「今後一切関わらない」とする誓約書の書き方|例文・テンプレート付きで解説
- 「今後一切関わらないと不倫相手に約束させたい」
- 「法的に有効な誓約書を自分で作成したい」
配偶者の不倫が発覚したあと、このように考える方は少なくないでしょう。
今後一切関わらないための条項を盛り込んだ誓約書は、正しい書き方さえ押さえれば自分でも作成可能です。
ただし、内容によっては条項の全部または一部が無効と判断されたり、相手が納得せず署名を拒否したりするおそれがあります。
そこで本記事では、今後一切関わらないことを約束させる誓約書の書き方を、例文やテンプレート付きで解説します。
最後まで読めば、有効な誓約書を自分で作成できるようになるはずです。
【不倫の誓約書】今後一切関わらない条項の書き方・例文
誓約書に今後一切関わらない条項(接触禁止の条項)を記載する際は、禁止する手段や行為を一つひとつ記載するのが基本です。
「一切関わらないこと」とだけ書くと禁止する範囲が広すぎて相手が守れず、かえって争いのもとになります。
また、たまたますれ違って挨拶しただけでも違反になるのか、第三者を挟めば連絡できるのかといった疑問が生まれ、結局何を禁止とするかがわかりにくくなります。
そのため、以下のように「何を禁止するか」や「どこまでなら許容できるか」を明確にすることが重要です。
| 甲(相手方氏名)は乙(配偶者氏名)に対し、本誓約書の締結日以降、次の各号に定める行為を一切おこなわないことを誓約します。 第1条(接触禁止) 一、面会・待ち伏せ・呼び出しなど意図的な接触 二、電話・メール・LINE・SNS・手紙その他いかなる手段による連絡 三、乙の家族・職場・知人を通じた情報収集・伝言の依頼 |
例外をつける場合の接触禁止条項の書き方
職場の同僚や取引先の担当者であるなど、どうしても接触が避けられないケースもあるでしょう。
その場合は条項に例外を設け、相手が現実的に守れる範囲で設定することをおすすめします。
接触を全て禁止してしまうと相手が守れず、トラブルにつながるおそれがあります。
例文は以下のとおりです。
| ただし、業務上やむを得ない連絡(会議への参加・業務指示など)については、この限りではない。なお、プライベートな連絡・個人的な接触は、いかなる理由があっても禁止する。 |
ポイントは、許容する範囲と禁止する範囲の両方を記載することです。
曖昧な書き方では、あとから「業務上の連絡だった」と言い訳される原因になります。
今後一切関わらない条項を含む誓約書全体の書き方|テンプレ付き
今後一切関わらない条項を含む誓約書の全体像は以下のとおりです。
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誓約書 ← ①表題 △△殿 ← ②宛名 私(以下「甲」)は、貴殿の配偶者である〇〇(以下「乙」)と令和◯年◯月から令和◯年◯月までの間不貞行為に及んでいたことを認め、深くお詫び申し上げます。← ③前文 甲は乙に対し、本誓約書の締結日以降、次の各号に定める行為を一切行わないことを誓約します。 ↓以下④本文 第1条(接触禁止) 第2条(違約金) 本誓約書を2通作成し、署名押印の上、1通を△△に交付する。←⑤後文 令和◯年◯月◯日 (甲)住所:○○○○○○○○○○○○○ |
ただし、上記はあくまでも参考例です。
誓約書に記載すべき内容は個別の状況によって異なります。
ここからは、項目別の書き方を順番に見ていきましょう。
1. 表題(タイトル)
誓約書の上部には、どのような書面かが一目でわかるタイトルを記載します。
誓約書のほかに念書や示談書といった書面もありますが、名称だけで法的効力が決まるわけではありません。
実際にどのような内容が記載され、当事者がどのような意思で作成・合意したかが重要です。
2. 宛名
宛名には、相手が誰に対して約束するのかを明記します。
被害者自身の氏名を「△△殿」「△△様」と記載しましょう。
記載する位置は、文書の冒頭でも末尾でもかまいません。
誰に対する誓約なのかを明確にし、後日のトラブルを防ぐためにも、宛名はフルネームで記載しておきましょう。
3. 前文
前文に記載するのは、不倫の事実関係と謝罪の意思です。
具体的には、いつからいつまで誰と不貞行為をおこなったかを、署名する本人(不倫相手)が認める体裁で書きます。
事実を本人に認めさせる形で書くことで、あとから不貞行為を否定されるのを防げます。
曖昧な表現は避け、具体的に記載しましょう。
