退職について相談したい人へ|おすすめの相談先と相談する際のポイントを解説
- 「退職したいけれど誰に相談すればいいのかわからない…」
- 「会社に言い出しにくく、一人で悩んでしまっている…」
このように感じている方も多いのではないでしょうか。
退職の悩みは一人で抱え込まず、状況に応じて適切な相談先を選ぶことが大切です。
相談先によって得られるアドバイスやサポート内容が異なるため、自分の悩みに合った窓口を選びましょう。
本記事では、退職について相談できる主な相談先をわかりやすく整理したうえで、それぞれの特徴や選び方、相談する際のポイントを解説します。
退職に関する不安や疑問を解消し、自分にとって納得のいく判断ができるよう、ぜひ参考にしてください。
退職について相談できる相手・窓口4選
ここでは、退職について相談できる代表的な相手・窓口を4つ取り上げ、それぞれの特徴を紹介します。
1.上司|退職の手続きなどを相談できる
退職についての相談先としてまず挙げられるのが、直属の上司です。
会社において、日々の業務内容や働き方、職場で抱えている課題などを最も把握しているのは上司であるケースが多いでしょう。
そのため、素直に相談すれば状況に応じた現実的なアドバイスを受けられる可能性があります。
一方で、「言い出しにくい」「気まずい」と感じる方も多いでしょう。
その場合、家族や同僚、先輩に相談しても問題はありません。
しかし、退職に伴う引き継ぎや手続きの流れは会社ごとにルールが決まっていることがほとんどです。
また、同僚や先輩社員に退職について相談すると、人づてに上司の耳に入り、より一層上司へ相談しづらくなってしまうおそれもあります。
円満に退職を進めるためには、いずれにせよ上司への相談が必須になるので、どのタイミングで相談するか事前に考えておくとよいでしょう。
2.退職代行会社|会社に退職の意思表示をしてもらえる
退職代行会社とは、労働者本人に代わって会社へ退職の意思を伝えるサービスです。
退職代行サービスを利用すれば、自身が会社と直接やり取りをすることなく、退職の意思表示や必要な連絡を任せることができます。
一般的に、退職代行は「退職を伝えても受け入れてもらえない」「上司や同僚と話し合う精神的な余裕がない」といった場合に利用される傾向があります。
第三者が介入することで、退職の手続きが進みやすくなる点が大きな特徴です。
実際、本人が何度申し出ても退職を拒否していた会社が、退職代行会社から連絡を受けた途端に態度を変えるケースもあります。
また、会社側の人間と直接話す必要がないため、精神的な負担を軽減しやすい点もメリットといえるでしょう。
3.弁護士|退職トラブルの相談から解決まで任せられる
弁護士は法律の専門家であり、退職をめぐる法的な問題について幅広く相談できる存在です。
とくに、退職勧奨、雇い止め、退職金や賃金の未払いなど、法的な判断が必要となる場面では、弁護士への相談が有効です。
弁護士に相談することで、これまでの判例や実務の考え方を踏まえ、違法性の有無や今後取り得る対応について説明を受けることができます。
状況によっては、労働審判や訴訟を視野に入れた対応について助言を受けることも可能です。
4.総合労働相談コーナー|退職トラブルについて相談できる
総合労働相談コーナーは、労働基準監督署内などに設置されている、厚生労働省管轄の公的な相談窓口です。
解雇、賃金、ハラスメントなど幅広い労働問題を対象としており、退職に関するトラブルについても相談できます。
予約は不要で、原則として無料で利用できます。
相談や助言によって解決しない場合には、当事者間の話し合いを支援するあっせん制度の案内を受けることも可能です。
さらに、労働基準法違反の疑いがある場合には、関係部署へ引き継がれ、行政指導がおこなわれることもあります。
全国各地に設置されているため、身近な公的窓口として利用しやすい相談先といえるでしょう。
退職について上司と相談する際の3つのポイント
退職を上司に相談する際は、感情のままに切り出すのではなく、事前に準備を整えたうえで臨むことが重要です。
ここでは、上司に退職を相談する際に意識しておきたいポイントを3つ解説します。
1.退職理由をまとめておく
会社や上司に退職を申し出ると、多くの場合、その理由を確認されます。
退職理由の伝え方によって、上司が納得するか、引き止めに動くかが左右されるため、事前に整理してしっかり説明できるようにしておきましょう。
