風評被害の弁護士費用はどれくらい?削除依頼や開示請求の相場や安く抑えるコツを紹介
- 「風評被害への対処を弁護士に依頼したらどれくらい費用がかかるの?」
- 「高額な費用がかかるのでは?」
ネットでの風評被害に遭っていても、このような悩みから弁護士依頼をためらっている方は多いのではないでしょうか。
風評被害の弁護士費用は一律ではなく、被害の内容や投稿の場所、削除だけで済むのか、投稿者の特定までおこなうのかによって大きく変わります。
そこで本記事では、風評被害の弁護士費用が決まる仕組みを整理したうえで、ケース別の費用相場、費用が高くなりやすいパターン・抑えやすいパターン、さらに費用を安くするためにできる具体的な工夫までをわかりやすく解説します。
「自分の場合はいくらかかるのか」「どこまで依頼すべきか」を判断するための参考にしてください。
風評被害の弁護士費用は何で決まるのか
風評被害に関する弁護士費用は、「このケースはいくら」と一律で決まるものではありません。
同じように見える被害であっても、いくつかの要素の組み合わせによって費用は大きく変動します。
まず影響が大きいのが、被害の内容です。
権利侵害の対象が、名誉毀損なのか、プライバシー侵害なのか、名誉感情侵害(侮辱)なのか、また、記載内容の具体性や、真実性などによって、法的な整理や立証の難易度が変わります。
次に、投稿された場所も重要な要素です。
SNS、匿名掲示板、ニュースサイトのコメント欄など、媒体ごとに削除対応の進め方や必要な手続きが異なります。
さらに、投稿者がすでに特定できているかどうかも費用に直結する要素のひとつです。
匿名投稿の場合は、削除とは別に発信者情報開示請求が必要になり、その分コストが上がりやすくなります。
また、「とにかく急いで消したい」という事情がある場合には、仮処分手続きなど迅速かつ確実な方法を選ぶことになり、通常より費用がかかるケースもあるでしょう。
このように、風評被害への対処にかかる弁護士費用は実際の状況によって異なります。
以下では、ケース別の弁護士費用を紹介しますが、これらはあくまでも相場です。実際の費用について、法律事務所での見積もりや提案を受けることをおすすめします。
ケース別に見る風評被害の弁護士費用相場
ここからは、風評被害への対処として考えられる以下2つのケースについて、実際にどの程度の弁護士費用がかかるのかを具体的に解説します。
- 原因となった投稿をとにかく早く消したい場合
- 犯人を特定したい・責任を追及したい場合
それぞれの費用相場について、詳しく見ていきましょう。
原因となった投稿をとにかく早く消したい場合
風評被害の原因となっている投稿や書き込みを消したい場合は、弁護士から掲示板やSNSなどに対して削除依頼をしてもらうことになります。
削除依頼には、任意の削除依頼と仮処分申立てによる削除請求の2つの手続きがあり、それぞれ以下のように費用相場が異なります。
- 任意の削除依頼:10万円~20万円
- 仮処分申立てによる削除請求:30万円~
比較的軽度なケースであれば、SNSや掲示板、口コミサイトの運営者に対して任意で削除を求める方法がとられ、10万円〜20万円程度で対応できることもあります。
一方で、任意の削除依頼に応じてもらえない場合や、被害の影響が大きく早急な対応が必要な場合には、裁判手続きを利用した削除請求(仮処分手続きなど)を検討することになります。
この場合、着手金や手続き費用が加算され、30万円以上の費用がかかることが一般的です。
【関連記事】インターネット投稿の削除依頼の値段(費用)|内訳・節約する方法などを解説
犯人を特定したい・責任を追及したい場合
投稿者を特定し、法的な責任を追及したい場合は、以下のような弁護士費用がかかります。
- 犯人の特定(発信者情報開示請求):30万円〜70万円程度
- 法的責任の追及(損害賠償など):着手金+経済的利益の額に応じた費用
まず、犯人を特定するには発信者情報開示請求という手続きが必要です。
発信者情報開示請求では、まずサイト運営者やSNS事業者に対して発信者情報の開示を求め、その後、通信事業者(プロバイダ)に対して契約者情報の開示請求をおこなうのが一般的です。
これらの手続きを任意で進められない場合は、裁判手続き(仮処分手続きや訴訟)を利用する必要があり、その分、弁護士費用が加算されます。
また、犯人の特定後に損害賠償請求などをおこなう場合は、別途着手金が発生し、かつ、得られた経済的利益の額に応じた費用が必要です。
