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器物破損罪で逮捕されることはある?不利な状況を回避するためにできることを解説

弁護士監修記事
刑事事件
2026年07月03日
器物破損罪で逮捕されることはある?不利な状況を回避するためにできることを解説
この記事を監修した弁護士
木村 洋平弁護士 (川崎さくら法律事務所)
性犯罪・ストーカー・窃盗・薬物事件に豊富な解決実績をもつ。迅速なサポートを心掛けており、即日の接見も可能。家族が逮捕されてしまった方の相談にも対応している。
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他人の物を壊してしまうと、「いつ警察が来るのだろうか」「逮捕されたら学校や仕事はどうなるのか」と、不安でいっぱいになるはずです。

器物を破損したからといって、必ず逮捕されるわけではありません。しかし、条件を満たすと逮捕されてしまうおそれはあります。

そのため、警察が動く前に正しく対処できるかが重要です。

本記事では、器物損壊罪で逮捕される確率や、実際に逮捕されるかどうかの判断基準、逮捕される可能性の高いケースを解説します。

また、逮捕されたあとの流れや、逮捕を回避するためのポイントについてもわかりやすくまとめました。

今後の見通しを立てて、落ち着いて対応するための参考にしてください。

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器物損壊罪で逮捕される確率|約38%

2024年の検察統計によると、器物損壊を含む事件(毀棄・隠匿)で検挙された人のうち、実際に逮捕された人の割合は約38%です。

つまり、検挙された人のうちおよそ10人に4人は逮捕されている計算になります。

主な内訳
検察庁逮捕 3件(0.0%)
警察から身柄送致 2534件(33.2%)
警察で身柄釈放 329件(4.3%)
逮捕されないもの 4768件(62.5%)
合計 7634件

【参考】検察統計調査 検察統計|e-Start 政府の統計窓口

逆に言えば、半分以上の人は逮捕されていないことになりますが、逮捕率38%は決して低い数字とはいえません。

そのため、「自分は大丈夫」と油断せず、慎重に対応することが大切です。

器物損壊罪で逮捕される条件|通常逮捕の場合

警察が逮捕状の発布後に被疑者を逮捕するのが通常逮捕です。犯行直後に捕まる現行犯逮捕とは違い、ある程度捜査が進んだ後におこなわれるのが特徴です。

通常逮捕が認められるには、以下2つの条件を満たす必要があります。

  1. 器物損壊をした疑いがあること
  2. 逃亡や証拠隠滅のおそれがあること

ここでは、それぞれ解説します。

1.器物損壊をした疑いがあること

1つ目の要件は、「器物損壊をした疑いがあること(嫌疑の相当性)」です。

単なる噂や思い込みだけでは、嫌疑の相当性は認められません。「犯罪をしたことが相当程度に確かといえるか」どうかが判断基準となります。

犯罪の嫌疑を立証するための判断材料として、主に以下の証拠が使用されます。

  • 防犯カメラの映像に、犯行の瞬間や、現場に出入りする姿が映っていた
  • 「〇〇さんが壊しているのを見た」という目撃者の証言がある
  • 現場に残された指紋、足跡、鑑定結果がある