4. 本文
本文には、接触禁止や守れなかった場合の違約金、慰謝料などについて記載します。
接触禁止事項の書き方は前章で解説したとおりです。
慰謝料の支払いについても記載する場合は、以下のように金額や振込先、支払い期日も明記しておきましょう。
| 第◯条(慰謝料) 一、甲は、本件不貞行為の慰謝料として金〇〇万円を△△に支払う義務があることを認めます。 二、支払いは令和◯年◯月◯日までに、△△名義の下記口座へ振り込む方法によりおこないます。 【振込先】 金融機関:〇〇銀行〇〇支店 口座種別:普通預金 口座番号:〇〇〇〇〇〇 |
5. 後文
後文には、誓約書の作成枚数や保管について記載します。
誓約書は同じものを2通作成し、被害者と不倫相手が1通ずつ保管するのが一般的です。
お互いが原本を保管することで、あとから内容を書き換えられたと主張されるリスクを防げます。
6. 日付・署名・押印
最後に作成日を記載し、署名・押印をしたら完成です。
作成日は、不倫相手が署名・押印する際に本人に記載してもらいましょう。
あとから「自分が作成した書面ではない」と争われるリスクを抑えるため、署名は不倫相手本人に直筆で記載してもらうのが望ましいです。
なお、押印は原則として必須ではありません。
本人の署名だけでも有効ですが、本人による押印も得ておくことで、書面が本人の意思に基づいて作成されたことを裏付けやすくなります。
押印はシャチハタを避け、認印または実印を使用してください。
より確実にしたい場合は、実印での押印に加えて印鑑証明書を取得してもらうのがおすすめです。
【ケース別】誓約書に書けること・書けないこと
誓約書には何でも書けるわけではありません。
不倫相手に退職や引越しを求めたくなるのも当然ですが、個人の自由を過度に制限する条項は、公序良俗に反するとして無効になるリスクがあります。
そのため、書けることと書けないことを知ったうえで誓約書を作成することが大切です。
ここでは、誓約書に書ける内容かどうかをケース別に解説します。
1. 連絡先の削除を求める
連絡先の削除を誓約書に盛り込むことは可能です。
相手の電話番号やLINE、そのほかの連絡手段を直ちに削除・ブロックする条項は、接触禁止の手段としてよく活用されています。
ただし、削除後にこっそり復元されるリスクもゼロではありません。
また、削除するといいながら削除しないことも考えられます。
そのため、誓約書には違約金の条項も記載し、署名する際にその場で連絡先を削除させるのがおすすめです。
2. SNSのアカウントを削除させる
不倫を理由として、相手のSNSアカウント自体の削除を一方的に強制できるとは限りません。
ただし、本人が任意に削除することに合意する場合は、その内容を誓約書に盛り込むことも考えられます。
過度な制約とならないよう、必要性や範囲には注意が必要です。
3. マッチングアプリを退会させる
不倫のきっかけとなったマッチングアプリについて、本人の合意を得たうえで、退会する旨を誓約書に盛り込むことは可能です。
特に誓約書を配偶者に書かせる場合、再発防止対策として盛り込むと有効です。
「本誓約書締結をもって、直ちに〇〇アプリから退会する」などと記載するとよいでしょう。
ただし、退会後にこっそり再登録されるリスクは残ります。
そのため、再登録が発覚した場合に備えてペナルティを設け、抑止力をより高めることをおすすめします。
4. 転職・異動・引っ越しなどを求める
転職や異動、引っ越しなどを一方的に求めることはできません。
転職や異動は会社と不倫相手の間の契約に基づいており、不倫の被害者といえど強制できるものではないためです。
また、どこに居住するかは個人の自由であるため、引っ越しを求める権利もありません。
「転職や引っ越しをしないと職場にばらす」と脅したり強制したりすると、誓約書が無効になるだけでなく罪に問われるおそれがある点に注意しましょう。
なお、相手が任意で応じる場合、その合意内容を記載すること自体は可能です。
ただし、退職や転居など生活・職業への影響が大きい義務は、合意していても内容によっては効力が問題となる可能性があるため、慎重な検討が必要です。
今後一切関わらない条項を含む誓約書を作成する際の3つのポイント
今後一切関わらない条項を含む誓約書を作成する際は、以下3つのポイントに注意しましょう。
- 事前に相手と十分話し合いをする
- テンプレをもとに条項を修正する
- 男女問題が得意な弁護士に相談する
