個人再生の失敗するケース4選|認められないデメリットや避けるためのポイントも紹介
借金問題を解決するために、個人再生を検討している方もいるでしょう。
個人再生に成功すれば、借金額を最大10分の1まで大幅に減額することが可能です。
しかし、あまり多くないものの「個人再生に失敗しているケース」もあるため注意が必要になります。
本記事では、個人再生で借金問題を解決しようとしている方に向けて、以下の内容について説明します。
- 個人再生に失敗する確率
- 個人再生に失敗する典型例
- 個人再生に失敗したときのデメリット
- 個人再生を弁護士に相談・依頼するメリット など
本記事を参考に、どういう場合に個人再生に失敗するのか、何に注意すべきなのかなどを確認しましょう。
個人再生に失敗する可能性は低い!全体の3%以下しかない
令和6年司法統計年報によると、個人再生の結果はそれぞれ以下のようになっています。
| 小規模個人再生 (主に個人事業主が対象) |
給与所得者等再生 (主に会社員が対象) |
|
| 再生手続終結 | 8,657件(93.0%) | 582件(90.4%) |
| 廃止・不認可・棄却・却下の合計 | 251件(2.7%) | 16件(2.5%) |
| 取下げ・その他の合計 | 404件(4.3%) | 46件(7.1%) |
| 総計 | 9,312件 | 644件 |
個人再生では、90%以上の割合で「再生手続終結(許可)」となっています。
一方、廃止・不認可・棄却・却下など、個人再生が認められないケースは3%以下です。
そのため、統計的に見れば個人再生が失敗してしまうケースはかなり少ないといえるでしょう。
【参考】裁判所「令和6年司法統計年報(第 109 表 再生既済事件数―事件の種類及び終局区分別)」
個人再生が失敗に終わってしまう典型的なケース4選
個人再生が失敗に終わってしまう典型例は以下のとおりです。
- 個人再生の要件を満たしていなかった
- 再生計画案などの提出ができなかった
- 履行テストをクリアすることができなかった
- 特定の債権者に対して借金の返済をしていた など
ここでは、個人再生が失敗に終わってしまう典型的な4つのケースについて説明します。
1.個人再生の要件を満たしていなかった
個人再生の主な要件には、以下のようなものがあります(民事再生法第221条1項)。
- 個人であること(法人ではないこと)
- 継続的に安定した収入が得られること
- 借金総額が5,000万円以下であること
上記のほかにもいくつか要件はありますが、これらを満たしていないと個人再生はできません。
安定的な収入が得られない学生・専業主婦・生活保護受給者などは手続きをしても失敗してしまうでしょう。
2.再生計画案などの提出ができなかった
個人再生では、裁判所に再生計画案などを提出する必要があります。
この再生計画案には提出期限が設けられています(民事再生法第163条1項)。
仮に再生計画案の提出期限までに間に合わなければ、個人再生は失敗となってしまうでしょう。
なお、債権者との協議が調わないなど理由がある場合は提出期限を延ばしてもらえます(同法第163条3項)。
3.履行テストをクリアすることができなかった
裁判所によっては、申立人の履行可能性を判断するために「履行テスト」を実施しています。
履行テストは、個人再生を許可したあとに継続的に支払いができるかを判断するための手続きです。
そのため、この履行テストで支払い遅れが生じた場合、個人再生が認められない可能性があります。
なお、履行テストに関する詳しい情報は、以下の「ベンナビ債務整理」にて詳しく解説しています。
【関連記事】個人再生の履行テストとは?トレーニング期間と始まるタイミング
4.特定の債権者に対して借金の返済をしていた
個人再生をおこなう前に、特定の債権者だけに返済することは認められません。
これは「偏頗弁済(へんぱべんさい)」といって、不誠実な行動と判断される可能性があります。
そして不誠実と判断されてしまうと、申立てを棄却されるため注意が必要です(民事再生法第25条4号)。
そのほかの個人再生に失敗してしまうケース
そのほか、以下のようなケースでも個人再生に失敗してしまいます。
