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離婚における精神的苦痛の慰謝料相場は?請求できるケースや手順、必要な証拠を解説

弁護士監修記事
離婚トラブル 慰謝料
2026年07月14日
離婚における精神的苦痛の慰謝料相場は?請求できるケースや手順、必要な証拠を解説
この記事を監修した弁護士
入江 貴之弁護士 (入江・置田法律事務所)
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モラハラやDV、不貞行為などが原因で精神的な苦痛を受けたため、慰謝料を請求したいと考えていませんか。

精神的苦痛に対する慰謝料額は、法律で一律に決まっているものではありません。

また、「このケースなら必ずいくら」といえるような、客観的・固定的な相場があるわけでもありません。

実際の金額は、苦痛の原因、相手方の行為の内容や悪質性、婚姻期間、夫婦関係の状況、証拠の有無などによって大きく変わります

ただし、過去の裁判例や実務上の傾向から、事案ごとのおおよその目安を知ることはできます。

目安を把握しておけば、相手方との話し合いや調停・裁判において、請求額や解決額を検討する際の参考とすることができ、自信をもって金額交渉に臨めるでしょう。

本記事では、精神的苦痛に対する慰謝料の目安をケース別に整理します。

また、金額が増減する要因や必要な証拠、請求の手順までまとめました。納得できる慰謝料を受け取るための参考にしてください。

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目次

精神的苦痛の慰謝料相場はケースによって異なる

精神的苦痛に対する慰謝料の金額は一律ではなく、トラブルの内容や被害の程度、証拠の有無などによって大きく異なります。

主なケースと一般的な慰謝料の目安は以下のとおりです。

ケース 慰謝料請求が認められる主な理由 慰謝料の目安
離婚 不貞行為、DV、モラハラ、悪意の遺棄、セックスレスなど 50万円~300万円程度
交通事故 入通院、後遺障害、死亡事故による精神的苦痛 数十万円~数千万円程度
暴行・傷害 暴力行為によるけがや精神的苦痛 10万円~100万円程度
(ただし、障害が残れば数~数千万円)
労働問題 パワハラ、セクハラ、職場いじめなど 30万円~300万円程度
名誉毀損・プライバシー侵害 SNSやインターネット上での誹謗中傷、個人情報の公開など 数万円~100万円程度

なお、本記事では離婚における精神的苦痛の慰謝料相場を中心に、請求できるケースや金額が増減する要因について詳しく解説します。

離婚以外の精神的苦痛に対する慰謝料について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】
交通事故の慰謝料相場はいくら?入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料ごとに紹介
パワハラの慰謝料はどれくらい?うつ病になったときの相場や必要な手続きを解説
ネット上でプライバシーの侵害を受けた!精神的苦痛の慰謝料相場や損害賠償請求の方法

そもそも精神的苦痛に対する慰謝料は必ず認められる?

