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相続放棄をしたのに固定資産税を請求された?適切な対処法と注意点を解説

弁護士監修記事
遺産相続 相続放棄
2026年06月29日
相続放棄をしたのに固定資産税を請求された?適切な対処法と注意点を解説
この記事を監修した弁護士
山本 一貴・山越 勇輝弁護士 (Yz法律事務所)
相談者様との信頼関係を大切にし、フットワークの軽さと素早いレスポンスで迅速に対応。弁護士だけでなく従業員もプライベートバンカーの資格を保有し、他士業連携で高額な遺産の相続問題にも対応可能。
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  • 「相続放棄をしたはずなのに固定資産税の納税通知書が届いた」
  • 「どう対応すればよいのかわからない」

このような不安を抱える方は少なくありません。

相続放棄が受理されれば、原則として被相続人の固定資産税について相続に基づく納税義務を引き継ぐことはありません。

しかし実務上は、相続放棄の手続きと固定資産税の課税事務とのタイミングのずれなどにより、相続放棄をした相続人に対して固定資産税の納税通知書が送付されてしまうケースがあります。

このような場合でも、「請求が来た=必ず支払わなければならない」というわけではありません。

一方で、納税通知書を放置したり、誤った対応をしたりしてしまうと、思わぬトラブルに発展するおそれもあります。

そこで本記事では、相続放棄後の固定資産税の基本的な考え方と、市区町村役場から納税通知書が届いた場合の正しい対処法や注意点について、できるだけわかりやすく解説します。

「相続放棄をしたのに・・・」と慌てる必要はありません。

本記事を読むことで、固定資産税の請求を受けた際にも、落ち着いて適切な対応ができるようになります。

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目次

相続放棄をすれば固定資産税の支払い義務はなくなる

相続放棄をすれば、原則として被相続人名義の不動産に関する固定資産税の納税義務は承継されません

相続放棄が成立すると、民法939条により、その人は当該相続について「初めから相続人ではなかったもの」とみなされるためです。

(相続の放棄の効力)
第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
引用元:民法|e-Gov法令検索

相続放棄によって被相続人が滞納していた固定資産税も支払わずに済む

相続放棄をすれば、原則として被相続人が生前に滞納していた固定資産税についても支払義務を承継せずに済みます

相続放棄をした者は、民法上、その相続について初めから相続人ではなかったものとみなされるため、被相続人のプラスの財産だけでなく、滞納税金や借金といったマイナスの財産も一切引き継ぎません。

被相続人が高額の負の遺産を残していた場合、相続放棄は有力な選択肢になるでしょう。

ただし、自分以外の相続人が相続放棄をしなかった場合、あなたが相続放棄をすることによって、ほかの相続人がその分の債務を法定相続分に応じて負担することになる点も理解しておく必要があります。

相続放棄をしたのに固定資産税の納税通知書が届く理由2つ

相続放棄をしたにもかかわらず、固定資産税の納税通知書が届いてしまう可能性があるのは事実です。

以下、その主な理由2つを見ていきましょう。

理由1:市区町村役場の調査で、法定相続人が所有者として課税台帳に登録されたから

不動産の登記名義人が死亡しても、相続登記がされるまでは、市区町村役場側が不動産の実質的な所有者を把握することはできません

また、相続放棄は家庭裁判所で完結する手続きであり、相続放棄をした事実が市区町村役場へ自動的に通知される仕組みはありません。

そのため、相続放棄をした本人が申告しない限り、市区町村役場がその事実を把握できないという事情もあります。

固定資産税は、地方税法第343条に基づき、毎年1月1日時点で固定資産課税台帳に登録されている者に課税されます。

登記名義人が死亡している場合、市役所は登記簿や戸籍等の資料をもとに法定相続人(民法上、相続の権利を持つとされる相続人)を調査し、現に所有している者と推定される相続人を課税台帳上の所有者として登録することがあります。