上司に納得してもらうためには、「自分が実現したいことがあり、それは現在の会社では実現できない」と明確に示すことが大切です。
たとえば、将来のキャリア像や職種の希望が現在の職場では叶わない場合、その点を具体的に説明することで、上司も無理に引き止めにくくなるでしょう。
一方で、「人間関係がうまくいかない」「残業が多い」といった理由は、会社側で改善できる余地があるため、配置換えや業務調整を提案されやすくなります。
その結果、「問題は解消できる」と判断され、退職の話が進まなくなるおそれがあります。
なお、職場や待遇への不満が本音であったとしても、そのまま伝えるのではなく、前向きな表現に言い換えることが重要です。
2.余裕をもって伝えるようにする
退職の意思は、できる限り余裕をもって上司に伝える必要があります。
民法上は、退職の意思表示から2週間が経過すれば雇用契約を解消できるとされていますが、実務上は就業規則に従うのが一般的です。
多くの企業では、後任の選定や業務の引き継ぎを考慮し、退職希望日の1ヵ月から3ヵ月前までに申し出ることを求めています。
就業規則に退職期限が定められている場合は、その内容を事前に確認し、規定に沿って行動することが大切です。
また、企業の繁忙期に退職を申し出ると、上司との面談時間を確保しにくくなり、手続きが滞りかねません。
引き継ぎにも十分な時間を要するため、繁忙期を避けた時期に退職時期を検討することが望ましいでしょう。
3.退職日やスケジュールなどを話し合う
退職の相談をする際には、希望する退職日や今後のスケジュールについても伝える必要があります。
法律上、一定の条件を満たせば労働者側が退職日を決められますが、実務上は就業規則や業務状況を踏まえて会社と調整することが一般的です。
そのため、自身の希望だけでなく、業務の完了状況や後任への引き継ぎの進捗、有給休暇の消化予定などを踏まえて話し合うことが重要です。
有給を消化する場合は、最終出勤日の翌日から消化期間に入り、そのあとに退職日を迎えるのが一般的です。
退職が正式に決まったあとは、退職届を提出し、退職日までに業務の引き継ぎをおこないます。
退職について退職代行会社に相談する際の3つのポイント
退職代行会社は、退職の意思を自分で伝えることが難しい場合に有効な選択肢です。
ただし、どのサービスを選び、どのような準備をして相談するかによって、退職までの進み方や満足度は大きく変わります。
ここでは、退職代行会社に相談する際に押さえておきたいポイントを3つ解説します。
1.法律事務所が運営するサービスに相談する
退職代行サービスの中には、一般企業が運営するもののほか、法律事務所が運営しているサービスもあります。
退職の意思を伝えるだけでなく、未払い賃金や退職金、有給休暇の取得など、法的な判断や交渉が必要となる可能性がある場合には、法律事務所が運営するサービスを選ぶことが重要です。
法律事務所が運営する退職代行サービスであれば、弁護士が法律の専門家として関与するため、会社との交渉や法的手続きまで一貫して対応できる体制が整っています。
退職をめぐってトラブルが生じるおそれがある場合には、最初から法的対応が可能なサービスを選択することで、後の対応がスムーズになります。
2.会社名や連絡先などの情報をまとめておく
退職代行サービスが実際に代行をおこなう際には、退職の意思を伝えるための正確な情報が必要になります。
そのため、事前に勤務先の会社名や連絡先を整理しておくことが重要です。
派遣社員であれば派遣元の派遣会社、出向している場合は出向先ではなく、雇用関係のある所属元の会社を伝えましょう。
誤った相手に連絡が入ると、手続きが遅れる原因となるため注意してください。
また、連絡先については、退職の意思を正式に伝えるべき相手がいる部署や事業所の電話番号を準備します。
正社員や契約社員の場合は人事部、アルバイトやパートの場合は店長など、人事権を持つ担当者の連絡先を把握しておくことが重要です。
3.料金やスケジュールなどの詳細を確認する
退職代行サービスの料金は、運営元や対応範囲によって大きく異なり、相場はおおむね2万円から10万円程度とされています。
基本料金に含まれるサービス内容や、追加料金が発生する条件を把握しておきましょう。
あわせて、他社サービスと比較しながら、対応範囲やサポート内容を確認することも重要です。