精神的苦痛に対する慰謝料は、全てのトラブルで認められるわけではありません。

慰謝料請求が認められるのは、相手の違法行為や権利侵害によって精神的苦痛を受けた場合のみです。

たとえば、離婚問題では不貞行為やDV、モラハラなどが慰謝料請求の対象となることがあります。

一方で、交通事故やパワハラ、誹謗中傷も精神的苦痛に対する慰謝料が認められる代表例です。

また、精神的苦痛に対する慰謝料を請求するには証拠も必要になります。

詳しくは「離婚時に精神的苦痛に対する慰謝料を請求するには証拠が必要」で解説しますので、あわせて参考にしてください。

精神的苦痛を受けた際の離婚慰謝料相場

ここからは、離婚を例に慰謝料の相場をみていきましょう。

離婚に伴う精神的苦痛の慰謝料相場は、一般的に50万円~300万円です。

ただし、離婚慰謝料の金額は、裁判例上も一律の基準で決まるものではなく、精神的苦痛の程度や婚姻期間、原因となった違法行為の内容や程度によって変わります。

以下、離婚原因ごとの相場を順番に解説します。

不貞行為(浮気・不倫)|100万円~300万円

不貞行為による離婚慰謝料の相場は、100万円~300万円程度です。

不貞行為とは、配偶者以外の人と肉体関係を結ぶことをいいます。

裁判で離婚が認められる事由のひとつです(民法770条1項1号)。

不貞行為は不法行為にもあたるため、精神的な苦痛を受けた配偶者は相手に慰謝料を請求できます。

不貞行為の具体例は、以下のとおりです。

  • 不倫相手と肉体関係を結んだ
  • 出会い系アプリで知り合った相手と肉体関係を持った

一方で、デートやキスだけでは、民法上の「不貞行為」とまでは認められにくいのが一般的です。

ただし、交際の態様や頻度、夫婦関係に与えた影響によっては、婚姻関係を破綻させた事情として考慮される可能性があります。 

悪意の遺棄|50万円~300万円

悪意の遺棄による離婚慰謝料の相場は、50万円~300万円程度です。

悪意の遺棄とは、正当な理由なく、夫婦の同居・協力・扶助の義務(民法752条)に反する行為で、法律で離婚が認められる原因のひとつです(民法770条1項2号)。

夫婦の義務を放棄したといえるため、配偶者に慰謝料を請求できます。

悪意の遺棄にあたる行為の例は、以下のとおりです。

  • 生活費を渡さない
  • 理由なく家を出て行く
  • 相手を家から追い出す

一方で、単身赴任や相手の暴力から逃げるためなど、正当な理由がある別居であれば悪意の遺棄にあたりません。

DV|50万円~300万円

DVによる離婚慰謝料の相場は、50万円~300万円程度です。

DVとは、配偶者から受ける暴力です。

ここでいう暴力には、身体的暴力だけでなく、精神的暴力や経済的暴力も含まれ、 DVによって心身に損害を受けた場合は、相手に慰謝料を請求できます。

DVにあたる具体的な行為の例は、以下のとおりです。

  • 身体的暴力:殴る、蹴る、物を投げつけてけがをさせる
  • 精神的暴力:人格を否定する暴言を言う、長期間無視する、行動を監視したり制限したりする
  • 経済的暴力:生活費を渡さない、収入や貯金を管理して自由に使わせない

なお、身体的暴力は、暴行罪(刑法208条)や傷害罪(刑法204条)にあたる可能性があります。

この場合、慰謝料の請求とあわせて、刑事責任を問える場合もあるでしょう。

モラハラ|50万円~300万円

モラハラによる離婚慰謝料の相場は、50万円~300万円程度です。

モラハラとは、暴言や無視によって相手の心を傷つける精神的な攻撃をいいます。

悪質なモラハラにより精神的に追い詰められた場合、配偶者に慰謝料を請求できます。

モラハラに該当する行為の例は、以下のとおりです。

  • 人格を否定する言葉を浴びせる
  • 長期間にわたって無視を続ける
  • 外出や友人との交流を制限する
  • お金を自由に使わせない

セックスレス|0円~100万円(ただし、認められる場合は限定的)

セックスレスによる離婚慰謝料の相場は、0円~100万円程度とされることがありますが、慰謝料が認められる場合はそう多くありません。

セックスレスとは、正当な理由なく長期間、性的な関係を拒み続けることをいいます。

正当な理由なく長期間にわたり性的関係を拒み続けた場合、事情によっては「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項4号)にあたる可能性があります。

ただし、離婚原因にあたる場合でも、慰謝料が当然に認められるわけではありません。

正当な理由なく長期間にわたり性的関係を拒否し続けた場合や、拒否の態様が相手方への嫌がらせ・人格否定と評価できる場合などには、慰謝料請求が認められる余地があります。   

セックスレスによって慰謝料を請求できる可能性がある例は、以下のとおりです。

  • 健康上の問題がないのに、長期間性行為の拒否が続く
  • 嫌がらせや当てつけとして関係を拒む
  • 改善の話し合いに応じない

ただし、一時的な拒否や、夫婦どちらの落ち度ともいえない事情だけでは、慰謝料請求は認められにくいでしょう。

また、実際には、セックスレスについては、性的関係を持つかどうかが個人の人格的自由や性的自己決定に関わる問題であるため、セックスレスを理由とする慰謝料請求は、実務上、認められるハードルが高いといえます。