たとえば、損害賠償請求の場合、多くの法律事務所では着手金10万円から20万円程度と、報酬金として経済的利益の10%〜20%程度を設定しているケースが多く見られます。
【関連記事】発信者情報開示請求とは|投稿者特定の手続き・注意点・弁護士費用などを解説
風評被害の弁護士費用が高くなりやすいパターン
風評被害への対応で弁護士費用が高額になりやすいケースとしては、以下が挙げられます。
- 被害が長期間放置されている
- 投稿が転載されている
- 感情的に「全部消したい」と進めてしまう
- 目的が曖昧なまま依頼してしまう
たとえば、被害を長期間放置してしまったケースです。
時間が経つにつれて投稿が転載・引用され、対応すべき対象が増えると、削除や法的検討の手間も比例して増えていきます。
その結果、弁護士費用も高額になりがちです。
そのほか、感情的に「全部消したい」「徹底的に責任を追及したい」という目的で弁護士へ依頼してしまうケースも挙げられます。
「かかわった全員に対して責任を追及したい」と考えるのは当然ですが、その分弁護士が高額になり、費用対効果が悪くなるおそれがあります。
さらに、「何が一番困っているのか」「どこまで対応したいのか」といった目的を決めないまま依頼してしまうと、弁護士側も幅広い対応を想定せざるを得ず、結果として見積もりが高くなりがちです。
風評被害の弁護士費用が膨らむ原因は、被害そのものはもちろん、依頼の進め方の問題であるケースが多い点を押さえておきましょう。
なお、弁護士も費用対効果の点は説明してくれるので、弁護士と対応の範囲や方法等をよく話し合うことが重要です。
風評被害の弁護士費用を抑えやすいパターン
一方で、以下のように風評被害に対する弁護士費用を比較的抑えやすいケースもあります。
- 対象投稿が限定的
- 目的が「削除だけ」など明確
- 証拠(URL・スクショ)が整理されている
まず、対象となる投稿が限定的な場合です。
問題となっているURLや投稿が数件に絞られていれば、削除依頼や法的検討も効率的に進めやすく、費用が膨らみにくくなります。
次に、目的が「削除だけ」「特定まで」など明確な場合も、費用を抑えやすいでしょう。
あらかじめ対応のゴールを決めておくことで、不要な手続きを避けられ、見積もりも現実的な範囲に収まりやすくなります。
さらに、証拠が整理されているケースも有利です。
投稿のURLやスクリーンショット、閲覧できた時期などが揃っていれば、弁護士が状況を把握しやすく、初期対応にかかる時間を短縮できます。
風評被害の弁護士費用を安くするためにできること
風評被害への対応では、弁護士に依頼する以上、ある程度の費用がかかるのは避けられません。
しかし、進め方を工夫することで、必要以上に費用が膨らむのを防ぐことは可能です。
ここからは、風評被害の弁護士費用をできるだけ抑えるために、相談前後にできる具体的な方法を紹介します。
法律事務所の無料相談を利用する
風評被害の弁護士費用を抑えるうえで活用したいのが、法律事務所の無料相談です。
多くの法律事務所では、初回30分〜1時間程度の無料相談を実施しており、費用をかけずに現状の整理や対応方針についてアドバイスを受けられます。
無料相談では、「その投稿は削除できる可能性があるのか」「任意対応で足りるのか」「開示請求や裁判まで進む必要があるのか」といった点を確認可能です。
ここで方向性が見えれば、不要な手続きを避けられ、結果的に弁護士費用を抑えやすくなるでしょう。
相談の際は、問題となっている投稿のURLやスクリーンショット、いつ頃から拡散しているかなどを事前に整理しておくことが大切です。
情報がまとまっていれば、弁護士も判断しやすく、より具体的な見通しや費用感を示してもらえます。
なお、無料相談を利用したからといって、その事務所に必ず依頼しなければならないわけではありません。
まずは無料相談を通じて「本当に弁護士対応が必要か」「どこまで依頼すべきか」を見極めることが、無駄な出費を防ぐ第一歩といえます。
【関連記事】弁護士への相談の仕方|失敗しないためのコツ6つと注意点を徹底解説
個人なら法テラスの利用を検討する
弁護士費用の負担が大きく、「費用面が不安で相談に踏み切れない」という個人の方は、法テラス(日本司法支援センター)の利用を検討しましょう。
法テラスは、法律トラブルに悩む人のために国が運営する機関であり、一定の条件を満たす場合に、無料法律相談や弁護士費用の立て替えを受けられる制度が用意されています。