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
1. 事前に相手と十分話し合いをする
相手が内容を十分に理解しないまま、無理やり誓約書に署名させるのはやめましょう。
「脅されて書いた」「内容を誤解していた」といったことを理由に、誓約書の無効を主張されるおそれがあります。
署名を求める前は、接触禁止の範囲や違約金の金額、慰謝料の有無など内容についてよく話し合うことが重要です。
なお、トラブルを避けるため、話し合う際は自宅や車などの密室ではなく、カフェやファミレスといった第三者の目がある場所で会うのがおすすめです。
また、話し合いの内容を録音しておけば、相手が内容を理解し、合意のうえで署名したことを示す証拠の一つになる場合があります。
2. テンプレをもとに条項を修正する
テンプレートは一般的なケースを想定して作られているため、そのまま使用せず自分たちの状況に合わせて修正する必要があります。
不要な条項は削除し、必要な内容があれば追加しましょう。
たとえば、慰謝料を請求しないことで合意しているにもかかわらず慰謝料の条項を残してしまうと、書面の中で矛盾が生じます。
職場が同じで例外規定が必要な場合も、テンプレートのままでは対応しきれない可能性があります。
修正のポイントは、解釈が分かれないようわかりやすく書くことです。
曖昧な表現は避け、禁止したいことを明確に書きましょう。
3. 男女問題が得意な弁護士に相談する
自分で誓約書を作成するのが難しいときや相手が署名を拒否している場合は、男女問題が得意な弁護士に相談しましょう。
自分で誓約書を作成すると、意図せず公序良俗に反する条項を記載してしまう可能性があるためです。
その点、弁護士に依頼すると、作成を一任することはもちろん、自分で作成したものをチェックしてもらえるので、誓約書が無効になるリスクを減らせます。
また、弁護士が関与することで相手が署名に応じやすくなるメリットもあります。
多くの事務所が初回無料相談を実施しているため、気軽に相談してみてください。
今後一切関わらない条項を含む誓約書に関するよくある質問
最後に、今後一切関わらない条項を含む誓約書に関するよくある質問に回答します。
Q. 今後一切関わらない誓約書は誰が作るのか?
今後一切関わらない誓約書は、被害者側が作成して相手に提示し、署名させるのが一般的です。
相手に白紙から書かせてしまうと、都合の良い抜け道だらけの内容になるリスクがあるためです。
たとえば接触禁止の範囲が限定的だったり違約金が記載されなかったりと、実効性のない内容になる可能性があります。
Q. 配偶者と不倫相手で書く内容は変わるのか?
相手が配偶者か不倫相手かによって、誓約書の目的と記載内容が異なります。
不倫相手に書かせる場合は、配偶者との接触禁止を主な内容とするのが一般的です。
一方、配偶者に書かせる場合は、不倫の事実確認と再発防止が主な目的です。
不倫相手との接触禁止に加え、夫婦関係の再構築に努める旨の条項を盛り込む傾向にあります。
Q. 誓約書のサインを拒まれたらどうしたらよいか?
サインを拒否されても、無理に署名させようとするのは絶対に避けてください。
たとえば、手を握って無理やり書かせたり脅して署名させたりした場合、あとから強要や強迫を理由に無効を主張されるおそれがあります。
サインを拒否されたときは、弁護士への相談・依頼がおすすめです。
専門家の力を借りることで交渉がスムーズに進みやすくなります。
Q. 誓約書に違反されたときはどうしたらよいのか?
違反が発覚したら、まずはLINEの履歴やSNSのやり取り、探偵の調査報告書など、違反の事実を示す証拠を集めることが重要です。
違約金の条項があるなら、その金額を相手に請求します。
相手が応じない場合は弁護士に相談しましょう。
さいごに|今後一切関わらない条項を含む誓約書を書く際はテンプレートを活用しよう
今後一切関わらないことを約束させる誓約書は、正しい書き方さえ押さえれば自分で作成できます。
テンプレートを活用しながら、接触禁止の範囲や違約金、署名欄などの必須項目を盛り込み、状況に合わせてカスタマイズしましょう。
ただし、自分が作成した内容では不安な場合や相手が署名に応じないときなどは、無理にひとりで進める必要はありません。
男女問題を得意とする弁護士に相談・依頼し、書面の内容チェックや相手との交渉対応までサポートしてもらいましょう。
初回無料相談を実施している事務所も多いため、まずは気軽に相談してみてください。