ギャンブルや借金|50万円~300万円

ギャンブルや借金による離婚慰謝料の相場は、50万円~300万円程度です。

単にギャンブル癖や借金があるだけでは、精神的苦痛に対する慰謝料は認められません。

しかし、夫婦には、協力して生計を維持する義務があります。

そのため、身勝手な浪費によって相互の扶養義務に著しく違反し、離婚に至った場合は慰謝料を請求できる可能性があるのです。

たとえば、以下のようなケースに該当する場合は慰謝料を請求できる可能性があるでしょう。

【具体例】

  • 生活費を渡さず家計が破綻した
  • 借金の返済を家族に押しつけた
  • 浪費をやめるよう求めても続けた

ただし、自分の小遣いの範囲で楽しむ程度や、一度きりの少額の負けであれば、慰謝料請求は認められない点に注意が必要です。

精神的苦痛に対する慰謝料相場が増減する要因

ここまで原因ごとの相場をみてきましたが、精神的苦痛に対する慰謝料の金額は、離婚原因ごとに一律で決まっているわけではありません。

慰謝料は、受けた精神的な苦痛をお金で償うものです。

苦痛の大きさは状況で変わるため、請求できる金額にも差が出ます。

事情によって、慰謝料は相場より増えることも減ることもあるでしょう

ここでは、増額と減額、それぞれの要因を順にみていきます。

慰謝料の増額要因

慰謝料の増額につながりやすい主な事情は、以下のとおりです。 

  • 婚姻期間が長い
  • 未成年の子どもがいる、または子どもが多い
  • 不貞行為やDVの期間が長く、回数が多い
  • 相手が反省していない
  • うつ病や適応障害などを発症した
  • 相手の収入や資産が多い

たとえば、10年以上の婚姻期間がある夫婦で、長期間にわたりDVやモラハラを受けた結果、うつ病や適応障害を発症したようなケースでは、精神的苦痛が大きいと評価され、慰謝料が増額される可能性があります。 

慰謝料の減額要因

一方で、精神的苦痛が認められる場合でも、事情によっては慰謝料が相場より低くなることがあります。

慰謝料の減額につながりやすい主な事情は、以下のとおりです。

  • 不貞行為の前から夫婦関係が冷えきっていた
  • 婚姻期間が短い
  • 被害者側にも原因があった
  • 相手が心から反省し、謝罪している
  • 相手の収入や資産が少ない

離婚原因にあたる事情がある場合でも、必ず慰謝料が認められるとは限りません。

たとえば、不貞行為はあったものの、その時点ですでに長期間別居しており、夫婦関係が実質的に破綻していたと認められる場合には、慰謝料が減額されたり、状況によっては請求が認められなかったりすることがあります。

このように、慰謝料額は個別事情によって大きく変わるため、一般的な相場だけで判断せず、自身の状況を踏まえて検討することが重要です。

また、相手方の収入や資産は、裁判上の慰謝料額を決める中心的な要素ではありませんが、相手方の支払能力の観点から、金額交渉や分割払いの条件を検討する際に考慮されることがあります。

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離婚時に精神的苦痛に対する慰謝料を請求するには証拠が必要

離婚慰謝料を請求するためには、「精神的苦痛を受けたこと」と「その原因となる行為があったこと」を客観的に証明する必要があります。

たとえ実際に不貞行為やDV、モラハラなどの被害を受けていたとしても、それを裏付ける証拠がなければ慰謝料請求が認められない可能性があるので注意しましょう。

必要となる証拠は離婚原因によって異なります。

主な証拠の例は以下のとおりです。

離婚原因 役立つ主な証拠
不貞行為 ラブホテルに出入りする写真・動画、宿泊を示す領収書、探偵の調査報告書、不貞を認める録音・メッセージなど
DV 診断書、日記やメモ、録音・LINE履歴、第三者の証言
モラハラ 診断書、日記やメモ、録音・LINE履歴、第三者の証言
悪意の遺棄 日記やメモ、住民票・預金通帳、第三者の証言
セックスレス 日記やメモ、録音・LINE履歴
ギャンブルや借金 預金通帳

証拠は1種類だけでなく、複数そろえるほど証明力が高まります。

まずは自分のケースに近いものから集めてください。

ここでは、主な証拠を順に解説します。

不貞行為の証拠

不貞行為によって精神的苦痛を受けた場合は、肉体関係があったと客観的にわかる証拠を意識して集める必要があります。

たとえば、以下のような証拠は不貞行為があったことを証明する有力な証拠となるでしょう。

  • ラブホテルや相手の家に出入りする写真・動画
  • 宿泊や旅行した事実がわかる領収書、クレジットカードの明細
  • 探偵による調査報告書
  • 不貞行為を認めるメッセージや録音