通常よりも費用を抑えて弁護士へ依頼できるので、費用が不安な方にとっては心強い存在といえるでしょう。
ただし、法テラスは誰でも利用できるわけではありません。収入や資産が一定基準以下であることや、勝訴の見込みがあることなど、利用には要件があります。
また、法テラスが利用できるか否かは、法律事務所側が法テラスと契約をしているか否かによって異なるので、事前に確認をしましょう。法テラスを利用する場合、通常よりも弁護士費用が低額に設定されるため、風評被害対応のような、専門性が高く様々な手続きが必要となる案件については、法テラスを利用できない法律事務所も多く存在します。
詳しくは、以下の記事でも解説しているので、あわせて参考にしてください。
【関連記事】法テラスとはどんな機関?無料法律相談や費用立替制度の利用方法なども解説
複数の法律事務所から提案をもらい、相見積もりをとる
風評被害の弁護士費用を適正な範囲に抑えるためには、複数の法律事務所から提案を受け、相見積もりをとることも重要です。
弁護士費用は全国一律ではなく、事務所ごとに料金体系が異なるため、同じ相談内容でも見積もりに差が出ることがあります。
たとえば、着手金と報酬金を分けて設定している事務所もあれば、一定の対応をまとめた定額プランを用意している事務所もあります。
また、ネットトラブルや風評被害の対応経験が豊富な弁護士であれば、不要な手続きを省き、効率的な進め方を提案してくれるケースもあるでしょう。
相見積もりをとる際は、単に金額の安さだけで判断しないことが大切です。
「どこまでの対応が含まれているのか」「追加費用が発生する可能性はあるのか」「途中で方針を変更できるのか」といった点もあわせて確認することで、あとから想定外の費用が発生するリスクを抑えられます。
さらに、複数の事務所の説明を比較することで、自分の状況に合った対応内容と費用感が見えてくるのもメリットです。
結果として、納得感のある依頼につながりやすくなり、弁護士費用を無駄にしにくくなるでしょう。
費用の見通しを立てるために相談前に整理しておくこと
風評被害について弁護士へ相談する際は、事前に情報を整理しておくことで、費用の見通しを立てやすくなります。
逆に、状況が曖昧なまま相談すると、対応範囲が広めに見積もられ、費用感がつかみにくくなることもあるので注意しましょう。
相談前に、最低限整理しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 問題となっている投稿のURLやスクリーンショット
- どの投稿が対象なのかを明確にすることで、削除可否や対応方法を判断しやすくなります。
- いつ頃から・どこで見られているか
- 投稿時期や拡散状況がわかれば、被害の深刻度や緊急性を評価しやすくなります。
- 何が一番困っているのか
- 「とにかく削除したい」「投稿者を特定したい」「再発を防ぎたい」など、目的を整理しておくことが重要です。
- どこまでやりたいかの上限ライン
- 削除までなのか、開示請求まで進むのかなど、対応範囲の希望を決めておくと、現実的な費用提案につながります。
これらを整理したうえで相談すれば、無料相談の時間を有効に使え、自分のケースに合った対応内容と費用感を具体的に把握しやすくなるでしょう。
風評被害の弁護士費用は「取り戻せる可能性」も含めて考える
風評被害への対処では、かかった弁護士費用の一部を将来的に取り戻せる可能性があることを覚えておきましょう。
とくに、投稿内容が明らかな名誉毀損やプライバシー権侵害に該当する場合には、損害賠償請求の中で弁護士費用の一部が認められるケースがあります。
ただし、弁護士費用が必ず全額回収できるわけではありません。
裁判実務では、弁護士費用は「被害回復のために必要だった範囲」に限って評価されるのが一般的で、請求額の一部のみが認められることも多く見られます。
そのため、最初から全額回収を前提に進めるのは現実的ではない点に注意が必要です。
なお、被害の違法性が明確で、投稿の影響範囲や精神的苦痛の程度を立証しやすい場合には、賠償額が弁護士費用を上回る可能性もあります。
その場合、結果的に弁護士費用の負担が相殺されるため、実質的な費用負担はありません。
いずれにしても、弁護士費用は「支出」だけで判断するのではなく、回収の見込みや解決後の影響まで含めて、弁護士と現実的なラインをすり合わせながら検討することが重要といえるでしょう。
風評被害は「いくらかかるか」より「いつ相談するか」が重要