同じ退職代行であっても、連絡回数の制限やアフターフォローの有無などはサービスごとに異なります。
コストだけで判断するのではなく、自身にとって必要な支援が含まれているかを基準に選びましょう。
また、万が一退職が成立しなかった場合に備え、返金保証の有無を確認しておくと、安心して依頼しやすくなります。
退職トラブルを弁護士などに相談する際の5つのポイント
ここでは、退職トラブルについて弁護士などに相談する際に、事前に意識しておきたいポイントを5つ解説します。
1.退職トラブルが得意な専門家に相談する
弁護士は法律の専門家ですが、全ての弁護士が同じ分野を扱っているわけではありません。
退職勧奨、不当解雇、雇い止め、未払い賃金などの退職トラブルについて相談する場合は、労働問題を取り扱ってきた実績がある弁護士に相談することが重要です。
労働問題に関する知識や経験がある弁護士であれば、過去の判例や実務の考え方を踏まえたうえで、違法性の有無や今後取り得る対応を整理してもらえます。
相談先を選ぶ際は、法律事務所のWebサイトなどで取扱分野や相談事例を確認するとよいでしょう。
なお、ベンナビでは労働問題に詳しい弁護士を多数掲載しています。
相談分野から簡単に弁護士を探せるので、弁護士探しで苦戦している方は、ぜひ活用してください。
2.不当解雇などに関する証拠を集めておく
退職トラブルについて相談する際は、事実関係を裏付ける資料や証拠を可能な範囲で準備しておくことが重要です。
証拠があることで、弁護士が状況を正確に把握しやすくなり、具体的な対応策を検討しやすくなります。
たとえば、不当解雇や退職勧奨に関するトラブルでは、解雇通知書や解雇理由証明書、会社とのやり取りを記録したメール、業務命令や注意指導に関する書面などが参考資料になります。
また、音声の録音データや社内資料も、内容によっては証拠となる場合があります。
3.トラブルの詳細をメモにまとめておく
相談時間は限られているため、トラブルの経緯を口頭で説明するだけでは、重要な点を伝えきれないことがあります。
そのため、これまでの出来事を時系列で整理したメモを作成しておくことが有効です。
「いつ」「誰から」「どのような発言や対応があったのか」「その結果どうなったのか」といった点を簡潔にまとめておくことで、弁護士が状況を把握しやすくなります。
感情的な評価ではなく、事実関係を中心に整理することがポイントです。
4.できる限り早い段階で相談をする
退職トラブル、とくに不当解雇が問題となっている場合は、できる限り早い段階で弁護士などに相談することが重要です。
不当解雇そのものの無効を主張することについては、時効がない一方、不当解雇を理由として賃金や慰謝料、退職金を請求する場合には、時効が問題となる可能性があります。
具体的には、解雇期間中の賃金を解雇から3年以上経過して請求した場合、時効により賃金の全額を請求できなくなるおそれがあります。
また、不当解雇が不法行為に当たるとして慰謝料を請求する場合の時効は、損害および加害者を知った時から3年です。
さらに、退職金についても、支給時期から一定期間が経過すると請求できなくなる可能性があります。
不当解雇や退職トラブルが疑われる場合には、早めに専門家へ相談し、適切な対応を検討することが重要です。
5.不利な情報も隠さずに伝える
弁護士に相談する際は、自分にとって不利になりそうな事情であっても、事実は隠さずに伝えることが重要です。
一部の情報を伏せたまま相談すると、適切な助言が得られず、後に不利な結果につながるおそれがあります。
弁護士には守秘義務があるため、相談内容が外部に漏れる心配はありません。
良い情報だけでなく、不利な事情も含めて正確に伝えることで、現実的で適切な対応方針を検討してもらうことができます。
さいごに|退職についての相談する際は悩みに合わせて相手を選ぼう!
退職について悩んだとき、誰に相談するかは、その後の進み方を大きく左右します。
上司に相談することで円満に退職できるケースもあれば、第三者の介入や法的な支援がなければ解決が難しいケースもあります。
不当解雇や賃金未払いなど、法的な問題が疑われる場合には、弁護士や公的な相談窓口に早めに相談することが重要です。
不安や疑問がある場合は、無理に一人で判断せず、この記事を参考に専門家の力を借りながら、冷静に対応を進めていってください。