録音やメッセージだけでなく、写真や動画など状況がはっきり残るものを組み合わせると、証明力が高まります。

ただし、相手が警戒すると、不貞行為の証拠を隠滅してしまうかもしれません。

あやしいと感じたら、早めに記録を残しておきましょう。

場合によっては、弁護士や探偵・興信所に依頼して証拠を集めてもらうのも一つの方法です。

【関連記事】不貞行為の証拠とは?慰謝料請求に必要な証拠の集め方や注意点

医師の診断書や通院履歴

医師の診断書や通院記録は、精神的苦痛によって心身に不調が生じたことを客観的に示す重要な証拠です。

とくにDVやモラハラなどが原因で、うつ病や適応障害、不眠症などを発症した場合には、慰謝料請求において有力な資料となる可能性があります。

受診の際は、配偶者から受けた言動や被害状況を具体的に医師へ伝えることが大切です。

診療内容はカルテにも記録されるため、あとから被害状況を裏付ける資料として活用できる場合があります。

また、継続的に通院していた記録は、精神的苦痛が一時的なものではなく、長期間にわたっていたことを示す材料にもなります。

心身に不調を感じている場合は、無理をせず早めに医療機関へ相談しましょう。

日記やメモ

日記やメモは、被害がいつからどのように続いていたのかを記録する証拠として活用できます。

DVやモラハラ、悪意の遺棄などは家庭内でおこなわれることが多く、第三者が直接確認できないケースも少なくありません。

そのため、日々の出来事を継続的に記録しておくことが重要です。

なお、記録する際は、以下の内容をできるだけ具体的に残しましょう

  • 日時
  • 場所
  • 相手の言動
  • そのときの状況
  • 自分が受けた影響

たとえば、「○月○日、夫から『お前は何もできない』と言われた」など、具体的な内容を記録しておくと被害状況を説明しやすくなります。

ボイスレコーダーの録音やLINE履歴

録音データやLINE、メールの履歴は、相手の発言や行動を直接証明できる有力な証拠です。

モラハラの暴言やDVの脅迫だけでなく、不貞行為やセックスレスに関するやり取りなども証拠として利用できる場合があります。

たとえば、以下のようなデータは証拠として活用できる可能性があります。

  • 暴言や脅しを録音した音声データ
  • 不倫相手との親密なやり取り
  • 性交渉を一方的に拒否しているメッセージ
  • 日時が確認できる通話履歴やスクリーンショット

相手の発言や態度がそのまま残るため、被害の内容を具体的に示しやすい点が大きなメリットです。

データが消えないよう、バックアップやスクリーンショットの保存もおこなっておきましょう

住民票や預金通帳

住民票や預金通帳は、別居や生活費の不払いなど、離婚原因となる事実を証明する際に役立ちます。 

たとえば、悪意の遺棄が問題となるケースでは、以下のような資料が証拠になる可能性があるでしょう。

  • 住民票の異動履歴による別居の証明
  • 生活費の振り込みが途絶えている通帳記録
  • ギャンブルや浪費を疑わせる多額の出金履歴

これらの資料は精神的苦痛そのものを示す証拠ではありませんが、慰謝料請求の前提となる事実関係を裏付ける重要な資料です。

なお、配偶者名義の口座情報などは取得が難しい場合もあるため、必要に応じて弁護士へ相談することをおすすめします。

第三者の証言

家族や友人、職場の同僚、医師などの第三者による証言も、慰謝料請求において有力な補強証拠となります。

第三者の証言だけで慰謝料請求が認められるケースは多くありませんが、ほかの証拠と組み合わせることで主張の信頼性を高めることができます。

証言を依頼できる相手の例としては、以下が挙げられます。

  • 被害を相談していた家族や友人
  • 様子を知る職場の同僚
  • 診察した医師やカウンセラー
  • 不倫を見聞きした知人(不貞行為の場合)
  • 通報や相談を受けた警察・配偶者暴力相談支援センター