警察は、このような証拠を揃えて嫌疑の相当性を立証し、裁判所に逮捕状を請求するのです。

2.逃亡や証拠隠滅のおそれがあること

2つ目の要件は、「逃亡や証拠隠滅のおそれがあること(逮捕の必要性)」です。

たとえ犯罪の嫌疑が高くても、逃亡や証拠隠滅のおそれがなければ、犯人を逮捕できません。

逆に言えば、以下の事情があれば「逃亡や証拠隠滅のおそれがある」と判断されやすくなります。

【逃亡のおそれがある】

  • 住所が定まっていない
  • 警察の呼び出しを無視して出頭しない

【証拠隠滅のおそれがある】

  • 犯行に使った道具や着ていた服を捨てる
  • 被害者を脅して口止めしようとする

そのほか、被害額が大きかったり、過去にも同じような犯罪をしていたりすると、逮捕されやすくなります。

警察は、被疑者が確実に取調べや裁判を受けられるために逮捕に至ります。

そのため、素直に捜査に応じる姿勢を見せている場合は、逮捕を避けられることもあります。

器物損壊罪で逮捕される可能性が高いケース4選

器物損壊罪といっても、事案の性質や被害の程度によって逮捕される確率は変わってきます。

とくに逮捕されるリスクが高いのは、以下の4つのようなケースです。

  1. 器物損壊の前歴がある場合
  2. 高価なものを損壊した場合
  3. 悪質性が高いと判断された場合
  4. 住居侵入なども疑われている場合

ここから、これらのケースで逮捕されやすくなる理由を見ていきましょう。

1.器物損壊の前歴がある場合

過去に同じような犯罪をしたことがある人は、逮捕される可能性が高まります。

前歴があると、「反省していない」「また繰り返すかもしれない」と判断されやすいためです。

とくに前回の犯行からあまり時間が経っていない場合は、逮捕される確率が上がります。

また、執行猶予中の犯行も同様です。

自由に行動できる状態では再び犯行に及ぶおそれがあるため、再犯防止の観点から、逮捕・勾留という措置が取られる傾向にあります。

2.高価なものを損壊した場合

高価なものを損壊したケースも、逮捕のリスクが上がります。

被害額の大きさは、被害者が受けた被害感情の大きさに直結するため、裁判所は重大な事件として厳しく処罰します。

高価なものの具体例は、以下のとおりです。

  • 自動車
  • 高価な美術品や骨董品
  • 工場の機械や設備

被害額が数万円程度であれば、示談で解決できることもあります。しかし、数十万円〜数百万円程度の被害になれば、示談での解決は難しいでしょう。

また、すぐに弁償できないような金額になると、「責任から逃れるために行方をくらますかもしれない」と疑われやすくなります。

その結果、逮捕の必要性が高いと判断されてしまうのです。

3.悪質性が高いと判断された場合

犯行の手口や理由が悪質と判断された場合も、逮捕されるケースが多いです。

たとえば、「何台もの車のボンネットを傷つける」「自転車のタイヤを次々とパンクさせる」といった連続的な犯行が該当します。

このようなケースでは、被害額が大きくなるだけでなく、地域全体を不安にさせたとして、悪質性が極めて高いとみなされます。

また、しつこい嫌がらせやストーカー行為の一環として物を損壊している場合も、被害者の身を守るために警察は逮捕を優先するでしょう。

4.住居侵入なども疑われている場合

物を壊すだけでなく、他の犯罪も一緒に犯している場合は逮捕の確率が上がります。

器物損壊と一緒におこなわれる犯罪として代表的なのが、他人の敷地に勝手に入る住居侵入罪です。

【具体例】

  • 他人の家の庭に入って、自転車を壊した(住居侵入+器物損壊)
  • 学校に夜中に忍び込んで、窓ガラスを割った(建造物侵入+器物損壊)
  • 物を壊したついでに、何かを盗んだ(窃盗+器物損壊)

複数の犯罪が重なると罪が重くなり、警察も慎重な捜査が必要になるので、逮捕に至りやすいでしょう。

【関連記事】住居侵入罪とは?3つの成立条件や刑罰・処分を軽くする方法を解説

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器物損壊罪の疑いで逮捕された場合の大まかな流れ

器物損壊罪で逮捕されてしまった場合の流れは、以下のとおりです。

  1. 警察による取調べを受ける
  2. 検察に送致されて取調べを受ける
  3. 検察が勾留するかどうかを判断する
  4. 検察が起訴するかどうかを判断する

それぞれの段階を詳しく解説します。

1.警察による取調べを受ける

逮捕されると、まずは警察署に連行され、警察から事件についての取調べを受けます。

取調べでは、犯行の動機や経緯などを詳しく聞かれ、供述をまとめた供述調書が作成されます。

一通りの捜査が終わると、警察は証拠や書類と一緒に、事件を検察官に引き継がなければなりません。

これを検察官送致と呼びます。

検察官送致は、逮捕から48時間以内におこなわれる必要があります。この期間は留置場に身柄を拘束されるため、家には帰れません。

2.検察に送致されて取調べを受ける

警察から事件が送致されると、今度は検察官による取調べを受けます。

検察官は、警察から届いた証拠や書類を確認し、本人から直接話を聞いて事実を確かめます。

3.検察が勾留するかどうかを判断する

検察は、警察から身柄を受け取ってから24時間以内(かつ逮捕から72時間以内)に、被疑者を勾留するか釈放するかを判断しなければなりません。

勾留とは、捜査のために引き続き身柄を拘束することです。

検察官が、被疑者に逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断すれば、検察官は裁判所に勾留許可を求めます。