その結果、相続放棄をしていたとしても、その事実が反映されていない場合には、法定相続人として固定資産税の納税通知書が送付されることがあります。

(固定資産税の納税義務者等)
第三百四十三条 固定資産税は、固定資産の所有者(質権又は百年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地については、その質権者又は地上権者とする。以下固定資産税について同様とする。)に課する。
4 市町村は、固定資産の所有者の所在が震災、風水害、火災そのほかの事由により不明である場合には、その使用者を所有者とみなして、固定資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課することができる。
この場合において、当該市町村は、当該登録をしようとするときは、あらかじめ、その旨を当該使用者に通知しなければならない。
引用元:地方税法|e-Gov法令検索

理由2:相続放棄手続きが年をまたぎ1月1日時点で課税台帳に登録されたから

相続開始(被相続人が死亡した日)から相続放棄の申述が受理されるまでの間に年をまたぐと、市区町村から固定資産税の納税通知書が送付されることがあります。

固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)時点で、固定資産課税台帳に登録されている者を納税義務者として課税される制度です。

たとえば、被相続人が11月30日に死亡し、翌年2月1日に相続放棄が受理された場合、1月1日時点では相続放棄の手続きが完了していません。

そのため、市区町村の課税台帳上では、相続人が所有者として登録されたままとなり、その年度分の固定資産税の納税通知書が送付されることがあります。

相続放棄をしたのに固定資産税の請求が来た場合の対処法3つ

相続放棄をすると、原則として被相続人の固定資産税について相続に基づく支払い義務は承継しません。

しかし実際には、相続放棄をしたにもかかわらず、市区町村役場から固定資産税の納税通知書が届くことがあります。

このような場合に、自己判断で被相続人の財産から固定資産税を支払ってしまうと、相続財産の処分と評価されたり、相続を承認したと誤解されるおそれがあり、後々トラブルになる可能性があります。

そのため、相続放棄をしたのに固定資産税の請求が届いた場合には、納税通知書を放置したり、安易に支払ったりするのではなく、以下のような適切な対処をおこなうことが重要です。

対処法1:市区町村役場の税務課に相続放棄申述受理通知書を提示する

相続放棄をしたのに固定資産税の納税通知書が届いた場合の基本的な対処法は、相続放棄が受理されたことを示す書類を市区町村役場に提出することです。

家庭裁判所で相続放棄の申述手続きをおこない、これが受理されると、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が交付されます。

この通知書には、相続放棄が法的に受理された事実が記載されています。

相続放棄申述受理通知書(または相続放棄申述受理証明書)を、市区町村役場の税務課・資産税課などの担当部署に持参または郵送することで、市区町村は相続放棄の事実を把握します。

これにより、今後の固定資産税の課税について見直しがおこなわれたり、すでに送付されている納税通知書についても、納税義務の有無が再確認・調整されたりするのが一般的です。

なお、相続放棄申述受理通知書は再発行ができないため、紛失した場合には、家庭裁判所に相続放棄申述受理証明書の交付申請をおこない、これを代わりに提出してください。

対処法2:固定資産税を立て替えてから本来の納税義務者に求償する

相続放棄をしたにもかかわらず、固定資産税の納税通知書が届き、事情により一時的に固定資産税を支払ってしまうケースもあります。

このような場合、ほかに不動産を相続した相続人がいるときには、支払った固定資産税について、最終的な負担の調整を求める(求償する)余地が生じることがあります

ただし、固定資産税は公法上の税金であり、相続放棄者が任意で支払った場合に、当然に求償権が認められるとは限りません。

実際に求償や返還を求められるかどうかは、支払った経緯やほかの相続人との関係、不当利得の成否など、個別事情によって判断されます。

そのため、ほかの相続人に対して支払いを求める場合には、トラブルに発展する可能性もあり、弁護士などの専門家に相談したうえで慎重に対応することが強く推奨されます。

対処法3:固定資産税の課税処分に対して不服申し立てをする

相続放棄申述受理通知書(または受理証明書)を市区町村役場に提出しても、事情によっては、固定資産税の課税について見直しがおこなわれないケースがあります。

このような場合には、固定資産税の課税処分に対して、行政不服審査法に基づく審査請求を検討します。

審査請求は、原則として、納税通知書を受領した日の翌日から3ヵ月以内におこなう必要があります。

(処分についての審査請求)
第二条 行政庁の処分に不服がある者は、第四条及び第五条第二項の定めるところにより、審査請求をすることができる。
引用元:行政不服審査法|e-Gov法令検索