第三者の証言は、客観的な視点から被害状況を説明できるため、他の証拠では補いきれない部分を補強する役割を果たします

誰に相談したのか、いつどのような内容を伝えたのかについても、記録を残しておくとよいでしょう。

精神的苦痛に対する慰謝料の請求手順

ここでは、離婚に伴って精神的苦痛に対する慰謝料を請求するための4つの手順を解説します。

1.証拠を集める

まずは、精神的苦痛を受けたことを証明する証拠を集めましょう

しっかりした証拠があれば、相手は言い逃れできないはずです。

客観的な証拠があれば、相手方が事実関係を争った場合でも、自分の主張を裏付けやすくなります。

話し合いでも調停でも、客観的な証拠があるほど、交渉を有利に進められるでしょう。

有効な証拠は、主張する離婚原因によって変わります。

自分のケースに合った証拠をそろえてください。

2.相手と話し合う

証拠がそろったら、相手と慰謝料について話し合いましょう

話し合いでは、離婚慰謝料の相場や増減要因を根拠に、希望額と理由を冷静に伝えてください。

あわせて、どれほどつらい思いをしたか、離婚後の生活にどんな不安があるかも、具体的に話すと効果的です。

合意できたら、内容を離婚協議書にまとめましょう。

口約束だけだと、あとで「言った・言わない」の争いに発展する可能性があります。

分割払いで受け取る場合は、離婚協議書を公正証書にしておくと安心です。

強制執行を認める一文を入れておけば、支払いが滞ったときに裁判なしで、相手方の給与や預貯金などの財産の差し押さえができます。

3.離婚調停を申し立てる

話し合いでまとまらないときは、家庭裁判所に離婚調停を申し立てましょう

離婚調停では、中立な立場の調停委員を介して配偶者と話し合います。

顔を合わせずにやり取りできるため、相手と直接向き合う負担が減るはずです。

調停委員は、助言や説得を交えて話し合いを仲介してくれます。

そのため、夫婦だけで進めるよりも合意できる可能性が高いです。

合意がまとまると調停離婚が成立し、内容は調停調書に記載されます。

調停調書は判決と同じ効力をもつため、支払いが滞れば調停調書を根拠に相手方の給与や預貯金などの財産の差し押さえが可能です。

4.離婚裁判を起こす

調停でも解決しないときは、離婚裁判に進んでください

裁判では、当事者の双方が主張と証拠を出し合います。

裁判の途中で、裁判官から和解を勧められるケースもあります。

この場合、判決まで進んだ場合の見通しをもとに、裁判官が和解案を示します。

双方が金額や条件に納得すれば、裁判上の和解が成立するのです。

和解がまとまらなければ、裁判官が判決で慰謝料額を決めます。

判決や和解で金額が決まると、判決書または和解調書が発行されます。

精神的苦痛に対する慰謝料請求について弁護士に依頼するメリット

精神的苦痛に対する慰謝料を請求する場合、自分自身で交渉や手続きを進めることも可能です。

しかし、慰謝料請求では証拠の収集や法的な主張の整理、相手方との交渉などが必要になるため、大きな負担を感じる方も少なくありません

特に離婚問題では、相手と直接やり取りをしなければならないケースも多く、精神的なストレスがさらに大きくなることがあります。

そのため、「何から始めればよいかわからない」「相手との話し合いがつらい」「適正な慰謝料額を知りたい」といった場合には、弁護士へ相談・依頼することも選択肢の一つです。