風評被害への対応では、「弁護士費用がいくらかかるのか」に目が向きがちですが、実はそれ以上に重要なのが相談するタイミングです。
なぜなら、同じ内容の被害であっても、相談が早いか遅いかによって、選べる対応方法や最終的な費用は大きく変わるからです。
被害の初期段階で相談できれば、任意の削除依頼だけで済む可能性があり、比較的低い費用で解決できるケースもあります。
選択肢が多く、裁判手続きを使わずに対応できる余地が残されている点が、早期相談の大きなメリットです。
一方、対応が遅れると、投稿が転載・拡散され、複数のサイトや媒体に対応しなければならなくなります。
その結果、削除だけでなく開示請求や追加対応が必要となり、費用も高額になってしまうでしょう。
弁護士費用は、単なる「出費」ではなく、被害の拡大を止めるためのコストと考えることもできます。
金額だけで判断して様子を見るのではなく、「今相談すべきか」という視点で行動することが、風評被害対策では重要です。
弁護士費用以外にかかる風評被害対策コスト
風評被害への対応では、状況によっては弁護士対応とは別のコストが発生することもあります。
とくに、削除だけでは印象の回復が難しい場合や、被害が長期化している場合には、追加の対策を検討するケースも少なくありません。
ここからは、弁護士費用とは別に検討されることの多い、風評被害対策コストについて具体的に見ていきましょう。
逆SEO対策におけるコンテンツ作成費
逆SEO対策とは、検索結果に表示されているネガティブな情報の順位を下げ、正確で前向きな情報を上位に表示させることで、検索結果全体の印象を改善する取り組みです。
削除が難しい投稿が残っている場合や、すでに検索結果にマイナスな印象が定着してしまった場合に検討されることが多い対策といえます。
逆SEO対策では、新たにコンテンツを作成・発信する必要があるため、その分の費用が発生します。
相場としては、月額20万円〜30万円程度を目安とするケースが一般的です。費用には、自社サイトや公式ページのコンテンツ制作、検索結果の分析・改善作業などが含まれます。
注意したいのは、逆SEO対策は短期間で効果が出るものではない点です。
数ヵ月から半年以上の継続が前提となることが多く、契約期間によっては総額が高くなる可能性があります。
そのため、弁護士による削除対応と併用するのか、単独で実施するのかを含め、目的と費用対効果を整理したうえで検討することが重要です。
逆SEOは「消す」ことが難しいケースにおける一つの選択肢ですが、万能な対策ではありません。
状況に応じて、本当に必要かどうかを見極めながら導入を判断するとよいでしょう。
風評被害対策サービスの利用料
風評被害対策サービスとは、ネット上の投稿や検索結果を継続的に監視し、風評被害の拡大を防ぐためのサポートを提供するサービスです。
弁護士による法的対応とは役割が異なり、主に把握・予防・印象改善を目的として利用されます。
費用はサービス内容によって幅がありますが、一般的な相場は月額5万円〜30万円程度です。具体的には、SNSや掲示板、口コミサイトのモニタリング、サジェスト・関連キーワードのチェック、簡易的なレポート作成などが含まれます。
ただし、これらのサービスには削除請求や法的な強制力はありません。
明らかな名誉毀損やプライバシー侵害がある場合は、弁護士対応を優先すべきでしょう。
まとめ|風評被害の弁護士費用で迷ったらベンナビを活用しよう
風評被害の弁護士費用は、被害の内容や投稿の状況、どこまで対応を依頼するかによって大きく変わります。
そのため、「相場はいくらか」という情報だけを見て判断せず、自分のケースでいくらかかるのかを弁護士に相談して確認するのがおすすめです。
費用を抑えるために重要なのは、いきなり高額な依頼を前提に考えるのではなく、まずは自分の状況で「できること」と「やらなくていいこと」を整理することです。
そのうえで、費用の上限感や現実的な対応範囲を把握することが、無駄な出費を防ぐポイントになります。
なお、風評被害やネットトラブルに注力している弁護士を探したい場合には、弁護士検索サービスのベンナビを活用するのがおすすめです。
実績や対応分野を比較しながら相談先を選べるので、あなたにぴったりの弁護士が簡単に見つかるでしょう。
風評被害は、放置するほど対応の選択肢が減り、結果的に費用がかさむ傾向があります。
費用面で迷っている段階でも、一人で判断せず、まずは相談することで状況が整理できるはずです。
