的側面ともに複雑になりやすい問題です。自分だけで対応しようとすると、相手との対立が激化したり、不利な条件で合意してしまったりするリスクがあります。

離婚問題が得意な弁護士に早めに相談すれば、慰謝料請求が可能かどうか、どのような証拠が必要か、どのタイミングで動くべきかを整理できます。

弁護士が窓口になることで、直接相手とやり取りする精神的負担を減らせる点も大きなメリットです。

「まだ離婚するか決めきれていない」「請求するか迷っている」という段階でも、相談することに意味はあります。

状況を客観的に整理し、トラブルを悪化させずに適切な解決を目指すためにも、専門家の力を早期に借りることが重要です。

さいごに|「ベンナビ離婚」で近くの弁護士を探して相談してみよう!

本記事では、虐待を原因とした離婚慰謝料請求の可否や、慰謝料請求するために押さえておくべきポイントなどについて詳しく解説しました。

子どもへの虐待が関係する離婚や慰謝料請求は、精神的な負担が大きく、「何から手をつければいいのかわからない」と感じてしまう人も少なくありません。

そうしたときに活用したいのが、ベンナビ離婚です。ベンナビ離婚では、地域や相談内容に応じて、離婚問題に詳しい弁護士を探すことができます。子どもへの虐待が絡むケースに対応した経験豊富な弁護士を見つけやすく、「自分の状況でも相談していいのか」という不安を和らげてくれるはずです。

早い段階で弁護士に相談すれば、慰謝料請求が可能かどうか、今後どのように動くべきかが整理され、トラブルを最小限に抑えた解決につながります。子どもと自分の将来を守るためにも、一人で悩み続けるのではなく、まずは近くの弁護士を探して相談してみることからはじめてみてください。

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