ここでは、精神的苦痛に対する慰謝料請求を弁護士に依頼する主なメリットを3つ紹介します。

過去の裁判例に基づき慰謝料の増額が期待できる

弁護士に依頼すると、慰謝料の増額が期待できます

すなわち、弁護士に依頼すると、事案に応じた適正な慰謝料額を検討しやすくなります。

慰謝料額は、相手方の行為の内容や悪質性、婚姻期間、夫婦関係の経緯、証拠の有無などによって変わります。

弁護士に相談すれば、これらの事情を整理し、裁判例や実務上の傾向を踏まえて、請求額や交渉方針を検討できます。

その結果、相場より低い金額で安易に合意してしまうリスクを避けやすくなるでしょう。

一方、離婚問題を得意とする弁護士なら、似た裁判例をもとに適正額を割り出せます。

裁判例という裏づけがあると、相手も反論しにくくなるでしょう。

裁判例に基づく主張は、納得できる金額での解決につながります。

相手方との直接交渉を避け精神的負担を軽減できる

弁護士に依頼すると、連絡の窓口が一本化されるため、相手と直接やり取りせずに済みます

不貞行為やモラハラ・DVをした相手と話すこと自体に、不安を感じる人は多いはずです。

弁護士に任せれば、相手からの電話やメールにも、弁護士が代わりに対応してくれます

直接のやり取りから解放されると、心の余裕を取り戻せるかもしれません。

複雑な法的手続きや書面作成を正確に任せられる

調停や裁判の手続き、書面の作成も、弁護士に正確に任せられます。

裁判所の手続きは複雑で、慣れない人がひとりで進めると思わぬミスにつながりかねません。

たとえば書類に不備があると、時間と手間が余計にかかってしまいます。

弁護士に依頼すれば、申立書の作成や証拠の整理を代行してもらえます

手続きのミスで不利になるのを防げるため、安心して手続きを進められるでしょう。

弁護士費用の相場と費用倒れを防ぐ方法

弁護士に依頼するメリットがわかっても、費用が気になる方は多いでしょう。

弁護士費用の主な内訳と相場は、以下のとおりです。

費用 相場の目安
相談料 30分5,000円~1万円程度
着手金(協議・調停) 20万円~50万円程度
着手金(訴訟) 30万円~60万円程度
報酬金 受け取った慰謝料の10%~20%程度


費用は、慰謝料請求だけを依頼するか、離婚手続きまで依頼するかで変わります。

料金体系は事務所によって大きく異なるので、複数の事務所から見積もりを取って比較するのもおすすめです。

なお、弁護士に依頼する際は「費用倒れ」に注意が必要です。

費用倒れとは、受け取る慰謝料より費用が高くなる状態を指します。

費用倒れを避けるには、無料相談の時点で総額を確認しておきましょう。

【関連記事】離婚にかかる弁護士費用の相場は20~200万円!費用の内訳・安く抑える方法を解説

精神的苦痛による慰謝料相場に関するよくある質問

さいごに、精神的苦痛による慰謝料相場に関するよくある質問に回答します。

子どもが受けた精神的苦痛で慰謝料を請求できる?

学校でのいじめや虐待などで子どもが受けた精神的苦痛も、加害者に慰謝料を請求できます。

子どもが未成年のときは、親が代理人として手続きを進めます。

ただし、加害者に責任能力が認められない年齢だと、本人は賠償責任を負いません

責任能力とは、自分のしたことが悪く、責任を問われると理解できる力です。

責任能力の有無は、年齢だけで一律に決まるものではなく、子どもの年齢、発達状況、行為の内容などを踏まえて判断されますが、おおむね11?12歳ごろ(小学5~6年生)に備わるとされています。

責任能力がない場合は、加害者の親など監督する立場の人に慰謝料を請求できます。

相手にお金がなく慰謝料を払えないときはどうする?

相手に資力がない場合、主に以下の3つの対処法があります。

  1. 相手の親や親族への立て替えをお願いする
    ただし、慰謝料を支払う義務を負うのは本人だけです。
    親や親族に応じる義務はありません。
  2. 請求額を減額する
    減額すれば、慰謝料を一括で支払ってもらえるかもしれません。
  3. 分割払いを認める
    一括で支払う資力がない場合は、分割払いを検討してください。

途中で支払いが滞るリスクに備え、公正証書を作っておきましょう

強制執行を認める一文(強制執行認諾文言)を入れておけば、滞納時に裁判なしで差し押さえができます。

まとめ|精神的苦痛の慰謝料請求は弁護士に相談を

離婚時の慰謝料相場は50万円~300万円が目安ですが、離婚原因や個別の事情によって金額は変わります。

適正な金額を受け取るには、証拠を漏れなく集め、増額につながる事情を的確に主張するのが重要です。

とはいえ、証拠の整理や主張をひとりで進めるのは簡単ではありません。

迷ったときは、弁護士への相談がおすすめです。

弁護士に相談すれば、ケースに合った証拠の集め方がわかります。

また、集めた証拠を整理し、増額につながる事情を的確に主張してくれます。

相手との交渉や手続きも任せられるため、精神的な負担も軽くなるでしょう。

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