裁判所が勾留を認めると、原則として10日間、留置場で生活しなければなりません。

さらに捜査が必要な場合は、勾留期間が最大10日間延長されることがあります。

つまり、逮捕から数えて最長23日間、社会から切り離された生活を送ることになるのです。

逮捕・勾留期間が長引くと、学校や職場に事件のことが知れ渡るので、退学や解雇といった不利益処分を受けるリスクが高まってしまいます。

4.検察が起訴するかどうかを判断する

捜査の最終段階で、検察官は被疑者を起訴するか決定します。

起訴されると、刑事裁判が開かれ、有罪・無罪の判決が下されます。

有罪判決を受けると前科が付き、就職活動で不利になったり、海外旅行のビザが降りにくくなったりと、将来の生活に制限がかかるかもしれません。

一方で、不起訴になれば裁判は開かれません。

不起訴となった時点ですぐに釈放され、前科もつかないまま元の生活に戻れます。

日本の裁判では、起訴された時点で有罪になる確率が非常に高いです。

そのため、不起訴を目指すための弁護活動がとくに重要となります。

器物損壊罪による逮捕などを回避するための3つのポイント

器物損壊罪による逮捕や重い処分を避けるためには、とにかく早い段階で動くことが大切です。

警察が本格的に動き出す前に対処できれば、最悪の事態は防げるかもしれません。

器物損壊罪での逮捕リスクを減らすためのポイントは、以下の3つです。

  1. 弁護士に依頼してサポートを受ける
  2. 被害者に十分謝罪し弁償などをする
  3. 事件が発覚する前なら自首をする

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.弁護士に依頼してサポートを受ける

刑事事件のトラブルは、法律の知識がない状態で解決するのは困難です。

自分や家族が器物損壊をしてしまったら、警察が来る前であってもすぐに弁護士に相談してください。

弁護士に相談することで、以下のメリットを得られます。

  • 逮捕を避ける活動
    • 捜査機関に対して「逃亡のおそれがない」と説明し、在宅事件にしてもらえるよう働きかけてくれる
  • 逮捕後の早期釈放
    • 逮捕後速やかに被疑者と面会して、不利な取調べを受けないようアドバイスしてくれる

刑事事件はスピード勝負です。

対応が遅れるほど、逮捕や前科を避ける可能性が低くなってしまうので、早めに弁護士の力を借りるのがよいでしょう。

2.被害者に十分謝罪し弁償などをする

器物損壊罪は親告罪す。

親告罪とは、検察官が起訴するにあたって、告訴権者の告訴が必要な犯罪を指します。

つまり、被害者と和解し、告訴を取り下げてもらえれば、逮捕や処罰を避けられる可能性が高くなります。

そして、告訴の取り下げのために有効なのが、示談です。

示談では、壊してしまった物の弁償金や慰謝料を支払うことで、被害者に許してもらえるよう交渉を進めます。

ただし、加害者が自分で直接謝りに行くのはおすすめできません。

「顔も見たくない」「お金の問題じゃない」と怒らせてしまい、かえって事態が悪化することがあります。

示談成立を目指すためには弁護士に間に入ってもらい、冷静に交渉を進めるのが安全です。

【関連記事】弁護士に示談交渉を任せたい!依頼の流れ・費用・注意点をわかりやすく解説

3.事件が発覚する前なら自首をする

まだ警察に犯人だと発覚していない場合は、自首するのも一つの方法です。

自分から警察署に行って罪を認めることで、法律上刑罰が軽減する可能性があります。

また、自首することで「逃げるつもりがない」「反省している」という姿勢を示せます。

逮捕の条件である「逃亡や証拠隠滅の恐れ」がないと判断されやすくなり、逮捕を防ぐ効果が期待できるでしょう。

自首するにあたっては、事前に弁護士に相談し、持参すべき証拠や供述の内容を整理しておくのが安心です。

また、弁護士に同行してもらえれば、警察から不当な取調べを受ける心配も減らせます。

【関連記事】自首に弁護士が同行するメリット5つ|弁護士費用や自首の流れを解説

さいごに|器物損壊罪が得意な弁護士は「ベンナビ刑事事件」で探せる

本記事では、器物損壊罪で逮捕される確率や逮捕される可能性が高いケースについて、わかりやすく解説しました。

器物損壊罪で逮捕されるかどうかは、被害の大きさやその後の対応によって変わります。

検挙後の逮捕率は約38%ですが、被害者との示談が成立したり、早めに自首したりすれば、逮捕や処分を避けられる可能性が高まります。

トラブルを大きくしないためにも、なるべく早く弁護士に相談してください。

弁護士に相談すれば、今後の見通しや取調べへの対応などに関する具体的なアドバイスをもらえます。被害者との話し合いも一任できるため、スムーズに示談が成立するはずです。

もし相談できる弁護士のあてがない場合は、「ベンナビ刑事事件」を活用してみてください。ベンナビ刑事事件を利用すれば、刑事事件が得意な弁護士を、お住まいの地域や条件から簡単に探せます。

無料相談を受け付けている事務所も見つかるため、まずは今の状況を話してみることから始めましょう。

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