審査請求をおこなうには、審査請求書を作成し、相続放棄が成立していることや、課税が妥当でない理由を法的に整理して主張する必要があります。

手続きの過程では、処分庁の弁明に対する反論書の提出などが求められることもあります。

不服申立ては専門的な判断が必要となるため、市区町村との協議で解決しない場合には、早めに弁護士などの専門家へ相談することが望ましいでしょう。

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相続放棄をしたはずなのに固定資産税を払ってしまった際の注意点

相続放棄をしている場合、原則として被相続人の固定資産税を支払う必要はありません。

しかし、手元に届いた固定資産税の納税通知書に驚き、相続放棄をしたにもかかわらず、固定資産税を支払ってしまう人も少なくありません。

そのうえで、固定資産税を支払う際に、その原資や支払い方を誤ると、相続財産を処分したものと評価され、単純承認※が成立したとみなされるおそれがあります。

※被相続人の全財産を無条件・無制限に全て引き継ぐ方法。単純承認が成立すると、相続放棄は認められなくなる。

ここでは、相続放棄をしたのに固定資産税を払ってしまった場合の注意点について、遺産相続手続きにおける単純承認のルールと照らし合わせながら解説します。

相続財産から固定資産税を支払うと単純承認とみなされかねない

被相続人の預貯金など、相続財産から固定資産税を支払った場合、その行為が相続財産の処分に該当すると評価され、単純承認が成立したとみなされるおそれがあります。

単純承認とは、被相続人のプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含めて、無条件・無制限に引き継ぐ相続の方法をいいます。

(単純承認の効力)
第九百二十条 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。
引用元:民法|e-Gov法令検索

そして、相続人側が単純承認の意思を示した場合だけではなく、民法第921条に規定される以下のような事実関係があれば、単純承認したとみなされます。

(法定単純承認)
第九百二十一条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。
引用元:民法|e-Gov法令検索

たとえば、被相続人の預貯金口座から引き出した資金を用いて固定資産税を支払う行為は、原則として相続財産の処分に該当すると評価される可能性があります。

その結果、単純承認が成立したと判断され、相続人として被相続人の債務も含めて承継する立場に置かれるおそれがあるのです。

このようなリスクを避けるため、相続放棄を検討している、またはすでに相続放棄をしている状況で固定資産税の支払いに直面した場合には、被相続人の財産から支払うことは避けるべきであり、事前に専門家へ相談することが重要です。

自分の預貯金から立て替えて固定資産税を支払えば、原則として単純承認にならない

被相続人の預貯金など、相続財産から固定資産税を支払った場合、その行為が相続財産の処分に該当すると評価され、単純承認が成立したとみなされるおそれがあります。

これに対して、相続人自身の自己資金を原資として固定資産税を支払う行為は、原則として相続財産を処分したものとは評価されず、単純承認には当たらないと考えられています。

そのため、自己資金から立て替えて支払った場合でも、通常は相続放棄の効力が直ちに失われることはありません。(ほかの行為や支払いの状況によって、単純承認とみなされてしまう可能性もゼロではありません。)

もっとも、固定資産税を立て替えて支払った場合でも、その後に支払った金額を回収できるとは限らず、ほかの相続人との間で求償や返還を巡るトラブルに発展する可能性があります。