- 借金額が最低弁済額を下回っている
- 申立て費用を用意することができない
- 債権者の過半数に反対されてしまった
- 財産を隠している/虚偽の申請をしている
- 不当な目的で個人再生がおこなわれている など
個人再生では借金額を大幅に減額できるため、その分、手続きは厳しくなっているといえるでしょう。
個人再生に失敗してしまったらどうなる?3つのデメリット
万が一、個人再生に失敗した場合のデメリットは以下のとおりです。
- 借金を減額することができない
- 自己破産などの手続きが必要になる
- 納付した裁判所費用などは返還されない
ここでは、個人再生に失敗してしまったときのデメリットについて説明します。
1.借金を減額することができない
当然ですが、個人再生が認められなければ借金を減額することはできません。
また、個人再生の手続き中にストップしていた利息や遅延損害金などが加算されることになります。
返済についても、一括返済を求められたり、訴訟を提起されたりするなど、より厳しいものになるでしょう。
2.自己破産などの手続きが必要になる
個人再生に失敗した場合は、自己破産などの手続きが必要になるでしょう。
自己破産をおこなう場合も費用が必要になりますし、手続き完了までに多くの時間を要します。
また、最低限の財産は手元に残せますが、自宅や自動車といった価値ある財産は処分されるでしょう。
3.納付した裁判所費用などは返還されない
個人再生に失敗したからといって、費用が返還されるわけではありません。
そのため、自己破産をおこなう場合は、改めて裁判所費用や弁護士費用を準備する必要があります。
より多くの費用が必要になる点は、個人再生が失敗したときの大きなデメリットと言えるでしょう。
個人再生に失敗しないためには弁護士への相談・依頼が重要!
個人再生を弁護士に相談・依頼するメリットは、以下のとおりです。
- 個人再生が適しているかどうか判断してくれる
- 何に注意すればよいのかアドバイスをもらえる
- 個人再生の手続きの多くを任せることができる
個人再生に失敗しないためには、無理に自分ひとりで対応しないことが重要です。
ここでは、個人再生を弁護士に相談・依頼するメリットについて確認しましょう。
1.個人再生が適しているかどうか判断してくれる
個人再生には、さまざまな条件があり、認可決定までの工程も多くあります。
そのため、債務者の状況によって「個人再生が適しているかどうか」は変わってきます。
借金問題が得意な弁護士であれば、個人再生が可能かどうかを客観的に判断してくれます。
結果として、適切な債務整理を選べるようになり、個人再生に失敗するリスクを軽減できるようになります。
2.何に注意すればよいのかアドバイスをもらえる
弁護士に相談することで、個人再生のリスクや注意点なども教えてもらえます。
【個人再生でしてはいけないことの例】
- 一部の借金だけ返済をする
- 虚偽の内容で書類を作成する
- 財産を隠して財産目録を作成する など
繰り返しにはなりますが、上記のような行動をすると個人再生は失敗に終わってしまいます。
弁護士からもアドバイスがもらえますし、状況的にどのような問題点があるかも判断してもらえるでしょう。
3.個人再生の手続きの多くを任せることができる
弁護士に依頼すれば、個人再生の手続きの多くを任せることが可能です。
書類の不備や提出忘れなどが防げるため、手続き面での失敗を回避できる可能性は高まります。
なお、一部、本人が準備する資料などもあるため、その際は弁護士の指示に従うようにしましょう。
さいごに|個人再生が得意な弁護士は「ベンナビ債務整理」で探そう
司法統計年報を見ると、個人再生が失敗する可能性は非常に低くなっています。
しかし、失敗するリスクはあるため、弁護士のサポートを受けることが望ましいでしょう。
個人再生を含む債務整理が得意な弁護士は「ベンナビ債務整理」で簡単に探すことができます。
地域で弁護士を探せますし、「初回面談無料」「後払い可能」「休日相談可能」などの条件も決められます。
まずは近くの借金問題・債務整理が得意な弁護士を探し、個人再生について相談することをおすすめします。