そのため、市区町村役場から固定資産税の納税通知書が届いたからといって、安易に自己判断で支払うのではなく、まずは市区町村役場や弁護士などの専門家に相談したうえで対応を検討することが推奨されます。

支払ってしまった固定資産税が還付されないケースも少なくない

制度上、固定資産税に課税上の誤りや過誤納があった場合には、地方税法第18条の3第1項に基づき、法定納期限の翌日から5年以内であれば、還付請求をおこなうことができます

(還付金の消滅時効)
第十八条の三 地方団体の徴収金の過誤納により生ずる地方団体に対する請求権及びこの法律の規定による還付金に係る地方団体に対する請求権(以下第二十条の九において「還付金に係る債権」という。)は、その請求をすることができる日から五年を経過したときは、時効により消滅する。
引用元:地方税法|e-Gov法令検索

もっとも、固定資産税の還付が認められるのは、課税処分に違法・過誤があるなど、還付請求を基礎づける法律上の根拠がある場合に限られます。

相続放棄の手続きが年をまたいだ結果、1月1日時点で固定資産課税台帳に所有者として登録され、その内容に基づいて課税がおこなわれたケースでは、形式的には台帳課税として処理されているため、還付請求が認められないと判断されることも少なくありません。

このように、一度支払ってしまった固定資産税については、後から還付を受けるのが難しい場合も多いため、納税通知書が届いたからといって「とりあえず支払う」という対応は避け、事前に市区町村役場や専門家に相談することが重要です。

相続放棄後に固定資産税の請求が来ないようにするための事前手続き

固定資産税の請求を受けると、誰でも不安を感じたり、慌てたりするものです。

そのため、相続放棄をした場合には、できるだけ固定資産税の納税通知書が送付されないよう、事前に対応しておくことが重要です。

相続放棄が受理されると、相続放棄申述受理通知書や相続放棄申述受理証明書が交付されます。

これらの書類を用いて、あらかじめ市区町村役場に相続放棄をした事実を伝えておくことで、市区町村側が状況を把握し、固定資産税の課税や納税通知書の送付について見直されます。

これによって、納税通知書が誤って送付されるリスクを減らせるだけでなく、万一通知書が届いた場合でも、スムーズに対応してもらいやすくなります。

固定資産税の請求は来なくても不動産の管理責任は残る可能性があるので注意が必要

相続放棄をした場合、原則として被相続人の固定資産税について、相続に基づく支払い義務は承継しません。

もっとも、相続放棄をしても、固定資産税の請求とは別に注意すべき点があります。

相続放棄をした時点で、その不動産を現に占有※していた場合には、民法第940条に基づき、当該不動産について一定の管理(保存)義務を負うことになります。

※自分の意志で現実的に管理・支配していること。たとえばその建物に住んでいたり倉庫として使ったりして、普段から出入りしていれば「占有している」とみなされる。

もし、この管理義務が課される状況において、自己の財産と同一の注意をもって不動産を保存せず、その結果、不動産の老朽化が進んだり、周辺住民に被害や迷惑を及ぼしたりした場合には、状況によって損害賠償責任を問われる可能性があります。

(相続の放棄をした者による管理)
第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。
引用元:民法|e-Gov法令検索

このような管理義務を解消するためには、現に占有している状態を終了させ、不動産をほかの相続人や相続財産清算人に引き渡すことがひとつの対応方法となります。

ほかの相続人が不動産を相続する場合には、その相続人に引き渡せば足りますが、相続人全員が相続放棄をしている場合には、家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立てることが検討されます。

相続人のひとりが相続放棄を検討するような事案では、ほかの相続人も同様の判断をする可能性があります。

不動産の管理責任を巡るトラブルは、時間的・精神的な負担が大きくなりがちなため、早い段階で弁護士などの専門家に相談し、対応方針について助言を受けることが重要です。

相続放棄と固定資産税についてのよくある質問

相続放棄と固定資産税の取り扱いについては、自分だけで判断するのが難しいケースが少なくありません。

相続放棄と固定資産税に関してよく寄せられる疑問をQ&A形式で紹介します。

ご自身の状況と照らし合わせながら、参考にしてみてください。

全員が相続放棄をしたら固定資産税は誰が払いますか?

法定相続人全員が相続放棄をした場合、相続人個人が固定資産税の納税義務を負うことはありません

ただし、固定資産税そのものが消滅するわけではなく、不動産という相続財産に紐づく税債務は残ります。

相続人全員が相続放棄した場合には、家庭裁判所で相続財産清算人が選任され、その清算手続の中で、相続財産から固定資産税が支払われるのが一般的です。

なお、相続財産清算人が選任されるまでの間に、不動産を現に占有している相続人がいる場合には、固定資産税の支払い義務とは別に、民法第940条に基づく不動産の管理(保存)義務が残ることがあるため注意が必要です。

相続放棄をした家に住み続けたら固定資産税はどうなりますか?

相続放棄をした後に被相続人名義の家に住み続けたとしても、それだけで直ちに固定資産税の納税義務が発生したり、単純承認とみなされたりするわけではありません

しかし居住の態様や利用状況によっては、相続財産を自己のものとして利用・処分したと評価され、単純承認が成立したと判断されるおそれが生じるケースもあります。

その場合には、結果として相続人として扱われ、被相続人の債務や固定資産税の支払い義務を負う立場に置かれる可能性があります。

また、相続放棄をした時点でその家を現に占有している場合には、民法第940条に基づき、不動産について一定の管理(保存)義務を負うことになります。

この管理義務は、ほかの相続人や相続財産清算人に不動産を引き渡すまでの間、自己の財産と同一の注意をもって保存する義務です。

このように相続放棄後に被相続人名義の家に住み続ける場合には、管理責任や単純承認のリスクが問題になることがあります。

このようなリスクを避けるには自己判断で行動せず、早い段階で弁護士などの専門家に相談し、適切な対応を検討することが重要です。

固定資産税の納税通知書が届いても無視したらどうなりますか?

相続放棄をしたあとに固定資産税の納税通知書が届いた場合でも、これを放置するのは避けるべきです。

相続放棄をしていれば、相続に基づく固定資産税の支払い義務を承継しないのが原則です。

しかし、市区町村役場では、固定資産課税台帳に基づき、形式的に納税義務者として登録されている者に対して納税通知書を送付しています。

そのため、相続放棄の事実が反映されていない状態では、通常の納税義務者と同様に扱われてしまいます。

この状態で納税通知書を無視すると、督促状や催告状が送付され、さらに放置を続ければ延滞金が発生したり、滞納処分として預貯金や給与などの財産が差し押さえられたりするリスクも生じます。

そのため、「相続放棄をしたのだから無視しても問題ない」と考えるのではなく、速やかに市区町村役場へ連絡し、相続放棄申述受理通知書などを提示して、課税処分の見直しや納税義務の有無について確認・調整を求めることが重要です。

さいごに | 相続放棄と固定資産税について不安があるなら弁護士へ相談しよう

相続放棄をすれば、原則として被相続人の固定資産税の支払い義務を負うことはありません。

しかし、相続放棄の手続きと固定資産税の課税実務とのタイミングのずれなどにより、相続放棄をしたにもかかわらず納税通知書が届いてしまうケースは少なくありません。

このような場合に重要なのは、納税通知書を放置したり、自己判断で安易に支払ったりしないことです。

対応を誤ると、単純承認とみなされるおそれや、不要な金銭的・法的トラブルに発展する可能性があります。

また、固定資産税の問題とは別に、不動産の管理責任が残る場合がある点にも注意が必要です。

相続放棄と固定資産税の扱いは、個別の事情によって結論が大きく異なる分野です。

少しでも不安や疑問がある場合には、早い段階で弁護士などの専門家に相談し、適切な対応方針について助言を受けることが、不要なリスクを避けるための最善策です。

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